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TMI夏学期講義⾦曜2限 知識社会マネジメント 佐々⽊⼀ Hajime Sasaki Ph.D. 特任准教授 東京⼤学 未来ビジョン研究センター Innovation management in the knowledge society 6⽉17⽇ 第10回 マルチステークホルダープロセスによる オープンな知識創出活動

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前回のおさらい •制度の狭間にあるロングテールな課題 •⾃治体の既存ビジネスでのサービス「⾃動販売機モデル」で 対応するには限界がある。 •⾃販機モデルから市⺠政府へ •テクノロジーで政府と地域社会をより良くする活動 •シビックテック(cf: govtech) •Code for America •”21世紀における市⺠による市⺠のための政府”の実践。 •Code for Japan •“「ともに考え、ともにつくる」をコンセプトに、技術活⽤をしなが ら課題解決を⾏なっていくコミュニティ”

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Presenta(on.

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みなさんの提出課題内容を実際に推し進めようとした時 誰が利害関係者になりますか︖ 対⽴する意⾒はありませんか︖ 誰とどのように話をすすめれば良いでしょうか︖ (アプリを作って終わりではないはず) また、 •⽋如モデル •認識のズレ •隔たりの存在 のいずれかの観点で議論の余地はありませんでしたか︖(後述)

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厄介な問題に対する「協働」が⽣む厄介な問題 例えば ・知識のギャップが意思決定を悪化させる可能性。 ・当事者が問題の状況を認識する際に、認知的限界に直⾯する。 →⽋如モデル(後述) ・利害や価値観が異なる各ステークホルダーは、対象となる問題を⾃⾝の利害関⼼に寄せ て構造化(framing)し、問題の定義や解決に向けたアプローチをめぐって、他の当事者と 価値観の対⽴や紛争を⽣み出してしまう場合がある。 →認識のズレ、隔たりの存在。 (後述) 厄介な問題への対処は個々の活動では限界だか ら協働が必要。 ⼀⽅、協働の仕組みや機能させること⾃体が 「厄介な問題」になることがある。 (Jento' and Chuenpagdee 2009) ⽯⽥聖 (2020) マルチステークホルダープロセスにおける ⼤学の役割に関する諸考察

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マルチステークホルダーによる意思決定 Mul(-stakeholder Process (MSP)の定義 「 (1)平等代表性を有する3主体以上のステークホルダー間における (2)意思決定、合意形成、もしくはそれに準ずる意思疎通のプロセス。」 Hemma6, Minu ed. (2002) ‘Mul6-stakeholder Processes for Governance and Sustainability’, Earthscan, London. (1)平等代表性 あらゆるコミュニケーションにおいて、 ・平等に参加し⾃らの意⾒を平等に表明で きる ・相互に平等に説明責任を負う。 (2)意思決定、合意形成、もしくはそれに準ずる 意思疎通 例)政策決定から共通認識の形成 実践的な取り組み実施に向けての合意ステーク ホルダー間のパート ナーシップ ネットワーク形成 企業、政府、市⺠社会、研究者 など関係するアクターが影響を受けている問題に対して、共通のア プローチを⾒出 すために協⼒するガバナンスの形態

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知識創造機関としての⼤学の役割 マルチステークホルダープロセスが適する条件 •a) 対話が不可能となるまでの対⽴がステークホルダー間に発⽣していな いこと。 •b) 取り扱われるテーマがある程度具体性を帯びているものであること。 •c) 最終⽬的が参加主体間で共有され、かつ、対話を経ることにより⽬的 が達成される合理的な可能性(reasonable probability)があること。 内閣府国⺠⽣活局企画課 , マルチステークホルダー・プロセスの定義と類型 ・研究者たちが既存の実践の検証や振り返りに基づいて「新しい知識」を 作り出すこと。 ・「実践のコミュニティ」を通じて、研究者が⼤学において、それぞれの MSPを超えた「橋渡し役」を担うこと。←New (Dentoni and Bitzer(2015) 研究活動はマルチステークホルダープロセスに適しているのでは(仮説)

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MSPの例としての参加型サイエンスのあり⽅ •オープンサイエンス︓ オープンで多様な可能性をもって⾏うことができるようになった研究活動 の諸側⾯の総称。 • 研究に関するあらゆるデータが共有可能となり複数研究者の共同研究が容易に。 • 企業や⼀般市⺠とのコラボレーションも多くなり学際領域も拡⼤(シチズンサイエン ス)。研究全般が開かれたものに。 • 科学は「経験科学」から「理論科学」、そして「計算科学(シミュレーション)」を 経て、現在は〈第四のパラダイム〉 「データ集中科学」に突⼊。 • デジタル時代が可能とする、新しい次元の学術活動。 研究という知識創出活動が⼀部の閉じた⼈々だけのものではなく、 広い層で携われるように。

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オープンサイエンスに向かうトップダウンとボトム アップのアプローチ 北本朝展(2016)「研究データとオープンサイエンスに関する基礎的知識」 h(ps://www.ndl.go.jp/jp/event/events/01kitamoto.pdf ボトムアップ アプローチ

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たとえばシチズンサイエンス ⼤量の観測データの中から、雷雲からのガンマ線放射現象 天⽂学と物理学 2015:検出器プロトタイプ開発。プレ データ取得。 2016:科研費取得。データの公開、1000 ⼈の市⺠参加でガンマ線ピークを探す プロジェクト。 2017︓Natureベスト10

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シチズンサイエンスの4段階 Haklay, 2013 レベル1「クラウドソーシング」 • センサーとしての市⺠ • コンピュータに⼊⼒するボランティア レベル2「分散知能」 • 基礎的インタープリターとしての市⺠ • 思考するボランティア レベル3「参加型研究」 • 課題設定とデータ収集への参加 レベル4「エクストリームなシチズンサイエンス」 • 共同研究︓課題の設定、データの収集・分析

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「探求型の科学知識」と「課題解決型の科学知識」 モード1の科学 モード2の科学(Gibbons: 1994) 問題の設定 専⾨分野内部で⽣まれる理論上の⽋陥 ⽭盾の解消。より⾼度な理論体系の形 成。内在的。 社会、企業など実際場⾯に起こった問題 の解決。ミッション・オリエンテッド。 外在的。 最終⽬標 理論的な完成度 問題の解決 研究組織 制度的に安定している組織 ⼤学以外の研究機関、シンクタンク、政 府、⾮政府組織、市⺠ 他分野との関係 単⼀のディシプリン内部での解決。同 輩集団内部での⾃⼰完結性。 分野横断的。transdisciplinary、異分野間の コミュニケーションが必要となる。 研究成果の評価 その専⾨分野での⾼度化への貢献 顧客からの期待にどれだけ応えたか 評価基準 同輩集団によるレフリー 顧客の期待をどれだけ満たすことができ たか Gibbons, M. (Ed.). (1994). The new produc:on of knowledge: The dynamics of science and research in contemporary socie:es. Sage. 潮⽊(2011), ⼤学評価はいかなるインパクトを与えたのか―イギリスの社会学のケース

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「『役に⽴つ』という⾔葉が社会をダメにしていると思っています。科学 で役に⽴つということが、数年後に企業化できることと同義語みたいに使 われているのは問題。本当に役に⽴つとわかるのは10年後かもしれない し、100年後かもしれない。将来を⾒据えて、科学を⼀つの⽂化として認め てくれるような社会にならないかなと強く願っています」

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役に⽴つ知識かどうかは知識単独で判断できない。 •その知識が「役に⽴つ」か「役に⽴たない」かの判断は、そ の時間・空間、さらにはそれを扱う主体に依存する。 •他の知識(主体(役に⽴たせようとするヒト) が持つ知識、その環境に存在 する知識)との関係性。 •「役に⽴つ(⽴たない)」は当該知識が持つ普遍的な属性で はない。 •「役に⽴たせる(ようとする)」主体が存在するだけ。 知識 役に⽴つ︖ t

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現状のままでは考える⼈がいない問題 ʮϦετʹྻڍ͞Ε͍ͯΔΑ͏ͳؔ܎লிͷਓ͕ߟ͑ͯ ͍Δ໰୊ͱ͍͏ͷ͸ɺଟ෼ɺ์͓͍ͬͯͯ΋୭͔͕ߟ͑ Ε͹΍ΔΜͰ͢ɻ ؔ܎লி͕ͳ͍໰୊͕ϜʔϯγϣοτʹͳΔͷͰ͢ɻͭ ·Γɺݱঢ়ͷ··Ͱ͸ߟ͑Δਓ͕͍ͳ͍໰୊Ͱ͢ɻ ̍̒̌̕೥୅ʹ݄ʹߦ͜͏ͱࢥ͏ͱ͔ɺීஈٞ࿦ͷ͠Α ͏͕ͳ͍͡Όͳ͍Ͱ͔͢ɺ͔ͩΒग़ͯ͜ͳ͍ɻ Ͳ͜ʹ͋Δ͔෼͔͍ͬͯΔ໰୊͸༧ࢉ͸উखʹͭ͘ͷͰɺ ࠓ·Ͱλϒʔͱͯٞ͠࿦͕͞Εͯ͜ͳ͔ͬͨΑ͏ͳ࿩ͱ ͔ɺ͋ͱؔ܎লிͰ͸ͳ͍ͱ͜Ζ͔Βग़ͯ͘ΔͷͰ͸ͳ ͍͔ͱࢥ͍ͬͯ·͢ɻʯ ムーンショット型研究開発制度に係るビジョナリー会議(第2回)議事録 落合陽⼀ (ムーンショッ ト型研究開発制度に係 るビジョナリー会議 (第2回)平成31年 4⽉22⽇での発⾔)

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ムーンショット型研究開発制度に係るビジョナリー会議(第2回)資料4より抜粋 資料︓ムーンショット⽬標策定に向けて関係府庁から寄せられた検討素材(1府8省より111提案。)

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•様々なディシプリンや主体の間にこそ「未知」が横たわっている。 •知識⽣産システムの開放︓わかりやすい「成果」だけでなくそれぞれの ⽴場で「未知」に望む経験もある種の「知」と承認すべき。 宮⽥晃碩, 社会課題解決に向けた市⺠協働とオープンサイエンスのシナジー「⼈類学と哲学の視点から」Open Science Summit2019 モード1の知識 ⽅向︓深化 モード2の知識 ⽅向︓展開 既存のDiscipline 「未知」の存在の可能性

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必要なのは超学際(トランスディシプリン)の視点 Gunther Tress, Bärbel Tress, and Gary Fry. (2004). Clarifying integra>ve research concepts in landscape ecology. Landscape Ecology, 20, 479-493.) • マルチディシプリン ︓研究拠点などのように1つの傘の下で同じテーマを持つが、各ディシ プリンはそれぞれ独⽴している状態。 • インターディシプリン︓各ディシプリンが、共通する1つの⽬標に向かって活動している。 • トランスディシプリン︓⽬指す⽬標が、企業や⾃治体、地域のコミュニティなど、社会と交差 するところに設定されており、様々なディシプリンと多様なステークホルダーとの協働が⾏わ れている。

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オープンサイエンスに必要な超学際 近藤康久(2018), オープンチームサイエンス~シビックテックを取り⼊れた社会課題解決研究の⽅法論~ https://www.slideshare.net/yaskondo/ss-125686009 共通の課題に対して、複数のそ れぞれの観点からの結果と解釈 を並列に並べる。 課題に対して複数のディシプ リンが統合的に取り組む。 複数の異なるディシプリンが、課 題に対して新たなアプローチを構 築する.

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オープンサイエンスに向かうトップダウンとボトム アップのアプローチ 北本朝展(2016)「研究データとオープンサイエンスに関する基礎的知識」 h(ps://www.ndl.go.jp/jp/event/events/01kitamoto.pdf

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オープンサイエンスへの期待は分散型サイエンス (DeSci)への流れの背景にも。 「研究機関などに依存しない研究者のエコシステムを構築できないか」 「⼀つの研究機関などに依存しない分散型のストレージによって多くの⼈ が知識を共有する仕組みを作れないか」 科学が直⾯する7つの問題 1. 資⾦調達。(申請書にかける時間) 2. 不適切な研究デザイン。(Pハックなど) 3. 再現性の⽋如。 4. 査読システムの限界。 5. 多くの論⽂はペイウォールの後ろ。(論⽂1件30USD) 6. 科学コミュニケーションの不⾜。(国⺠に伝わらない) 7. 若⼿研究者のストレス。(⽣活が犠牲) https://www.vox.com/2016/7/14/12016710/science-challeges-research-funding-peer-review-process#1

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DeSciの可能性 •スマートコントラクトで著者と査読者の 間を仲介。レビューに対して報酬をトー クンで⽀払う。Ants review Trovò, B., & Massari, N. (2020, August). Ants-Review: A Privacy-Oriented Protocol for IncenPvized Open Peer Reviews on Ethereum. In European Conference on Parallel Processing (pp. 18-29). Springer, Cham. https://www.arweave.org/ •Parmawebによる論⽂、分析データの永久 的な保管。 •検閲からの保護。Arweave その他 ・DAOによる分散研究コミュニティ ・トークン発⾏による資⾦調達 ・IP-NFTによる知財管理 など

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マルチステークホルダープロセスおける注意点 •⽋如モデル •認識のズレ •隔たりの存在

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マルチステークホルダープロセスおける注意点 •⽋如モデル •認識のズレ •隔たりを超える

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⽋如モデル (Deficit model) Wynne(1982) •⼀般市⺠(社会)は空のバケツのようなもので, 満たされるべき (科学的)知識が⽋如しているために諸問題が発⽣するのだか ら, 解決のためには⼀般市⺠に対し(科学)教育を施すことでバ ケツを満たせばよい、という考え⽅。 (Wynne; 1982) (中串; 2010) •課題解決に役⽴つはずの知識・技術を⽣産しているのにそれが 社会に受け⼊れられず、活⽤されないのは社会に知識が不⾜し ているからだ、という考え⽅。(Sturgis & Allum; 2004, 佐藤 菊池; 2018) B. Wynne, RaPonality and ritual: The Windscale inquiry and nuclear decisions in Britain. Bucks, England: The BriPsh Society for the History of Science, 1982.

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バイオテクノロジーに関する意識調査 (Bucci and Neresini: 2002) ⽋如モデルの前提 • 科学とは、答えがただ⼀つに決まる正しい知識からできている。 • ⼀般の⼈々には、そのような知識が⽋けていて、科学者(専⾨家)の側にはそれが⾜りている。 • 知識が⽋けている状態を測定することができる。 1990年代までの科学はこういった考え⽅が⽀配的だった。 結果︓ • 「たくさんの情報にふれていること」と「正確な知識を所持していること」との間 • 「正確な知識を所持していること」と「遺伝⼦組換え⾷品やバイオテクノロジーに対す る肯定的態度」との間 いずれにも相関は認められず。 仮説︓市⺠がたくさんの情報にふれる→正確な科学的知識が増える →遺伝⼦組換え⾷品やバイオテクノロジーに対する態度が肯定的に なるはずだ 対象︓イタリア在住2039名 Bucchi, M., & Neresini, F. (2002). Biotech remains unloved by the more informed. Nature, 416(6878), 261.

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http://makinggood.design/thoughts/phd-part-08-what-is-science-communication/ (⼀⽅的に)伝える (わかりやすく) 説明する 相互に関与する ⽋如モデルから、対話モデルへの移⾏ 理解のための科学技術から、解決のための科学技術へ移⾏。 専⾨家である科学者から⼀般の⼈々(無知であり、 知識の不⾜を埋めるために科学者から事実を与えら れる必要がある⼈々)への⼀⽅通⾏の対話。 科学に対する態度についての懸念は、科学は進歩を 解釈し、科学者ではない⼈にも理解できるようにす べきだという考え。 科学者と⼀般市⺠の間の対話と双⽅向の関与に焦点 を当てる。科学者が世論に⽿を傾ける。

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マルチステークホルダープロセスおける注意点 •⽋如モデル •認識のズレ •隔たりの存在

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社会の問題に関する協働の現場で、異なる分野の専⾨家 (研究者)同⼠、あるいは専⾨家(研究者)とそれ以外 の⼈たちの間で、問題に対する理解がずれていることが ある。 • 問題理解のずれはどうして起こる︖ • ずれを乗り越えるにはどうすればいい︖

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(原義は経済学における情報⾮対称性、市場における価格形成、Akerlof 1970) 社会課題そのものと、他の主体に対する理解が、 • 情報・知識・技術・知恵 • 思想・価値観 • 社会経済的地位・権⼒ が不均衡であるがために、⾮対称になっていること。 どうすべきか → 問題理解の⾮対称性は与件として、⾮対称性を軽減する ことを考える。 問題理解のずれ=⾮対称性 近藤康久(2018), オープンチームサイエンス~シビックテックを取り⼊れた社会課題解決研究の⽅法論~ https://www.slideshare.net/yaskondo/ss-125686009

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近藤康久(2018), オープンチームサイエンス~シビックテックを取り⼊れた社会課題解決研究の⽅法論~ h;ps://www.slideshare.net/yaskondo/ss-125686009

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主体によって問題理解が異なる 近藤康久(2018), オープンチームサイエンス~シビックテックを取り⼊れた社会課題解決研究の⽅法論~ h;ps://www.slideshare.net/yaskondo/ss-125686009

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近藤康久(2018), オープンチームサイエンス~シビックテックを取り⼊れた社会課題解決研究の⽅法論~ h;ps://www.slideshare.net/yaskondo/ss-125686009

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⼀⽅的に知識を提供するのではなく、知識⽣産する場を通じて⾃分ごと世界を拡張する場を作る。⽴ 場を超えて知識⽣産プロセスを⾏う。ここで得られる経験⾃体が知識社会において価値のある知識。 近藤康久(2018), オープンチームサイエンス~シビックテックを取り⼊れた社会課題解決研究の⽅法論~ https://www.slideshare.net/yaskondo/ss-125686009

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本当にオープンにすべき知は何か •知識は「知る」主体から切り離せない。 • 主体に関してある特殊な条件づけをすることで客観性が成り⽴つ。 • 科学的知識は主体に関する特殊な条件付の上に成り⽴つ。 •その知の主体は⽣活世界に⾝をおいている。 •何が知とみなされるかは⽣活世界によって異なる。 • ⽣産されるものだけが知なのか • ⽣産物として認められるための⼀定の形式(含: 論⽂,特許)があるが、それ以外の形式(⾝ 体知等)の知はどう考える︖。 • 知は主体から切り離して共有されるべきか。 • 主体が住んでいる⽣活世界が異なるとその知はどうなるのか 「知識⾃体の開放」ではなく「知識⽣産システムの開放」 ただ知をインストールすればよいのではなく、その世界において使えるようにしな ければならない。

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マルチステークホルダープロセスおける注意点 •⽋如モデル •認識のズレ •隔たりの存在

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• 我々はそれぞれ⾃分のリビングスペースがある。 • それが「ぼくたち/わたしたち」 の空間と「かれら/ あいつら」の空間と価値観/世界観を作っている。 • 知識を広げる⽅向とまとめる⽅向。 • 相互理解を通じて⾃分ごとの世界を拡張していくプ ロセスが「ぼくたち/わたしたち」と「かれら/あい つら」の間の隔たりを埋める。 近藤康久(2018), オープンチームサイエンス~シビックテックを取り⼊れた社会課題解決研究の⽅法論~ h;ps://www.slideshare.net/yaskondo/ss-125686009

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近藤康久(2018), オープンチームサイエンス~シビックテックを取り⼊れた社会課題解決研究の⽅法論~ https://www.slideshare.net/yaskondo/ss-125686009 総合地球環境学研究所オープンチームサイエンスプロジェクト(2021)オープンチームサイエンス・メソッドについて

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近藤康久(2018), オープンチームサイエンス~シビックテックを取り⼊れた社会課題解決研究の⽅法論~ https://www.slideshare.net/yaskondo/ss-125686009

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知識社会マネジメント2022⽤ 講義関連共有フォルダ h7ps://bit.ly/37rqoPB ゲスト講師 安間匡明 さま PwCサステナビリティ 執⾏役員 社会変⾰推進財団 エグゼクティブ・アドバイザー に、インパクト投資に関する内容 でご講義いただきます。 10:10より待機室open 10:20より順次⼊室⼿続き していきます。 良い週末をJ 佐々⽊⼀ sasaki@ifi.u-tokyo.ac.jp 次回は6/24(⾦) 10:25- です。