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立体4目で学ぶ ゲームAI 辻野 貴大

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自己紹介 辻野 貴大 Takahiro Tsujino 東京大学工学部精密工学科(リンク) に現在在学中 北海道出身、好きな食べ物は ジンギスカン 日食なつこさんに最近ハマっている

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目次 ・立体四目とは? ・開発について ・AIのアルゴリズム ・結果

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立体四目並べとは ●概要: 平面で行う「五目並べ」を、四目の立体に した対戦型のゲーム ●ルール: 交互に石を置いていき, 自分の色の石をた て、横、斜めに四つ並べたら勝利 ●特徴: 立体的に視点を広がるため, 空間把握能力が 必要とされる. 戦略の立て方もかなり大事 平和工業(Heiwa Kougyou) 立体4目並べ 本体サイ ズ:10×10×8.5 : ビューティー

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ゲームの分類 完全情報ゲーム 選択においてゲームの情報が全て 明らかになっている 不完全情報ゲーム 選択においてゲームの情報が全て 明らかになっていない 情報性の違い 利益性の違い ゼロサムゲーム 自分の利益が相手の不利益に直結 非ゼロサムゲーム 自分の利益が相手の不利益と 関係ない(協力可能) 確定 不確定(運ゲー) 確定 不確定 確定 不確定 確定 不確定 オセロ 立体四目 麻雀 立体四目は 「二人零和有限確定完全情報ゲーム」 ポーカー 人狼 ●特徴: すごろく バックギャモン 遊戯王 交渉ゲーム 人生(?!) ? ? ・相手の最善手を前提としたアルゴリズムを 採用可能 ・ゲーム木が構築可能

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目次 ・立体四目とは? ・開発について ・AIのアルゴリズム ・結果

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技術仕様 ①ユーザー ②ゲームサーバ ③AIサーバ ●仕様 ・ゲームの状態(盤面、 勝敗)を管理 ・盤面から勝敗を判定 ●仕様 ・ゲームの状態を描画 ・石を置く場所を指定する ●仕様 ・盤面から最適な石 の置き場所を決定 以下3つから構成される

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ゲームの流れ ①ユーザー ②ゲームサーバ ③AIサーバ 2. おいた場所を送信 4. 盤面情報を送信 1. UI画面にて置く場所を決定 3,7 . 盤面情報を更新、 勝敗がついているか判定 5. 送られてきた盤面情報を 元に最適解を算出 6. おいた場所を送信 8. 盤面情報をもとに画面を更新 Websocket API

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ユーザー画面の構築 カメラの移動ボタン 選択カーソル: 石を置く場所を決定 ●技術スタック ・Vue.js: 言わずもがな ・Three.js: 3D空間にて盤面を表示する ・Vuetify: レスポンシブ対応などが便利 ・axios: サーバーとwebsocket通信 ●仕様 ゲーム実行中の画面(白はAI,黒はプレイヤー) AIの石 立ち上げと同時にゲームサーバとwebsocket 接続. 石を置く際に置いた場所についての jsonを送信

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目次 ・立体四目とは? ・開発について ・AIのアルゴリズム ・結果

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盤面の評価値 ●概要: AIが現在どれほど優勢かを以下のルールに基づいて盤面から算出 ●ルール: ①自分の石(白色)が4つ揃っていれば(勝敗)+1000点, 相手なら-1000点 ②自分の石(白色)が3つ揃っていれば(リーチ)+100点, 相手なら-100点 ●例: ①白石(AI)が4つ揃っている → +1000点 ②黒石(プレイヤー)が3つ揃っている → -100点 Total: 900点 AIの”有利さ”は900点として評価

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ゲーム木探索 ・・・ 次のターン AIが配置可能場所について 16通り存在 例: 現在の盤面 評価値 -100 評価値 -300 評価値 +200 評価値 +100 次の次のターン プレイヤーが配置可能場所 16通り存在 評価値 -300 評価値 +100 評価値 +200 評価値 +100 ・・・ 現在のターン プレイヤーが石を置いた

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mini-Max法 ・・・ 次のターン AIが配置可能場所について 16通り存在 例: 現在の盤面 評価値 -100 評価値 -300 評価値 +200 評価値 +100 次の次のターン プレイヤーが配置可能場所 16通り存在 評価値 -300 評価値 +100 評価値 +200 評価値 +100 ・・・ プレイヤーのターン 相手は最善手を打って 評価値が最小になる手を 打ってくることを想定 最小となるものが選択 現在のターン プレイヤーが石を置いた

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mini-Max法 ・・・ 次のターン AIが配置可能場所について 16通り存在 例: 現在の盤面 評価値 -100 評価値 -300 評価値 +200 評価値 +100 次の次のターン プレイヤーが配置可能場所 16通り存在 → 最善手を選んでくること を考える 評価値 -300 現在のターン プレイヤーが石を置いた 評価値 +400 最小値を選択 評価値 -400 評価値 +100

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mini-Max法 ・・・ 次のターン AIが配置可能場所について 16通り存在 例: 現在の盤面 評価値 -100 評価値 -300 評価値 +200 評価値 +100 次の次のターン プレイヤーが配置可能場所 16通り存在 → 最善手を選んでくること を考える 現在のターン プレイヤーが石を置いた 評価値 +400 最小値の中で最大 相手が最善の手を取ったとしても被害が最小 「Mini-Max法」に従ってAIを構築 ここを選ぶ

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目次 ・立体四目とは? ・開発について ・AIのアルゴリズム ・結果

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結果 白熱した戦いののちAIの勝利・・ シンギュラリティが発生

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結果 白熱した戦いののちAIの勝利・・ 2手先読みのためリーチした場合必ず阻止してくる ダブルリーチで詰ませるしか勝ち目がない

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今後の検証 ・さらに深くゲーム木を探索する(α-β法)の実装でAI同士を対戦、精度評価 ・立体四目の勝利パターンの発見