Tweet
Tweet

Slide 1

Slide 1 text

身体を用いたボールヒットにおける 撃心についての検討 三村泰成 鶴岡工業高等専門学校 Discussion about center of percussion on the act of hitting ball with part of the human body 1

Slide 2

Slide 2 text

はじめに  身体でボールヒットしてコントロールする動作  バレーボール：アンダーハンドパス，アンダーハンドレシーブ．  サッカー：トラッピング（クッションコントロール）  身体でボールを打ち出す動作  バレーボール： スパイク  サッカー： インステップキック 「ボールをヒットしてコントロールする」 という力学現象の解明を目指す 仮説 撃心の存在？ その形成方法は？ 衝撃エネルギの行方は？ どのタイミングでエネルギを使うのか？ （負荷するのか？） 動作の習得環境？ 2 思考実験

Slide 3

Slide 3 text

a b a b a b Hit point grip 用具の撃心 3

Slide 4

Slide 4 text

アンダーハンドパスの撃心 4

Slide 5

Slide 5 text

アンダーハンドパス バレー歴10年 バレー歴3年 5

Slide 6

Slide 6 text

インパクト時の比較 •膝を曲げて低い位置でほぼ固定している． •腰あたりを支点になりそう． •上半身を固定している． •膝のみで上げようとしている． バレー歴10年 バレー歴3年 6

Slide 7

Slide 7 text

簡易力学モデル  人間の腕と胴体を想定し，Ｌ字の剛体を想定する． 三村泰成，比留間浩介， バレーボールにおけるアンダーハンドパス時の衝撃中心についての一検討， 第22回日本バイオメカニクス学会大会，(2012) 7

Slide 8

Slide 8 text

Step 2 h h’ Step 1 Step 3 h h’ h h’ Result 撃心計算の手順 8

Slide 9

Slide 9 text

インステップキックの撃心 9

Slide 10

Slide 10 text

インステップキックのシミュレーション 3関節による3DCADモデル SolidWorksのモーション解析 10

Slide 11

Slide 11 text

異なるヒットポイントでの足首の速度 足の甲でヒットするとスムーズに振りぬける root center toe 11

Slide 12

Slide 12 text

ボールヒットの瞬間に 発生している現象 12

Slide 13

Slide 13 text

多関節ロボット 13

Slide 14

Slide 14 text

多関節ロボット --- 制御なしでボールをぶつける ？？？？ 14

Slide 15

Slide 15 text

多関節ロボット --- 制御ありでボールをぶつける 15

Slide 16

Slide 16 text

多関節ロボットでアンダーハンドパス 16

Slide 17

Slide 17 text

多関節ロボットでアンダーハンドパス --- 失敗！ ビリビリ．．．と衝撃波！ 17

Slide 18

Slide 18 text

ボールが跳ね返るという力学現象 バレーボール 鋼球 床反力 時間 18

Slide 19

Slide 19 text

いろんな場所でボールコントロール 19

Slide 20

Slide 20 text

衝撃低減によるボールコントロール 20

Slide 21

Slide 21 text

バレーボールとサッカーの例 ボールに当たる瞬間に 足や体を引いてボールの勢いを減らす ことでボールコントロールする技術 意識的に引いて大丈夫か？！ 21

Slide 22

Slide 22 text

質点により衝撃吸収 𝑚1 𝑚2 𝑚1 𝑚2 22

Slide 23

Slide 23 text

棒の付いた質点により衝撃吸収 𝑚1 𝑚2 𝑚1 𝑚2 23

Slide 24

Slide 24 text

慣性モーメントにより衝撃吸収 𝑚1 𝑚1 • 芯を少しだけ外す． • 回転エネルギに変換． • ．．． 慣性モーメントで 吸収できない場合は？ 24

Slide 25

Slide 25 text

ボールヒットにより勢いを与える現象 （スパイク，インステップキック） 25

Slide 26

Slide 26 text

「始動」と「ボールヒットの瞬間」に着目 エネルギ 時間 始動 ボールヒット • 撃心の構築 • 反動に耐える • ．．． 26

Slide 27

Slide 27 text

複雑な機構を用いて 単純な仕事を実現 27

Slide 28

Slide 28 text

ボールヒットという力学現象 多自由度 １自由度 28

Slide 29

Slide 29 text

スクワットジャンプの機構 回転関節 → 直線運動 スライド機構→直線運動 スクワットジャンプをする受動動作ロボット 29

Slide 30

Slide 30 text

リバウンドジャンプの機構 多自由度 １自由度 30

Slide 31

Slide 31 text

動作を習得できる環境とは？ マクロスケール： 身体全体で行われてる仕事 ミクロスケール： 各部位が行う仕事 メゾスケール： 簡略化したモデルが行う仕事 • 身体中で起きている現象？ • 形，負荷のタイミング，．．．？ • 外から教えることは不可能！ 選手自身が感じて， 自分自身で学習できる 環境 を整備する． 過剰な関節 過剰なアクチュエータ 過剰に変形する • マルチスケールで観察が必要！ • 何が起きてほしいのか？ • 何を感じてほしいのか？ 思考錯誤，試行錯誤 31

Slide 32

Slide 32 text

まとめ  身体でボールヒットする場合にも撃心が存在することを 明らかにした．  多関節による撃心形成過程を明らかにした．  ボールヒットによる衝撃低減メカニズムを明らかにした．  インステップキック，スパイクにおけるエネルギ配分の仮 説を提示した．  「動作学習環境」の重要性を示した． 32