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2つの300人日 案件をオフショア開発 した体験談 アウトソーシング TIPS LT会 樋口朱理

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樋口 朱理 情報系学部を卒業。 某パッケージベンダーで6年間上流~下流工程を経験。 最後の半年はインド人メンバーを部下に持ち、リーダーとして新規開発に従事。 2019年ラクスに転職し、オフショアを担当。 300人日規模の案件を2件経験。 ベトナム人とチャットでやりとりしながら、日本とベトナムの間に立つのが主な仕事。 休日は酒、犬、子どもに専ら費やしている。 株式会社ラクス 楽楽精算開発2課 オフショアチーム リーダー 自己紹介 2

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オフショア開発って? 3

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日本 委託先の国 オフショア開発って? 4 • 開発業務を海外企業/現地法人などに委託すること • 人件費が安く労働力が豊富な国が主になっている 中国/インド/ベトナム/ミャンマー/インドネシア などなど • コミュニケーションのミスや技術力不足による品質などの問題が生じやすい

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私が実体験した オフショア開発の 問題点 5

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オーダー 6

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オーダー 7 カレーください! かしこまりました

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受注 8

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結果 9

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違い 10 ライス 牛肉 スパイシー 鶏肉 さつまいも まろやか バケット みじん切り たまねぎ 薄切り たまねぎ

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仕様の認識齟齬 →結果的に大幅な手戻り 11 オーダーあるある

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何が悪かったんだっけ? 曖昧なオーダー • 考えてみて?空気読んで? • 委託先に忖度させるのは事故のもと 「考えてみて」はバクチになってしまう • 日本はハイコンテクスト社会 「空気読んで」は責任放棄 理解が異なる • 「わかりました」は「わかってない」 • 説明不足/不備 • 誰がいつどんな問題をどうしたいんだっけ。 • 情報不足と確認不足 12

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まずは発注側が襟を正すこと 13 対処方法

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まずは発注側が襟を正すこと オーダーを具体的に • 辛いカレーライスで牛肉メインでたまねぎはみじん切り • GIGO(Garbage-In Garbage-Out) • 目の前の相手は己の「映し鏡」 こまめに細かく確認する • 「嵐の前の静けさ」 を警戒する • 要求は全部言う 私は帝国ホテル風のビーフカレーライスが食べたい気分なんだ →帝国ホテル風はよくわからないけど、ライスに確定 スパイスたっぷりがいいな→辛いのがいいんだな • 細かく確認する お肉は牛肉で合ってる? →当店は鶏肉です 具材は細かく切ってある? →要望があれば細かく切れます で帝国ホテル風に出来る? →帝国ホテル風って何? 14 とにかくクイックレスポンス • 並行で開発していると手戻りリスクがどんどん増す • 情報鮮度が落ちるとまた学習の時間が必要になる

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「考えさせること」、「決めること」を分ける 分からないものは分からない 15 日本のシステムであれば、日本の業務を理解する これには圧倒的情報共有不足 すべての情報を開示できるわけではない 彼らももらった限りある情報の中で考えている よって、決められるものは決める DB設計であれば、エンティティの関連、項目名の意味

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16 Tips/あるある

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そもそも無意識に期待していることが多い 間の問題が落ちまくる 周囲の影響は考えているものと期待している • 自分が担当じゃないと思ってた • 互いにお見合い状態に →役割を明確にしてグレイゾーンを減らす 17 なかなか納品されない すぐに納品されると期待している • 期日と優先順位が曖昧 • 急かした結果、品質悪に →WBSをしっかり引く →余裕をもった計画を →急かすのでは、「分ける」 日本の仕様と違う よしなに合わせてくれるものと期待している 2拠点で開発を実施した結果 両者で仕様が合わないことに・・ 「やっぱりこうして」の後出しジャンケンはNG 結果的に • デスマーチにさせてしまう • 不安にさせる →仕様を確認するポイントを設ける 隣燃えてるけど 俺のところじゃないし わかんないけど こっちでいいよね ここは 間に合うと 言っておこう 間に合います!

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なんでも言える信頼関係を目指す 18 発注者が本音を開示してこそ、委託先も本音で話す まずは聞き入れる体制をしっかりとること 逐一指導してしまうと、円滑なコミュニケーションの阻害要因になる スケジュールの遅延、バグの発生が発生しても冷静に対処する 返報性の原理 先に自分の内面を開示すると、相手も同じように開示してくれる

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まとめ 19 • オーダーは具体的に • とにかくクイックレスポンス • こまめに細かく確認する • 「考えさせること」、「決めること」を分ける • WBSをしっかり引く • 余裕をもった計画を • 急かすのではなく、「分ける」 • 役割を明確にしてグレイゾーンを減らす • 仕様を確認するポイントを設ける • なんでも言える信頼関係を目指す

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ありがとう ございます 20