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令和6年金融商品取引法等の改正 ~投資運用業者の参入促進・ 非上場有価証券の流通活性化~ 令和6年5月29日 1 ⓒHori & Partners All rights reserved

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ⓒHori & Partners All rights reserved 2 弁護士 関 口 諒 (堀総合法律事務所) 略歴: • 2012年 慶応義塾大学法科大学院修了 • 2013年より堀総合法律事務所にて執務 • 2015年より外資系金融機関(銀行/証券会社)に出向 • 2019年 カリフォルニア大学バークレー校法科大学院 修了(LL.M.) • 2019年 米国Smith, Gambrell & Russell 法律事務所に出向 • 2019年10月 New York州 司法試験合格 銀行、信託会社、証券会社、アセマネ、ベンチャーキャピタル、保険会社、決済事業者等の金融法務を幅広く担当 著書に、「詳解信託判例」(きんざい、共著)、「新たな信託ソリューションと法務~円滑なM&A・事業承継等のために」(きんざい・共 著)、「START UP 金融法務入門」(経済法令研究会、共著)、「海外の決済関連サービスの我が国での適応可能性―事業面および 法規制面からの検討―」(金融法務事情Vol.2126、共著)、「海外の保険テックサービスの我が国での適応可能性―事業面および法 規制面からの検討―」(金融法務事情Vol.2127、共著)等がある。

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本日の内容 Ⅰ.投資運用業者の参入促進 - ミドル・バックオフィス業務に係る業の創設:投資運用関係業務受託業 - 投資運用業の参入要件の緩和 - 運用権限の委託 Ⅱ.非上場有価証券の流通活性化 - 非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和 - 非上場有価証券のみを取り扱うPTS業務の参入要件の緩和 Ⅲ.投資型クラウドファンディングの活性化 ⓒHori & Partners All rights reserved 3

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◆ 金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」及び「資産運用に関するタスクフォース」が・・・ → 令和5年12月12日付けにて報告書(以下「WG・TF報告書」)を公表 ⇒ 令和6年3月15日: 法案提出 「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案」 ⇒ 令和6年5月15日: 成立 ⓒHori & Partners All rights reserved 4 令和6年金商法等の改正の成立

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ⓒHori & Partners All rights reserved 5 令和6年金商法等の改正 令和6年3月15日提出 「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案」の概要を引用

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Ⅰ.投資運用業の参入促進 ⓒHori & Partners All rights reserved 6

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ⓒHori & Partners All rights reserved 7 資産運用業の新規参入促進~投資運用関係業務受託業~ 【WG・TF報告書】 ① ミドル・バックオフィス業務の全部又は一部を受託する事業者への規制 → 参入規制 / 行為規制 / 当局による監督の対象 ⇒ 任意の登録制を採用し、投資運用業者からミドル・バックオフィス業務を受託する 業者の質を確保 ② 適切な品質が確保された外部委託先へミドル・バックオフィス業務を外部委託 + 原則として、自らが金銭等の預託を受けない → 投資運用業の登録要件(資本金・体制整備等)を緩和 ⇒ ベンチャー企業による投資運用業への参入ハードルを下げる

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8 投資運用業の新規参入促進 令和6年3月15日提出 「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料」3頁を引用

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~投資運用関係業務受託業~ ⓒHori & Partners All rights reserved 9

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◆ ミドル・バックオフィス業務の全部又は一部を受託する事業者を想定した規制類型 ⇒ 投資運用関係業務受託業(金商法2条43号) = 投資運用業、適格機関投資家等特例業務、海外投資家等特例業務に関して行う次に掲げる業務をいう ① 運用対象財産を構成する有価証券その他の資産及び当該資産から生ずる利息又は配当金並びに 当該運用対象財産の運用に係る報酬その他の手数料を基礎とする当該運用対象財産の評価額の計算 に関する業務 ② 法令等を遵守させるための指導に関する業務 ⓒHori & Partners All rights reserved 10 投資運用業の新規参入促進~投資運用関係業務受託業~

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投資運用業の新規参入促進~投資運用関係業務受託業~ ◆ 投資運用関係業務受託業を行う者は、内閣総理大臣の登録を受けることができる(金商法66条の71) = 任意の登録制度 ⓒHori & Partners All rights reserved 11 登録申請書記載事項 添付書類 ・ 商号、名称又は氏名 ・ 財産的基礎に係る事項として内閣府令で定めるもの ・ 法人であるときは役員の氏名 ・ 主たる営業所又は事業所の名称及び所在地 (外国法人又は外国に住所を有する個人にあっては、主たる営業所又は 事務所及び国内における主たる営業所又は事務所) ・ 登録申請の対象となる投資運用関係業務受託業を行う営業所又は 事務所の名称及び所在地 ・ 業務の種別(運用対象財産の評価額の計算業務/法令遵守の指導業務) ・ 他に事業を行っているときは、その事業の種類 ・ その他内閣府令で定める業務 ・ 登録拒否事由に該当しないことを誓約する書面 ・ 投資運用関係業務受託業の内容及び方法として内閣府令で定める ものを記載した書面(業務方法書) ・ 法人である場合には定款及び法人の登記事項証明書 (これらに準ずるものを含む) ・ その他内閣府令に定める書類

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投資運用業の新規参入促進~投資運用関係業務受託業~ ◆ 登録制のため、登録拒否事由に該当しない限り、投資運用関係業務受託業者としての登録がなされる 12 ⓒ Hori & Partners All rights reserved 申請者の属性に関するもの ・ 国内に営業所又は住所を有しない者 ・ 国内における代表者・代理人を定めていない者 申請者の財産的基礎に関するもの ・ 財産的基礎を有しない者 申請者の業務運営体制の整備に関するもの ・ その行おうとする投資運用関係業務受託業を適確に遂行するための必要な体制の整備が行われていないこと ・ その投資運用関係業務受託業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しないものとして内閣府令で定める基準に該当する者 ・ 役員・使用人/申請者が、登録申請の対象となる投資運用関係業務受託業に係る業務のそれぞれにつき、その執行について 必要となる十分な知識及び経験を有していないこと その他 ・ 他に行う事業が公益に反すると認められること ・ 金融商品取引業者の登録取消し等を受けた日から5年を経過しないこと等 ・ 禁固以上の刑に処せられ、その刑の執行終了・刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないこと等 ・ 申請者/役員が心身の故障等の一定の欠格事由に該当すること

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ⓒHori & Partners All rights reserved 13 ◆ 投資運用関係業務受託業者の行為規制は以下のとおり ・ 誠実義務(金商法66条の76) ・ 委託者に対する義務(金商法66条の77) - 委託者に対する忠実義務 - 委託者に対する善管注意義務 ・ 業務管理態勢の整備義務(金商法66条の78) ・ 名義貸しの禁止(金商法66条の79) ・ 再委託の禁止(金商法66条の80) ・ 記録の保存(金商法66条の81) 投資運用業の新規参入促進~投資運用関係業務受託業~

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ⓒHori & Partners All rights reserved 14 ◆ 投資運用関係業務受託業者の行為規制: 業務管理体制の整備(金商法66条の78) - 投資運用関係業務受託業者は、その行う投資運用関係業務受託業を適確に遂行 するため、内閣府令に定めるところにより、業務管理体制を整備しなければならない 投資運用業の新規参入促進~投資運用関係業務受託業~ ⇒ 内閣府令において整備すべき業務管理体制が定められる予定 Ex. 投資運用関係業務受託業を適確に遂行するための社内規則等の整備などが見込まれる

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ⓒHori & Partners All rights reserved 15 ◆ 投資運用関係業務受託業者の行為規制: 再委託の禁止(金商法66条の80 ) 1 投資運用関係業務受託業者は、他の者に投資運用関係業務(当該投資運用関係業務を行うことにつき 第66条の71の登録又は第66条の75第4項の変更登録を受けているものに限る。次項において同じ。)を 委託してはならない。ただし、内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りではない。 2 内閣総理大臣は、前項ただし書の承認の申請があった場合には、投資運用関係業務の委託(二以上の 段階にわたる委託を含む。)を行うことが承認申請書に当該投資運用関係業務を委託した者における 投資運用業等の適確な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められるときに限り、承認しないものとする。 投資運用業の新規参入促進~投資運用関係業務受託業~ ⇒ 受託した登録済みの投信運用関係業務を再委託することは原則禁止 ※ そもそも任意の登録制度なので登録済みの投資運用関係業務以外の受託業務は再委託可能 ⇒ 内閣総理大臣の承認を得ることで再委託することができる ※ 委託元の投信運用業者等の投資運用業等の適確な運営に支障を及ぼすおそれがなければ承認が下りる

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~投資運用業の参入要件の緩和~ ⓒHori & Partners All rights reserved 16

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ⓒHori & Partners All rights reserved 17 資産運用業の新規参入促進~投資運用業の参入要件緩和~ 【WG・TF報告書】 ◆ 投資運用関係業務受託業者への委託を前提とした投資運用業者の登録 = 投資運用関係業務受託業者への業務委託 + 原則として、自らが金銭等の預託を受けない ⇒ 投資運用業の登録要件(資本金・体制整備等)を緩和

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◆ 現行法上の投資運用業の登録要件は・・・ ⓒHori & Partners All rights reserved 18 資産運用業の新規参入促進~投資運用業の参入要件緩和~ 取締役会 + 監査役・監査等委員会 or 指名委員会等を置く株式会社 + 国内における営業所等 or 外国の法令に準拠して設立された取締役会設置会社と同種類の法人 +国内における営業所等 +国内における代表者 登録申請者・役員・重要な使用人(法令等遵守統括責任者/運用統括責任者)が過去に一定の処分・刑罰等を受けていないこと 役員・重要な使用人に金融商品取引業に係る業務を適正に行うことができない一定の要件を満たす者など不適格者がいないこと 資本金5000万円以上 + 純財産額5000万円以上 金融商品取引業を的確に遂行するに対する人的構成を有すること 金融商品取引業を的確に遂行するために必要な体制が整備されていること 認定金融商品取引業協会に加入しない場合、協会の定款その他の規則に準ずる内容の社内規則の作成・社内体制の整備 他に行う事業が公益に反すると認められる者でないこと 損失の危険の管理が困難であるために投資者保護に支障を生ずる業務の不存在 不適格な主要株主の不存在 外国法人の場合、主要株主に準ずる者が金融商品取引業の健全かつ適切な運営に支障を及ぼすおそれがないものであることにつき、 外国の当局による確認が行われていること

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◆ 人的構成・体制整備に係る要件 ⓒHori & Partners All rights reserved 19 資産運用業の新規参入促進~投資運用業の参入要件緩和~ 経営者 経営者が、その経歴及び能力等に照らして、金融商品取引業者としての業務を公正かつ的確に遂行する ことができる十分な資質を有していること。 常務に従事する役員 常務に従事する役員が、金商法等の関連諸規制や監督指針で示している経営管理の着眼点の内容を 理解し、実行するに足る知識・経験、及び金融商品取引業の公正かつ的確な遂行に必要となる コンプライアンス及びリスク管理に関する十分な知識・経験を有すること。 運用担当者 権利者のために資産運用を行う者として、運用を行う資産に関する知識及び経験を有する者が確保 されていること。 各部門の人的構成 行おうとする業務の適確な遂行に必要な人員が各部門に配置され、内部管理等の責任者が適正に配置 される組織体制、人員構成にあること。 コンプライアンス担当者 営業部門とは独立してコンプライアンス部門(担当者)が設置され、その担当者として知識及び経験を 有する者が確保されていること。 要員の確保 次に掲げる体制整備が可能な要員の確保が図られていること。 a 帳簿書類・報告書等の作成、管理 b ディスクロージャー c 運用財産の分別管理 d リスク管理 e 電算システム管理 f 管理部門による運用状況管理、顧客管理 g 法人関係情報管理 h 広告審査 i 顧客情報管理 j 苦情・トラブル処理 k 運用部門による資産運用業務の執行 l 内部監査 m 投資信託財産の運用を行う場合にあっては、投資信託財産に係る計算及びその審査

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◆ 前提としての投資運用業の登録申請書への記載事項として・・・ ・ 顧客から金銭又は有価証券の預託を受けない旨 = 投資運用業を行おうとする場合において、その行おうとする投資運用業に関して、顧客から金銭 又は有価証券の預託を受けず、かつ、自己と密接な関係を有する者として政令で定める者に顧客の 金銭又は有価証券を預託させないときにあってはその旨 ・ 投資運用関係業務を委託する旨 = 投資運用関係業務を委託する場合においては、その旨並びに委託先の商号、名称又は氏名 及び当該委託先に委託する投資運用関係業務の内容その他内閣府令で定める事項 ⓒHori & Partners All rights reserved 20 資産運用業の新規参入促進~投資運用業の参入要件緩和~

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◆ 登録拒否事由(金商法第29条の4):体制整備 ⓒHori & Partners All rights reserved 21 資産運用業の新規参入促進~投資運用業の参入要件緩和~ 現行法 改正法 一 次のいずれかに該当する者 ホ 金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者 ヘ 金融商品取引業を適確に遂行するための必要な体制が整備されて いると認められない者 (新設) 三 個人である場合においては、前号イからチまで若しくはリ・・・のいずれ かに該当する者又は政令で定める使用人のうち前号イからリまでの いずれかに該当する者のある者 一 次のいずれかに該当する者 ホ 次のいずれかに該当する者 (1) 略 (2) その他金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を 有しない者として内閣府令で定める基準に該当する者 ヘ 金融商品取引業を適確に遂行するための必要な体制が整備されて いると認められない者 一の二 法人である場合においては、登録申請の対象となる金融商品 取引業に係る業務のそれぞれにつき、その執行について必要となる 十分な知識及び経験を有する役員・・・又は使用人を確保していない と認められる者。ただし、登録申請書が投資運用関係業務を投資運用 関係業務受託業者・・・に委託する場合における当該投資運用関係 業務については、その業務の監督を適切に行う能力を有する役員 又は使用人を確保していれば足りるものとする。 三 個人である場合においては、次のいずれかに該当する者 イ 登録申請の対象となる金融商品取引業に係る業務のそれぞれに つき、その執行について必要となる十分な知識及び経験を有していな いと認められる者 ロ 個人である場合においては、前号イからチまで若しくはリ・・・の いずれかに該当する者又は政令で定める使用人のうち前号イからリ までのいずれかに該当する者のある者

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◆ 人的構成としては・・・ 原則: 投資運用業の執行に必要となる十分な知識及び経験を有する役員・使用人を確保 例外: 投資運用関係業務を投資運用関係業務受託業者・・・に委託する場合 ⇒ 当該投資運用関係業務については、その業務の監督を適切に行う能力を有する 役員又は使用人を確保していれば足りる ⓒHori & Partners All rights reserved 22 資産運用業の新規参入促進~投資運用業の参入要件緩和~

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◆ 登録拒否事由(金商法第29条の4):資本金 ⓒHori & Partners All rights reserved 23 資産運用業の新規参入促進~投資運用業の参入要件緩和~ 現行法 改正法 金商法第29条の4第1項 四 ・・・投資運用業を行おうとする場合にあっては、次の いずれかに該当する者 イ 資本金の額・・・が、公益又は投資者保護のため必要 かつ適当なものとして政令で定める金額に満たない法人 改正なし 金商法施行令第15条の7第1項 四 投資運用業・・・を行おうとする場合 5000万円 未公表 ⇒ 政令の改正が見込まれる = 金銭等の預託を受けない場合は1000万円?

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~運用権限の委託~ ⓒHori & Partners All rights reserved 24

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ⓒHori & Partners All rights reserved 25 資産運用業の新規参入促進~運用権限の委託~ ・ 投信委託会社の運用指図権限の外部委託については・・・ → 投信法上、投信委託会社が運用指図権限の全部を外部委託することは不可(投信法12条1項) + 投資運用業者が、運用権限の全部を外部委託することも不可(金商法42条の3第2項) ・ 一方で、運用指図権限を外部委託した場合であっても・・・ → 投資家に対して善管注意義務・忠実義務を負い、運用状況のモニタリングを要する → 外部委託を行うことについて、委託先運用業者名を含めて、投資家への周知を要する ⇒ 投資運用業者がファンド運営機能に特化した業務を行うことも許容されると考えられる ⇒ 運用指図権限の全部委託を禁止する規定を見直すことが適切

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26 資産運用業の新規参入促進 令和6年3月15日提出 「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料」3頁を引用

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◆ 運用権限の委託(投信法第12条、第202条、金商法第42条の3) ⓒHori & Partners All rights reserved 27 資産運用業の新規参入促進~運用権限の委託~ 現行法 改正法 投信法第12条(運用の指図に係る権限の委託) 1 投資信託委託会社は、その運用の指図を行うすべての委託者指図型 投資信託につき、当該指図に係る権限の全部を、第二条第一項に規定 する政令で定める者その他の者に対し、委託してはならない。 削除 投信法第202条(投資法人から委託された権限の再委託等) 1 資産運用会社は、投資法人の委託を受けてその資産の運用を行う 場合において、当該投資法人から委託された資産の運用に係る権限の 全部を他の者に対し、再委託してはならない。 削除 金商法第42条の3 1 金融商品取引業者等は、次に掲げる契約その他の法律行為において 内閣府令で定める事項の定めがある場合に限り、権利者のため運用を 行う権限の全部又は一部を他の金融商品取引業者等(投資運用業を 行う者に限る。)その他の政令で定める者に委託することができる。 ①~③ 略 2 金融商品取引業者等は、前項の規定にかかわらず、すべての運用財産 につき、その運用に係る権限の全部を同項に規定する政令で定める者に 委託してはならない。 改正なし 2 金融商品取引業者は、前項の規定により委託をする場合においては、 当該委託を受ける者に対し、運用の対象及び方針を示し、かつ、内閣府令 で定めるところにより、運用状況の管理その他の当該委託に係る業務の 適正な実施を確保するための措置を講じなければならない。

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Ⅱ.非上場有価証券の流通活性化 ⓒHori & Partners All rights reserved 28

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~非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和~ ⓒHori & Partners All rights reserved 29

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ⓒHori & Partners All rights reserved 30 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和 【WG・TF報告書】 ・ スタートアップ企業の株式の換金は・・・ ― 発行会社・セカンダリファンドによる相対での買取が中心 → 上場以外に換金ニーズを満たす方法がないゆえに、小規模の上場に繋がる可能性 - 非上場株式のセカンダリ取引の活性化は、 → スタートアップ企業による資金調達の円滑化 → スタートアップ企業の出口戦略の多様化(M&A等) ⇒ 非上場株式のセカンダリ取引に係る制度整備を進めていくべき ⇒ 現行法上、株式の売買の売買・取次ぎ・代理を行うには第一種金融商品取引業者としての登録が必要 に資する

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ⓒHori & Partners All rights reserved 31 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和 【WG・TF報告書】 ・ 海外の資産運用会社が設定・運用する外国籍投資信託 ・ 外国投資法人の発行する外国投資証券 ⇒ これらを国内の投資家に販売を行う場合・・・ ⇒ 外国籍ファンド自身による自己募集でない限り、募集・売出・私募・特定投資家向け売付け勧誘 の取扱いとして、現行法上、第一種金融商品取引業者としての登録が必要

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ⓒHori & Partners All rights reserved 32 【WG・TF報告書】 ◆ プロ向けの非上場有価証券の仲介を行う金融商品取引業者の参入要件の緩和 → 非上場有価証券のプライマリ・セカンダリに特化 + 原則として有価証券・金銭の預託を受けない ⇒ 第一種金融商品取引業の登録要件(資本金規制・自己資本規制比率・兼業規制等)の緩和が適当 → ただし、プロ投資家(特定投資家)を相手方とした非上場有価証券の仲介業務に限定すべき ※ 非上場有価証券の保有者がセカンダリとして売却をする場合は、リスクを切り離すものであるため、 一般投資家(非上場有価証券の発行会社の創業者等)による売却も可能 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和

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33 令和6年3月15日提出 「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料」5頁を引用 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和

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◆ 現行法上の第一種金融商品取引業の登録要件は・・・ ⓒHori & Partners All rights reserved 34 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和 取締役会 + 監査役・監査等委員会 or 指名委員会等を置く株式会社 + 国内における営業所等 or 外国の法令に準拠して設立された取締役会設置会社と同種類の法人 +国内における営業所等 +国内における代表者 登録申請者・役員・重要な使用人(法令等遵守統括責任者/運用統括責任者)が過去に一定の処分・刑罰等を受けていないこと 役員・重要な使用人に金融商品取引業に係る業務を適正に行うことができない一定の要件を満たす者など不適格者がいないこと 資本金5000万円以上 + 純財産額5000万円以上 + 自己資本規制比率が120%以上 金融商品取引業を的確に遂行するに対する人的構成を有すること 金融商品取引業を的確に遂行するために必要な体制が整備されていること 認定金融商品取引業協会に加入しない場合、協会の定款その他の規則に準ずる内容の社内規則の作成・社内体制の整備 兼業が公益に反すると認められる者でないこと + 損失の危険の管理が困難ゆえに投資者保護に支障を生ずる業務の不存在 他の第一種金商業者が現に用いている商号と同一の商号又は他の第一種金商業者と誤認されるおそれのある商号を用いないこと 不適格な主要株主の不存在 外国法人の場合、主要株主に準ずる者が金融商品取引業の健全かつ適切な運営に支障を及ぼすおそれがないものであることにつき、 外国の当局による確認が行われていること

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◆ 人的構成・体制整備に係る要件 ⓒHori & Partners All rights reserved 35 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和 経営者 経営者が、その経歴及び能力等に照らして、金融商品取引業者としての業務を公正かつ的確に遂行する ことができる十分な資質を有していること。 常務に従事する役員 常務に従事する役員が、金商法等の関連諸規制や監督指針で示している経営管理の着眼点の内容を 理解し、実行するに足る知識・経験、及び金融商品取引業の公正かつ的確な遂行に必要となる コンプライアンス及びリスク管理に関する十分な知識・経験を有すること。 常勤役職員担当者 常勤役職員の中に、その行おうとする第一種金融商品取引業の業務を3年以上経験した者が複数確保 されていること。 各部門の人的構成 行おうとする業務の適確な遂行に必要な人員が各部門に配置され、内部管理等の責任者が適正に配置 される組織体制、人員構成にあること。 コンプライアンス担当者 営業部門とは独立してコンプライアンス部門(担当者)が設置され、その担当者として知識及び経験を 有する者が確保されていること。 要員の確保 次に掲げる体制整備が可能な要員の確保が図られていること。 a 帳簿書類・報告書等の作成、管理 b ディスクロージャー c 顧客資産の分別管理 d リスク管理 e 電算システム管理 f 売買管理、顧客管理 g 広告審査 h 顧客情報管理 i 苦情・トラブル処理 j 内部監査

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ⓒHori & Partners All rights reserved 36 ◆ プロ向けの非上場有価証券の仲介を行う金融商品取引業者を想定した参入要件 ⇒ 金商法第29条の4の4(非上場有価証券特例仲介等業者についての登録等の特例)を新設 ・ 非上場有価証券特例仲介等業者(金商法第29条の4の4第7項) = 登録申請書に非上場有価証券特例仲介等業務に該当する旨を記載して登録を受けた者 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和

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・ 非上場有価証券特例仲介等業務(金商法第29条の4の4第8項) = 第一種金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うこと ① 有価証券(非上場有価証券に限り、政令で定めるものを除く。)に係る次に掲げる行為 イ 売付けの媒介又は第2条第8項第9号に掲げる行為(一般投資家を相手方として行うもの及び一般投資家 に対する勧誘に基づき当該一般投資家のために行うものを除く) ロ 買付けの媒介(一般投資家のために行うもの及び一般投資家に対する勧誘に基づき当該一般投資家を 相手方として行うものを除く。) ② 前号に掲げる行為に関して顧客から金銭の預託を受けること(同号に掲げる行為による取引の決済のため に必要なものであって、当該預託の期間が政令で定める期間を超えないものに限る。) ⓒHori & Partners All rights reserved 37 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和

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◆ 第1号の業務 ・ イの業務 - 売付けの媒介 - 有価証券の募集若しくは売出しの取扱い - 私募若しくは特定投資家向け売付勧誘等の取扱い ・ ロの業務 - 買付けの媒介 ⓒHori & Partners All rights reserved 38 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和 金商法第2条第8項第9号の業務

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◆ 第2号の業務 前号に掲げる行為に関して顧客から金銭の預託を受けること(同号に掲げる行為による取引の決済 のために必要なものであって、当該預託の期間が政令で定める期間を超えないものに限る。) ⓒHori & Partners All rights reserved 39 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和 = 預託が許容される具体的な期間は政令規定事項 ⇒ 取引の決済のために資金をプールしておくことができないため、取引ごとに資金を入金することになる

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◆ 一般投資家の意義 ⇒ 特定投資家等、当該有価証券の発行者その他内閣府令で定める者以外の者 特定投資家 = 適格機関投資家(銀行、証券会社、投資運用業者、投資法人、保険会社など)、 国、日本銀行、資本金5億円以上であると合理的に見込まれる株式会社などのプロ投資家 その他内閣府令で定める者 = 「非上場有価証券の保有者がセカンダリとして売却をする場合は、リスクを切り離すものであるため、 一般投資家(非上場有価証券の発行会社の創業者等)による売却も可能」との指摘があることから、 これを想定するものか? ⓒHori & Partners All rights reserved 40 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和

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◆ 最低資本金要件の引下げ ・ 現行法上の第一種金融商品取引業者の資本金要件は・・・ → 5000万円以上(金商法施行令第15条の7第1項第3号) ・ 非上場有価証券特例仲介等業務のみを行う場合は、上記の最低資本金要件を引き下げる見込み → 金商法施行令の改正により手当てされる見込み = 5000万円 → 1000万円 ? ⓒHori & Partners All rights reserved 41 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和

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◆ 責任準備金要件・自己資本規制比率の緩和 ・ 現行法上の第一種金融商品取引業者の責任準備金要件・自己資本規制比率は・・・ → 有価証券の売買その他の取引又はデリバティブ取引等の取引量に応じ、内閣府令で定めるところにより、 金融商品取引責任準備金を積み立てなければならない(金商法第46条の5、業府令第175条) → 自己資本規制比率を算出し、毎月末及び内閣府令で定める場合に、内閣総理大臣に届け出なければ ならない(金商法第46条の6第1項) 自己資本規制比率が120%を下回ることのないようにしなければならない(金商法第46条の6第2項) ※ 自己資本規制比率: 資本金、準備金その他の内閣府令で定めるものの額の合計額から固定資産その他の内閣府令で定めるもの の額の合計額を控除した額の、保有する有価証券の価格の変動その他の理由により発生し得る危険に対応する額として内閣府令で 定めるものの合計額に対する比率 ・ 改正法により、非上場有価証券特例仲介等業者は・・・ → 上記の責任準備金要件及び自己資本規制比率を適用しない(金商法第29条の4の4第5項) ⓒHori & Partners All rights reserved 42 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和

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◆ 兼業規制の緩和(金商法第29条の4の2第2項~第4項) ・ 現行法上の第一種金融商品取引業者の兼業規制は・・・ → 第一種金融商品取引業者が行うことができるのは、金融商品取引業、付随業務(金商法第35条第1項)、 届出業務(同条条第2項-事後届出必要)、承認業務(同条第4項-事前承認必要) → 届出業務・承認業務が、当該事業に係る損失の危険の管理が困難であるために投資者保護に支障を 生ずると認められるときは、登録拒否事由(金商法第29条の4第1項第5号) ・ 非上場有価証券特例仲介等業務のみを行う場合は、上記がいずれも適用除外 = 公益に反しないものであれば、兼業は広く可能 ⓒHori & Partners All rights reserved 43 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和

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◆ 今後の課題 ・ 譲渡の制約との関係 → 非上場株式については、譲渡制限が付されていることが通常 → VCによる投資を受けている場合は、株主間契約等で先買権・タグアロング権が付与されている場合も多い ⇒ 譲渡に対するこれらの制約との関係をどのように整理していくのか - 一定の割合については、先買権・タグアロング権の対象外とする? - その場合、不適切な譲受人への譲渡をどのように防止する? ・ 株主の変更とExitとの関係 ⇒ 株主間契約や分配合意書に参加していない株主が現れることでM&AによるExitに支障ははいのか ⓒHori & Partners All rights reserved 44 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和

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~非上場有価証券のみを取り扱うPTS業務の 参入要件の緩和~ ⓒHori & Partners All rights reserved 45

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46 令和6年3月15日提出 「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料」5頁を引用 プロ向けの非上場有価証券の仲介の参入要件の緩和

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・ 現行法上、PTS業務を行うには認可を要する(金商法第30条第1項) ⓒHori & Partners All rights reserved 47 非上場有価証券のみを取り扱うPTS業務の参入要件の緩和 損失の危険の管理に関し、適切な体制及び規則の整備を行っていること → 監督指針Ⅳ-4-2-1②イ ⇒ PTS業務を管理する責任者が有価証券関連業務の経験を原則として5年以上有する者であり、当該業務を行う部署が業務の 遂行に必要な組織及び人員配置となっていること ⇒ PTS業務に関し、金商法等の法令及び諸規則に則った社内規則が整備されていること 等 資本金の額が3億円以上であること / 純財産額が3億円以上であること 自己資本規制比率が120%を下回っていないこと 売買価格の決定方法、受渡し等の決済方法、次の業務の内容・方法が、公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものであること ― PTS運営業務に係る顧客との取引開始基準及び顧客の管理方法 ― PTS運営業務において使用する電子情報処理組織の概要、設置場所、容量及び保守の方法並びに当該電子情報処理組織に 異常が発生した場合の対処方法 ― 顧客である金融商品取引業者における有価証券の売買の受託についての信用の供与に関する事項 ― PTS運営業務に係る取引記録の作成及び保存の方法 - その他PTS運営業務に係る取引の公正の確保に関する重要な事項 → 監督指針Ⅳ-4-2-1②ロ・ハ・ニ システム関連の要整備事項ついて第三者の評価を受けることが必要 / PTS業務部門と他部門での兼務禁止 等

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ⓒHori & Partners All rights reserved 48 非上場有価証券のみを取り扱うPTS業務の参入要件の緩和 【WG・TF報告書】 ◆ 非上場有価証券のみを取り扱うPTS業務の参入要件の緩和 → 第一種金融商品取引業者が運営する私設取引システム(PTS)業務については・・・ ⇒ 認可制: 資本金・純資産要件(3億円以上) + システム要件(第三者評価書の添付) → 想定された取引量に応じた参入要件とすることが適当 ⇒ 非上場有価証券のみの取扱い + 流動性・取引規模等が限定的なPTSについては・・・ ⇒ 第一種金融商品取引業者の登録制により参入可(認可不要) ⇒ 資本金・純資産要件等の財産規制及びシステム要件等を緩和 ※ 取引の管理等に関する必要な規制を適用することは前提

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◆ PTS業務に係る認可の適用除外(金商法第30条第1項但書) 金融商品取引業者は、第2条第8項第10号に掲げる行為を業として行おうとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければ ならない。ただし、当該行為を次に掲げる有価証券のみについて行う場合であって、当該行為に係る有価証券の売買高の 合計額が、当該行為を安定的に行うことが困難となった場合であっても多数の者に影響を及ぼすおそれが少ないと認められる 基準として政令で定める基準以下のときはこの限りでない。 ・ 但書の要件を満たすことで、PTS業務の認可は不要 = 第一種金融商品取引業者の登録で足りる ・ 但書の要件の一つ目は、対象が特定の有価証券であること(次頁) ・ 但書の要件の二つ目は、売買高の合計額が政令で定める基準以下であること ⇒ 政令の規定事項 ・ 認可の免除以外の参入要件緩和 ⇒ 政令・監督指針の規定事項 非上場有価証券のみを取り扱うPTS業務の参入要件の緩和 ⓒHori & Partners All rights reserved 49

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◆ PTS業務に係る認可の適用除外の場合に取扱可能な有価証券 ① 株券・新株予約権証券 → 上場有価証券、店頭売買有価証券その他政令で定める有価証券を除く ② 受益証券発行信託の受益証券 → 上場有価証券、店頭売買有価証券その他政令で定める有価証券を除く ③ 上記①及び②の有価証券に表示される権利であり、金商法の規定により有価証券とみなされるもの ④ 上記のほか、当該行為を安定的に行うことが困難となった場合であっても多数の者に影響を及ぼすおそれ が少ないと認められる有価証券として政令で定めるもの 非上場有価証券のみを取り扱うPTS業務の参入要件の緩和 ⓒHori & Partners All rights reserved 50

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Ⅲ.投資型クラウドファンディングの活性化 ⓒHori & Partners All rights reserved 51

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ⓒHori & Partners All rights reserved 52 株式投資型クラウドファンディングの活性化 ・ 株式投資型クラウドファンディング(投資型CF)のプラットフォーム提供は・・・ → 「有価証券の募集の取扱い」 = 第一種金融商品取引業に該当する(金商法28条1項1号、2条8項9号) ⇒ 第一種金融商品取引業者としての登録が必要 ・ 第一種少額電子募集取扱業務 のみを行う場合には・・・ → 第一種少額電子募集取扱業者として位置付け ⇒ 通常の第一種金融商品取引業者に比べて登録に必要となる要件を緩和 Ex. 最低資本金額、最低純財産額、兼業規制、自己資本比率規制 等

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ⓒHori & Partners All rights reserved 53 株式投資型クラウドファンディングの活性化 ・ 第一種少額電子募集取扱業務(金商法第29条の4の2第10項) → 電子募集取扱業務のうち、非上場の株式( or トークン化されたファンド持分を含む)の募集の取扱い又は 私募の取扱いであって、当該有価証券の発行価額の総額及び当該有価証券を取得する者が払い込む額が 少額であるものとして政令で定める要件を満たすもの → 電子募集取扱業務に関して顧客から金銭の預託を受けること → 年間発行総額が1億円未満(金商法施行令第15条の10の3第1号) ※ 当該有価証券の募集・私募を開始する前一年以内に同一の発行者により行われた募集・私募/当該有価証券の募集 又は私募と申込期間が重複する同一の発行者による募集・私募に係る同一種類の有価証券の発行総額を合算 → 1人当たり(特定投資家を除く)の投資額が年間50万円以下(金商法施行令第15条の10の3第2号) ※ 当該有価証券の募集・私募に係る払込みが行われた日前一年以内に応募又は払込みを行った同一の発行者による 当該有価証券と同一種類の有価証券の募集・私募に係る個別払込額を合算

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ⓒHori & Partners All rights reserved 54 株式投資型クラウドファンディングの活性化 ・ 株式投資ファンド型クラウドファンディング(株式投資ファンド型CF)の提供は・・・ → 「みなし有価証券の募集の取扱い」 = 第二種金融商品取引業に該当する(金商法28条2項2号、2条8項9号) ⇒ 第二種金融商品取引業者としての登録が必要 ・ 第二種少額電子募集取扱業務 のみを行う場合には・・・ → 第二種少額電子募集取扱業者として位置付け ⇒ 通常の第二種金融商品取引業者に比べて登録に必要となる要件を緩和 Ex. 最低資本金額 等

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ⓒHori & Partners All rights reserved 55 株式投資型クラウドファンディングの活性化 ・ 第二種少額電子募集取扱業務(金商法第29条の4の3第4項) → 電子募集取扱業務のうち、適用除外有価証券又は非上場有価証券であるファンド持分の募集の取扱い 又は私募の取扱いであって、当該有価証券の発行価額の総額及び当該有価証券を取得する者が 払い込む額が少額であるものとして政令で定める要件を満たすもの → 年間発行総額が1億円未満(金商法施行令第15条の10の3第1号) ※ 当該有価証券の募集・私募を開始する前一年以内に同一の発行者により行われた募集・私募/当該有価証券の募集 又は私募と申込期間が重複する同一の発行者による募集・私募に係る同一種類の有価証券の発行総額を合算 → 1人当たり(特定投資家を除く)の投資額が年間50万円以下(金商法施行令第15条の10の3第2号) ※ 当該有価証券の募集・私募に係る払込みが行われた日前一年以内に応募又は払込みを行った同一の発行者による 当該有価証券と同一種類の有価証券の募集・私募に係る個別払込額を合算

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ⓒHori & Partners All rights reserved 56 株式投資型クラウドファンディングの活性化 ・ 電子募集取扱業務 = 電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって業府令6条の2各号 で定めるものにより有価証券の募集・売出の取扱い又は私募・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱いを行うこと ⇒ ウェブサイトでの表示/その表示+電子メールという方法が想定されている ・ 日本証券業協会の自主規制規則(株式投資型クラウドファンディング業務に関する規則)により・・・ → 電話又は訪問の方法など、業府令第6条の2各号に規定する方法以外の方法により、 株式投資型クラウドファンディング業務に係る投資勧誘を行ってはならない = 対面・訪問・電話による勧誘は不可

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ⓒHori & Partners All rights reserved 57 投資型クラウドファンディングの活性化 ◆ 投資型クラウドファンディング(投資型CF)の発行上限等 → 企業が、少額電子募集取扱業務として行う投資型CFで発行可能な有価証券は・・・ ⇒ 総額が年間1億円未満とされている → 必要な開示を行うことを前提に、発行総額の上限を年間5億円未満とすることが適当 ⇒ 政令規定事項

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ⓒHori & Partners All rights reserved 58 投資型クラウドファンディングの活性化 ◆ 投資型CFの投資上限・投資方法 → 現行法上、投資家(特定投資家以外)の株式投資型CFでの投資可能額は投資先ごとに年間50万円上限 ⇒ 諸外国の例を参考にしつつ、CF事業者が顧客の年収や純資産を把握し、投資家の年収・純資産に応じて、 CFによる投資上限額を定めることが適当(政令規定事項) → 現行法上、少額電子募集取扱業務として行う株式投資型CFにおける投資勧誘方法は・・・ ⇒ ウェブサイトでの表示 or ウェブサイトでの表示 + 電子メールの送付 に限定 → 上記に追加して・・・ ⇒ 投資家からの要請がある場合に限り、音声通話による商品説明を可能とすることが適当 ※ 顧客対応の適切性について事後検証できる方策 + 投資家間の情報格差の防止

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