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今からでも間に合う 病院指標

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突然ですが…

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あなたは、 どうやって、 病院を選びますか?

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1位:医師による紹介 参考資料 厚生労働省:平成26年受療行動調査 「病院を選んだ理由」(入院) ※複数回答可 (53.7%) 2位:交通の便がよい (25.6%) 2位:専門性が高い (25.6%)

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プログラム ・病院指標とは ・病院情報の公表 ・病院指標の未来

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病院指標とは

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病院が提供している医療を、 具体的な数値 客観的に評価 で示すことで、 できるようにしたもの。

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指標の分類 ・構造(structure) ・過程(process) ・結果(outcome)

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構造(structure) ・施設規模 ・スタッフ数 ・機器設置状況 など

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過程(process) ・診察、検査 ・診断、方針決定 ・治療行為 など

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結果(outcome) ・症例数、在院日数 ・患者満足度 ・インシデント発生率 など

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作成の目的 ・医療の見える化 ・改善の動機付け ・患者への情報公開 など

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医療の見える化 “診療実績の評価と公表を義 務付けることは、おそらく、医 療システム改革へ向けた最も 重要な一ステップである” 「医療戦略の本質 価値を向上させる競争」 マイケル・E・ポーター 日経BP社

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改善の動機付け “他人に見られている、監視さ れていると思うだけでパフォー マンスが向上する” “比較されることで、改善の意 欲、動機づけが行われる” 「医療・ヘルスケア産業変革の渦中」 福井 次矢 かんき出版社

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患者への情報公開 “医療情報に関する患者の不 満は多種多様であるが、詰ま るところ、情報不足、開示の不 十分に尽きる” 「日本の医療制度 その病理と処方箋」 長坂 健二郎著 東洋経済新報社

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参考資料 ・聖路加国際病院 ・日本病院会 ・厚生労働省(重要)

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参考資料① 聖路加国際病院 (Quality Indicator) 特徴 情報量が充実(作成時の参考にできる) ※OECD医療の質レビュー日本:2015 「聖路加国際病院で実施されている質指標 プロジェクトは特に印象的であり、国全体で 展開するためのモデルとして役立つ可能性 がある。」

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※2014年結果報告資料 292施設から集めたデータを統計処理 参考資料② 日本病院会 (QIプロジェクト) 特徴 指標毎の平均値や中央値が分かる (ベンチマークが可能)

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参考資料③ 厚生労働省 (病院指標の作成と公開について) 特徴 診療報酬に反映(2017年度予定) ※中央社会保険医療協議会 (DPC評価分科会) 平成24年12月7日資料

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病院情報の公表

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DPCデータを用いて、 病院指標の作成 HP上で情報公開 を行い、 すること。

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平成29年度より、 機能評価係数Ⅱ 保険診療指数 における、 評価が検討されている。 で、

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検討過程 ・起案 (平成24年度診療報酬改定議論) ・検討 (平成26年度診療報酬改定議論) ・結論 (平成28年度診療報酬改定議論)

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起案 (平成24年度診療報酬改定議論) 検討内容 機能評価係数Ⅱの議論をしていた際に、患者 に個別施設の特性を理解してもらうための指 標として、病院指標の作成と公開が起案された。 検討結果 前向きな意見が多かったものの、診療報酬で どのように評価するのかがまとまらず、次回 改定以降の検討課題となった。

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検討 (平成26年度診療報酬改定議論) 検討内容 公開する指標や形式に関する具体案が作成 され、各医療機関に対して公開する意義や実 施可否に関するアンケートが実施された。 検討結果 具体案の作成(24年12月)やアンケートの作 成(25年8月)に時間が掛かってしまったこと から、次回改定以降の検討課題となった。

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結論 (平成28年度診療報酬改定議論) 検討内容 アンケートの結果、病院指標の公開や効果に 対して好意的な意見が多かったことから、導 入を前提にした議論が行われた。 検討結果 準備期間確保のため、平成28年度の導入は 見送られたが、平成29年度から診療報酬で 評価する方向で取りまとめが行われた。

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病院情報の公表 ・目的 ・公表形式 ・作成方法

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目的 ・市民への情報公開 ・データの精度向上 ・分析、説明力の向上 など

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※7項目の指標 (1)年齢階級別退院患者数 (2)診療科別症例数の多いものから3つ (3)初発の5大癌のUICC病気分類別ならびに再発患者数 (4)成人市中肺炎の重症度別患者数等 (5)脳梗塞のICD10別患者数 (6)診療科別主要手術の術前、術後日数症例数の多いものから3つ (7)その他(DICの請求率等) 公表形式 現行案 各病院で7項目の指標※を作成し、それぞれの 項目毎に指標の意味、自院の実績に対する解 説等を加えた上で、HPに公開する。

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作成方法 参考情報 「今回は全ての病院が対応できるようにということで、最も簡単な指標という ことで、様式1を中心としたものを作成しています。ですから、これが最終と いうことではなくて、あくまでも第一歩としての指標です」 利用データ DPC調査ファイルの様式1を集計して加工。 -中央社会保険医療協議(DPC評価分科会) 平成24年12月7日議事録 「これが一般化していって、何年かたって、次はプロセスだよねということに なれば、当然EFファイルという時代はやってくるだろうなとは思っています。」 -中央社会保険医療協議(DPC評価分科会) 平成26年5月14日議事録 →現行案は第一歩に過ぎない

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参考資料 中央社会保険医療協議会 (DPC評価分科会) 平成27年11月16日資料 ・年齢階級別退院患者数 ・5大がんの病期分類別症例数

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参考資料① ・年齢階級別退院患者数 指標の説明 どのような方法で指標を作成したのか、指標に よってどのようなことが分かるのかを説明。 実績の可視化 自院の診療実績を取りまとめ、見やすい形式に加 工して公開。 結果に対する見解 結果を元に自院の特徴を取り上げ、それに対する 見解を記載。 ※中央社会保険医療協議会 (DPC評価分科会) 平成24年12月7日資料

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参考資料② ・5大がんの病期分類別症例数 指標の説明 どのような方法で指標を作成したのか、指標に よってどのようなことが分かるのかを説明。 実績の可視化 自院の診療実績を取りまとめ、見やすい形式に加 工して公開。 結果に対する見解 結果を元に自院の特徴を取り上げ、それに対する 見解を記載。 ※中央社会保険医療協議会 (DPC評価分科会) 平成24年12月7日資料

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病院指標の未来

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病院指標の公開により、 患者の受療動向 実績に基づく競争 が変わり、 が生まれる可能性がある。

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他国の事例① ※厚生労働省 病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会 平成25年1月11日資料 ホスピタルコンペア アメリカの保険福祉省が運営し ている、各病院の診療実績を比 較できるサイト。 運用方法 各病院から提出されたデータ統 計処理して公開。利用者は情報 収集に利用。 特徴 データを提出しない病院の診療 報酬を減額するなど、支払制度 に対する影響力を持っている。

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他国の事例② ※ベストドクターズ社WEBサイト ベストドクターズ 医師選び、病院選びに悩む利用 者に対して適切なアドバイスを 実施するサービス。 運用方法 団体との契約を原則にしている。 契約団体に所属する個人に対し てサービスを提供する。 特徴 契約先団体のサービスと連動し ている。日本の保険会社でも採 用実績がある。 ※日本生命保険相互会社WEBサイト

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他国の事例③ Zoc Doc アメリカのベンチャー企業が運 営しているサイト。ユーザーが医 療機関の受診予約をできる。 運用方法 利用者が立地や保険適用の有 無、口コミなどの情報を参考に 受診したい病院を予約する。 特徴 掲載病院に対して課金。患者は 無償で利用できるためユーザー が多い。 ※Zoc Doc社WEBサイト

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参考資料 厚生労働省:平成26年受療行動調査 「病院を選んだ理由」(入院) ※複数回答可 ※平成23年度調査では7位(21.7%) 1位:医師による紹介 (53.7%) 2位:交通の便がよい (25.6%) 2位:専門性が高い (25.6%)

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まとめ

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病院指標とは、 実績を可視化 客観的に評価 することで、 できるようにしたもの。

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平成29年度から、 病院指標の公開 診療報酬で評価 を行うと、 されるようになる。

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指標の公開は、 患者の受療動向 実績に基づく競争 に変化をもたらし、 を引き起こす可能性がある。

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今からでも間に合う 病院指標 ー完ー