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【スライド版】 候補者の意向度を最大化する 採用広報コンテンツ戦略とは ~内定承諾率を3倍にした6つのコンテンツ~

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はじめに 採用広報に取り組み中、これから取り組む方へ 本スライドは、イベント登壇の発表に基づいて作成されています 詳しくはぜひイベントレポートをご覧ください すみだ@ベーシックCAO 株式会社ベーシック 執行役員 CAO コーポレート部門長 ▼Twitter @takeshisumida_ ▼note @takeshisumida_

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前提情報 投資の加速により事業が急激に成長、早急に採用を拡大していく必要があった 会社名 株式会社ベーシック 従業員数 170名 ミッション 「マーケティングとテクノロジー」で世の中の問題を解決する 主要事業 BtoBマーケティングに特化。 ツールとノウハウでリード獲得支援。 フォーム作成最短30秒。 顧客情報をチームで管理できる。 初心者からプロまで。 すべてのマーケターへ情報発信。 会社概要  ・事業としては主に3つを展開、特にSaaS事業が急成長  ・元々複数事業を展開していたが、2020年に創業事業の   比較メディアを事業売却し、SaaSを中心とした会社に  ・2020年の事業売却、2021年の資金調達を踏まえ   SaaS事業の投資を加速、それに合わせて組織が急拡大 フェーズやその他前提情報

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採用拡大にあたりぶつかった4つの壁とその対策 それぞれの壁に対する対策が必要、当スライドでは特に2について説明 1  せっかく内定を出せたのに、内定承諾率が  低くて採用まで至らない 2  ようやく採用できたのに、早期離職する人が  結局多い 3  いつまで経っても人事の人手が足りず  自転車操業状態 (=人事の疲弊) 4  知名度が低いので、十分にエントリー数が  集まらない ・採用広報コンテンツの開発 ・独自のアトラクトの勝ち筋の見極め ・オンボーディングの見直し ・見極め/オファー手法の見直し ・コア業務とノンコア業務の分離 ・その上で外部に思い切って頼る ・チャネルを一度広げて徹底的に最適化  (特にエージェント、スカウト)

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(参考) 採用ファネルの分析 体制が限られているからこそ、どの課題を優先的に解消すべきかの見極めは重要 ベーシックの場合は特に「内定承諾率」の向上に力を入れた。 これは採用ファネルを分析した場合に、明らかにそれが足を引っ張っていたため。 (単位:人) 2021年 平均 2022年 平均 エントリー 1,333 1,500 一次面接 320 480 二次面接 160 240 最終面接 80 120 内定 67 100 (内定率) (1.5%) (2.0%) 内定承諾 20 30 (内定承諾率) (30%) (30%) エントリーは増やせてるし、その質は向上している (=内定までの通過率が向上している) 一方で、内定承諾率は高められておらず、 またそれは業界平均から著しく低い。 (※数字はイメージなので適当です。)

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採用広報コンテンツを作る上での考え方 大きくは2つのフェーズに応じた魅力付けが必要 前期 客観的コンテンツでの 魅力付け 後期 情緒的コンテンツでの 魅力づけ 意向度は、最後の最後で急に高まったりはしない。初期接点からの積み重ねで徐々に醸成されていく。 ・エージェント ・ダイレクト  スカウト

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それぞれのフェーズにおける採用広報コンテンツ 2つのフェーズごとに、それぞれのあるべきコンテンツを整理 情緒的コンテンツ 採用サイト 採用ピッチ資料 メディア掲載 客観的コンテンツ note Twitter Welcome Letter 川前 志穂子

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客観的コンテンツ -採用サイト- 大枠の会社情報に加えて、とにかくそこに属する「人」を見せることが重要 ベーシックにおいても、人にフォーカスしたコンテンツを増大させるリニューアルを実施。 必ずしも直接の増加を期待するものではなく、あくまで初期段階での特に”信頼性”や”安心感”の醸成が肝。

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客観的コンテンツ -採用ピッチ資料- 採用サイトでは表しきれない詳細をスライドとしても公開するとより効果的 基本的には採用サイトの詳細化、特に事業や風土、特徴的な制度などにフォーカス。(ベーシックの場合は人事制度)

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客観的コンテンツ -メディア掲載- メディア掲載も1つのコンテンツ、資産として2次活用できるかどうかがポイント 掲載からの瞬間的な応募増加自体を過大に期待しない。 1.会社としての勢いを感じさせるもの、2.社長の人柄や考え方が分かるもの、3.面接を担当する人 を中心にアプローチ。 1.会社軸 2.社長軸 3.面接官軸 ※動画や音声メディアだとより効果的 ※フェーズによっては有償でもやるべき v v

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情緒的コンテンツ -note- ベーシックにおいては、noteの活用が意向度の向上に効果的だった  noteを選んだ理由    社員が各自で発信できる更新性    SNSでの拡散性 (採用色の薄さ)    会社公式ページとして使える運用性    プラットフォームとしての成長性

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(参考) noteの内容の方向性について 目的の設定とそれに応じたコンテンツが肝、闇雲に記事を量産するのは危険 ベーシックでは、とにかく通過率・内定承諾率にフォーカス、 候補者の意向度をいかに高められるかの観点で、以下3つの型でコンテンツを作成。(3年で150本以上公開) 取り組み 部署・個人として取り組んだ結果、成果 が出たものについて、他社でも参考にし てもらうために、型やノウハウという形 で詳細を公開するコンテンツ。 決意表明 部署・個人として、どのような業務に取 り組んでいるのか、その面白さや挑戦の 内容について、新任の役職者や異動者に その想いを綴ってもらうコンテンツ。 入社エントリ これまでの経歴、その上でなぜベーシッ クに入ったのか、ベーシックで何に挑戦 しようとしているのか、新入社員にその 思いを綴ってもらうコンテンツ。

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(参考) noteの運用について (参考) https://note.basicinc.jp/n/n440fbdadeb68 運用の”継続”と”成果”の最大化のために、会社独自の「型」の確立を 1  校正を徹底的に行う編集体制を設ける 2  現場の声を継続的に吸い上げる 3  編集部ではなく社員が発信する 4  採用プロセスに組み込む 5  成果を見える化し続ける 6  拡散手法を同時に確立する

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情緒的コンテンツ -Twitter-  Twitter運用のポイント    Twitter自体はあくまで拡散手段    Twitterの活用自体は強制しない    投稿内容も指定はしない    SNSはあくまで楽しんで運用してもらうことが継続の鍵。    会社から何かしら強制された運用は、瞬間的には    盛り上がるが、どこかで疲弊してしまう可能性が高い。 合計フォロワー数7万超のアカウントが、noteをTwitter上でシェア

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情緒的コンテンツ -Welcome Letter- 最終段階の内定通知時には、通常の通知書に加え、より情緒的なオファーを 川前 志穂子  ベーシックでは”Welcome Letter”を授与    配属先のメンバーではなく、    面接した人がメッセージを記載    当時の想いを、テキストとしても    今一度候補者に伝える    社長を始め、経営陣からの    メッセージがあるとより効果は高い v v v v

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採用広報コンテンツで抑えるべきステップ コンテンツを作ることはもちろん、確実にプロセスまで組み込むことが大事 1  「情緒的コンテンツ」が  継続的に出続ける仕組みを作る 2  双方のコンテンツを、  採用プロセスの中にしっかりと組み込む 3  「客観的コンテンツ」を  網羅的に整備する 初期接点で、選考対象の会社から落ちな いことがまずは寛容。採用候補者に得て もらいものとしては、「安心感」や「信 頼感」。 「意向度」の向上により効くのは情緒的 コンテンツ。そのためには最新のものが 出続ける仕組みが必要。 いずれのコンテンツも、作って終わりに してはならない。それが採用候補者に確 実に認識されるよう、採用プロセスに確 実に組み込むべき。

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(補足) コンテンツを採用プロセスに組み込むとは 採用候補者との面談・面接前の案内文に、目的に適したコンテンツを個別に送付 初回面談 客観的コンテンツを中心に、 会社の全体像が分かるものを、 面談前に候補者に共有 以降の面接 情緒的コンテンツも交えながら、事業の面白さ、 また面接官の人柄や考え方が分かるものを、 面接前に候補者に共有

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最後に それぞれのコンテンツを作る目的を明確化することが何より重要 採用広報に限らずコンテンツ作りには時間を要します。だからこそひとえに採用広報のコンテンツと言っても、それぞれを 作成する「目的」を明確にすることは何より重要です。 例えば今回ご紹介した”note”を例に取ると、それによりエントリー数を増加させようとすれば相当な本数のnoteを書く必要 が出てきますが、結果的にはKPI上は狙っていた程の成果が出ないということは往々にしてあります。 仮にエントリー数を増やしたいのであれば、何十時間とnoteの執筆や編集に充てていた時間を、スカウトの送付やエージェ ントとのコミュニケーションに使った方がよかったということもあるでしょう。 今回ご紹介したように、基本的には前期接点のために客観的コンテンツを揃え、そこでは「安心感と」「信頼感」を獲得、 その上で後期接点のための情緒的コンテンツで「意向度」の向上や直接的には「内定承諾率」の向上を目指すのがいいと基 本的には考えています。 限られたリソースで取り組んでいる会社も多い中、とにかく何でもやろうでは人事や広報の担当者が疲弊してしまい運用が 継続しません。目的を設定した上で、今回ご紹介したような全体像を設計しつつ、より効果的なコンテンツを作成していく ために、今回の内容が皆様のご参考になっていれば幸いです。

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(付録) リンク集  採用サイト  https://recruit.basicinc.jp/  ベーシックのnote  https://note.com/basicinc  採用ピッチ資料  https://speakerdeck.com/basicinc/saas