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学術情報XML推進協議会第5回 講演会 平成27年8月5日 知識基盤情報部 J-STAGE の状況と今後の方針について

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本日の内容 1 1.J-STAGEの概況とXML登載の現状 2.J-STAGE登載対象コンテンツの拡大 3.J-STAGE公開インターフェース改善の取組と 今後の開発予定

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本日の内容 2 1.J-STAGEの概況とXML登載の現状 2.J-STAGE登載対象コンテンツの拡大 3.J-STAGE公開インターフェース改善の取組と 今後の開発予定

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J-STAGEの概況(規模)  1999年サービス開始  全収録誌数: 1,941 誌 全収録記事数: 2,760,174記事 (2016.7.19現在、刊行終了誌や予稿集を含む)  国内で刊行される科学技術(人文科学・社会科学を含む) 逐次刊行物の国内外への発信・流通促進  論文等情報のオープンな流通の促進 (認証機能オプションもあり)  アーカイブよりも、最新コンテンツの公開を重視  データの作成・公開・運用は各発行機関(J-STAGE利用学協会等)が行う 国内の学会・協会が発行する学術電子ジャーナルの 国内の学会・協会が発行する学術電子ジャーナルの 国内最大級共同プラットフォーム ジャーナル1813誌、論文約246万件 ジャーナル1813誌、論文約246万件(2015.7.19現在) 9割近くのジャーナルが無料 9割近くのジャーナルが無料 www.jstage.jst.go.jp 3

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4 H24 年度末 H25 年度末 H26 年度末 H27 年度末 参加学協会数(団体) 918 960 1,001 1,035 誌数 ジャーナル(誌) 1,621 1,685 1,734 1,790 予稿集等(誌) 128 128 127 127 合計(誌) 1,749 1,813 1,861 1,917 記事数 ジャーナル(件) 2,241,433 2,337,248 2,363,325 2,440,315 予稿集等(件) 256,830 269,023 281,911 295,076 合計(件) 2,498,263 2,606,271 2,645,236 2,735,391 ・わが国の学協会の約半数※が利用 (※参考:日本学術会議の活動に協力する「協力学術研究団体」を中心に、我が国における主要学術 団体を掲載する学会名鑑に収録されている学協会数2,008件 平成28年3月末現在) J-STAGEの概況(参加学協会数など)

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J-STAGEの概況(アクセス数など) 5 カレント誌の分野 (H28/5時点) 国別ダウンロード数 (H27/4-H28/3) ※ H26 年度の大幅な件数増は海外の利用者の 一時的な大量利用によるものであり大量利用分を 除いた件数は 5,880 万件 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 H22 H23 H24 H25 H26 H27 国内 DL 数 国外 DL 数 ダウンロード状況

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6 データ DOI登録・有効化 引用・被引用リンク付与 J-STAGE における記事公開にとどまらず、外部サービスと データ連携し、公開記事を広範囲に流通させることで、 国内・海外からの閲覧機会向上を図っています。 閲覧 検索 / ヒット 国内外 各外部連携 サービス J-STAGEと外部サービスとの連携について XML J-STAGE 外部検索サービスとの連携について https://www.jstage.jst.go.jp/pub/html/AY04S250_ja.html

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XML登載の現状① 7 平成 24 年度末 平成 25 年度末 平成 26 年度末 平成 27 年度末 カレント誌数 892 誌 945 誌 985 誌 997 誌 うち書誌 XML 形式 117 誌 (13%) 229 誌 (24%) 385 誌 (39%) 454 誌 (46%) うち全文 XML 形式 20 誌 (2%) 32 誌 (3%) 34 誌 (3%) 37 誌 (4%) ・XML形式での登載誌は毎年増加している傾向 (新規ジャーナル以外にも、既存ジャーナルのXML形式への移行もある) ・特に書誌XML形式の増加が顕著。 ・一方で全文XML形式はあまり増加していない。

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XML登載の現状② 8 今後全文 XML 形式に移行する予定はありますか。( N=227 ) ( H27 年度 J-STAGE 利用者満足度調査より) 回答数 割合 ■ 全文 XML 形式への移行が決まっている。 または移行を具体的に検討している。 15 6.6% ■ 具体的に検討はしてないが、全文 XML 形 式への移行に興味がある。 103 45.4% ■全文 XML 形式への移行は考えていない。 109 48.0%

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XML登載の現状③ 9 (学協会様の声) 技術面とコスト面の課題のクリアと、 XML 化によるメリットを分かりやすく伝えることが全文 XML 推進のポイントと考えられる。 全文 XML 形式への移行を考えて いない理由は何ですか。 (N=109) ・全文XML作成ツールを提供して欲しい。 ・J-STAGEの全文XMLをPMCにそのまま生かせないか。 ・XML化は技術面・財政面の両面において学会の負担が大きい。 ・和文誌のため全文 XML 形式の必要性を感じない ・数式が上手く ( 綺麗に ) 表示できない ( H27 年度 J-STAGE 利用者満足度調査より)

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J-STAGE XML推進 今後の予定 10 J-STAGE XML バージョンアップの検討 ( JATS 1.1 準拠) 検討中 国際標準である JATS 最新バージョン 1.1 に対応したプラットフォーム をとなることで、 J-STAGE 利用学協会の閲覧者、投稿者等に対するプ レゼンス確保を期待 システム上実装が必要な要件や、 J-STAGE 登載誌の国際発信力強化 へ繋がる追加項目について今後精査予定 検討にあたり、 XML 推進協議会の皆様からもご要望やご意見、 ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます 現在 JATS0.4 最新バージョン JATS1.1

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本日の内容 11 1.J-STAGEの概況とXML登載の現状 2.J-STAGE登載対象コンテンツの拡大 3.J-STAGE公開インターフェース改善の取組と 今後の開発予定

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2012年 J-STAGE3 Journal@rchiveサイトとの統合、デザイン・ ユーザーインターフェースの刷新、データ 形式を国際標準であるXML方式へ移行、 購読・販売管理機能の強化などの改革を 実施 2015年11月 登載対象コンテンツ拡大・Web登載機能追加 2016年 ELSデータ移行を開始 評価版の開発(公開インターフェース改善) J-STAGEの来歴 12 1999年 J-STAGE ジャーナルの電子化による情報の発信と流通の迅速化を 目的としたプラットフォームとしてサービスを開始 2003年 J-STAGE2 横断検索機能、My J-STAGE機能、早期公開、全文HTML公開などの機能を追加 2005 年~ 2011 年 学協会誌について創刊号まで 遡って電子化し、 169 万論文を公開 国立情報 学研究所 電子図書 館事業 (NII-ELS) の終了 主 に 査 読 付 き 論 文 誌 を 中 心 に 登 載 登載対象 コンテンツ を拡大 日 本 の 科 学 技 術 刊 行 物 の 電 子 化 と 流 通 促 進

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登載対象コンテンツの拡大 13 J-STAGE は、 1999 年のサービス開始以来、主に査読付き論文誌を登 載コンテンツの中心としてきました。 この登載コンテンツに関するサービス方針を新たにし、 2015 年 11 月 末より従来の査読付き論文誌に加え、査読のない論文誌、会議論 文・要旨集、研究報告書・技術報告書等を登載対象としました。これ により日本の幅広い科学技術刊行物※の電子化と流通促進を図りま す。 ※科学技術刊行物には、人文科学・社会科学に関する刊行物も含みます。 J-STAGE 登載対象コンテンツ拡大( H27 年 11 月末~) また、コンテンツ拡大に合わせ、学協会が簡易に記事をJ-STAGEにアップロードできる Web登載機能を提供しました。

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資料種別 資料例 アイコン 1. ジャーナル 原著論文を主たる記事としている雑誌 2. 研究報告・ 技術報告 企業が刊行する技報(研究報告、技術報告等) や、大学紀要、研究所報告など 3. 会議論文・ 要旨集 会議論文集、要旨集、予稿集、概要集など 4. 解説誌・ 一般情報誌 一般向けの科学技術理解増進のための啓蒙的 記事を掲載したものや業界ニュース誌など 5. その他 調査資料・統計資料など 14 J-STAGEの登載対象コンテンツを、以下の5種類に拡大しました。 新規追加 登載対象コンテンツの拡大

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15 資料種別の J-STAGE 公開画面表示 絞り込み検索に資料種 別を追加 資料名に資料種別 アイコンを表示 当該記事が収録されている 資料の種別アイコンを表示 書誌画面 資料一覧画面 対象コンテンツ拡大により、さまざまな資料が J-STAGE に登載されるようになったため、 公開画面に資料種別を表示するようにしました。 登載対象コンテンツの拡大 ※ J-STAGE お申し込み時に資料種別を申請頂き、 JST が設定を行います。

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16 資料の査読表示 査読付き論文を掲載する資料には、査読アイコンが表示されます。 また、資料の検索時に”査読あり“の条件で検索ができるようになりました。 ※資料の査読あり / なしは、 J-STAGE お申し込み時に査読体制等をご提出頂くことで、 JST が設定を行います。 登載対象コンテンツの拡大

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NII-ELS公開刊行物データのJ-STAGE移行 17 国立情報学研究所電子図書館事業 (NII-ELS) の終了に伴い、 NII-ELS 掲載誌の J-STAGE への受け入れを行います。 JST は NII と連携し、データ移行をスムーズ に行うための支援を行っています。 ・ J-STAGE への移行データ取り込みは NII 、 JST で実施し、取り込んだ記事の公開作業は 学 協会が担当。

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NII-ELS公開刊行物データのJ-STAGE移行 (データ移行申し込み数) NII-ELS 収録誌数約 1,500 誌中、データ移行申し込み数 563 誌 ※ 2016/6/30 現在 (データ移行の実施スケジュール) H28 年度 7 月より、 1 ヶ月あたり 16 誌~ 20 誌程度を移行実施予定 (現在発刊中の資料を優先的に移行) 作業効率化や追加予算に応じて移行数増加予定。 H29 年度 すでに刊行終了した資料を中心に移行作業を実施予定 H28年 度1Q 2Q 3Q 4Q H29年 度1Q 2Q 3Q 4Q データ移行実施 (NII・JST) 学協会による J-STAGE公開処理 ・ 150 誌以上予定 ・ ELS カレント誌優先 ※作業効率化や追加予算に応じて移行数増加 学協会による NII-ELS 移行データの J-STAGE での公開作業 (学協会作業により随時) ・ ELS カレント誌残+前身誌 実施予定 18

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コンテンツ拡大以降の採択状況 19 コンテンツ拡大以降の採択誌数 528誌 (うちNII-ELS収録誌 370誌) ジャーナル 研究報告・技術報 告書 会議論文・要旨 集 解説誌・一般情 報誌 その他 369 誌 ( 69.9% ) 50 誌 ( 9.5% ) 94 誌 ( 17.8% ) 9 誌 ( 1.7 %) 6 誌 ( 1.1 %) (採択誌の資料種別内訳) 解説・一般誌 情報・システムソサイエティ誌 (電子情報通信学会) 2016 年 5 月 25 日公開 多様な資料の J-STAGE 登載が、 XML 推進の底上げ となることを期待

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本日の内容 20 1.J-STAGEの概況とXML登載の現状 2.J-STAGE登載対象コンテンツの拡大 3.J-STAGE公開インターフェース改善の取り組みと 今後の開発予定

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公開インターフェース改善の取り組み 21 J-STAGE 評価版 J-STAGE の次期開発に向け、画面インターフェースを一新した「 J-STAGE 評価版」を 試験的に公開しました。 当評価版は、皆様から評価をいただき次期 J-STAGE システムの開発の参考とする ことを目的とし、 現行 J-STAGE 公開誌のうち 3 誌※のみを公開しています。 J-STAGE 評価版は、海外のジャーナルプラットフォームを参考に、見やすく、使い やすいサイトとなることを目指しています。また新しい機能として、おすすめ記事の 表示、ジャーナル概要の紹介、 J-GLOBAL との連携による関連情報の表示、モバイ ル端末での表示などに対応しました。 ※評価版登載誌 -日本薬学会 「Chemical and Pharmaceutical Bulletin」、 「Biological and Pharmaceutical Bulletin」 -日本機械学会 「Mechanical Engineering Letters」 J-STAGE 評価版サイト https://jstagebeta.jst.go.jp/

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22 1.おすすめ記事表示 2.ジャーナル概要、編集委員会メンバ紹介 3.J-GLOBALと連携し関連情報を表示 4.アクセスランキング表示 5.外部サービスとの連携 文献管理ソフト「Mendeley」、 学術論文の影響度評価ツール「PlumX」 6.全文HTML表示の改善 7.モバイル端末での表示最適化 評価版の新しい機能

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23 1.おすすめ記事を表示 ①資料トップページに「Featured article」 としてジャーナル内のおすすめ記事を紹介文 と共に表示 ① ② ②最新巻号(Current issue)から4記事まで おすすめ記事を選択し表示 ※選択しなかった場合は、最新巻号からラン ダムに4記事を表示する

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24 2.ジャーナル概要、編集委員会メンバ紹介 ①ジャーナル概要を掲載 ① ② ②編集委員⾧からのメッセージ、編集委員メ ンバの紹介

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25 3.J-GLOBALと連携し関連情報を表示 ①Related articles 書誌ページで閲覧している記事と、 同一ジャーナル内の類似記事を表示 ※J-GLOBALの類似文献表示機能を利用 ① ② ②Author related Information 著者関連情報として 著者の同一ジャーナル 内の文献、他ジャーナ ルの文献、特許情報、 著者の共著者マップを 表示 ※J-GLOBALの研究者 情報機能を利用

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26 4.アクセスランキング表示 ・PDFページ+全文HTMLペー ジのアクセス数上位5位の記事 タイトルを表示 ・ランキング対象範囲 J-STAGE評価版トップでは J-STAGE登載誌全体 資料トップでは、ジャーナル内

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27 5. 外部サービスとの連携 ①各書誌ページに 文献管理ソフト「Mendeley」リンクを配置 クリックすることで表示している 書誌データがMendeleyライブラリに保存される ① ② ②各書誌ページで、スコアがあれば、 学術論文の影響度評価ツール「PlumX」 の「PlumPrint」マークが表示される

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28 6. 全文HTML表示の改善 ③ナビゲーション機能 インデックスをクリックすると該当 部分へページ内遷移します。 ①書誌情報エリア 書誌情報を表示します。 著者名をマウスオーバーするこ とで所属機関を表示します。 ORCID iDの登録があると著者名 がクリック可能となりORCIDのサ イトへ遷移します。 ②PDF ページへのリンクやメ タデータダウンロードが行え ます。 ① ② ③

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29 7. モバイル端末での表示最適化 ・各画面表示をモバイル端末の画面サイズへ最適化 資料トップ 書誌ページ 全文HTMLページ 全文 HTML 表示の改善により、全文 XML 推進へ繋がることを期待

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30 期待する効果 ■学会誌の説明を充実 ージャーナルの目的・特徴が明確になり、読者・投稿者から 選定されやすくなることにつながる。 ー論文のアクセス、引用数増、ひいては投稿者を増やすことに つながり、学会にとってメリットとなる。 ■サイトが見やすくなる、モバイル端末表示に対応 ー読者にとって、論文が読みやすくなる。 ー論文のアクセス増につながる。 ー全文XML推進へつながる。 ■関連情報を提示 ー読者にとって、関連情報へのアクセスが簡単になる。 ー関連論文のアクセス増につながる。

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評価版 今後の開発予定 31 J-STAGE 評価版に対しての学協会や閲覧者からの要望をふまえ、 機能改善、機能追加を実施します。 ・ Figures & Tables の表示方法の改善 ・全文 HTML ページのナビゲーション表示の改善 ・フリーアクセス/オープンアクセス/認証あり アイコンの表示 ・ Impact Factor の表示 ・編集委員の各メンバのメッセージ表示機能の追加 など 2012 年 J-STAGE3 XML 形式への準拠 早期公開機能、引用リンク 2016 年 J-STAGE 評価版 関連情報提供、 モバイル対応、外部連携 2017 年度以降 国内研究の 国際発信力を強化 J-STAGE 評価版の画面 インターフェースを 全ジャーナルに適用

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本日のまとめ 32 1. J-STAGE の概況と XML 登載の現状 ⇒多様な資料の J-STAGE 登載が、 XML 推進の底上げとなること を期待 ⇒ J-STAGE 利用学協会の中でも、 XML 化の流れがある。 技術面とコスト面からの課題のクリアと、 XML 化によるメリットを 分かりやすく伝えることがさらなる推進のポイント ⇒ JATS バージョンアップに関して、 XML 推進協議会の皆様のご 意見も賜りたい ⇒全文 HTML 表示の改善により、全文 XML 推進へ繋がることを 期待 3. J-STAGE 公開インターフェース改善の取り組みと今後の開発予定 2. J-STAGE 登載対象コンテンツの拡大

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ご清聴ありがとうございました。 33