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丁稚奉公から 始まる異業種探索

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株式会社ログラス 執行役員 VPoP 斉藤 知明 mikan CTO → Unipos CEO → Loglass VPoP speaker X: https://twitter.com/tomosooon facebook: https://www.facebook.com/tomosooon

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これからの20分を3行でまとめると ● 新規事業開発や新規マーケット展開に活かせる話をします。 ● N1の現状を深く知り、理想を描くハイコストハイリターンなやり方 「丁稚奉公」 ● 「丁稚奉公」を実施すると、顧客からの信頼と将来の確信を得られる。

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おことわり (ピンポンパンポン↑) 今日は最新の探索についてお話します。 会社の戦略にも関わることですので一部マスクしながらお話します。 特に業界の話が出るのですが、対象業界を「〇〇業」と呼びながらお話しします。 できるだけリアルな学びをお話ししたいことと会社の情報を守りたいことからこうなりまし た。 ご理解ください。 (ピンポンパンポン↓)

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お題 「〇〇業からも良い景気を作るには?」

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Why〇〇業? ・プロダクト:これまでLoglassは〇〇業のみなさんはターゲット外だった。柔軟性が高いプロ ダクトだが、使いやすさのためにまずは対象を絞ってPMFしてきていた。 ・顧客:〇〇業の顧客は経営も複雑でパラメータが多く、経営管理への悩みも深い。また、 〇〇業は日本の産業でも重要なポジションを担い、良い景気を作ろう。を実現するためにも重 要なターゲットである。 ・マーケット:十分なポテンシャルがある。Loglassが売上100億円規模まで非連続な成長を仕 切るにはあと丁度倍近くの*SAMが必要であることがわかっており、そのポテンシャルを秘め ていた。(*SAM = PMFしているマーケットのサイズ)

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Why〇〇業? ペインもある。ミッションとも整合し、事業戦略とも合致している。 しかしサービスがハマり切っていない。 ミッション「〇〇業PMFを達成するために、プロダクトを変革せよ。」

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さあどう進もう?

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不確実性のかたまり まずこの時点で、かなりプロダクトありきな発想である。 海外マーケットを見るとたしかに〇〇業で需要があることは確認できているが、その需要の 実態もわかっていない。かなり悪手な発想に見える。 これまでは代表の布川が投資銀行時代の知見、東証プライムIT系企業の経営企画チームの トップをしてきたことから解像度が高かった。 〇〇業の経営経験はない。ただ、お付き合いも数社だが起こり始めている状態。

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30を超えるヒアリングでも確信は得られず。 分からなかったので、ツテやお願いで30社と話してみた。 概要はわかった。たしかに課題もありそうだ。でも、経営という非常に守秘性の高い情報に 近いだけあり、ありのままが分かったとは到底言い難かった。 「明日からExcelで同じことしてみて。」 こう言われてもできない気がした。

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探索は最小リソースで:両利きの経営 『両利きの経営』https://amzn.asia/d/7k2vdhS 知の深化 知の探索 鉄則:最小リソースで探索し、見えたら踏む。 既存の顧客・成長は重要。不確実性が高すぎるところに一気にリソースは 投下しない。

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「そうだ、丁稚奉公に⾏こう。」

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「丁稚奉公」is 何 丁稚奉公とは、職人のもとで弟子として働くこと。 ターゲットユーザーになりきるのではなく、ターゲットユーザーになってみる。 就職して仕事してみる。

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Why「丁稚奉公」 理由1:経営企画を効率化するログラスが顧客を深く知るには、N1の深いAsIsとToBeが必要 A. Asis:「経営がどう回っているのか?何を見てどう行動していて、何が大変なのか?」 B. 1段階目のToBe:「効率的に回っている状態とは?何を見てどう行動したいのか?」 C. 2段階目のToBe:「経営が成功している状態とは?何を見てどう行動しているのか?」 理由2:また、探索には多くのリソースや時間は割けない、最短で最小コストで顧客のペイン を体感したい

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丁稚奉公 = 1人の半分を3ヶ月投資するだけでプロダクトチーム内に 〇〇業の経営企画を深く理解したPdMを作れる手段

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PdMのみなさま 丁稚奉公、したくない?

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#1. 丁稚奉公に⾏くまで

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狙いを定めてお願いしてみる 1.会社のミッションや他業種での状況からターゲット範囲を定める。 → ここであまりにも離れるとプロダクトが離散するのでNG 2.ターゲットの中で顧客・未顧客のリストを作り、特に理解を深めたいお相手を選択。 → SAMの拡大が目標であるためできるだけマーケットの代表的企業が望ましい 3.CSにも事情を説明し、顧客にプレゼンさせてもらう。 → 素直に伝える。〇〇業の経営30社聞いてきました。経営にも関わってました。お役立ちでき るはずです!扱き使ってください!ただコミットする分、お金はください! ⇒ 3社話して1社から週2日、月〇〇万円でオフラインで一緒にやりましょう!となった。 ※ 給料をもらっているので江戸言葉では正確には丁稚ではないらしいです。 テクニックはありません。お願いしてみたら行けました!

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お客様「(苦笑)」

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でも 3社話して1社から週2日、月〇〇万円でオフラインで一緒にやりましょう!となった。 ※ 給料をもらっているので江戸言葉では正確には丁稚ではないらしいです。 テクニックはありません。お願いしてみたら行けました!

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#2. 丁稚奉公中の過ごし⽅

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やっていたこと ・場所:名古屋、現地出社、ドアドアで2時間(新幹線ってすごい!) ・期間:3ヶ月、週2 ・内容:  1.Excelでデータを収集、統合し経営会議資料を作る。  2.Loglassへの置き換えを一緒にやる。  3.予算策定、予実検査プロセスのアップデートを事業部のみなさんも巻き込んで実施。  4.事業部のみなさんとたくさんランチする。 ⇒ 同時に残り週3を使って営業検証も実施

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実施体制 ・私 0.6 ・デザイナー 0.1:構想をモックに落としてもらう ・業務委託  ・コンサル出身、資料作りとか思考整理なんでもできるすごい人1名。AsIsまとめ担当  ・PE出身、〇〇業の経営を変革した実績のあるすごい人1名。ToBe議論担当 ⇒ 社内は最小コスト、足りない力は外部から調達。

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#3. 丁稚奉公で得たもの

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得たもの 1.強烈なAsis 来月の経営会議資料作って!と言われたら「はい喜んで!」と言えるレベル 2.周辺のお悩み データを取り込むまでにやっている業務、データを収集する段階で大変なこと、データを見たいとなるまでのリアル な経緯、会話。 3.プロフェッショナルサービス開発の機運 そこそこ単価をいただけたサービスになった。これをそのまま事業にできるか?→BPO的サービス提供機会の発掘 4.周辺ステークホルダーのお悩み 事業サイドのみなさんとランチでどんな環境要因に悩まされているのかをしれた。 5.〇〇業のビジネス習慣に対する理解 ビジネスの流れと関連する他業種のみなさんについても理解が深まった。 6.ついでにアップセル 使い方やお悩みをリアルに知れたのでリアルな提案ができ、アップセルにも繋がった。

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1.強烈なToBe どうやったら〇〇業の経営が勝てるのか? ⇒ とある日本の〇〇業企業を5年で〇〇倍に成長させたPEファンド出身の人に業務委託をして もらい、丁稚奉公先にも頼み、リアルケースとして扱い疑似経営会議資料を作り、議論して獲 得した。 2.汎化できるのか?N1以外でも通じるのか? ⇒ 営業検証を同時に行うことで汎化できるの?は探索を続けた。ゴールであるSAM拡大はでき るのか?をこの場で検証し続けた。 丁稚奉公だけじゃ足りなかったもの

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・社内で〇〇業経営企画にもっとも詳しい人になった。 ・30と広く対話し、1のとても深くを知れたので〇〇業経営企画のお客様からも色々教えてほし い!と言われるようになった。 ・プロダクトサイドにドメインエキスパートがいることで、〇〇業経営企画がラクになるプロ ダクト開発のための大事なピースが一つ揃った。 ・新規売上の機会にもなった。(アップセル & 業務委託報酬) ⇒ 強烈なAsisとTobeが見えたことで明確なビジョンを描く準備ができた 結果

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丁稚奉公 = 1人の半分を3ヶ月投資するだけでプロダクトチーム内に 〇〇業の経営企画を深く理解したPdMを作れる手段 だけじゃなかったね!

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じゃあどうやったらできるのさ

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余白

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余白:時間的余白+権限的余白 ・時間的余白:暇が必要 ・権限的余白:NGやってもええんちゃう?の精 神 余白無いがち、LNOのNOを剥がす。 ミッション 余⽩ インプット ミッション・余白・インプットがあると行動は生まれる。

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まとめ

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これまでの20分を3行でまとめると ● 新規事業開発や新規マーケット展開には深い顧客理解が必要 ● 「丁稚奉公」を実施すると、顧客からの信頼と将来の確信を得られる。 ● みんなも丁稚奉公してみようぜ!

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ご清聴ありがとうございました! 今日も名古屋いってきます!

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東証プライム上場企業を始め、多くの企業にご導⼊いただいています 経営企画ってわからん