Slide 1

Slide 1 text

©Fusic Co., Ltd. CONFIDENTIAL OSEKKAI × TECHNOLOGY 今さら聞けないサーバーレスのいいところ 〜運用から解放される世界を目指して〜 Tech Challenge Party 2026 2026.02.04 清家史郎 @seike460

Slide 2

Slide 2 text

©Fusic Co., Ltd. 自己紹介 はじめに 清家 史郎 (@seike460) SHIRO SEIKE 株式会社Fusicプリンシパルエンジニア/エバンジェリスト AWS User Group Leaders AWS Community Builder Serverless 2025 Japan AWS Top Engineers JAWS Days 2026 実行委員長 OSEKKAI × TECHNOLOGY ココロと技術で、ぴったりも、びっくりも。

Slide 3

Slide 3 text

©Fusic Co., Ltd. 先に結論 サーバーレスの本当のいいところは「未来に集中できる形になること」 サーバー管理でも、コスト削減でも、スケーリングでもない あなたの時間と才能を、価値創出に使えるようになること

Slide 4

Slide 4 text

©Fusic Co., Ltd. 今日お伝えすること 1. サーバーレスとは何か - 単なる技術ではなく「責任の再設計」 2. サーバーレスの 5つのいいところ - 具体的なメリット 3. Pros/Cons - いいところも注意点も正直に 4. 生成AI時代のサーバーレス - なぜ今こそサーバーレスなのか 5. 最初の一歩 - 踏み出すための具体的なアクション

Slide 5

Slide 5 text

©Fusic Co., Ltd. 運用とは何か? 私たちが本当に責任を持つべきは何か? ● サーバーが動いていること? ● OSにパッチが当たっていること? ● ディスク容量が足りていること? それとも、ユーザーに価値を届けること?

Slide 6

Slide 6 text

©Fusic Co., Ltd. 私が「技術で戦う」を選んだ理由 数十のシステムを少人数で運用。予算は限られている。品質は落とせない。 選択肢は3つあった: 1. 制約を加える → 監視の頻度を下げる → サービス品質の低下 2. 金で殴る → 人を増やす、ツールを買う → コスト原因でサービス終了の可能性 3. 技術で戦う → サーバーレスで運用負債を抱え込まない設計 重要なのは「僕たちが選択できる」ということ

Slide 7

Slide 7 text

©Fusic Co., Ltd. サーバーレスとはなんなのか CNCF Serverless Whitepaper v1.0 サーバ管理を必要としないアプリケーションの構築と実行の「概念」 ● サーバーレスとは特定のサービス名ではない ● サーバーがないわけではない ● 「サーバー管理の責任を持たない」という考え方

Slide 8

Slide 8 text

©Fusic Co., Ltd. 私たちは「何を動かすか」に集中できる サーバーレスとは 「責任の持ち方を再設計すること」

Slide 9

Slide 9 text

©Fusic Co., Ltd. 管理コンポーネントが激減し「コードに集中する」体験が生まれる サーバーレスの具体例 ● 従来 ALB + EC2 + Auto Scaling + RDS 監視 + パッチ管理 ● AWS Serverless Amazon API Gateway + AWS Lambda + Amazon DynamoDB

Slide 10

Slide 10 text

©Fusic Co., Ltd. サーバー管理からの解放 サーバーレスのいいところ 1 やらなくていいこと: ● OSのパッチ適用 → AWS Lambda が自動で実施 ● サーバーの監視 → Amazon CloudWatch が24時間365日監視 ● ハードウェア障害対応 → AWS が自動で復旧 ● キャパシティプランニング → AWS が自動スケール あなたがやること:コードを書く、それだけ

Slide 11

Slide 11 text

©Fusic Co., Ltd. 使った分だけのコスト サーバーレスのいいところ 2 Webサイト(1日1万アクセス、 200ms処理)の場合: ● Amazon EC2: 月額 $5+ ● AWS Lambda: 月額 $0.31 (約16倍安い) ● AWS Lambda 無料枠:月100万リクエスト + 40万GB秒まで $0 ● アクセスがない時間帯の課金:EC2は課金、Lambdaは $0 AWS Lambda Graviton2 (arm64) なら更に20%コスト削減 「小さく始めて、必要に応じてスケール」が AWSの強み EC2 Lambda 月額コスト $5+ $0.31 差額 - 約16倍安い

Slide 12

Slide 12 text

©Fusic Co., Ltd. 自動スケーリング(設定不要) サーバーレスのいいところ 3 Amazon EC2 でこれをやろうとすると: ● Auto Scaling グループの設定 ● Elastic Load Balancing の設定 ● 最大・最小台数の検討 ● スケールイン/アウトのタイミング調整 AWS Lambda なら:何も設定しない。同時実行数は自動で最大 10,000

Slide 13

Slide 13 text

©Fusic Co., Ltd. 従来なら設計・構築が必要だったことが、最初から備わっている サーバーレスのいいところ 4 ● AWS Lambda 複数AZで自動実行、SLA 99.95% ● Amazon DynamoDB 3 AZに自動レプリケーション 単一障害点なし

Slide 14

Slide 14 text

©Fusic Co., Ltd. 開発スピードの向上 サーバーレスのいいところ 5 従来のプロジェクト開始: 1. サーバーの調達・構築(1〜2週間) 2. ネットワーク設定(数日) 3. ミドルウェアのインストール(数日) 4. やっと開発開始 サーバーレスのプロジェクト開始: 1. aws sam deploy or cdk deploy (AWS CDK / AWS SAM) 2. 開発開始 インフラ構築ではなく、ビジネスロジックに時間を使える

Slide 15

Slide 15 text

©Fusic Co., Ltd. 正直に語る: Pros/Cons Pros: ● サーバー管理不要 / 従量課金でコスト最適化 ● 自動スケーリング / Multi-AZ 高可用性が標準装備 Cons: ● コールドスタート (Lambda SnapStart で大幅改善) ● 実行時間の制限 (最大15分、Durable Functions で拡張) ● 設計パラダイムの変化 万能ではない。だからこそ「どこに使うか」が大切

Slide 16

Slide 16 text

©Fusic Co., Ltd. AI Codingがサーバーレスの壁を下げる Consで挙げた課題、 AI Codingが解決し始めている ● 設計パラダイムの変化 → AIがイベント駆動・ステートレス設計を提案 ● デバッグ・テストの難しさ → AIがテスト生成・エラー解析を支援 ● IaCの学習コスト → AIがSAM/CDKテンプレートを生成 ● コールドスタート対策 → AIが最適な設定・構成を提案 サーバーレスの「難しさ」は、 AI Codingの得意分野になった

Slide 17

Slide 17 text

©Fusic Co., Ltd. AI基盤にも「責任の再設計」が起きている 私たちは「 AIに何をさせるか」に集中できる 生成AI時代の「責任の再設計」

Slide 18

Slide 18 text

©Fusic Co., Ltd. AIコンテンツ生成パイプライン サーバーレス x 生成AI:具体的な構成 ● AWS Lambda Durable Functions: 最大1年待機、チェックポイント自動保存 ● Amazon Bedrock AgentCore: MCPプロトコル対応、マルチフレームワーク Lambda 1つで、AIワークフローが完結する

Slide 19

Slide 19 text

©Fusic Co., Ltd. でも、運用は消えない 「サーバーレス = 運用不要」は誤解 ● サーバー監視 → アプリケーション監視 ● OSパッチ適用 → 依存ライブラリの更新 ● キャパシティ管理 → コスト最適化 「管理する運用」から「観測する運用」へ Amazon CloudWatch + AWS X-Ray + Lambda Powertools で Observability を確保

Slide 20

Slide 20 text

サーバーレスの本当のいいところ 本当のいいところは「未来に集中できる形になること」 自動スケーリング? → 確かに。でもそれは結果 GPU管理からの解放? → 確かに。でもそれも結果 運用負荷の軽減? → 確かに。でもそれも結果

Slide 21

Slide 21 text

©Fusic Co., Ltd. Everything Will Be Serverless. これは確定した未来ではない。だけど僕はその未来を信じています。 サーバーレスではないシステムは悪なのか? → そうは思わない サーバーレスが万能か? → そうも思わない でも、僕はこう信じている: ● 完成された仕組みを上手く利用する ● やらなくてよいことはやらない ● クリエイティブなアウトプットに集中する その延長線上に、サーバーレスがある

Slide 22

Slide 22 text

©Fusic Co., Ltd. 最初の一歩:明日からできること 「全部サーバーレスにしよう」ではなく、小さく始める 1. AWS Lambda を1つ動かしてみる → 既存システムの「横」で試す 2. Amazon Bedrock APIを1回呼んでみる → 生成AIもサーバーレスで体感 3. コミュニティに参加する → JAWS-UG、ServerlessDays 完璧を目指さなくていい。まず触れてみる。

Slide 23

Slide 23 text

©Fusic Co., Ltd. Everything Will Be Serverless. 一緒にその未来を作りましょう まとめ サーバーレスとは  責任の持ち方を再設計する技術 本当のいいところ  未来に集中できる形になること 生成AI時代にも同じ原則  Amazon Bedrock でGPU管理もモデル運用もサーバーレスに

Slide 24

Slide 24 text

©Fusic Co., Ltd. OSEKKAI × TECHNOLOGY ご清聴いただきありがとうございました Thank You ココロと技術で、ぴったりも、びっくりも。