n ここまでで 人工知能 のこれまでを見てきた
u いろいろな興味から技術が開発され,挫折し,
乗り越え,新しい問題にチャレンジしてきた
u さまざまな分野の発展に伴って,ようやく 人工知能 で
少し頭の良さそうなこともできるようになってきた
u 人工知能は,数学や英語のように様々な分野へ
n 今後,技術や社会はどう発展していくのか?
n その中で人工知能はどのように位置づけられるか?
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技術の進歩
n 江戸時代※に比べれば間違いなくすごい進歩
u 冷凍技術がほぼないので,生魚が食べられない地域も
u 大量輸送技術はほとんどなく水上輸送,通信は飛脚など
p 狼煙・手旗を用いた通信方式などもあったが,複雑な情報は困難
u エネルギーは木(炭を含む)
p 日本に原生林がほとんどないのはこれが理由
n とはいえ,現代社会はかなり成熟しているので
そんなに大きな技術進歩はないのでは?
u すくなくとも,在学中に技術がガラッと変わることは…
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※ ざっくり 400年~150年前
vs. micro SD
11mm
15mm
610mm
400GB
0.1MB x 4,000,000
x 0.018
サイズ比
x 55.5
※
※ 1024単位で桁上のため,
実際の数値は少し異なる
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n 数年でも意外とがらっと変わる
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…こともある
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技術の変化は予測できるか?
n できるときもあるし,できないときも…
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1901年報知新聞:二十世紀の豫言 (平成17年度版 科学技術白書)
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Alan Kay
The best way to predict the future
is to invent it
アラン・ケイ
未来を予測する最良の方法は
それを作ってしまうことである
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Alan Kay
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Dynabook
-A Personal Computer for Children of All Ages 1972
ステーブ・ジョブスは1979年にAltoのデモをみて,
友人のウォズニアックに Lisa, Macintosh (今の mac) を作ってもらった
暫定版 Dynabook : Alto
自動化と人の役割
n できるだけ機械(含,AI)に任せて
ヒトの介在は最小限にするべき
n できるだけヒトに任せて
機械(含,AI)の介在は最小限にするべき
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AI/ITの2つの方向性
n 代行する
u 人間の代わりに何かの処理をする・自動化する
n 支援する/協働する
u 人間と一緒に何かの処理をする・支援(Support)してくれる
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AI
AI
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人工知能 と 責任
n 代行はもとより,支援も度合いが増すと責任問題も
u 自動運転の車が事故を起こした! 責任者は誰か??
p 誰が,被害者に対して償うべきか???
p メーカー? 所有者? 乗っていた人?
u 人工知能がすごく素敵な音楽を作った
p 誰が,その音楽の印税をもらえる???
p 人工知能のアルゴリズム考案者? 音楽を作らせた人?
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人工知能 も 色々間違う
n 特に DNN はいろいろな問題を解けそうだが…
n データから学ぶ = 変なデータを与えると変なことに
u テキストチャットできるAIサービス
p みんなが差別的な言葉を覚えさせた結果,ひどいことに
u 人事評価を行えるAIサービス
p 既存の評価が女性に厳しめだったため,AIも女性に厳しめに
n 人間の気づかない,わずかな差さえ見えてしまう
u 画像認識AI
p ゴリラの画像にちょっとノイズを加えるとカンガルーと認識
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変なデータ は 何が変?
n 差別的な言葉…は,まぁ意図的に“変”かもしれない
n 人事評価はどうか?女性に厳しいデータだけを
意図して与えたわけではないハズなのに…?
u 確かにその通り,“データが異常” と言うわけではない
u “きっと公正であるだろう” と 思っていた事柄について,
その期待と実態が異なっていたという意味で “変”
u むしろ AI は 偏見なく実態を正しく描き出した
p 実態に沿わせることが倫理的に正しいかどうか?
p 倫理的に正しい…とは?何がどうなれば正しい?(フレーム問題へ)
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ただ単に,そこにあるデータ を放り込むだけでは解けない問題も多々ある
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Garbage In, Garbage Out
n ゴミを入れると,ゴミが出てくる
u データ分析でよく言われる格言
u 何か入力すれば,何かは出てくるが,だからといって,
ゴミを投げ込んでも,出てくるのは大抵ゴミ
u ゴミの山から宝物が出てくることはめったにない…
p ごく希にあるが,それは逆に大きな不幸の元 (cf. オペラント条件付け)
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立派なゴミの誕生
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人工知能 は 切り離せない技術に
n これからは,研究を行う上でも機械学習は必須
u 数十年前は,手書きで論文・グラフを書く分野も…
p 今では,普通にパソコンで書く(手書きはあり得ない)
u 情報系でなくてもちょっとしたプログラムの知識は必要
u 同じように,機械学習の知識は最低限の教養に
p 総当たり的な実験は,機械学習に取って代わられる可能性すら
• 面白い問題を見つけたりする想像力など,本質が問われるかも?
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知能について見えてきた課題
n “認識” は なんとなく上手くできてきた予感
u これはヒヨコ,これはヒヨコじゃない。
といった,ヒヨコ鑑定士AI※ を作ることは容易にできる
u …だが,その先はどうなのか?
n 知能は何か?
u 結局,パタン認識 が 知能だった? 演繹 は 不要?
u 知能に,意識 や 意思 は必要ない?
u 意識 や 意思 はどこからどう生まれてきて,
知能にはどういう風に影響している?
…などなどなどなど,意外と未解決
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※ 実際のヒヨコ鑑定士は,“ヒヨコかどうか”を判別するわけではなく,ヒヨコの雄雌を判別する仕事です