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1 E2Eの過去・現在・未来 そしてE2Eにおいて重要なこと

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2 自己紹介 ● プログラマー ● 好きなもの ○ XP(Extreme programming) ○ TDD ○ DDD ● ユーザベースとの関わり ○ 2013年にフリーランスとしてジョイン ○ 2017年に正社員 ○ 2018年 SPEEDA事業 執行役員CTO ○ 2020年 BtoB SaaS事業 執行役員CTO ● E2Eの取り組み歴は15年くらい ● Twitter ○ @t_hyssh 林 尚之 Takayuki Hayashi 株式会社ユーザベース BtoB SaaS事業 執行役員CTO

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前提 3 E2Eテスト、自動テスト、UAT、受け入れテスト、インテグレーション テスト等いろいろな表現と意図がありますが、一旦今日はこれらを総称 して「E2Eテスト」という表現を使わせて頂きます。

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2000年代〜 (E2E関連) 4 Selenium(2004年)、DBUnit(2002年)等の登場により特にWebア プリケーションにおいてE2Eテストの技術が登場しはじめる。 SeleniumにはSelenium IDEというFirefox用アドオンもあり、UI 上の操作をレコーディング&実行が出来た。 ※ただし当時のSelenium IDEだけだとリグレッションテストとして実行するのは難しかっ た。一時期Selenium IDEの開発は停滞していたがここ数年開発が活発に。

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5 しかしWebとDBのアサーションを含めたE2Eの技術 には技術習得コストとメンテナンスコストという課題が 存在。

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課題 6 ● Ajaxなどの非同期処理に対する画面テストの難しさ ● 時間経過によるシステムの状態変化に対するテストの難しさ ● DBのアサーションに関する難しさ ○ 外部キー制約によるデータ作成 ○ Timestamp、日付のアサーション ○ Sequence、Auto Incrementのアサーション ○ 大量データのアサーション ● テスト実行時間の長さ ● テスト環境準備 このあたりの解決方法については別途何処かで話せれば・・・

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2010年前後〜現在 (プロダクト関連) 7 RedisやMongoDBに代表されるNoSQLの利用、Elasticsearch等の全文検索 エンジン、デバイスの多様化(スマホのネイティブアプリ、スマホのWeb 及びデスクトップWeb)、マイクロサービス化等でシステム(プロダク ト)における内部構造の複雑性が増している。 RDB

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2010年前後〜現在 (E2E関連) 8 ● Web DriverがW3C勧告になる(2018年) ● 機械学習を取り入れたE2Eの試み ● Selenium関連の継続的な開発 ○ selenium-docker、selenide、etc... ● Selenium以外のUIテストフレームワークやE2Eテストフレームワーク の登場&普及 ○ cypress、Serenity、Gauge、WebdriverIO、Appium、etc...

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9 プロダクト側での技術の多様化は進むなか、E2Eテス ト関係の技術も少しずつ変化してきている

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10 また、ビジネスのスピードが速くなる中でいかに速く継 続的にリリースするかが重要視されるようになり、そ のためにいかにテストを自動化するかという点におい て関心が高まっている

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Cypress io の例 11 cypressというWeb E2Eテストフレームワークを開発している会社 ● 2015年設立 ● 2018年に約4億円 ● 2019年に約10億円 ● 2020年末には約43億円を調達

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12 投資家目線でもそこ(E2E)に大きなニーズがあり、ビ ジネスチャンスがあると捉えられている

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Googleの例 13 「Googleでは全て(UI含む)のテストを自動化している」 JaSTT’18 Tokyoにて当時GoogleのCI/CD責 任者であった John Micco氏の発言

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未来 14 ビジネスの変化への対応(迅速なリリース)のための重要性は増 していくはず。 ただし、E2Eの根本的な難易度の高さ、複雑さは今後も変わらな いしむしろ増していく可能性が高い。 ソフトウェア業界全体として急激にE2Eが浸透していくという可 能性は低いが、ゆっくりと確実に広がっていくはず。

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未来 15 TDDも2000年代は 「Unitテストなんか必要ない」 という人も少なくなかったが、先にテストを書くかどうかは別と して「Unitテストは必要だよね」という考えが浸透してきてい る。例えばOSSにおいてもUnitTestが書かれてあるケースが2000 年代に比べて圧倒的に増えている。 E2Eは感覚としてUnitTestに比べて10年くらい後ろを走っている イメージ。UnitTestの浸透と同じようにE2Eもゆっくり、確実に 浸透していくのでは。

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16 E2Eテストにおいて重要なこと

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17 10数年E2Eテストと向き合ってきて最も重要だと思うこ と。それは・・・

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18 「TDD」の考え

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E2Eにおいて重要なこと 19 E2Eであったとしても最も重要なのはTDDの考え方。 ● テストの独立性 ● アサートファースト ● アサーションの数 ● テストダブル これらをきちんと理解し、実践できなければすぐにフラジャイル なE2Eになってしまう。良いE2Eを書くにはまずは良いUnit Test を書けるようにスキルを磨くこと。 そして小さく始める事。小さく始めて常にGreenな状態を保つと いう強い意思を持つこと。

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まとめ 20 ● プロダクトの複雑性は増している ● E2E技術も進化してきている ● E2Eに対する関心、興味も増してきている ● TDDの考え大事

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21 ご清聴ありがとうございました