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PdM から見た 「スーパーエンジニア」 の思考と行動 今福 正雲(@happy_imafuku) 2024/06/22 PHPカンファレンス福岡2024

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2 = スーパーエンジニア コードを書くスキルが めちゃくちゃ高い人 と思っていた

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しかし、実際に「スーパーエンジニア」と 働くようになって、スーパーである所以は コードを書くスキルとは別にあることに気づく 3

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「スーパーエンジニア」は 何を考え どのような行動をしているのか 4

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プロダクトマネージャー(PdM)の 目線からお伝えします! 5

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Agenda 6 1. 自己紹介 2. PdMの役割 3. 「スーパーエンジニア」の定義 4. ビジネス職と価値を創る 5. 他のエンジニアと価値を創る 6. 自身の提供価値を磨いて適用する 7. まとめ

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Agenda 7 1. 自己紹介 2. PdMの役割 3. 「スーパーエンジニア」の定義 4. ビジネス職と価値を創る 5. 他のエンジニアと価値を創る 6. 自身の提供価値を磨いて適用する 7. まとめ

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自己紹介 いまふく しょううん 今福 正雲 株式会社リンケージ PdM 出身:福岡県福岡市(22年間住んで、今は東京) X:happy / @happy_imafuku PHPのカンファレンス参加歴: PHPカンファレンス福岡2023、東京2023、小田原2024 PHPerKaigi2024 8

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エンジニアがすごい(と評されている) 予防医療テックカンパニー 株式会社リンケージとは 9

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Agenda 10 1. 自己紹介 2. PdMの役割 3. 「スーパーエンジニア」の定義 4. ビジネス職と価値を創る 5. 他のエンジニアと価値を創る 6. 自身の提供価値を磨いて適用する 7. まとめ

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PdMの役割とは プロダクトを成功させること 11

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プロダクトの成功とは プロダクトの価値(顧客価値・事業価値)が 最大化され、ビジョンが実現している状態 12

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まとめるとPdMの役割とは ビジョンに向かって プロダクトの価値を最大化させること (そのために何でもやること) 13

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Agenda 14 1. 自己紹介 2. PdMの役割 3. 「スーパーエンジニア」の定義 4. ビジネス職と価値を創る 5. 他のエンジニアと価値を創る 6. 自身の提供価値を磨いて適用する 7. まとめ

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ビジョンに向かってプロダクトの価値を 最大化させる役割を持つ PdMにとっての 「スーパーエンジニア」 とは? 15

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プロダクトの価値をもたらす ソフトウェアを生み出すエンジニア ※あくまで筆者の定義。事業や組織によっても定義は変わってくるはず 16

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リンケージの「スーパーエンジニア」は プロダクトの価値をもたらす ソフトウェアを生み出している 17

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リンケージの「スーパーエンジニア」は どんな思考と行動をしているのか? 18

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1. ビジネス職と価値を創る 2. 他のエンジニアと価値を創る 3. 自身の提供価値を磨いて適用する 19 3つの観点から見ていく

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Agenda 20 1. 自己紹介 2. PdMの役割 3. 「スーパーエンジニア」の定義 4. ビジネス職と価値を創る 5. 他のエンジニアと価値を創る 6. 自身の提供価値を磨いて適用する 7. まとめ

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ビジネス職と価値を創る 1. Whyの追求 2. 認識のズレを防ぐ 3. 信頼関係を築く 21

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ビジネス職と価値を創る 1. Whyの追求 2. 認識のズレを防ぐ 3. 信頼関係を築く 22

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Whyの追求|思考 ● ソフトウェアの価値は、開発した人が決めるわけではな く、実際に利用する顧客や事業へのインパクトによって 決まる ● ゆえに設計や実装を行う際に、どうやるか(How)に囚 われず、どんな価値を生み出すためにやるのか(Why) を念頭に置く必要がある 23 ビジネス職と価値を創る

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Whyの追求|行動 ● ドメイン知識やビジネス側でのやりとりを自らキャッチ アップすることで、Whyを考えるための思考法やコンテ キストを持つ ● その上でビジネス職と一緒にWhyを突き詰めて、やるべ きこと=やる価値の高いことに時間を使う 24 ビジネス職と価値を創る

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Whyの追求|行動 「これは何のために作りたいのか?」 25 ビジネス職と価値を創る Why↔Howを行き来するコミュニケーションを、ビジネ ス職と日常的にとっている 「このやり方なら、もっと早く簡単にできるのでは?」 「この機能は無くても、問題ないのでは?」 「こうした方が、やりたいことができるのでは?」 ▶

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Whyの追求|参考資料 26 ビジネス職と価値を創る https://speakerdeck.com/kassy1127/qiang-i-enziniatodong-kuzhong-de-xin-zu-1nian-mu -wei-jing-yan-purodakutomaneziyagahe-ninao-mi-dokonizi-fen-nojia-zhi-wojian-chu-sita リンケージのPdM(かしもと)がエンジニアの「Why」の追求について、PHPカン ファレンス小田原のLTで言及

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ビジネス職と価値を創る 1. Whyの追求 2. 認識のズレを防ぐ 3. 信頼関係を築く 27

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認識のズレを防ぐ|思考 ● 職種が異なると、前提となる知識・経験・思考が大きく 異なるため、認識のズレが生じやすくなる ● 認識のズレがあると、後々大きな問題を生む ○ 想定と異なるものが出来て、手戻りが発生してスケジュールを圧迫した り、リリースされずに在庫状態のままになったり... ● 事前に認識のズレを防ぐことで、プロダクトの市場投入 までの時間を短縮できる 28 ビジネス職と価値を創る

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認識のズレを防ぐ|行動 ● 言葉や用語にこだわって、明確に定義する ○ 表記揺れに厳しい... ● 事実と意見を分けて伝える・理解する ● 状況や相手に応じて抽象度を調整して言葉を選択したり、 図を使って説明することで相手の理解度を上げる ● 相手の知識が不足している場合は、参考になる書籍や記 事をtimesで共有して知識を共通化する 29 ビジネス職と価値を創る

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ビジネス職と価値を創る 1. Whyの追求 2. 認識のズレを防ぐ 3. 信頼関係を築く 30

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信頼関係を築く|思考 ● 人間は信頼してない人の言うことは聞かないので、プロ ダクトのことを一緒に考えるためには、信頼関係がベー スとして必要 ● お互いが話しかけやすい・質問しやすい関係性を築くこ とで、プロダクトに向き合った議論ができる 31 ビジネス職と価値を創る

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信頼関係を築く|行動 ● どんな経歴・職種でも敬意をもって接し、真剣に話を聞く ● 声をかけられやすいように人当たりをよくする ○ Slackのスタンプで反応 ○ 趣味を公開 ○ 目を見て笑顔で会話 ● ヒトではなくコト(解くべき課題)に向き合う ○ 感情的に言葉を発しない ○ 他責にしない ○ 間違いや失敗を許容して前向きに捉える 32 ビジネス職と価値を創る

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信頼関係を築く|「人当たりをよくする」例 33 職場でのごへいもちさんは お昼休憩中に趣味のけん玉を練習 声を掛けやすい雰囲気が漂っているの で、自然と社員との会話が生まれる ビジネス職と価値を創る

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信頼関係を築く|行動 ● どんな経歴・職種でも敬意をもって接し、真剣に話を聞く ● 声をかけやすいように人当たりをよくする ○ Slackのスタンプで反応 ○ 趣味を公開 ○ 目を見て笑顔で会話 ● ヒトではなくコト(解くべき課題)に向き合う ○ 感情的に言葉を発しない ○ 他責にしない ○ 間違いや失敗を許容して前向きに捉える 34 ビジネス職と価値を創る

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信頼関係を築く|「コトに向き合う」例 要求の前提部分が大きく誤っていたことをエンジニアに相談した際のやりとり 35 ビジネス職と価値を創る ● 筆者)すみません、以前〇〇の回数は減らないと伝えたのですが、そ れは間違っていて、こういうケースでは減る可能性があります。 設計にどれくらい影響しそうでしょうか。。 (根本の設計に影響してリリースが遅れそう...やばい...) ● スーパーエンジニア)なるほど。影響は大きそうだけど、むしろ早め に気づけてよかった。これからどうするかを考えよう。 誰が悪いといった話は一切なく、課題解決に向けた議論がすぐに行わ れる。こういったことの積み重ねにより、信頼度が超絶高くなる ▶

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Agenda 36 1. 自己紹介 2. PdMの役割 3. 「スーパーエンジニア」の定義 4. ビジネス職と価値を創る 5. 他のエンジニアと価値を創る 6. 自身の提供価値を磨いて適用する 7. まとめ

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他のエンジニアと価値を創る 1. 分からないことはすぐ聞く 2. 自身の知見を積極的に共有する 37

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他のエンジニアと価値を創る 1. 分からないことはすぐ聞く 2. 自身の知見を積極的に共有する 38

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分からないことはすぐ聞く|思考 ● 自身の課題はチームの課題である ○ 分からないことで止まってしまうと、その分チームの課題解決が遅れる ことになり、価値提供の上でのリスクになる ● 解決する上での思考法やコンテキストを持っていない際 は、疑問を持ち続けずに知っている人に聞くことで、早 く解決するし、自身の学びにもなる 39 他のエンジニアと価値を創る

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分からないことはすぐ聞く|行動 ● 自身で考えて分からないと判断したら、音声通話(バーチャ ルオフィス)でシュッと聞く ○ リンケージでは常時音声通話ができる環境を整えることで、リモート ワーク環境でも声掛けのハードルを下げている ● 同期的に質問しづらい場合、timesでつぶやく・聞く 40 他のエンジニアと価値を創る

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他のエンジニアと価値を創る 1. 分からないことはすぐ聞く 2. 自身の知見を積極的に共有する 41

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自身の知見を積極的に共有する|思考 ● 他人の課題もチームの課題である ○ 誰かが分からないことで止まってしまうと、その分チームの課題解決が 遅れることになり、価値提供の上でのリスクになる ● 人に教えることによって、自身にも学びがある 42 他のエンジニアと価値を創る

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自身の知見を積極的に共有する|行動 ● 音声通話やtimesで悩んでいる声を拾ったら、積極的に知 見を共有する ● 自身が学んだ際に参考にした書籍や記事をtimesで共有す る ○ 思考法やコンテキストを持ってないと、適切な参考文献にたどり着くの も難しかったりするのでそのサポートをする 43 他のエンジニアと価値を創る

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Agenda 44 1. 自己紹介 2. PdMの役割 3. 「スーパーエンジニア」の定義 4. ビジネス職と価値を創る 5. 他のエンジニアと価値を創る 6. 自身の提供価値を磨いて適用する 7. まとめ

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自身の提供価値を磨いて適用する 45 1. 振り返りによる学びの汎用化 2. 環境や状況から自身の提供価値を見出 す

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自身の提供価値を磨いて適用する 46 1. 振り返りによる学びの汎用化 2. 環境や状況から自身の提供価値を見出 す

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振り返りによる学びの汎用化|思考 ● プロダクトの価値を向上させるには、自身が発揮できる 価値も上げていく必要がある ● そのために、得た知識や経験を定期的に振り返り、抽象 化することで、他の場面でも活用できる知見を増やして いく 47 自身の提供価値を磨いて適用する

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振り返りによる学びの汎用化|行動 ● 日報を書く ○ リンケージのエンジニアは全員毎日やっている ● カンファレンスのプロポーザルを出す 48 自身の提供価値を磨いて適用する

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振り返りによる学びの汎用化|参考資料 https://speakerdeck.com/soudai/grow-one-day-each-day 49 リンケージCTOのそーだいさんが振り返りによる成長のサイクルについて解説 自身の提供価値を磨いて適用する

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自身の提供価値を磨いて適用する 50 1. 振り返りによる学びの汎用化 2. 環境や状況から自身の提供価値を見出 す

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環境や状況から自身の提供価値を見出す|思考 ● 環境や状況によってチームの中で自身に求められるもの は変わってくる ● チームにどんな価値を発揮できるのかを考えて、プロダ クトの価値のためなら抜けているピースにもなる 51 自身の提供価値を磨いて適用する

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環境や状況から自身の提供価値を見出す|行動 ● 顧客や事業にとっての価値が低いユースケースは、安易 に自動化せず手動運用でカバーする ● デザインの重要性が高くない機能であれば、デザイン部 分まで自らやる ● ビジネス職側で発生している課題に対して、自身の経験 をもとに助言する 52 自身の提供価値を磨いて適用する

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環境や状況から自身の提供価値を見出す|参考資料 https://speakerdeck.com/blue_goheimochi/phpcon-odawara2024 53 ごへいもちさんの手動オペレーションの話は、提供価値を考えるエンジニア例とし てとても参考になる 自身の提供価値を磨いて適用する

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Agenda 54 1. 自己紹介 2. PdMの役割 3. 「スーパーエンジニア」の定義 4. ビジネス職と価値を創る 5. 他のエンジニアと価値を創る 6. 自身の提供価値を磨いて適用する 7. まとめ

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まとめ スーパーエンジニアは、 プロダクトの価値をもたらす ソフトウェアを生み出す 55

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まとめ スーパーエンジニアの思考と行動 1. ビジネス職と価値を創る ○ Whyの追求 ○ 認識のズレを防ぐ ○ 信頼関係を築く 2. 他のエンジニアと価値を創る ○ 分からないことはすぐ聞く ○ 自身の知見を積極的に共有する 3. 自身の提供価値を磨いて適用する ○ 振り返りによる学びの汎用化 ○ 環境や状況から自身の提供価値を見出す 56

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一緒にプロダクトの価値を高めていきましょう! ご清聴ありがとうございました! 57 @happy_imafuku