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事業成長を支えるデザイナーとしての心得 WHY DESIGN TOKYO 2019 2019.02.09 root inc. Kazunori Nishimura

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西村 和則 株式会社root 代表取締役 高知県出身。1985年生まれ。 2009年デジタルハリウッド卒業後、都内制作会社にて Webデザイナー経験後、個人でのサービス開発経験を 経てサービス開発に特化したデザインファームとして root inc.を創業。 スタートアップの創業フェーズや大手企業の新規事業開発を デザインで支援。

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デザインを通じて事業成長に貢献する 株式会社root(ルート)は2012年創業。 プロダクト戦略、組織デザイン、UI/UXデザインを主な守備範囲としたデザインサービスを提供。 株式会社root 東京都千代田区外神田6‑3‑8 ACN秋葉原ビル5F

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root の事業 ・事業戦略に応じたプロダクト計画立案 ・UXリサーチ / 価値検証 ・MVP開発 ・事業成長に応じたUX提案 ・デザイナー育成 ・デザイナー採用支援 ・デザイン組織支援 ・デザインナレッジ共有 ・サービス開発 ・UI/UXデザイン ・グロース支援 2.デザイン開発 3.組織デザイン 1.プロダクト戦略

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本日のセッションテーマ 事業成長を支えるデザイナーの心得

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ところで、事業成長とは?

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拡張するデザイン領域 参照:経済産業省・特許庁「デザイン経営宣言」

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参照:経済産業省・特許庁「デザイン経営宣言」 デジタルにおけるデザイナーの守備範囲

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事業領域におけるデザイナーの守備範囲 ・ビジネスデザイン ・サービスデザイン ・エクスペリエンスデザイン / UXデザイン ・インタラクションデザイン ・インターフェースデザイン / UIデザイン ・グラフィックデザイン etc 参照:デザイン経営宣言

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インターネットに接続された製品やサービスにおいては、 顧客体験の質がビジネスの成功に大きな影響を及ぼす “  ” 参照:参照:経済産業省・特許庁「デザイン経営宣言」

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デザインは事業成長に直結する手法であり、 拡張する役割を理解し適切に実行することが求められる時代 結果として

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手を動かしているだけでは 生き残れない時代

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1. 納品が始まり 2. 受身からの脱却 3. チームをスケールさせる 本日のトピック

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心得1 納品が始まり

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受託Web制作と言えば納品

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参照:Design Tech Report

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クラシカルデザイン ・製造、量産を前提としたもの ・完成形が存在する ・他者による検証を必要としない ・手作業、物理的法則 ・ネットを通じて即時配信される ・完成形がなく進化し続ける ・検証や分析がオープン ・思考法、テクノロジー コンピュテーショナルデザイン 完成形のない進化し続けるもの。納品をゴールにしてしまうと・・・

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2010年からのスマートフォンの急激な普及 参照:総務省情報通信白書

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1人あたりのメディア総接続時間の推移 396分 / 1日 デバイスの進化に応じて 1人あたりが接触する情報量が増加 物理的なモノに満たされる時代から 情報に満たされる時代にシフトしている 参照:メディア環境研究所 メディア定点調査

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今後更に多様化するデジタルデバイス 参照:TOYOTA

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インターネットとデジタルデバイスの増加で ユーザーの接触する情報量、サービス数は 今後更に増えていく 選択肢が多い中、顧客体験の質が ビジネスの成功に大きな影響を及ぼす

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デジタルデバイスにおいて デザイン対象は常に変化し続ける存在 クライアントにとっては納品がはじまりであり、 納品後の運用が勝負を決める

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作って終わりではなく、 作った後をどう支援するかがカギ 事業に伴走することを前提とした アプローチが必要

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スタートアップの創業フェーズや大手企業の新規事業開発を 数年かけて成長し自走できる体制まで伴走する関係性を構築 事業の成長フェーズに特化した サービスデザイン、UXデザイン、UIデザイン提供 rootの場合 1.プロダクト戦略 2.デザイン開発 3.組織デザイン

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1.黎明期から使われている広告管理システムのフルリニューアル 2.内製でプロダクト開発をしたことがない 3.開発体制の内製化とリニューアルが並行して進む 4.デザインパートとして、リニューアルと平行しながらチーム  ビルディング、ビジネス・開発・デザインの連携を行う 5. 1年をかけてリニューアル後、社内チーム向けのクレドや   デザインガイドラインの設計を行い自走できる体制を支援 大手デジタル広告代理店 ケーススタディ デザイン ビジネス 開発

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1. 開発体制を内製化している大手事業会社 2. 開発主導でリニューアルを推進したがUXが破綻 3. デザインシステムの設計を提案し、Atomic Design を活用した   デザイン指針の開発をサポート 4. 200人を超えるエンジニアに対し、デザインの共通ルールを  展開し、デザイナー不在の組織にデザインシステムを導入 大手介護福祉系業務サービス ケーススタディ デザイン 開発

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受身からの脱却 心得2

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デザインツールやテクノロジーの進化 手を動かせればデザイナーと言う時代は、 終わりを告げようとしている ・制作時間はテクノロジーの進化により短縮されている ・テクノロジーによって制作技術による差別化が難しくなってきている

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デザイナーの活動領域が拡張 参照:https://note.mu/think_design/n/n bf f bced

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高い制作スキルを武器としつつ、 領域を横断しながらデザインする

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制作 事業企画 マーケティング 経営 ブランディング 戦略 ⬆ 設計 リサーチ 情報設計 ⬆ ⬆ ⬆ 外側にある領域への横断

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× ○○ 制作 ゼネラリストとしてのデザイナー 制作と掛け合わせを作ることが個人としての強みとなる

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・軸となる強みを持つ ・上流工程を理解し適切な役割を見極める ・自分にない強みを持った他者と連携する ・ビジネスの言語でデザインを説明できる ・職域を横断する力(ビジネス⇔デザイン) ・高いコミュニケーション能力 ゼネラリストとしてのデザイナーの特徴

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すべてをこなせる必要はない ただ必要なのは、拡張されたデザイン領域で 何が行われているかを知ること 知った上で、自分の強みをどこで発揮するのかを 選択し、他者と連携して成果に繋げる動きが必要

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デザインは1人で担うには、あまりにも大きい

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rootで行うデザイナー育成のプロセス UI UX 戦略 ジュニア シニア 経験年数によるスキル拡張 プロジェクト横断によるスキルの拡張

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1. 1人で2つのプロジェクトを並行して担当 2. 組織規模による承認プロセスやチームビルディングの違いを学ぶ 3. 大企業からは既存の組織構造を応用しスタートアップに適応 4. スタートアップから大企業にはアジャイルな開発手法や少人数 での意思決定プロセスの導入等 5. 組織規模に応じたデザインプロセス使い分けをすることで   デザイナー個人の裁量を伸ばし成長を促す 大企業とスタートアップ案件の横断 ケーススタディ スタート アップ 大企業 プロジェクト横断により 全体像を可視化

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チームをスケールさせる 心得3

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デザインプロセスの一般化 デザインプロセスを活用した課題解決手法が ビジネスの現場でも活用されるように なってきている

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組織におけるデザイナーに求められる役割の一つ デザインの伝道師 デザインプロセスをチームに伝え、デザインを再現可能な手法として インストールする役割

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ファシリテーターとしてのデザイナー ビジネス 開発 デザイン → ビジネス 開発 デザイン ビジネス 開発

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・場のファシリテーション ・調査によるインサイトをチームへ共有 ・デザインプロセスのインストール ・プロトタイピング ・チームビルディング

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チームをスケールさせる 自分以外の人間がデザインを 活用できている状態 デザインを中心に 据えた事業作り =

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rootで行ったスタートアップに伴走する事例 1. チームでプロダクトを 作る。経営者がデザイン を理解する 2. チームでデザインに 取り組む。 デザインプロセスを 他職種へ展開し活用 . デザイナー不在でも デザインプロセスが 回っている状態 4. 他部署への展開。 伝道師を育て他デザイナーに よる展開が複数の部署で 生まれる デザイン基礎 デザイン展開 デザイン応用 自走 創業初期 1年後 2年後 3年後

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結果、事業成長に応じた デザイン組織の拡大が可能になる デザインプロセスを組織の中で再現可能な 仕組みにすることで、組織としてのスケールを図る

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最後に

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デザイン会社としての存在価値とは?

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ナレッジ 業種 マーケティング フレームワーク デザインプロセス 戦略 書籍 インサイト 事業規模 ⬆ ⬆ 様々なプロジェクトで各自が得た経験を応用する仕組み作り ⬆ ⬆

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デザインを再現可能なプロセスとしてクライアントへ提供 ナレッジ クライアント デザイナー ⬆ ⬆ ⬆ ⬆

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デザインを応用可能な手段として、 世の中の課題解決に適応する存在 デザインのプロフェッショナルだからこそできる ナレッジを軸にしたデザイン提供の形

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振り返り 1. 納品が始まり 2. 受身からの脱却 3. チームをスケールさせる

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振り返り 1. 納品が始まり 2. 受身からの脱却 3. チームをスケールさせる

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デジタルデバイスにおいて デザイン対象は常に変化し続ける存在 クライアントにとっては納品がはじまりであり、 納品後の運用が勝負を決める

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作って終わりではなく、 作った後をどう支援するかがカギ 事業に伴走することを前提とした アプローチが必要

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振り返り 1. 納品が始まり 2. 受身からの脱却 3. チームをスケールさせる

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高い制作スキルを武器としつつ、 領域を横断しながらデザインする

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制作 事業企画 マーケティング 経営 ブランディング 戦略 設計 リサーチ 情報設計

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制作 × ○○ 制作 ゼネラリストとしてのデザイナー 制作と掛け合わせを作ることが個人としての強みとなる

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すべてをこなせる必要はない ただ必要なのは、拡張されたデザイン領域で 何が行われているかを知ること 知った上で、自分の強みをどこで発揮するのかを 選択し、他者と連携して成果に繋げる動きが必要

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振り返り 1. 納品が始まり 2. 受身からの脱却 3. チームをスケールさせる

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組織におけるデザイナーに求められる役割の一つ デザインプロセスをチームに伝え、デザインを再現可能な手法として インストールする役割 デザインの伝道師

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ファシリテーターとしてのデザイナー ビジネス 開発 デザイン → ビジネス 開発 デザイン ビジネス 開発

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デザインプロセスを組織の中で再現可能な 仕組みにすることで、組織としてのスケールを図る 結果、事業成長に応じた デザイン組織の拡大が可能になる

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デザインを通じて事業成長に貢献する

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Thank you ic-root.com 心得3 強みを理解し 掛け合わせる