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プログラミング初心者に教えるときは 「身近な比喩」が重要なのだ! 2018.12.08 @kakakakakku

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吉田慶章 @kakakakakku - ブロガー - https://kakakakakku.hatenablog.com - プログラミング講師の仕事 (副業) を2年ほどしていた - 生徒さんとビデオチャットで 1 on 1 - 担当 : Ruby / Ruby on Rails \カック/

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教える?伝える? - プログラミング初心者に教えるときに「身近な比喩」を使うと良い - 「プログラミング講師じゃないから, 関係なさそう」 - プログラミング講師に限らず, 誰でも「教える (伝える) 機会」はある - 新入社員に教える (伝える) - デザイナーなどの, 異なるロールのメンバーに教える (伝える) - 新しくプロジェクトに入ったメンバーに教える (伝える)

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教えるときに何が必要? - プログラミング初心者に対しては
 「生徒さんと同じ目線で考えられること」が重要 - そして「粘り強く何度でも伝え, 常に笑顔でいること」も重要 - プロダクション環境での実装経験などは, あればあるほど良い - ただし, 必ずしも「メタプログラミングなど黒魔術に精通している」必要はない

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「生徒さんと同じ目線で考えられること」って?

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「if ってなんですか?」 と聞かれたらどう答える? 自分が初心者だった頃を覚えてる?

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「if ってなんですか?」 (ダメな例) 当たり前すぎて説明できていない 「if とは if です」

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「if ってなんですか?」 おおお, なるほど! 身近にたくさん if がありそう! 「if とは if です」 例えば, 電車の時刻表を見ると, 平日は黒文字, 休日は赤文字になっているよね? 平日 or 休日など, 条件分岐が必要なときに使うんだよ!

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プログラミング以外で たまにあるシチュエーション

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年末年始に 実家に帰る人もいるでしょう

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「ねぇ, エンジニアだよね?」 こんなこと言われたことはない?

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「ねぇ, エンジニアだよね?」 ちょwww 直せないwww 「冷蔵庫直せない?」

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親戚に自分の仕事を どのように「身近な比喩」を使って伝える? \そこで/ ( というのは, 皆さんの宿題として残しておく )

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Ruby / Ruby on Rails で 連想できる「身近な比喩」とは? - 例えば, each - 例えば, Router + MVC - 例えば, REPL (irb, rails console)

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例えば, each members = ['A', 'B', 'C'] members.each do |member| puts member end どこから来た member ? each って何のこと ? | って何 ? 全然わからない! と言われたら どう説明する?

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コンビニのレジとお客さんを連想する A B C B C C A B

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処理フローを連想できるようになる members = ['A', 'B', 'C'] members.each do |member| puts member end 1番前にいる お客さん レジで接客を受けているお客さん お客さんが並んでいる

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例えば, Router + MVC Router Controller Model View なぜこんなに細かいの? と言われたら どう説明する?

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株式会社 Rails (大企業) を連想する Router Controller Model View 複数の部署があり ハンコをもらって 承認を進める感じ (役割を明確に) データが必要な場合は モデル部署に依頼する

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例えば, REPL (irb, rails console) > User.find(1) > User.find([1,2,3]) > User.find_by(name: 'kakakakakku') > User.count なぜ, わざわざターミナルを開いて コマンドを実行しないといけないの?

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LINE Bot に天気を聞くイメージ 今日の天気は? 今日は何曜日? ユーザー番号 = 1 は誰? 現在のユーザー数は? お手軽に確認できたら便利だよね?

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まだまだ, たくさんある - 文字列 / シンボル / 配列 / ハッシュ とは? - Bundler / Gemfile とは? - rails db:migrate とは? - belongs_to / has_many / has_many through とは? - STI (Single Inheritance Table) とは? - などなど

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「エラー」を楽しむ

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「エラー」= 恐怖体験? - 特にプログラミング初心者は, エラーが出ると, 思考停止してしまう - そして, 学習するモチベーションが一気に下がってしまう (英語もよくわからない) - 挫折する原因の1つ - 職業プログラマでも, エラーは大量に出るよ!ということを事実として伝える - そして「いかに早くエラーの原因を特定できるか」がスキルであることも伝える

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例えば, NameError Did you mean? は超ヒント このあたりにミスがありそう

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例えば, SyntaxError 構文が間違ってそう 既に動いている実装を見比べればわかるかも? (ヒント : カンマ)

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エラー探偵になってもらう & 解決できたときの喜びを大切にしてもらう ある程度慣れてきたら binding.pry もペアプロ形式で教えることが多い

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- 2017.11.25 発売 - 初心者を対象にした本ではないものの,
 第11章「Ruby のデバッグ技法を身につける」が素晴らしい - バックトレースの読み方 - print デバッグ - トラブルシューティング方法 - などなど

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- 2018.11.22 発売 - タイトルに「超入門」とある通り,
 本当に初心者でも理解できるように工夫されている - 「変数はオブジェクトに貼る名札である」 - 「irb はプログラムを1行ずつその場ですぐに実行できる道具」 - 「エラーが起きても, パソコンは壊れない!安心して!」 - if の解説にも多くのページが使われている

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まとめ - プログラミング講師に限らず, 誰でも「教える (伝える) 機会」はある -そのときに, 連想できる「身近な比喩」を使うと良い - プログラミング初心者に, エラーを楽しんでもらう - エラー探偵になり, 解決できたときの喜びを大切にする \皆さんも「身近な比喩」を探してみませんか?/

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fukabori.fm #2 https://fukabori.fm/episode/2 \ ゲストに呼んで頂き, プログラミング講師などの話をしたー! /

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Thanks