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QGISで実現する もっと分かりやすい森林ゾーニング 大萱直花(一般社団法人日本森林技術協会) 曲 新苗(株式会社 MIERUNE)

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自己紹介 一般社団法人日本森林技術協会 (日林協JAFTA) ● 今年度より OSGeo日本支部 団体会員に なりました! ● 独自の資格認定制度 森林情報士  を制定 しています。 大萱直花(おおがやなおか) ● FOSS4G 初参加で初発表です! ● 森林分野で20年以上の業務経験 ● 森林情報士ほか、GIS研修講師を20年 株式会社MIERUNE ● QGISなどオープンソース のGISソフトを用 いた開発を得意としています。 ● QGISに特化した総合情報サイト  QGIS LAB 始めました。 曲新苗(きょく しんみょう) ● GISエンジニア ● 日常はQGISプラグイン開発、WebGIS開発を やっています

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  森林分野では 森林は広い ! ● GIS、リモートセンシングの導入が進んでいる。 森林をゾーニングしたい! ● 森林には様々な機能がある。 → どの場所でどの機能を主にするか。 ● 収益性が高く、災害リスクが低い場所で林業をしたい。 でも、ラスタ解析はハードルが高い …

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  簡単にゾーニングができるプラグインを作ろう 想定するユーザー ● GISを触ったことがある、ラスタ解析は未経験。 ● 林務担当行政職員、森林組合などの林業事業体 開発における役割分担 ● 林野庁   委託事業 ● 研究者   方向性を示す ● 日林協   作業フローへの落とし込み ● MIERUNE  プログラミング 森林ゾーニング支援ツール もりぞん G空間情報センターで 公開中!

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  ゾーニングの流れ

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  データの入出力・解析の自動化データパイプライン 入力から印刷までに 処理の結果を次の処理に渡す

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  データの入出力・解析の自動化データパイプライン 地位指数 = 定数 + (NPP値 - NPP1) * NPP2 - (SRAD値 - SRAD1) * 0.01 * SRAD2 - (VTEX値 - VTEX1) * 0.01 * VTEX2 QGISのラスター計算機は、ラスター形式のデータを用いて様々な計算や解析を 行うための便利なツールです。複数のラスターを用いた算術演算、特定条件に基 づくリ分類などが可能です。 ラスター計算機:NPP(気象)、SRAD(日射係数)、VTEX(凹凸度) → 地位指数 土地の生産 ⼒を 表す指標

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  データの入出力・解析の自動化データパイプライン QGISラスター計算機で地位指数の算出

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  データの入出力・解析の自動化データパイプライン GRASS GISのr.watershedメソッドを利用し、DEMを基に流域、流量、河川ネットワーク などを算出できます。 流域ポリゴン抽出:DEM → 流域ポリゴン QGISのGRASSプロバイダ DEMから流域ポリゴンの生成

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  データの入出力・解析の自動化データパイプライン grass7:r.watershedを利用した流域ポリゴンの算出 他にもGRASS GISのアルゴリズムを利用しています ● r.grow_distance → 地利(到達難易度) ● r.neighbors → 地形の複雑さ PyQGIS APIで GARSSを Pythonで書ける のが便利

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  しきい値(点数化)の試行錯誤を簡単にしたい これまでのゾーニング ● 要素ラスタを再分類 → ラスタ出力 ● しきい値を変えて再分類 → ラスタ出力 ● やっぱり前の値がよい! → どのファイルだっけ?? いちいちラスタを出力しなくていい! 面積割合でしきい値を設定したい!

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  ゾーニングの流れ ファイルが出力されるのは ● 6要素ラスタ ● 収益性、災害リスク ● ゾーニング

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  ヒストグラムによるしきい値の設定 数字だけではイメージしづらい? ● レイヤごとに値を集計した ヒストグラムを表示 ● 区切りラインとパーセンテー ジは動的に更新 ピクセル値 ピクセル数

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  ヒストグラムによるしきい値の設定 Matplotlib:ヒストグラム、しきい値縦線の描画 NumPy:最小/大値、平均値、中央値の算出 FigureCanvasQTAgg: Matplotlibの描画結果をPyQt5ウィジェットに統合

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  2軸によるしきい値の設定を同時にやりたい 収益性と災害リスクの 2軸を同時に動かしてゾー ニングの結果を検討したい 2枚のレイヤを透過すればいいんじゃない?!

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   可変なしきい値

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   ラスター計算機 ユーザー指定のしきい値を取り込んだ計算式

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   〜デモンストレーション〜

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おわりに 研究者=方向性、理論 ↑ 日林協=通訳、ユーザ目線 ↓ MIERUNE=使いやすいプラグインに実装 大成功!! 最初は不安でしたが、 ... 実際にどのようなソフトウェアに落とし込んでいく か、UIベースで提案していくことで、「顧客が本当に 欲しかったもの」になるべく寄せられたと思います。 JAFTAさんとQGISについてのコミュニケーションも 円滑でとても助かりました。