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GMOペパボが考える これからのサービス開発 栗林 健太郎 / GMO PEPABO inc. エンジニア就活生のみなさん!新卒年収710万円の理由を教えます(2022.02.28) 1

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2 自己紹介 取締役CTO / ペパボ研究所長 2012年 中途入社 栗林 健太郎 Kentaro Kuribayashi 人々からは「あんちぽ」と呼ばれています。 僕は主に「飛び道具」担当で、次に話す VPoEのhsbtさ んが地に足のついたことをやる担当です。 ● Twitter: @kentaro ● GitHub: @kentaro ● ENS: antipop.eth

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GMOペパボ株式会社の新卒エンジニア採用説明会用に作成したスライドです 3 本スライドの位置付け 図の出所: エンジニア就活生のみなさん!新卒年収710万円の理由を教えます このスライドではサービス開発の背景 的な考え方について述べます。 具体的な期待するエンジニア人財像 の話はhsbtさんがします。

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4 なぜ新卒年収710万なのか その背景をお話しします

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● コロナ禍までの30年、ネット企業が生産性を高め産業構造を転換してきた ● コロナ禍においては、DX需要の高まりによってさらにネット企業が成長した ● Webサービス開発は、2000年代の揺籃期)、2010年代の発展期を経て、2020年代の転 換期にさしかかっている ● DX需要の高まり、ネットサービスの領域拡大、それらに応答するべく生産性の向上の理由 により、サービス開発における「再帰化」が求められる ● 再帰化により、ユーザのデータを分析し学習させることで常にシステムを働かせるのが生産 性向上の鍵となる ● 転換期に必要な「再帰化」を実現し、当社のサービス開発をリードする高い能力を持つエン ジニアが必要となる 5 結論のまとめ

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過去30年における産業構造の変化(時価総額を例に) 6 平成の30年間で生産性の高いネット企業が株式市場を席巻した 表の出所: 平成最後の時価総額ランキング。日本と世界その差を生んだ30年とは? | STARTUP DB MEDIA

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コロナ禍におけるDX進展によるインターネット産業のさらなる成長( 1/2) 7 令和のコロナ禍ではインターネット利用前年同月比で50%以上増加した 表の出所: 総務省|令和3年版 情報通信白書|コロナ禍で加速するデジタル化

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コロナ禍におけるDX進展によるインターネット産業のさらなる成長( 2/2) 8 インターネットの利用増にともないDXが進みネット企業はさらに成長した 左表の出所: 総務省|令和3年版 情報通信白書|コロナ禍で加速するデジタル化 右表の出所: GAFA、時価総額で日本株超え 安定収益が資金呼ぶ: 日本経済新聞 DXの例(B2CのEC化率8.08%(前年比1.32ポイント増))

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9 Webサービスサービス開発のこれまでとこれから( 1/2) Webサービスは揺籃期・発展期を経て、2020年代は転換期へさしかかっている 揺籃期 発展期 転換期 2000年代 2010年代 2020年代 構造化 構造化+自動化 再帰化 ・サービス開発方法論 ・フレームワークの登場 ・Web2.0の隆盛 どうしたらWebサービスを 開発できるか? ・モバイル+クラウド ・Infra as Code ・開発スタックの分化 どうしたらサービス開発を 効率化できるか? ・AIによる自律的サービス ・Web以外の空間(XR、IoT) ・Web3の潮流 どうしたらWebサービスの 世界を広げられるか? 出所: 筆者の分析による

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10 Webサービスサービス開発のこれまでとこれから( 2/2) 増加する需要を領域が広がる転換期には生産性向上のための再帰化が必要 再帰化 「再帰化」とは、構造化・自動化されたサービスが、ユーザとのインタラクションの結果を取り込んで、システ ムを自らより良いものへと改修していくプロセスのことをいいます。 IT産業の高い生産性を実現した自動化をもう一歩先に進めて、ユーザからのリクエストに応じてレスポンス するだけでなく、ユーザのそれぞれに即してより適切なレスポンスを返せるよう、リクエストがない間にもコン ピュータに働いてもらう必要があります。それが「再帰化」ということです。 出所: 社内文書 DXの進展 コロナ禍でのDX進展 領域の広がり XR、IoT、デジタルツイン 生産性向上 さらなる需要への応答 「再帰化」が必要となる背景

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11 これからのサービス開発に求められる思考様式とスキル( 2/2) データを分析し学習させることで常にシステムを働かせるのが生産性の鍵 図の出所: 社内資料

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12 これからのサービス開発に求められる思考様式とスキル( 1/2) 構造化を基本に自動化を徹底することで確率的な判断に基づく再帰化へ 12 総合的に判断してYがよさそう (ドメイン知識に基づく論理と肌感) マネージャーに必要な思考スキル → 高度な判断力を持つ PdMの育成 → PdMの専門性をキャリアパス化 もしXなら、Yする (明文的な判断基準) ほとんどの日常業務に必要な考え方 → DXの前提となる業務の「構造化」徹底 → リモートに適した文書表現の推進 Xの取得を自動化 (Yの結論を定義するのは人間) エンジニアリングによる生産性向上 → データ収集・分析基盤の全社展開 → データアエンジニアリングの確立 A, B, Cの確率はそれぞれ〜 % (機械学習に基づき判断) テックカンパニーのサービス技術 → パーソナライズされたサービス提供 → 機械学習技術によるサービスの再帰化 構造化 + 自動化 確率的判断 フローチャート的判 断 図の出所: 社内資料より改変 再帰化

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● コロナ禍までの30年、ネット企業が生産性を高め産業構造を転換してきた ● コロナ禍においては、DX需要の高まりによってさらにネット企業が成長した ● Webサービス開発は、2000年代の揺籃期)、2010年代の発展期を経て、2020年代の転 換期にさしかかっている ● DX需要の高まり、ネットサービスの領域拡大、それらに応答するべく生産性の向上の理由 により、サービス開発における「再帰化」が求められる ● 再帰化により、ユーザのデータを分析し学習させることで常にシステムを働かせるのが生産 性向上の鍵となる ● 転換期に必要な「再帰化」を実現し、当社のサービス開発をリードする高い能力を持つエン ジニアが必要となる 13 結論のまとめ(再掲)

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14 Thank You! これからのサービスを 一緒に作っていきましょう