Slide 1

Slide 1 text

在宅フルリモートワークを 可能にするスキルと知識 n連発! 2024.7.19 ⼩売流通ソリューション部 髙野 将

Slide 2

Slide 2 text

何を話すか? フルリモートワーク を5年続ける中で 当たり前だと思っていた振る舞い について 前提となる スキルと知識 に分解したもの 2

Slide 3

Slide 3 text

こんな⽅におすすめです リモートワークを始めたが 「なんかうまくいかない」 と⽇々感じている 3

Slide 4

Slide 4 text

こんな⽅におすすめです リモートワークを始めたが 「なんかうまくいかない」 と⽇々感じている 4 なにかヒントになれば 幸いです!

Slide 5

Slide 5 text

⾃⼰紹介 5 髙野 将 a.k.a masaru_b_cl 産業⽀援グループ  ⼩売流通ソリューション部   エンジニアリングマネージャー

Slide 6

Slide 6 text

リモートワーク歴 6 -2018/8:地⽅SIerで何でも屋 2018/9-:【⼊社】サーバーサイドエンジニア   ※主な成果は「軽減税率対応」 2020/4-:サブチームリーダー 2021/7-:開発チームプロジェクトマネージャー 2022/1-:開発チームマネージャー そろそろ丸6年!

Slide 7

Slide 7 text

よろしく お願いします! 7

Slide 8

Slide 8 text

Xへの投稿の際は、 ハッシュタグ #devio2024 でお願いいたします。 8 お願い

Slide 9

Slide 9 text

アジェンダ 9 リモートワークで…… ● 起こりがちなこと ● ⼤切なマインド ● 効果的なテクニック ● 必要なスキル‧知識

Slide 10

Slide 10 text

こんなこと、よく⾒ませんか? 10

Slide 11

Slide 11 text

よく⾒ませんか? 後出しジャンケン A「できました!」 B「このケースも考慮がいると思うけど、   それはどうなってる?」 A「え?そんなケースは聞いてませんけど……」 B「普通に考えれば必要だってわかるじゃん?」 A「……(えー)」 11

Slide 12

Slide 12 text

なぜ起こるのか? 12

Slide 13

Slide 13 text

伝えていない 13

Slide 14

Slide 14 text

伝えないのは⽢え 14 “相手の思考を楽観的に期待している状況 ・・、こ れを、甘えている、というんだ。 いいかい、気持ちなんて伝わらない。伝えたいもの は、言葉で言いなさい。それが、どんなに難しくて も、それ以外に方法はない ” 犀川創平 詩的私的ジャック(1997年、森博嗣)より

Slide 15

Slide 15 text

相⼿の思考を楽観的に期待している? 15 ⾃分に都合の良い思い込み ● 伝わっている「はず」 ● わかっている「はず」 ● わかってくれる「はず」 ● 覚えていてくれる「はず」 ● 知らせてくれる「はず」 …などなど

Slide 16

Slide 16 text

こんなこと、よく⾒ませんか? 16

Slide 17

Slide 17 text

よく⾒ませんか? 俺は⾔った! A「こう⾔ったよね?」 B「いや聞いてないです」 A「いやあの会議のときに⾔ったって」 B「その会議たぶん私出てたと思いますけど、   覚えてないですねぇ」 A「たしかに⾔ったんだけどなぁ……」 17

Slide 18

Slide 18 text

なぜ起こるのか? 18

Slide 19

Slide 19 text

⼈の記憶は 当てにならない 19

Slide 20

Slide 20 text

⼈の記憶は当てにならない 20 我々は情報の洪⽔にさらされている ● ⽇々変わる社内外の状況 ● どんどん変わる技術トレンド ● ⼤量に押し寄せる顧客の要望 ● ライフイベントによるステージチェンジ

Slide 21

Slide 21 text

⼈の記憶は当てにならない 結果として、記憶はどんどん⼊れ替わる ● すべてを記憶していたら追いつかない ○ ⾃分も、他⼈も ● 1ヶ⽉前どころか3⽇前のことすら曖昧に 21

Slide 22

Slide 22 text

こんなこと、よく⾒ませんか? 22

Slide 23

Slide 23 text

よく⾒ませんか? アンジャッシュコント A「アレ(hoge)って今どうなってる?」 B「ああ、アレ(fuga)なら順調に進んでます!」 A「よかった、アレ(hoge)が間に合わないと   やばかったんだよね」 B「そうですよねー。   だからアレ(fuga)はちゃんと⾒てますんで!」 23

Slide 24

Slide 24 text

なぜ起こるのか? 24

Slide 25

Slide 25 text

想像するものは ⼈によって違う 25

Slide 26

Slide 26 text

想像するものは⼈によって違う アジャイルサムライ(2011年、Jonathan Rasmusson) p.44「3.1 プロジェクトが駄⽬になるのはなぜか」より 26

Slide 27

Slide 27 text

想像するものは⼈によって違う 27 想像はその⼈が持つ前提で決まる ● そもそも前提が違えば思い浮かべるものが変わる ○ 知っていること、持っている能⼒が同じはずがない

Slide 28

Slide 28 text

こんなこと、よく⾒ませんか? 28

Slide 29

Slide 29 text

よく⾒ませんか? 覇王⾊の覇気 エライ⼈「……(⼦どもの夜泣き酷かったから眠いわー)」 メンバー「……(なんか黙ってるけど怒ってる?)」 エライ⼈「…うん、いいんじゃない?」 メンバー「(ビクッ)……ありがとうございます       (絶対いいと思ってないよこれ……)」 29

Slide 30

Slide 30 text

なぜ起こるのか? 30

Slide 31

Slide 31 text

帯域幅の不⾜ 31

Slide 32

Slide 32 text

帯域幅の不⾜ 32 対⾯なら得られる情報が完全に抜け落ちる ● 雰囲気、表情、周りの状況など ● オンラインのやり取りで ⼗分な情報を得るのは困難

Slide 33

Slide 33 text

つまり…… 33

Slide 34

Slide 34 text

これらの前提を補えば 改善するはず! 34

Slide 35

Slide 35 text

アジェンダ 35 リモートワークで…… ● 起こりがちなこと ● ⼤切なマインド ● 効果的なテクニック ● 必要なスキル‧知識

Slide 36

Slide 36 text

起こりがちなことの原因を 裏返してみよう! 36

Slide 37

Slide 37 text

ちゃんと「伝える」 37

Slide 38

Slide 38 text

ちゃんと「伝える」 38 ⽢えずに相⼿の思考を悲観的に期待する ● 前提を省かない ○ 「当たり前」を説明する ● 思いを⾔葉にする ○ 何をして欲しいか、どう感じているか ● 伝わっているか確認する ○ 相⼿の認識を⾔葉にしてもらう

Slide 39

Slide 39 text

記憶より 「記録」に頼る 39

Slide 40

Slide 40 text

記憶より「記録」に頼る 40 議事録などに決定の記録を残す ● いつ誰が何を決めたか ● なぜその結論になったか ● 次は何をするつもりだったのか

Slide 41

Slide 41 text

イメージを 「共有」する 41

Slide 42

Slide 42 text

イメージを「共有」する 42 「アレ」だけで会話せず具体の名前を使う ● 少なくとも初⼿は略してはいけない ● 「アレ」を使うなら、お互い同じものを 指しているかすり合わせてから

Slide 43

Slide 43 text

複数のチャネルを使う 43

Slide 44

Slide 44 text

複数のチャネルを使う 44 情報の帯域幅を広げる ● テキストに加えて会話で補⾜する ○ 感情やニュアンスを伝える ● カメラオンにして表情を伝える ○ ⾔葉にならないものも伝える ● 対⾯での交流も⾏う ○ 良い関係性をつくる

Slide 45

Slide 45 text

アジェンダ 45 リモートワークで…… ● 起こりがちなこと ● ⼤切なマインド ● 効果的なテクニック ● 必要なスキル‧知識

Slide 46

Slide 46 text

意図は短⽂で 端的に表す 46

Slide 47

Slide 47 text

意図は短⽂で端的に表す 認知負荷をなるべく下げる ● 複数のことを混ぜない ○ 1つのモノには1つのコトを ● 1-4⾏の箇条書きで伝える ○ 収まる量に要約する ● ⻑ったらしいあいさつ、前置きは省く ○ 伝えたいことにフォーカスしよう 47

Slide 48

Slide 48 text

議事録駆動で ミーティングする 48

Slide 49

Slide 49 text

議事録駆動でミーティングする 49 参加者の意識を同じ⽅向に向けさせる ● 議事録を必ず画⾯共有し複数で編集する ○ まっさらな画⾯を⾒ながら空中戦をしない ● 議題をカーソルなどで⽰し、結果をすぐに反映する ○ 表現に違和感があれば即座に修正 ● 会議が終わると同時に議事録も完成させる ○ 会議の後に誰が何をやるかの意識合わせを済ませる

Slide 50

Slide 50 text

会話を効果的に使う 50

Slide 51

Slide 51 text

会話を効果的に使う 51 テキストメッセージが2往復しても話が先に進 まなければ、会話に切り替える ● テキストのみで伝えるのは本当に難しい ○ 何度もやり取りが発⽣するのは、 前提のすり合わせが⾜りないサイン

Slide 52

Slide 52 text

会話を効果的に使う 同期サンドイッチ 1. 準備/事前資料(⾮同期) 2. 判断/共創(同期) 3. まとめ/更新(⾮同期) 52 プロダクトマネージャーのしごと 第2版(2024年、Matt LeMay) p.222「おうちでやってみよう:リモートワークの試練と困難」より

Slide 53

Slide 53 text

会話を効果的に使う 同期サンドイッチ 1. 準備/事前資料(⾮同期) 2. 判断/共創(同期) 3. まとめ/更新(⾮同期) 53 プロダクトマネージャーのしごと 第2版(2024年、Matt LeMay) p.222「おうちでやってみよう:リモートワークの試練と困難」より ミーティングの1⽇前までに事前に読む資料を ⾮同期で送り、⾃分の考えをまとめてもらう タイムボックスを設定した同期ミーティングで判断を 下し、ドキュメントを⼀緒に作成し、事前資料で説明 された問題を解決する 同期ミーティングから1⽇以内に、次のアクションを 含むフォローアップを⾮同期で送る

Slide 54

Slide 54 text

情報ソースを明⽰する 54

Slide 55

Slide 55 text

情報ソースを明⽰する 点と点を線でつなげる ● 相談、依頼、タスクの起点となるチケット、 メッセージなどのリンクURLを⽰す ○ 顧客が誰か、なぜやるかなどの コンテキストを辿れるようにする ● ⼀次情報を⾒たら実は抜けていたコトとか案外ありがち 55

Slide 56

Slide 56 text

カメラオンで ニコニコする 56

Slide 57

Slide 57 text

カメラオンでニコニコする 機嫌を演出する ● 機嫌が良ければ話しやすい ○ 顔が⾒えずにだんまりだと話しにくい ● ニコニコするのがちょっとつらいなら⾚信号 ○ 疲れていませんか? ■ 休みましょう 57

Slide 58

Slide 58 text

アジェンダ 58 リモートワークで…… ● 起こりがちなこと ● ⼤切なマインド ● 効果的なテクニック ● 必要なスキル‧知識

Slide 59

Slide 59 text

的確に意図を伝える ⽂章⼒ 59

Slide 60

Slide 60 text

的確に意図を伝える⽂章⼒ ⽂章を受け取った相⼿に期待することを しっかり伝えるため ● これは何なのか ○ なぜ、何のために必要なのか? ● 次にどうすればいいのか ○ いつ、だれが、何を、どうしてほしい? 60

Slide 61

Slide 61 text

的確に意図を伝える⽂章⼒ オススメ資料 ● ⽂章⼒の基本(2009年、阿部 紘久) ● 読み⼿につたわる⽂章 - テクニカルライティング (2024年、mochikoAsTech) ● 理科系の作⽂技術(1981年、⽊下 是雄) 61

Slide 62

Slide 62 text

的確に意図を伝える⽂章⼒ トレーニング⽅法 ● ⽣成AI(ChatGPT、AI Starter)を活⽤ ○ 指⽰や依頼をして思った通りの結果が出なければ、 うまく伝わってない可能性が⾼い ○ 要約や箇条書きへの変換をしてもらい、 必要⼗分な最⼩限の表現を探る 62

Slide 63

Slide 63 text

話し合う⼒ 63

Slide 64

Slide 64 text

話し合う⼒ 64 対話して決断するため ● 対話:お互いの考えのズレを認識し、認め合う ○ 各々が⾃分の考えを表明する ○ なぜそう考えたのか問いかける ● 決断:議論して決める ○ メリット‧デメリットを明らかにする ○ より良いと思えるものを選ぶ

Slide 65

Slide 65 text

対話⼒ おすすめ資料 ● 話し合いの作法(2022年、中原淳) ● 問いかけの作法(2021年、安斎 勇樹) ● 組織の対話⼒を⽀える“⾒えない筋⾁”の鍛え⽅ |CULTIBASE Radio|Management #113 65

Slide 66

Slide 66 text

共有ツールの 即時編集⼒ 66

Slide 67

Slide 67 text

共有ツールの即時編集⼒ 67 思考の結果を相⼿にすぐさま伝えるため ● 発⾔を聞きながら、同時に内容を要約して議事録に記載 ○ 聞く‧書くをストリーム処理する ● 設計について考えながらすぐに図表にする ○ ツールを使いこなす ■ ホワイトボード、スプレッドシート、他

Slide 68

Slide 68 text

共有ツールの即時編集⼒ 68 思考の結果を相⼿にすぐさま伝えるため ● 発⾔を聞きながら、同時に内容を要約して議事録に記載 ○ 聞く‧書くをストリーム処理する ● 設計について考えながらすぐに図表にする ○ ツールを使いこなす ■ ホワイトボード、スプレッドシート、他 Google Docs、Google Spreadsheet、 Cacoo、Miro、esa、Notionなどなどの 同時編集可能なツール達

Slide 69

Slide 69 text

共有ツールの即時編集⼒ トレーニング⽅法 ● 基本のタイピング練習 ● SNSでイベントセッションのリアルタイム実況 ● 議事録のリアルタイム作成 ● ペア‧モブ設計作業 69 X(旧twitter)の古の⽂化 「tsudaる」 のこと

Slide 70

Slide 70 text

⾃分の機嫌を取る⼒ 70

Slide 71

Slide 71 text

⾃分の機嫌を取る⼒ 71 不機嫌を他の⼈にぶつけないため ● ⾃分の機嫌を意識する ○ 体調でも左右される ● 感情を無視しない ○ 感情があるのは⼈間だから仕⽅ない ○ 感情を⼀度認めたあとに⾃分が取るべき振る舞いを 考える by gaoryu

Slide 72

Slide 72 text

さいごに 72

Slide 73

Slide 73 text

さいごに リモートワークには才能でなくスキルが必要 ● ⽂章作成⼀つをとっても訓練が不可⽋ ○ でも、訓練すれば誰でもある程度出来るようになる ● このスキルはリモートワークに限らない ○ オフラインでも仕事がスムーズに流れるようになる 73

Slide 74

Slide 74 text

まずは地道に⾃分が できるようになりましょう! 74

Slide 75

Slide 75 text

そしてチームメンバーにも 広めていきましょう! 75

Slide 76

Slide 76 text

もちろん私にもまだまだ 改善の余地があります 76

Slide 77

Slide 77 text

ともにスキルを ⾼めていきましょう! 77

Slide 78

Slide 78 text

在宅フルリモートワークを 可能にするスキルと知識 n連発! 2024.7.19 ⼩売流通ソリューション部 髙野 将

Slide 79

Slide 79 text

79