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個⼈開発でもプロダクトマネジメントしたい! 2024-08-17 VRC-LT #17 みちの(@michino_vrc) / @contradiction29 5分で話す

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● 個⼈開発って何? ○ 例: VRChatのワールド/アバター/ギミック/ツール制作(の⼀部) ○ このLT内部の定義:個⼈が技術的な成果物を作成して公表する⾏為のこ とを指す ● 個⼈開発では全てが⾃由である ○ 企業活動ではないので、⾦銭的利益は追及しなくてもいい ○ ⽬的も⼿段も何もかもが⾃由であり、他⼈と歩調を合わせる必要もない ○ 「積極的な⾃由」がある ● しかし、完全な⾃由は個⼈で扱うには重すぎる ○ ⾃由であるがゆえの不⾃由、決断に対する疲れ ○ 「選択のパラドックス」 ○ 指針なき⾃由に⼈は疲れ、やがて⾃由から逃⾛してしまう エーリッヒ‧フロム 『⾃由からの逃⾛』

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今⽇話したいこと 1. ⾃由の重みに個⼈が耐えるのは難しい 2. だからこそ、⾃由につぶされないための指針が必要となる 3. 指針として「プロダクトマネジメント」の考え⽅が有効である 4. 個⼈開発でも使える基本的な考え⽅と具体的な⼿段を紹介したい

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⾃⼰紹介 ● 個⼈開発N年⽬ ● 職業エンジニア ○ TypeScript, React, Pythonなど ● 最近はNAGiSAで会話の練習をしている

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プロダクトのカタ ● プロダクトのカタ:プロダクト(作ったもの)を発展させるために何をすればいいのか?を考える ためのフレームワークの⼀つ ● プロダクトのカタに沿って⽅向性を⽴て、現状を分析し、適切なソリューションを考え実⾏する メリッサ‧ペリによる プロダクトのカタ(※1)

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⽅向性を探索する ● ⽅向性の具体例: ○ 「投稿数を○○%引き上げる」 ○ 「3⽇連続でログインするユーザー数を 増やす」 ○ 「SNSへの投稿数を増やす」 ● 定量的‧定性的の両⾯から⽅向性 を探索する⽅法が必要となる ● 海賊指標とは: ○ ユーザーの⾏動を段階に分け、ファネ ル分析の考え⽅から定量的に把握する 海賊指標(※2)

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無料で⽅向性を調査するための⼿法いろいろ Google Analytics Web上でのユーザー⾏動を分析するために使⽤ PV数やエンゲージメント時間、流⼊経路などの基本的な数値は設定不要で収集可能 Google Search Console 検索クエリがわかり、ユーザーがどのワードでサイトに流れてきたかが分かる サイトパフォーマンスの簡易的な把握も可能 監視ツール 400‧500番台のエラーを監視し、サーバー側の不具合を統計的に収集できる 攻撃の監視にも有効 データエンジニアリング データベースにあるデータをOLAPに移し、ダッシュボードで表⽰する⼿段 細やかなニーズに対応できる ⾃分で使う いわゆる「ドッグフーディング」と呼ばれる⾏為 ⾃分で使わないとわからないことも多い SNSでエゴサする 無料で⽣のユーザーの声を聴ける ⼿軽にできるが、深い情報は得られにくい。ネガティブな意⾒も⽬にするため注意が必要。 Discordでコミュニティを作る 作者とユーザー間のコミュニケーション経路を作成できる 管理にはテクニックが必要。慣れている⼈からアドバイスをもらうか、⾃分で学習が必要。 現実世界の友⼈や仲がいい⼈に 布教する 率直なフィードバックを得られるため、⼀番おすすめ 友情が深まる場合もあれば、逆の場合もある。

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⽅向性を実現するための⼿段を考える 理想的なステップ 1. 問題を探索し、⽬標を妨げる障害が 何かを理解する 2. ソリューションを探索し、問題解決 の⼿段を考え、⼿段が本当に問題に アプローチできているか検証する 3. ソリューションを実装し、計測を通 じて⽬標の達成度合いを測り、最適 化していく 現実 1. なんとなく「問題はこんなもんだろうな」とあ たりをつける 2. ソリューションを考える。「とりあえずこんな ものか?本当に効くかわからんが...」 3. 実装して放置。数⽇後、数字を⾒て効果がない ことを実感する。なんで効果が出ていないかは よくわからない。

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理想と現実のギャップを⽣み出す原因 ● 個⼈開発をする時間がない ○ お仕事で時間がない ○ 勉強時間を優先したい ● モチベーションに波がある ○ 圧倒的モチベーションがあればすべての問題は粉砕できる(諸説あり) ○ 収益化ができていない場合に顕著に表れる ○ 「俺は何をやってるんだ?」と思うときがある ● 疲労が蓄積している ○ 選択することの疲れ

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まとめ ● 個⼈開発は⾃由 ● ⾃由の中では指針が必要 ● プロダクトマネジメントの考え⽅は⼀定の指針になる ● でも理想と現実のギャップがあって難しい

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参考 ● メリッサ‧ペリ『プロダクトマネジメント―ビルドトラップを避け顧客に価 値を届ける』 ● 元ネタブログ記事 :https://contradiction29.hatenablog.com/entry/2024/08/15/183637