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● 「和食」が2013年にユネスコ無形文化遺産として登録されて、10年。日本の伝統的食文化は、名実
ともに世界に誇れる魅力的なコンテンツです。四方を海に囲まれた日本において、地域ごと、季節
ごとに特色のある魚介類を使用した様々な料理は、私達日本人の食生活や健康を豊かにしてきたと
ともに、訪日外国人にとっても日本を訪れる大きな目的となっています。 [参考資料1, 2]
● そのような日本料理にとってはもちろん、また日本の食文化の厚みともいえるフランス料理•イタ
リア料理•中国料理など様々なジャンルのレストランにとっても、重要な食材である日本の水産物
が今、手に入りにくくなっています。市場に入荷する魚が激減し、また価格が他の食材に比べても
極端に高騰しているのがその理由です。
○ これまでイカ、サンマ、サケ、ウナギなどの記録的な不漁が大きく報じられていますが、そ
の他の魚種にも甚大な影響が出ています。例えば江戸前寿司の花形のネタである良質なコハ
ダが手に入りにくくくなっているほか、地域の食文化において重要なアマダイ、トラフグ、
マアナゴ、クロアワビ、なども漁獲量が減り続けています。そして和食にとって不可欠な出
汁をとるためのコンブの生産量も激減。また、大型のカツオが少なくなったために、良質な
鰹節も減少の一途です。
● 日本の漁業・養殖業の生産量は、1980年代の3分の1以下になりました。沿岸漁業だけでも6割以上
減少し、魚介類の自給率は56%。すでに私たちの食文化を維持することが困難な、危機的な状況に
あります。日本が水産大国であった時代はとっくに過去となり、国民への安定的な水産物の供給も
危ぶまれる状況です。 [参考資料3, 4, 7]
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背景・問題意識(1)
一般社団法人 Chefs for the Blue