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パラシュート人事で 開発マネージャーに着任した 3ヵ月間をふりかえる BABY JOB株式会社 おおかわら 2025/04/22 @関ジャバ'25 4月度 BABY JOBの現場

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今回のおはなし • マネジメント未経験なのに、開発マネージャーに外部から登用   (いわゆるパラシュート人事)されてからの3ヶ月間をふりかえります • 私の経験と学びを共有させて頂くことで、パラシュート人事で着任中 の人やマネジメントへ挑戦中の人の参考になると嬉しいです

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自己紹介

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• 名前 おおかわら • X @KOhkawara • 所属 BABY JOB㈱ • 役割 手ぶら登園開発課 課長 自己紹介

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● 営業職で社会人経験スタート ○ 人事を中心に5年ほどバックオフィスを経験 ● 2017年4月からエンジニアのキャリアスタート ○ 自社開発のバックエンドエンジニア(7年半) ○ 1社目から子会社に出向転籍する過程でリードなどもやる ○ マネジメントに興味はありつつ完全にいちプレイヤー ● 2024年12月にBABY JOBにPjMとして入社 ● 2025年4月から手ぶら登園開発課の課長に 経歴

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会社・サービス紹介

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アジェンダ

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1. パラシュート人事になった経緯 2. 直面した「3つのギャップ」 3. ギャップを埋めるためにやったこと 4. 学びと気づき 5. これからの 6. まとめ アジェンダ

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パラシュート人事になった経緯

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(前提)パラシュート人事とは ```企業が組織外部から採用した中途採用者を、社内での段階的なキャリアパスを 経ることなく、あるいは現場での十分な経験を積む期間を設けずに、直ちにマ ネージャー、部長、役員、あるいはCTO(最高技術責任者)といった経営層や 管理職に登用する人事配置のこと``` ```パラシュート人事における失敗は、多くの場合、相互理解の欠如に起因すると 考えられる。つまり、登用された人材が社内の文脈や人間関係、歴史的経緯を 十分に理解しないまま行動してしまうこと 4、そして受け入れる組織側が、異な るバックグラウンドを持つリーダーを受け入れることの意味合いや、それに伴 う変化への準備を怠ってしまうこと 6、この双方向の統合努力の不足が、失敗の 温床となる。``` (Google Gemini 2.5Pro)

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● なぜ当時のBABY JOBはリスクの高いパラシュート人 事の手段を取ったのか? ● CTOも当然リスクを承知していた 当時の「開発チームの組織図」を見るとよく分かる 会社がパラシュート人事を決断した背景

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会社がパラシュート人事を決断した背景 ※当時実際に貰ったオファー資料に掲載されてた開発組織の図

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会社がパラシュート人事を決断した背景 マネジメントがボトルネック ↑     ↑ 元リードで マネージャーに 挑戦中 (CTOがサポート) ←実は情シスの課長も兼務 ↑ 1人で3チーム 13人みてる

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会社がパラシュート人事を決断した背景 こんな感じで改善したい

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会社がパラシュート人事を決断した背景 リスクを承知の上で、パラシュート人事も併用して マネジメントのボトルネックを改善したかった

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● なぜ未経験なのに、マネージャーポジションでのパ ラシュート人事を受けたのか ● 元人事だったので、パラシュート人事の難しさはな んとなく知っていたが… 実は転職活動開始当初は想定してなかった 未経験でマネージャーになった理由

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● 転職活動時の方針 ○ マネージャー志向はありつつ、いきなりマネージャーは難しいと 考え「将来マネージャーポジションが狙えそうな会社がいいな」 くらいの気持ちでエンジニアポジションを探す ● 応募した求人 ○ 「将来はマネージャー候補に」とは記載されてても、基本的にエ ンジニアポジションの募集という求人にのみ応募 ○ BABY JOB株式会社も「PHPエンジニア」として応募 未経験でマネージャーになった理由

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● 内定時点で急にマネージャーポジションになる ○ オファー面談で「手ぶら登園(Java)の開発マネージャー候補で考え てます」と言われる。(なにげに言語も変わってる。もはやあまり関係なかったけど) ● CTOに当時の変更の背景を聞いたら 未経験でマネージャーになった理由 C T O 当初はリーダーポジションくらいのイメージで進めた。 でも2次面接の後、一緒に面接した事業部長と 「マネージャーいけるんちゃう?」って話になった。

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急な展開に戸惑いつつも 熱意に流されてチャンスを逃すまいと えいやっで飛び込んだ! 未経験でマネージャーになった理由

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こうして 「未経験かつパラシュート人事の 開発マネージャー」 が爆誕

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やったるぜ!!!!

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直面した「3つのギャップ」

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● 思ってたんと違う。ということがお互いに出てくる ● 大きく分けて3つのギャップに直面 ○ 事業理解のギャップ ○ 期待のギャップ ○ 信頼のギャップ 実際に業務を始めて直面した課題

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● 当たり前だが全くわからん。 ○ ユーザーとしてサービスを使っていたのでなんとかなると思って たフシがあるが、わからないことだらけ ● 前任者は社内でもトップレベルでプロダクトの歴史や内容を知ってい る人物 ● 結果として、前任者に引き続き質問が飛んでしまう 事業理解のギャップ

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● 「なんかちゃんとしたマネージャーがくるらしい」 ○ 妙に高い期待値&距離感の感じる期待がよせられる ○ 実際にそこにいるのはマネジメント未経験の人間 ■ 「要件定義や他部署との調整は得意」などと自己紹介に書いたのが間違い。 ● 前任者がとても優秀で かつ「SM as a PjM」としてマネジメント ○ メンバーはスクラムマスターの役割とマネージャーの役割を混同 ○ スクラムではメンバーは引き続きスクラムマスターを頼る ○ では新しく来たおおかわらは一体何をしてくれる? 期待のギャップ

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● 「おおかわらさん正直話し辛いんですよね」 ○ 1on1でメンバーから言われる…。(勇気出して言ってもらえたこと自体は嬉しい) ○ 前任者より6歳くらい年齢も上がったこともあり、若いメンバーを 緊張させてしまっているかも。 ● フルリモートなので、画面越しの見た目の印象に引っ張られがち ○ 体格や顔つきで新入社員時代から偉い人と間違えられてきた過去 信頼のギャップ

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やっぱり難しかったよ…

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ギャップを埋めるためにやったこと

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● わからずとも業務内容の全部の疑問質問に反応!(自分がメンションされなくても) ○ 反応して、調べてもわからなければ適切に「協力を依頼」 ○ やりながらキャッチアップしていく姿勢でカバー ● 開発マネージャーとしてビジネス側のMTGに入れてもらう ○ 開発に依頼が来る前の運用によった話も聞ける ○ 開発チームの中で自分が最初に課題を確認できる ■ わからない領域なら開発メンバーが触れる前に予習する 業務理解のギャップを埋める

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期待のギャップを埋める ● 相手の期待に可能な限りキャッチアップする! ○ 高いハードルを設定してもらったとポジティブに受け止め ○ 本を読む、セミナーに参加する等まずはインプットを増やした ○ 自身の「マネージャーの振る舞い」をアップデート ● 前任者と協力し、それぞれの立ち位置の違いを説明 ○ 前任者はスクラムマスターとして引き続きチームに寄与 ○ 私はビジネス側との調整でブロッカーを取り除いたり、中長期的 なキャリアをサポートする姿勢を鮮明に

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信頼のギャップを埋める ● LTやSlackのTimesなどでカジュアルな雰囲気を全面に出した ○ トーチバーナーを熱く語るだけのLTをしたり ○ 自己開示をとにかく進める ○ 自分をガンガンアウトプットする ● 「オフラインでの交流」は欠かさず参加 ○ チャンスがあれば全部積極的に参加する。 ○ 参加をTimesで公開し「直接の交流に積極的」だとアピールも

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信頼のギャップを埋める ● あごひげを剃る(威圧感を減らす)

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取り組みの結果と気付き

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● 「まずはおおかわらに相談」という流れが定着した! ○ その場で私が答えられるかどうかは別として私に相談してくれる ○ 全部の質問が自分のもとに集まるので急速に業務理解も進んだ (次にやること) ● ドメインモデルの整理で体系的に理解を進める ○ 絶賛進行中。自身の目標設定にも取り入れてもらい強制的にやる 業務理解について

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● だいたい擦り合ってきた認識 ○ ビジネスサイドとの調整やブロッカーの対応については特に相談 してくれるようになった ○ 前任者は「スクラムマスター」として引き続き正しく頼られるよ うになってきた (次にやること) ● 中長期的にキャリアをサポートする体制を整える ○ 適切に社内のリードエンジニアたちにも協力を要請していきたい 期待について

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● 「話し辛い」と伝えてくれたメンバーから「思ったより親しみやすい」 といってもらえた! ○ ぶっちゃけ一番効果あったのは「リアルでの交流」 ○ 他の試みはおまけ程度だった。 ■ というか、色々やってた最中に「話し辛い」といわれてた ■ (あごひげに至っては気づかれてすらない可能性) (次にやること) ● フルリモートの中の「リアル交流」をフル活用する ○ 限られた時間を最大活用する(今までちょっと遠慮があった) 信頼について

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まとめ

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パラシュート人事は成功…? ● 大失敗は今のところしてない(と思っている) ● が、まだまだランディング中…! ○ チームメンバーとの信頼関係はもっと高めたい ○ 経営陣の期待にはこれから成果とともに答えていく ○ マネジメントの成果はすぐには出ない部分も多い

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ふりかえりの感想 ● パラシュート人事はやっぱり難しい…! ● けど成長のチャンスだった! ○ 業務理解を一気にすすめるチャンス ○ 高い期待に強制的にコミットするチャンス ○ 自己開示を進めてアウトプットの練習をするチャンス ○ なによりキャリアアップのチャンス ポイントは相手や環境でなく、自分を適用させるコト?

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ご清聴 ありがとうございました