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ドラッカーに学ぶ スクラムマスターとしての 振る舞い方

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1 KDDI Agile Development Center Corporation 自己紹介 KDDIアジャイル開発センター株式会社 小糸 悠平 • 複数の電機メーカーで組み込みエンジニア の経験を経て、アジャイルと向き合うために KDDIアジャイル開発センターに入社 • 現在は、開発案件のスクラムマスターをしな がら、社内スクラムコミュニティを運営してい ます • モットーは、”自分と自分の周りの人が幸せ で居続けられるように奉仕する”

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社外秘B 2 KDDI Agile Development Center Corporation スクラムマスターって 何をする人?

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3 KDDI Agile Development Center Corporation スクラムマスターって何する人? スクラムイベントのファシリテートする人 チームの障害物を除去する人

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4 KDDI Agile Development Center Corporation 一方、スクラムガイドには スクラムマスターは、 スクラムガイドで定義された スクラムを確立させることの責任を持つ スクラムチームの有効性に責任を持つ

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5 KDDI Agile Development Center Corporation スクラムマスターの責任を果たすために スクラムガイドで定義された スクラムを確立させることの責任を持 つ スクラムチームの有効性に責任を持つ スクラムマスターの責任 スクラムマスターのすること 到達するイメージができない

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6 KDDI Agile Development Center Corporation スクラムマスターの責任を果たすために スクラムガイドで定義された スクラムを確立させることの責任を持 つ スクラムチームの有効性に責任を持つ スクラムマスターの責任 スクラムマスターのすること

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ドラッカーに学ぶ スクラムマスターとしての 振る舞い方

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8 KDDI Agile Development Center Corporation ピーター・ドラッカーとは 企業経営・組織論の第一人者 「マネジメント」という概念を確立 企業だけでなく、社会や個人の生き方にも影響を与えた 著書『現代の経営』『経営者の条件』 など多数

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社外秘B 9 KDDI Agile Development Center Corporation その1 最も重要なことに集中することである

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10 KDDI Agile Development Center Corporation その1:最も重要なことに集中することである 「成果を出すには、最も重要なことに集中せよ」 「最も重要な決定は、何をするかではなく何をしないかである」 出典『経営者の条件(The Effective Executive)』

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11 KDDI Agile Development Center Corporation スクラムマスターの視点 スクラムマスターの振る舞いとは? 優先順位を整理し、迷わない環境を作る 「何をしないか」を決め、余計な負担を減らす コンテキストスイッチを減らし、集中しやすい環境を作る

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12 KDDI Agile Development Center Corporation コンテキストスイッチ コンテキストスイッチとは? 複数のタスクを行き来することで、脳が切り替えに時間を 取られる現象 出典『ワインバーグのシステム思考法』

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13 KDDI Agile Development Center Corporation 具体的なアクション 具体的にどうする? 割り込みの要因を潰していく 重要なことが何か、誰でもすぐに分かるようにしておく 「最も大事なことは何か?」と同時に 「やめるべきことは何か?」も問い続ける

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社外秘B 14 KDDI Agile Development Center Corporation その2 人を動かすにはまず耳を傾けることだ

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15 KDDI Agile Development Center Corporation その2:人を動かすにはまず耳を傾けることだ 「人を動かしたければ、まず耳を傾けよ」 「優れたリーダーは話すのではなく、聞くことから始める」 出典『経営者の条件(The Effective Executive)』

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16 KDDI Agile Development Center Corporation スクラムマスターが聴くべきこと スクラムマスターが耳を傾けるべき3つの視点 チームの「言葉にならない不安」 開発の現場で起きている「目に見えない障害」 ステークホルダーが求める「本当の価値」 コミュニケーションで最も大切なことは、 相手の言わないことに気づくことである

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17 KDDI Agile Development Center Corporation 具体的なアクション 具体的にどうする? 自分が話すのをやめましょう 普段からチームメンバの表情や態度、発言を観察して 変化に気づけるようにしよう 「なぜ?」を繰り返し問いかけ、課題の本質を一緒に探る 「聴いて終わり」ではなく、聴いたことを行動につなげる

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社外秘B 18 KDDI Agile Development Center Corporation その3 意見の対立の向こうに事業の成功がある

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19 KDDI Agile Development Center Corporation その3:意見の対立の向こうに事業の成功がある 「成果を生む組織では、対立が歓迎される」 「イノベーションは対立の中から生まれる」 出典『現代の経営』 重要なことで最初から全員の同意を得られる場合 には、あえて決定しないというルールである。 全員が考える時間をもてるよう、決定を先延ばし にする。

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20 KDDI Agile Development Center Corporation スクラムマスターの視点 スクラムマスターの役割とは? チームの健全な対立を促し、議論を活性化する 「対立を避ける」ではなく「対立を活かす」 目的を明確にし、建設的な議論に導く

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21 KDDI Agile Development Center Corporation 対立が生まれやすい場面 スクラムで起こりがちな対立構造 マネージャー vs チーム(伝統的な管理 vs 自己組織化) プロダクトオーナー vs 開発者(要求 vs 実現可能性) チーム内の技術選定(最新技術 vs 安定性) 「対立は問題ではなく、解決のためのチャンスである」

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22 KDDI Agile Development Center Corporation 具体的なアクション 具体的にどうする? 対立を歓迎しましょう 発言者ではなく、発言内容にスコープを向ける スクラムマスターは「仲裁役」ではなく 「対話のファシリテーター」

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社外秘B 23 KDDI Agile Development Center Corporation まとめ

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24 KDDI Agile Development Center Corporation スクラムマスターが意識すると良い3つのポイント 最も重要なことに集中する チームが集中できる環境を作る 人を動かすには、まず耳を傾ける 言葉の裏にある本当の課題を聴く 意見の対立の向こうに事業の成功がある 対立を避けるのではなく活かすことが大切

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Be a Change Leader. アジャイルに力を与え 共に成長し続ける社会を創る