Slide 1

Slide 1 text

Engineering Managementの グローバルトレンド kyon_mm #EMOasis

Slide 2

Slide 2 text

2

Slide 3

Slide 3 text

Engineering Managementの隣接領域にいるので調査結果 を共有する • 2024 State of Engineering Management Reportの紹介 • グローバルトレンドとしての課題 • 課題に関連する論文 • まとめ 3 アジェンダ

Slide 4

Slide 4 text

2024 State of Engineering Management Reportの紹介 4

Slide 5

Slide 5 text

2024 State of Engineering Management Reportの紹介 • 発行元:Jellyfish Research • 目的:エンジニアリング 組織の現状、課題、及び 今後の成長戦略をデータ に基づいて提示する • 調査手法:600名以上の エンジニア、マネー ジャー、経営層に対する アンケート調査、 Jellyfishプラット フォームの利用データ解 析 • 調査期間2024年2月-4月 • エンジニア:54% • エンジニアリングマネー ジャー:22% • R&Dエグゼクティブ:11% • C-suite/VPなど:10% 5 概要 対象者の役職分布 • 小規模(10人未満)約6% • 中規模(10〜49人、50〜 199人):約25%〜26% • 大企業(200人以上、500 人以上):20%~ 企業規模・チーム規模

Slide 6

Slide 6 text

エンジニアリング組織の役割が変化している • 従来は「受注生産型」の組織体 制であったが、近年はビジネス 戦略への貢献や収益成長に直結 する戦略的パートナーへと進化 • 調査対象者の90%が「エンジニ アリングチームがビジネス戦略 に影響を与えている」と回答 • エンジニア:製品開発に加え、 プロダクト戦略や品質向上への 参画 • マネージャー:チームの効率性 向上と上層部へのレポート、課 題の早期発見 • 経営層:エンジニアリング活動 のROI(投資対効果)の評価、 戦略的意思決定への参加 6 背景 各役割の変化

Slide 7

Slide 7 text

グローバルトレンドとしての 課題 7

Slide 8

Slide 8 text

サーベイのなかでおもしろかった課題4つ • 約65%の回答者が 過去1年間にバー ンアウトを経験 • 小規模企業では採 用拡大 • 大企業では現状維 持または減少の傾 向 8 バーンアウト 採用と人材確保 • パフォーマンス評 価 • 37%前後がどの指 標でも低下を実感。 • 生産性 • 効率性 • アカウンタビリ ティ • 予測可能性 経営層と情報共有 • 主な障壁 • セキュリティ懸 念:48% • 専門知識不足: 34% • 予算制約:24% • その他、エラーリ スクや倫理的懸念 も一部報告 AI導入の促進

Slide 9

Slide 9 text

課題に関連する論文 9

Slide 10

Slide 10 text

バーンアウトよくおきがちなのでサーベイされていた • ソフトウェアエンジニアリングに おけるバーンアウトの要因を体系 的に調査した • エンジニアリングマネージャー (EM)を含む技術リーダーのスト レス要因に焦点を当てている。 • バーンアウトの主な原因 • 長時間労働、チーム管理のプレッ シャー、技術的負債の管理などが • 対策としてワークライフバランス の改善やメンタルヘルスサポート の導入 10 Burnout in Software Engineering: A Systematic Mapping Study Tien Rahayu Tulili, Andrea Capiluppi, and Ayushi Rastogi. 2023. Burnout in software engineering: A systematic mapping study. Inf. Softw. Technol. 155, C (Mar 2023). https://doi.org/10.1016/j.infsof.2022.107116

Slide 11

Slide 11 text

経営層と現場の情報共有はなかなかされていない • ソフトウェアを多用する組織では、 ビジネス戦略が一連の運用ソフト ウェア目標に変換されない限り、 組織管理システムは組織の成功を 保証できない。 • Goal Question Metric(GQM)+ Strategies®アプローチによる提案 • GQM + Strategies®は、ソフトウェ ア計測の目標を、ソフトウェア組 織のより高いレベルの目標、さら にはビジネス全体のレベルの目標 や戦略に明示的に結びつけるため のメカニズムを提供している。 11 Bridging the gap between business strategy and software development Basili, Victor & Heidrich, Jens & Münch, Jürgen & Regardie, Myrna & Rombach, Dieter & Seaman, Carolyn & Trendowicz, Adam. (2007). Bridging the Gap Between Business Strategy and Software Development. In Proceedings of the International Conference on Information Systems (ICIS 2007). 25.

Slide 12

Slide 12 text

AI駆動のセキュリティ手法は、脆弱性検出、脅威モデリング、自動修復な ど、セキュリティ自動化に革新をもたらす可能性がある • RQ1では、DevSecOps各段階における12 の主要セキュリティタスクと、65の評 価ベンチマークを特定した。 • RQ2では、15の主要課題(例:データ 品質、モデルの説明性不足、レガシー システムとの統合の複雑さ、スケーラ ビリティの問題)を抽出した。 • 将来の研究方向として次があげられて いる • CI/CDパイプライン内で動的に更新され るAIモデルの開発 • 包括的なベンチマークデータセットの整 備 • 深層学習とシンボリック推論のハイブ リッドモデルによる説明性向 • 倫理的側面(プライバシー、公平性、透 明性)の検討 12 AI for DevSecOps: A Landscape and Future Opportunities 出典 Michael Fu, Jirat Pasuksmit, and Chakkrit Tantithamthavorn. 2025. AI for DevSecOps: A Landscape and Future Opportunities. ACM Trans. Softw. Eng. Methodol. Just Accepted (January 2025). https://doi.org/10.1145/3712190

Slide 13

Slide 13 text

まとめ 13

Slide 14

Slide 14 text

各カンファレンスの比較 バーンアウト 採用と人材確保 経営層と現場の情 報共有 AI導入の促進 emconf - 1 2 - DevWorld 100以上 1 2 4 30 DevExec World 100以上 2 2 4 10 14 Engineering Manager Conference Japan2025/海外Engineering Managementカンファレンスのセッション

Slide 15

Slide 15 text

まとめ • 日本のemconfでは西海岸文脈の people managementが強調されている • まだはたらいて短かいからか、バーンアウトにかんする話や、具体的な技術戦略 のはなしがあまりない • 西海岸文脈でいくならバーンアウトのはなしはあってもいい気がする • セッション数が数倍以上差があるから一概にはいえないが、海外大規模カンファ レンスではすべてのトピックをカバーできている • 200人以上参加のイベントを対象にするといいのかも。 • 日本ではなぜかロール名をつけたカンファレンスがはやるんですけど、なんでで すかね。。。 • Developers Summit / Product Manager Conference / Engineering Manager Conferenece • PMでもそうであるが、これからのEMについて考えるときに、西海岸文化のキャリ アパス整理やスキル整理はつかいやすいというのはありえる • EMはまだPMほどゆりもどしとかおきていないので、あと3年くらいしたらスキル がいいかんじに整理されるとおもわれます。 15 全体の所管

Slide 16

Slide 16 text

西海岸文化をみながらグローバル動向をみて学んでいき ましょう それはそう でもさー これってEngineering Managementなんだっけ。。。 16

Slide 17

Slide 17 text

第二部 Engineering Managementの歴史から みたEMの違和感について kyon_mm #EMOasis

Slide 18

Slide 18 text

あなたのエンジニアリングは どこから? 18

Slide 19

Slide 19 text

わたしは産業革命から!!! ここから文字多めです。好きすぎて書きすぎました。 19

Slide 20

Slide 20 text

2つの産業革命によって情報伝達速度が高速に • 18世紀後半に英国で始まった産業 革命は、工学の各分野を飛躍的に 発展させた。 • 特に機械工学は蒸気機関の発明に よって産業の主役となり、土木工 学は運河・鉄道建設や橋梁建造 (例:1883年完成のブルックリン 橋)など大規模インフラを可能に した。 • 19世紀末には電気工学も確立し、 1880年代にトーマス・エジソンが 世界初の実用的な発電・送電シス テムを導入した。 • 技術分野の専門化に伴い、各国で 工学教育機関や学会が19世紀中盤 までに設立され、工学が専門職と して制度化された。 20 第一次産業革命 第二次産業革命

Slide 21

Slide 21 text

大規模プロジェクトと管理手法がうまれる • 19世紀から20世紀初頭にかけて、産業規 模の拡大により工場生産や鉄道敷設など 多数の人員と資本を要するプロジェクト が増加し、それらを効果的に遂行する管 理手法が模索された。 • 例)米国のヘンリー・ガントと仏国のアン リ・ファヨールは、第一次大戦下の1916 年にそれぞれ工場管理に関する著書を発 表し、近代的管理論の礎を築いた。 • 例)フレデリック・テイラーによる科学的 管理法も普及し、工場運営の効率化に寄 与した。 • また、19世紀末にはドイツなどで機械製 図や規格化が進展し、標準化されたエン ジニアリング手法が国際競争力の源泉と なり始めた。こうした管理と工学の融合 への志向が、後のエンジニアリングマネ ジメント専門職の萌芽となっていく。 • フランスではナポレオン期にエコー ル・ポリテクニーク等の官立工学教育 機関を設立し、国家事業を担う技術者 を養成した。 • 米国では西部開拓や軍事目的で陸軍工 兵隊が測量・インフラ整備を主導した。 • 日本では明治期にお雇い外国人技師の 指導の下で鉄道・造船などの近代産業 基盤が構築された。 • これらの大型プロジェクトは、今日で いうプロジェクト管理の原型とも言え る手法(進捗管理、予算管理、人員統 制など)の必要性を認識させ、エンジ ニアリングマネジメントの重要性が 徐々に顕在化している。 21 民間によるうごき 政府によるうごき

Slide 22

Slide 22 text

第二次世界大戦での発展と日本から品質の発展 • 世界大戦期にはレーダー・核兵器・ロケッ トなど先端技術の開発競争が繰り広げられ、 各国政府は大学・産業界と連携して巨額の 研究開発プロジェクトを推進した。 • 米国のマンハッタン計画やソ連の宇宙開発 競争は、数千から数万人規模の科学者・技 術者を組織的に動員し、プロジェクトを期 限内に完遂するための組織マネジメント手 法が洗練される契機となった。 • 特に米ベル研究所では、大規模通信システ ム開発の中でシステムズエンジニアリング の概念が生まれ、1940年代初頭には「シス テム工学」という用語が使われ始めたらし い。 • システム工学は複雑な技術システム全体を 俯瞰し、要件定義から統合・試験までを体 系的に計画・管理する手法として整理され ていった。 • 第二次大戦後、日本では米国人統計学者 のデミング博士らが提唱する統計的品質 管理手法が導入された。 • デミングは1950年に訪日し、日本の経営 者・技術者に品質向上のための管理手法 を指導し、その結果、日本企業は従来の 職人的手法からデータに基づく品質管理 へ移行し、製造業の品質水準が向上する。 • 1950年代から60年代にかけて日本で確立 したTQM(全社的品質管理)の手法は、30 年遅れて米国にも伝播し、1980年代以降 デファクトスタンダードとなる。 • これはエンジニアリングマネジメントに おける品質管理分野の発展を示すもので、 製品・プロジェクトの品質を管理する体 系的手法が国際規格(ISO9001など)とし て定着する基盤となった。 22 第二次世界大戦 品質工学の発展

Slide 23

Slide 23 text

1950年代から手法の整理や経営への組込みがおきる • 1950~60年代には、米軍やNASAのプロジェ クトで近代的プロジェクト管理手法が確立 しました。1958年に米海軍が開発したPERT 法(計画評価検討技法)や、民間で開発さ れたCPM法(Critical Path Method)は、大 規模プロジェクトの工程を可視化・最適化 する方法であった。 • 1969年には米国でプロジェクトマネジメン ト協会(PMI)が設立され 、プロジェクト 管理が一つの職能・学問分野として体系化 され始める。 • 以降、プロジェクトマネージャー向けの資 格制度や知識体系(PMBOKなど)が整備され、 技術プロジェクトを予算・納期・品質目標 内で完遂するための手法論がグローバルに 普及した。 • これはすなわち、エンジニアリングマネジ メントが専門職種として社会的に確立され たと捉えてもいいのではないか。 • 1970年代のオイルショックを契機に、 エンジニアリングマネジメントは経営 戦略と不可分の存在となりはじめる。 • エネルギー制約下で技術開発・政策・ 産業構造の変革が迫られたため、技術 リーダーには経済性評価や長期計画の 視点が求められた。 • 企業は技術プロジェクトの選択と資源 配分を経営戦略の中で位置づけ始め、 研究開発ポートフォリオ管理や技術 ロードマップ策定といった戦略的技術 マネジメント手法が発達した。 • エンジニアリングマネジメントはプロ ジェクト現場の管理手法から企業戦 略・政策立案に資する知的枠組みへと 発展していった。 23 手法として確立される 技術戦略がうまれる

Slide 24

Slide 24 text

ようやくソフトウェア工学マネジメントの時代 • 1960年代後半には「ソフトウェア危 機」と呼ばれる、大規模ソフト開発の 失敗が社会問題化し、1968年にNATO会 議で「ソフトウェア工学」という概念 が提唱される。 • ソフトウェア開発プロセスの体系化が 進み、1970年代にはウォーターフォー ル型の開発手法が普及する。 • 1990年代以降、インターネットとPCの 普及でソフトウェア開発はさらに複雑 化・高速化し、従来手法の限界が露呈 します。2001年には米国でアジャイル 開発宣言(Agile Manifesto)が公表 され、ソフトウェア産業を中心に俊敏 かつ適応的なプロジェクト管理手法が 急速に広まった。 • 冷戦終結後の1990年代、製造業からソフ トウェア開発までエンジニアリング活動 のグローバル化が進んだ。 • 企業はコスト削減や市場開拓を目的に生 産拠点・R&D拠点を海外展開し、異なる国 や文化のエンジニアが協働する体制が一 般化しました。 • 例えば、自動車産業では設計を本国、部 品製造を新興国、組立を消費地近くで行 うといったグローバル分業が進み、サプ ライチェーンマネジメントがエンジニア リングマネジメントの重要要素になる。 • 地理的に離れたチーム間の綿密なコミュ ニケーションとリスク管理の重要性が再 認識され、コラボレーションツールの活 用や標準化されたプロセスの検討/導入が すすむ。 24 ソフトウェア工学の誕生 My Job went to India!!!

Slide 25

Slide 25 text

AIにより現実的な第四次産業革命がおきる • 2010年代に入り、IoT(モノのインター ネット)やAI、ロボット技術の進展によ り「第4次産業革命(Industry 4.0)」が 提唱される。 • ドイツ政府が2011年に打ち出した Industry 4.0戦略は、製造業のデジタル 化・高度自動化を目指すもので、欧州委 員会もこれを各国政策に取り入れた。 • Industry 4.0の下では、従来の生産技術 者に加え、ITエンジニアやデータサイエ ンティストとの協働が不可欠といえる。 • 結果としてエンジニアリングマネジメン トも変革を迫られ、ITと製造の垣根を超 えた統合的なチーム運営や、セキュリ ティ・プライバシーを考慮したリスクマ ネジメントが重視されるようになる。 • 日本では経済産業省が「コネクテッドイ ンダストリーズ」や「Society 5.0」と いったビジョンを掲げ、製造現場のDX (デジタルトランスフォーメーション) を推進している。 • 一方で、既存システムの老朽化とIT人材 不足により2025年以降に最大12兆円の経 済損失が生じうると警鐘を鳴らし(いわ ゆる「2025年の崖」問題)、企業に対し 早急なDXと人材育成策の実行を促してい る。 • デジタル技術の波は工学とマネジメント の在り方を根本から変えつつあり、各国 政府も政策面からその変革を支えていま す。 25 Industry 4.0 日本の現在

Slide 26

Slide 26 text

西海岸文化のEMについて省略 26

Slide 27

Slide 27 text

わたしがみている課題感 27

Slide 28

Slide 28 text

エンジニアリングマネージャーの役割分業と人口減少時 代の適合性 • 産業革命期に確立された専 門職としての工学、テイ ラーの科学的管理法やタイ ムスタディに基づいた作業 分割は、効率性向上を実現 してきた。しかし、これら の分業モデルは人口増加時 代に最適化された仕組みで あり、現代の日本のような 人口減少下では柔軟性に欠 ける可能性がある。 • 大規模プロジェクト管理 (PERT、CPMなど)や伝統 的なヒエラルキーに依存す る組織構造が、迅速な技術 革新やアジャイル環境の要 求に十分応えられていない。 • なんならアジャイルでも人 口減少にはたえられない。 • 歴史的手法、現代的ア ジャイル・リーン手法も こえたより少人数でのハ イアウトプットな組織モ デルが適している可能性。 • 状況に応じた柔軟な役割 変更が可能な組織モデル。 すなわち、プロジェクト の性質や市場環境に合わ せ、専門技術と管理能力 の両側面を流動的に発揮 できる体制が求められる。 28 論点 仮説 • プロジェクトベースの役 割再編を導入し、現場の 動向に応じた柔軟な人材 配置を実現する。 • 技術者自身がマネジメン ト経験を積み、その後再 び専門職へ戻るキャリア 回遊を促進するプログラ ムの整備。 • 組織全体の評価制度を再 設計し、テイラー/ア ジャイル時代の効率性だ けでなく、現代のイノ ベーションや柔軟性を高 く評価する指標を取り入 れる。 今後の方針案

Slide 29

Slide 29 text

プロダクト、経営、セールスマネジメントとの連携不足 • 米国西海岸のIT企業におけ るエンジニアリングマネー ジャーの役割強化がある一 方で、日本企業では従来の 伝統的ヒエラルキーと暗黙 の了解に基づく連携がつよ い。これにより、技術と経 営、そしてセールスの各領 域間で効率的な情報共有が 行われず、戦略的シナジー が十分発揮されていない。 • 歴史的背景として、各国が 独自路線で工学・管理手法 を発展させた結果、部門間 の垣根が形成された。これ が、グローバル化とデジタ ル化の進展に反して足かせ となっている。 • 各管理部門が専門性を活 かしながらも、統一され たフレームワークの中で 連携する組織モデル。 • 技術と経営、セールスが 対等なパートナーとして 戦略を共有する体制が理 想である。TQMやデミン グの導入事例やNASAがヒ ントになるか? • デロイトトーマツコンサル ティング合同会社もこうい うのはうまくいっている事 例だとはおもう。 29 論点 仮説 • 定期的なクロスファンク ショナル会議やワーク ショップを開催し、各部 門間での情報共有と連携 プロセスを明文化する。 • IT、経営、セールスの各 視点を集約したプラット フォームを導入し、リア ルタイムでのデータ共有 と意思決定支援システム を活用する。 • 歴史上の成功事例を分析 した上で、部門横断的な 評価制度と連携インセン ティブを制度化する。 今後の方針案

Slide 30

Slide 30 text

ピープルマネジメント偏重による全体成長の停滞 • 戦後の品質管理やTQMの 成功事例から示されるよ うに、統計的なデータに 基づく管理手法は技術革 新と生産性向上に寄与し た。 • 近年のエンジニアリング マネジメントでは、ピー プルマネジメントに偏重 するあまり、技術革新や プロジェクト管理の側面 が軽視されがちである。 • ピープルマネジメント、 技術管理、プロジェクト 運営の3要素が相互に補 完し合い、組織全体の革 新と成長を牽引する統合 的マネジメントモデルが 必要なのでは? • 数値化された評価指標と、 質的フィードバックを組 み合わせたハイブリッド な評価システムにより、 各側面のバランスが保た れる姿勢が求められる。 30 論点 仮説 • 技術革新とプロジェクト管 理に特化した育成プログラ ムを新たに導入し、ピープ ルマネジメントだけでなく 全体的な能力向上を図る。 • 定量的なデータ分析と、質 的評価を組み合わせた統合 的な評価システムを構築し、 各部門のパフォーマンスを 多角的に評価する仕組みを 整備する。 • 過去の成功事例を参考に、 組織全体のバランス重視の マネジメント方針を策定す る。 今後の方針案

Slide 31

Slide 31 text

EMを本気でやりたいんだ • エンジニアリングマネジメントは、産業革命以来の工学の進化、システム ズエンジニアリングの発展、そしてデジタル・アジャイル時代の要求が交 錯する複合的な領域である。 • そしてAIによる第四次産業革命によって、さらに進歩がもとめられている。 • 歴史的背景と各時代の成功事例を再考することで、従来の分業モデルの見 直し、部門横断的な連携体制の強化、そしてピープルマネジメントと技 術・プロジェクト管理のバランスが、今後の競争力と持続成長を左右する 鍵であると信じている。 • このような議論をふまえてEMを上部構造にシフトすることで、産業革命が おきている変革期の課題に柔軟かつ戦略的に対応し、ふりかえったときに 歴史の転換点としての革新的で統合的なエンジニアリングマネジメントの 実現を期待している。 31 ほんとうのまとめ