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© Alp, Inc. ハイインテグリティコミットメント を実現する スクラム開発の進化 アルプ株式会社 前川裕一 1

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MAEKAWA Yuichi @_kaelaela アルプ株式会社 プロダクトマネージャー 経歴 Software Engineer: 2014 ~ 2021 ● 2014 ~ 2019 Androidアプリエンジニア ● 2019/2 ~ アルプに入社、バックエンド開発、 Salesforceのフロントエンド開発などを担当 Product Manager: 2022 ~ ● PMへジョブチェンジしScalebaseの IntegrationExperience(統合体験)を担当 2

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© Alp, Inc. は継続課金ビジネスのための販売・請求管理SaaSです 3 3分でわかるScalebase より | https://scalebase.com/resources/ebook02 DLしてね

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© Alp, Inc. は継続課金ビジネスのための販売・請求管理SaaSです 4 3分でわかるScalebase より | https://scalebase.com/resources/ebook02 DLしてね

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© Alp, Inc. 複雑な要件には 不確実性がつきもの💡 5 https://unsplash.com/photos/I5XDDwXHvMU

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© Alp, Inc. 不確実性が高い ↓ 「いつできるの?」予測精度が低い 6

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© Alp, Inc. しかし、お客様に 「いつできるかわからないです...」 とは言いたくない😢 7

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© Alp, Inc. 自信を持って「〜にはできます!」 とプロダクトチームで言いたい! (ハイインテグリティコミットメント) 8 ※「ハイインテグリティコミットメント」という用語は以下書籍から INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント | マーティ・ケーガン

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© Alp, Inc. そんなあなたへ!今日持ち帰ってもらえるもの - 「ハイインテグリティコミットメント」に必要なもの 「協調的なチーム」と「予測可能なコミットメント」 - これらにスクラムがどう役立つのか? - 誤解、陥りがちな失敗について - 選択と集中を促すSwarmingの実践方法 9

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© Alp, Inc. スクラムガイドが20年に更新されWhat/HowだけでなくWhyも大事になってきた → 「このスプリントはなぜ価値があるのか?」 でも大変なんでしょう? → スクラムマスターが不在の状態で実現しています 予測可能性をどのように高めるのか? → 特に重要なSwarmingの概念と共にtipsを紹介します。 なぜ今スクラム? 10

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© Alp, Inc. ハイインテグリティコミットメント を実現する スクラム開発の進化 再掲 11

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© Alp, Inc. ハイインテグリティコミットメント は 協調的なチーム x 予測可能なコミットメント によって生まれる💪 12

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© Alp, Inc. ハイインテグリティコミットメント は 協調的なチーム x 予測可能なコミットメント によって生まれる💪 13

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© Alp, Inc. 協調的なチームにする 14

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© Alp, Inc. 自立的で、お互いが信頼し合えている(ベース) そして プロダクト開発は本質的に「囚人のジレンマ」を抱えていることを知っている ※囚人のジレンマ: ゲーム参加者全員が個別に合理的に動いても望ましい結果にならない なので同じ目標を持つ協調的なチームが必要 協調的なチームとは 15

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© Alp, Inc. 同じ目標を持つ協調的なチームへ タックマンモデル 形成期(Forming)→ 混乱期(Storming)→ 統一期(Norming)→ ... 16

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© Alp, Inc. 協調的なチームにするイベント設計 お互いを理解するために、ワークショップを大事にしてます 初期は特に厚めに、チームのWhy、存在価値を掘り下げる インセプションデッキ、取り扱い説明書、当たり前探し、やらないことリスト等 - チーム編成直後 - 組織改変直後 - チームが不安を感じているとき などに行う 17

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© Alp, Inc. 協調的なチームにするイベント設計 18 - 戦略とチーム目標の接続 - インセプションデッキ なぜ我々が存在するのか整理

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© Alp, Inc. 協調的なチームにするイベント設計 19 取扱説明書の開示

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© Alp, Inc. 協調的なチームにするイベント設計 20

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© Alp, Inc. 協調的なチームにするイベント設計 21

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© Alp, Inc. ハイインテグリティコミットメント は 協調的なチーム x 予測可能なコミットメント によって生まれる💪 22

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© Alp, Inc. ハイインテグリティコミットメント は 協調的なチーム x 予測可能なコミットメント によって生まれる💪 23

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© Alp, Inc. スクラムの理論 24 スクラムガイド2020より スクラムでは、 予測可能性を最適化してリスクを制 御するために、 イテレーティブ(反復的) で インクリメンタル(漸進的)な アプローチを採⽤している。

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© Alp, Inc. 予測可能なコミットメント ↓ チームの馬力 x 計画の妥当さ x ブレの少なさ 25

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© Alp, Inc. アルプの失敗談 開発フローの経緯 - スクラム黎明期: 並列開発できる! - フロー効率を重視 - スクラム浸透期: 並列開発ムズイ... - カンバン開発期: 開発フローを軽くすれば...! 現在(2022/06 ~) - Re: スクラム期: 軽量かつSwarmingできる仕組み作りをしよう! 詳しくはブログに書いてます Alp開発日誌 Day10 「開発手法史2020」|https://blog.kaelae.la/entry/2020/12/14/094532 26

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© Alp, Inc. アルプでの失敗談 - PjMがPOと開発者の板挟みになって「納期」でしか会話をしていない - フロー効率ではなくリソース効率になりがち - 不確実性の高い課題への取り組み方がわからなくなる 27 詳しくは→スライドで書いてます https://speakerdeck.com/kaelaela/alp-roadmap-history

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© Alp, Inc. スクラム開発の誤解 - スクラム開発は「開発効率を上げる手法」ではない - ベロシティは安定させるものであり、上げるものではない - 忠実にスクラムをやる、正確に見積りする必要はない - POに意思決定を委ねるものではない 28 「プロセスやツールよりも人や人との相互作用のほうが価値がある」 参考: ヘロヘロScrum https://bliki-ja.github.io/FlaccidScrum/

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© Alp, Inc. スクラム開発をアップデートしよう! 29

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© Alp, Inc. スクラムマスター不在でもできる アルプはスクラムマスターという役割の方はいません! それぞれが自立的に、お互いに協調的に、スクラムを回しています 「スクラム警察」はいらない なぜいなくていいのか? → ちゃんとスクラムをやるって雰囲気がない → 開発プロセスが可視化されていて、定式化されて、誰でも代わりにできる 30

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© Alp, Inc. 開発プロセスの可視化、型化 - チームページにやり方を公開していく - 誰でも代わりにできるようにする 31

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© Alp, Inc. 開発プロセスの可視化、型化 - 色々なテンプレートを育てる プランニングテンプレ 32

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© Alp, Inc. 予測可能なコミットメントを実現する - シンプルなベロシティ計測 - 計測に基づくシンプルな計画 - Swarmingサークル 33

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© Alp, Inc. シンプルなベロシティ計測:どれくらい作れるか?の認識を揃える - 個々のメンバーが理想時間(SPでもいい)だけ入れる ※SP=ストーリーポイント - 毎日の進捗をチェックする これだけ💡 見積の精度 < 確認の手軽さ 34

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© Alp, Inc. 予測可能なコミットメントを実現する - シンプルなベロシティ計測 → チームはどれくらい作れるか?の認識が揃う - 計測に基づくシンプルな計画 - Swarmingサークル 35

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© Alp, Inc. 計測に基づくシンプルな計画 36

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© Alp, Inc. 予測可能なコミットメントを実現する - シンプルなベロシティ計測 → チームはどれくらい作れるか?の認識が揃う - 計測に基づくシンプルな計画 → チームが自信を持てる計画が作れる - Swarmingサークル 37

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© Alp, Inc. Swarmingサークル 38

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© Alp, Inc. Swarmingしてない状態: 各メンバーが個別開発でチームの集中が発散している Swarmingとは 図: Masato Ishigaki | アジャイルのSwarming(群がる)について より https://medium.com/i35-267/アジャイルのSwarming-群がる-について-18831281692 39

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© Alp, Inc. Swarmingした状態: 一つの課題に群がりチームが集中している状態 Swarmingとは 図: Masato Ishigaki | アジャイルのSwarming(群がる)について より https://medium.com/i35-267/アジャイルのSwarming-群がる-について-18831281692 40

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© Alp, Inc. 予測可能なコミットメントを実現する 41 Swarmingサークル - 現在取り組んでいる開発を円にする - 各々何してるかわかる - 視覚的に並列度がみえる - 円をより少なくする(Swarming) - チームで集中する

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© Alp, Inc. 予測可能なコミットメントを実現する 42 左はダメ右になるように →

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© Alp, Inc. 予測可能なコミットメントを実現する - シンプルなベロシティ計測 → チームはどれくらい作れるか?の認識が揃う - 計測に基づくシンプルな計画 → チームが自信を持てる計画が作れる - Swarmingサークル → 集中の対象を常に絞り、ブレない開発力 43

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© Alp, Inc. 予測可能なコミットメントを実現する - シンプルなベロシティ計測 → チームはどれくらい作れるか?の認識が揃う:チームの馬力 - 計測に基づくシンプルな計画 → チームが自信を持てる計画が作れる:計画の妥当さ - Swarmingサークル → 集中の対象を常に絞り、ブレない開発力:ブレの少なさ 44

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© Alp, Inc. 予測可能なコミットメント ↓ チームの馬力 x 計画の妥当さ x ブレの少なさ 🎉 45

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© Alp, Inc. 今日はチーミングの話に寄りですが... 要求分析プロセスの見直し - 開発前に要求を正しく把握する - BDDをベースに取り入れている - 各プロセス間に「実例マッピング」 課題はまだある 46 弊社PMの佐藤さんのスライド https://speakerdeck.com/rikasato/how-to-use-example-mapping-number-pmconf2022

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© Alp, Inc. まとめ 複雑で不確実性が高い開発でも「ハイインテグリティコミットメント」したい! ハイインテグリティコミットメント=協調的なチーム x 予測可能なコミットメント 協調的なチーム=ワークショップでチームのWhy、存在価値を掘り下げる - インセプションデッキ、取扱説明書、当たり前探し、やらないことリスト 予測可能なコミットメント=チームの馬力 x 計画の妥当さ x ブレの少なさ - 開発プロセスの可視化、型化してテンプレを育てる - シンプルにベロシティ計測、納得した計画、Swarmingサークルで集中 47 ありがとうございました👏