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プロダクト開発と社内データ活用 での、BI×AIの現在地 Sansan技術本部 研究開発部 Data Direction Group 辺見 裕樹

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東京大学経済学部経済学科を卒業後、 日系コンサルティングファームに入社し、 企業の長期ビジョン策定プロジェクトに従事。 AI関連のシステム開発を行う企業に データサイエンティストとして出向。 その後、Amazon Web Service のサポートエンジニアとして、 コンテナ、CI/CD、IaCを専門とするチームに所属。 2024年2月にSansan株式会社に入社し、 現在は社内外のデータを活用したプロダクト開発と 業務効率化に従事している。 辺見 裕樹 Sansan株式会社 研究開発部 Data Direction Group

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働き方を変えるDXサービス 請求 人や企業との出会いをビジネスチャンスにつなげる「働き方を変えるDXサービス」を提供し、 ビジネスフローにおけるさまざまな分野でサービスを展開しています。 名刺管理 名刺DX 営業 営業DX 契約 契約DX 経理DX 個人向けDX 法人向けDX 必要な情報を すぐに見つけられる 情報の管理がしやすく すぐに共有できる 情報を分析・活用しやすく データに基づいた判断ができる SansanのDXサービスの活用で変わる働き方

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Sansanの特長 名刺やメールを基にした 100万件を超える 商談履歴などの 生産性の向上による コスト削減 ビジネス機会の最大化による 売上拡大 一元管理して全社で共有 企業情報 活動情報 人物情報 Sansanは、名刺や企業情報、営業履歴を一元管理して全社で共有できるようにすることで、 売上拡大とコスト削減を同時に実現するビジネスデータベースです。

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Mission: 「データを使って5分で意思決定できる世界を作る」 Data Direction Group のミッション・業務 BI × AI プロダクト「Sansan BI」の開発 - Colossus に蓄積されたデータと顧客データを用いたデータプロダクトである Sansan BI を開発 - BigQuery / Looker と、社内データ活用と基本的な技術スタックは共通 - Gemini を利用した、AI による分析支援機能 AI Insights を搭載 - 本日お話しさせていただく内容の中心 社内データ活用 - BigQuery ベースの社内データ基盤 Colossus の運用 - 社内から依頼されるデータ分析依頼に対応 - 汎用的な分析内容については、Looker ダッシュボードを構築・運用 - 個別の分析依頼に対しては、Time to Insights を計測しており、時間の短縮施策を実施

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1 2 3 4 BI × AI プロダクト | Sansan BI と Sansan BI AI Insightsとは BI × AI プロダクトにおける AI 機能開発の取り組み BI × AI プロダクトにおける顧客導入の実践 まとめと展望 プロダクトの概要および、BI×AI機能の紹介 LLMによるシンプルな要約から、セマンティックレイヤーと AI エージェント開発へ 導入プロセスと伴走体制 学びと次の一歩、BI×AIの未来像 Agenda

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BI × AI プロダクト Sansan BI と Sansan BI AI Insightsとは

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データから、営業の行動変容を生み出す「Sansan BI」 02 日々の営業アクションを 後押しするAI 経営から現場までをつなぐ ダッシュボード 01

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1. データの散在 > SFA、基幹システム、各種 SaaS 等にデータが散在している状況が存在。 その結果、それぞれのシステムにバラバラにデータを見に行き分析する。 2. BI の形骸化 > 高額な BI ツールを導入したのに、月次レポート作成だけに使われている。 現場の日々の営業活動や、何か新しい施策を考える創造的な業務には使われない。 3. アクションへの不接続 > 数字だけを見ても、具体的な「次の一手」がわからない。 バブルチャート・サンキー チャートなどの綺麗な可視化がなされていても、 そこから何をすればいいかがわからない。 Sansan BI が取り組む課題 データはあるのに、なぜ「次の一手」に繋がらないのか? データ活用の 3 つの大きな「壁」があると考えている。

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数字やグラフだけでなく、 情報要約やアイデア創出により、 立体的な情報の提供・示唆の 導出を可能にする。 Sansan は「データ統合」「セミオーダーの UI」「AI による気づきの提供」で、 データ活用の壁を乗り越えます Sansan BI が提供する 3 つの解決策 あらゆるデータを 統合 Sansan の高度な名寄せ技術を 活用し、意思決定に必要な Sansan 内外のデータを 統合・構造化できる。 顧客の営業活動に特化した セミオーダーの UI 凝った可視化ではなく、 「営業活動」に最適な UI を提供する。 Looker の機能を活かして 個社別のカスタマイズも実現している。 ダッシュボードを 3次元で捉えるAI Insights

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Sansan が持つ「名寄せ」技術(※精度 99%)で、社内に散在するデータを一つに統合します。 SFA、基幹システム、Sansan などの各種 SaaS のデータを名寄せし、 各システムのデータを統合します。 解決策 ①: データを統合する ※Sansan が規定する名寄せのための条件を満たしている場合には、99% の精度で企業を識別します。 企業名・住所・氏名・メールアドレスなどの 情報をもとに、 統一的なコードを付与する $

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Sansan BI のランディングページ。名寄せを利用し、企業カットで各種情報を統合し集計。 解決策 ①: データを統合する | 例: 企業一覧

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「セミオーダー方式」で顧客への最適化を実現し、 本当に「使える」ダッシュボードを迅速に提供する 解決策 ②: セミオーダーのUI データ連携後すぐに使える 「標準ダッシュボード」を提供 Step 1 トライアル期間中に 顧客のデータ、ビジネスニーズに 合わせてダッシュボードを調整 Step 2 本格運用開始後も、 利用状況をモニタリングし、 継続的にサポートを実施 ダッシュボードの修正にも 迅速に対応 Step 3

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Sansan / 社内データを企業カットで表示。 表示するタイルの内容・タイルの位置などを顧客に応じて柔軟に変更している。 解決策 ②: セミオーダーのUI | 例: 企業カルテ - Google Cloud の Looker で開発。 - Looker ではデータモデル(View / Explore)と ダッシュボードを LookML というファイル でコードで管理できる(BI as a Code)ため、 予めパターンを作り込んでおくことで、 顧客要望に応じたカスタマイズを高速に 実施することが可能。

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「数字」と「グラフ」との世界に「言葉」という軸を加える、生成 AI 機能 【主な機能】 - ダッシュボード上の膨大なデータから、 自然言語によって情報を抽出・要約・分析などを行う。 - チャット UI を採用し、対話的に理解を深めることができる。 - 「要約・分析」などのプリセット コマンドを搭載。プロンプト不要で分析が可能。 解決策 ③: AI Insights:ダッシュボードを「三次元」で捉える

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営業マネージャー向けに、個人・チームの活動を要約・分析するためのダッシュボード 解決策 ③: AI Insights | 活動一覧

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- マネージャーが「活動一覧」でチームや個人の活動状況を分析 - チームの状況を瞬時に把握し、的確な指示出しを実現 解決策 ③: AI Insights | 活動一覧 | 営業状況の把握・指示の効率化

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解決策 ③: AI Insights | 活動一覧 | 戦略的提案の創出 対話を通じて、特定企業・業界への提案ストーリーの作り込みやクロスセルの機会など、 新たなビジネス チャンスを創出する。

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解決策 ③: AI Insights | 企業カルテ | 商談準備の効率化 - 「企業カルテ」を見ながら、AI に過去の経緯や重要人物とのやり取りを 要約してもらうことで、商談準備の質の向上 / 時間を大幅に削減できる。 - 担当引き継ぎでも活用可能。

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Sansan BI のプロダクトとしての成功の鍵 BI に加えて AI による行動変容の加速、伴走型の導入支援が不可欠。 進化 定着 AIによる行動変容の加速 解決策 ③「AI Insights」を発展させ、 ダッシュボードでの分析体験をベースにしつつ、 ダッシュボードにとどまらず、AI自体が自律的に分析・ 示唆出しを実施 = AI on BI から AI with BI への進化 伴走型の導入支援 解決策 ②「セミオーダー方式」の実現のための ● ビジネス・開発が一体となったサポート体制 ● 段階的な導入プロセス ● 継続的な改善の仕組み

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BI × AI プロダクトにおける AI 機能開発の取り組み

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BI × AI プロダクトにおけるAI 機能開発の取り組み BI に加えて AI により行動変容を加速するための技術開発を実施。 進化 定着 AIによる行動変容の加速 解決策 ③「AI Insights」を発展させ、 ダッシュボードでの分析体験をベースにしつつ、 ダッシュボードにとどまらず、AI自体が自律的に分析・ 示唆出しを実施 = AI on BI から AI with BI への進化 伴走型の導入支援 解決策 ②「セミオーダー方式」の実現のための ● ビジネス・開発が一体となったサポート体制 ● 段階的な導入プロセス ● 継続的な改善の仕組み

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当初は、ダッシュボードに表示された情報のみを取得して処理するシンプルな実装。そのため、 以下のような課題が生じた。 - データの集計処理が苦手 集計ツールなどがないため、ダッシュボード上に集計結果がない場合には 集計を誤ることがある。 - 読み込むテキスト量が増えた場合に対応できない 分析したい情報の制御はフィルターによって人間が実施する必要あり。 - ダッシュボード外のデータが活用できない ダッシュボード外部のデータも分析に活用したい。 AI Insights の現状の利点と課題 ダッシュボードの要約として有用であったが、課題も浮き彫りになってきた。

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検証1. AI Readable な セマンティックレイヤー ダッシュボード外部のデータを参照する際に必要となるため、 AI 自らが探索しやすいセマンティックレイヤーの検証を実施した。 検証2. Sansan BI 用 AI エージェント 過去半年分や部署横断の商談履歴など、より大量のデータについて、 集計を行いながら分析結果を抽出するために、Looker の Explore に対してクエリを発行し その結果を統合する、エージェント / ワークフローの検証を実施した。 AI Insights を進化させるための技術検証 課題に対応するため、AI Readable な セマンティックレイヤーと Sansan BI 専用の AI エージェントの2つの検証を実施した。

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検証1. AI Readable な セマンティックレイヤー | 内容 分析フロー 依頼文を Claude Desktopに入力 MCP Toolbox経由で BigQueryを操作 結果を依頼者が 確認・評価 検証方法と前提 対象: 社内の特定部署から実際に寄せられた分析依頼をPoCとして取得 前提整備: dim/fact構造を整理したデータモデリングを実施した上で、 descriptionを整備したセマンティックレイヤーを用意し、各オブジェクトの用途・定義を明記 セマンティックレイヤーを整備し、Claude Desktopを利用して分析を実施。

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セマンティック整備後の出力は11件中8件で「普通以上」の評価となり、一定の手応えを得た。 評価カテゴリ 件数 良さそう! 4 まあまあ 4 ちょっと微妙… 3 根拠データが存在する問いでは、証拠付きの示唆が評価された。 検証1. AI Readable な セマンティックレイヤー | 結果

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検証1. AI Readable な セマンティックレイヤー | 結果 | 詳細 具体的な分析の事例は以下の通り。 評価カテゴリ 分析タスクの例 よかった点 / 課題 良さそう! - ある製品について契約した企業で、 業界で多いのはどれですか? - 単純な分析依頼については、それぞれのカラムの意味が わかれば安定してこなすことができる。 まぁまぁ - チャーン分析: 解約パターンと要 因分析してください。 - 集計としての分析は可能だが、示唆を得たい「要因分析」 や「今後のアクション例示」などのタスクは苦手。 - 深掘り方を例示する必要があると思われる。この際に、 ある程度人間の分析パターンが決まっているのであれば、 それを明示する必要があるのではないか。 ちょっと微妙… - 直近の競合出現率、出現後の勝率 (競合ごと) - 「競合出現率」や「勝率」自体を集計する際の計算方法を 誤ってしまった。 - 特殊な計算を要する集計については、予め集計しやすい 用なディスクリプションの整備やタスクの明確化が必要。

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検証1. AI Readable な セマンティックレイヤー | 有用性と課題 簡単な分析では有効であったが、複雑な分析の正確性、および結果の安定性に課題があった。 有用性 課題 - 構造化されたデータに対して、AIエージェントが柔軟にクエリを実行できる。 - 簡単な分析では、人間と同様の分析が可能。 - 同じ依頼でも回答が揺れる。曖昧な依頼の場合さらに揺れやすい。 - 似た構造のテーブルを誤参照するケースが散見された。 - データとして存在しない前提を含む依頼に対し、無理やり回答をしてしまう。

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検証概要 対象: 「営業担当者ごとに最近の活動ログをまとめたい」といった社内依頼を想定 検証内容: Lookerに対して検索クエリを投げるようなエージェントを設計 抽象的な分析をこなすエージェント ユースケースに特化したワークフロー いつ、誰の、どういった条件のデータかは Root Agent が判断する ユーザーからの自然言語クエリを解析し、 適切なパラメータに変換して検索を実行 頻出するユースケースに最適化された 専用ワークフローを構築 例: 「先月の営業部の活動状況を教えて」→ Root Agentが時期・部 署・データ種別を解析 例: 「今週の活動数が多い上位10人の営業担当者」専用ワークフロー 両タイプのエージェントを実装し、応答速度、精度、安定性を比較検証 Google ADKを使って、AI エージェントによる分析を実施。 検証2. Sansan BI 用 AI エージェント | 検証内容

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検証2. Sansan BI 用 AI エージェント | 結果 個別のユースケースで精度を追求するのであれば、専用のワークフローを組むことが強力。 評価軸 抽象的な分析をこなすエージェント ユースケースに特化したワークフロー 精度と安定性 - 意図しないデータソースやカラム・ フィルターが選択される場合がある。 - Root Agent 側で意図せず処理を 実施してしまうケースなども発生。 - ワークフローで詳細まで比較的定義されて おり、精度が高く、回答も揺らぎづらい。 応答速度 - エージェントが次にどのサブエージェン ト・toolを実行するのか判断するために、単 純に 見える一連のタスクでも応答時間が長い。 - 事前に処理の流れが定義されているため、 応答時間が早い。 構築期間 - 汎用的なエージェントで様々な分析に 対応できるため、構築期間は少ない。 - ユースケースに対応した作り込みが 必要になる。

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ユースケース特化のワークフローで安定性は向上したが、作り込みは必要になる。 抽象的な分析をこなすエージェントの質向上には、セマンティックレイヤー整備との両輪が 引き続き不可欠。 有用性 課題 - ユースケース特化のワークフローを構築することで、複雑な分析タスクでも、 応答速度と結果の安定性は向上した。 - 抽象的な分析をこなすエージェント自体も、簡単なデータの抽出や分析であれば対応可能。 - ワークフロー化することで結果は安定するが、タスクのビジネス上の役割も理解した上での チューニングが不可欠。 - 抽象的な分析をこなすエージェントの分析精度を高めるためには、結局セマンティックレイヤーの 整備が重要。ビジネスドメインと、データドメインの両軸での整備が必要になってくる。 検証2. Sansan BI 用 AI エージェント | 有用性と課題

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セマンティックレイヤーの有効性と限界 - AIが参照すべき定義とデータを共通化する基盤となる。 テーブル、カラム、用語の定義を整理し、共通言語を提供する。 - 曖昧な依頼に対して回答が揺らぎがちになる。 専用のAI エージェント / ワークフローの構築 - 特定のタスクに特化したエージェント / ワークフローを構築することで、 指示テンプレートと組み合わせることで、再現性と回答品質を安定化させる。 頻出パターンはワークフロー化が効率的。 - 一方で、対応できる分析パターンには限りが生じる。 → セマンティックレイヤー + エージェント / ワークフロー整備のハイブリッドが鍵 まとめ

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BI × AI プロダクトにおける 顧客導入の実践

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BI × AI プロダクトにおける顧客導入の実践 伴走型の導入支援が不可欠。 進化 定着 AIによる行動変容の加速 解決策 ③「AI Insights」を発展させ、 ダッシュボードでの分析体験をベースにしつつ、 ダッシュボードにとどまらず、AI自体が自律的に分析・ 示唆出しを実施 = AI on BI から AI with BI への進化 伴走型の導入支援 解決策 ②「セミオーダー方式」の実現のための ● ビジネス・開発が一体となったサポート体制 ● 段階的な導入プロセス ● 継続的な改善の仕組み

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三位一体のチーム連携 PMO(ビジネスサイド) データ・BIエンジニア エージェント開発エンジニア 顧客側のビジネスニーズのヒアリングと プロジェクトマネジメント データを元にソリューションとしての ダッシュボードとカスタムプロンプトを 実装・提供する AIエージェント基盤、 汎用的なAIエージェント/ワークフロー開発 顧客導入チーム体制の全体像 PMO / データ・BIエンジニア / エージェント開発エンジニアが連携し、データモデリング・ ダッシュボード開発・エージェント開発・プロンプトチューニングを実施している。 PMO データ・BI エンジニア エージェント 開発エンジニア ビジネス要求整理 AI 機能開発 AI 機能要求整理 / プロンプト改善 ビジネス要求整理 セマンティックレイヤー整備 データモデリング・ ダッシュボード開発

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顧客導入において、各ロールは以下の役割を担っている。 また、多くの業務で協働している。 役割と協働ポイント ロール 主な役割 協働ポイント PMO 顧客ビジネス要件の整理、導入プロジェクト全体のスケジュール/タ スク管理、業務内容に応じたプロンプトチューニング データ・BIエンジニア: ダッシュボー ド・AI機能の要件整理 エージェント開発エンジニア: プロン プトチューニング データ・ BIエンジニア 顧客データ要件の整備、データモデリング、ダッシュボード開発、 プロンプトチューニング、AI ワークフロー開発 PMO: 要件調整 エージェント開発エンジニア: 顧客業 務に応じたエージェント開発 エージェント 開発エンジニア エージェント実装・ワークフロー設計・モニタリング 基盤構築 PMO: 顧客ごとの AI ワークフローの 要件定義 データ・BIエンジニア: セマンティッ クレイヤーの整備

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元々はデータ・BIエンジニアのみだったが、課題が出てきたことにより役割を分化させていった 顧客導入チーム体制の変遷 当初 課題1: カスタマイズ工数の膨張 課題2: AI機能の膨張 データ・BIエンジニアが、 ビジネス要件の整理~ダッシュボー ド開発まで一気通貫で担当 顧客個別のカスタマイズ要望が拡大。 「セミオーダー」実現のための 仕組み化のための 開発との両立が必要に。 ダッシュボード情報の単純表示から、 より高度なAIワークフローが必要に。 データ・BIエンジニア PMO データ・BIエンジニア PMO データ・BIエンジニア エージェント開発エンジニア 状況: シンプルな体制でスタート ソリューション: PMOを配置し、カスタマ イズの範囲や優先順位を判断。データ・BI エンジニアは共通機能開発により注力。 シンプルな体制 プロジェクト管理分化 エージェント開発分化 ソリューション: エージェント開発エンジニアを分化させ、 共通部分の開発を切り出し

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初期構築→ユーザー利用開始→ユーザー利用拡大の三段階で進め、伴走体制で定着を支援する。 初期構築フェーズ ユーザー利用開始フェーズ ユーザー利用拡大フェーズ 標準ダッシュボードと 標準的なプリセットプロンプト / AIワークフローを提供する。 顧客推進者と合意して、 ユーザー利用を開始する。 顧客の一部部署に対して、 顧客提供を開始する。 フィードバックを収集し、 週次で改善を実施していく。 顧客の全導入予定部署に 対して、利用を拡大する。 トレーニングの実施や ユースケースの ナレッジシェアによって、 定着を図る。 期間: 2週間 - 3ヶ月程度(目安) 期間: 2週間 - 2ヶ月程度(目安) 期間: ユーザー利用開始 フェーズ完了以降の契約期間 導入ロードマップ 1 2 3

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- 顧客データのデータ連携とモデリングを実施する。 - 標準ダッシュボードと標準的なプリセットプロンプト / AIワークフローを 提供する。 - ユーザー利用開始フェーズ以降の拡大戦略を顧客推進者と協議する。 導入ステップ① 初期構築フェーズ 伴走支援で活用イメージを共通化し、本格展開への基盤を整える。

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- 現場で実業務で実際に利用していただく。 - フィードバックを収集・改善する。 - ダッシュボード・プロンプト・ワークフローすべてを 集中的に改善していく。 - フィードバックが集まりやすい部署を選定するのが成功の鍵となる。 導入ステップ② ユーザー利用開始フェーズ 小さなチームで業務に合わせてBIとプロンプト / ワークフローを調整し、実用性を検証する。

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- このフェーズにおいて、顧客に応じた AI 機能の開発を実施している。 - 要約・示唆出し・既存業務代替など、いくつかのパターンがあるため、 AI 活用が見込める業務は広くヒアリングを実施する。 - その中から上手くいきそうなものを開発チーム目線で整理し、開発を実施する。 - 先方推進者には徹底的に機能を触ってもらい、Sansan 側の支援チームと 一体となり、プロンプト・ワークフローの継続的な改善に取り組んでもらう。 - この実践を通じて、AIが得意な部分・苦手な部分や、プロンプトの作り方も 理解してもらう。 導入ステップ② ユーザー利用開始フェーズ | AI 機能開発の進め方と期待値調整 AI 機能への期待値を調整しつつ、先方推進者と一体のチームで開発を実施する。

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- 全利用者に向けて、ハンズオンでのトレーニングプログラムを実施。 - 運用ルール/ガイドライン/FAQを整備。 - 継続的な利用状況のモニタリングと、ダッシュボード・プロンプト・AI ワークフローの継続的な改善。 導入ステップ③ ユーザー利用拡大フェーズ ハンズオン・トレーニングと、利用状況モニタリングをベースとした継続的な改善の実施

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導入ステップ③ ユーザー利用拡大フェーズ | 導入後運用サイクル フィードバック→改善→展開のループで価値を維持・向上する。 STEP 1 STEP 2 STEP 3 STEP 4 利用状況モニタリング 改善要望ヒアリング ダッシュボード・ AI 機能改善 再展開と定着支援 利用頻度をダッシュボード・AI 機能ごとにモニタリング AIエージェントの設定最適化、 新規ユースケース追加 ユーザーインタビュー、アンケ ート、フィードバック収集 改善版のリリースと効果検証、 トレーニング実施 継続的 改善サイクル

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導入ステップ③ ユーザー利用拡大フェーズ | KPI設定とモニタリング 利用状況を定量と定性の双方でモニタリングする。 指標 例 モニタリング方法 利用率 週次アクティブユーザー 利用状況ログを元に、ダッシュボード / AI ワークフローごとに応じた 利用頻度の目標を踏まえてレポーティングする 時間削減 業務削減時間 アンケートベースなどで、どの程度の業務が効率化され たかモニタリングする 新規示唆 AI の提案が役になったか どうか アンケートベースなどで、AI ワークフローによる示唆 が役だったかを評価する ※ ダッシュボード・AI ワークフローごとに、想定される利用頻度は異なるので、それを踏まえて目標を設定してモニタリングする。

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- PMO / データ・BIエンジニア / エージェント開発エンジニアで連携して 顧客への定着を図っている。 - スモールサクセスを積み上げられるように、段階的な導入ステップを 敷いている。 - フィードバックループを回して、継続的な改善と調整を実施している。 - 顧客の推進者もチームの一員として改善に協力してもらっている。 まとめ

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まとめと展望

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BI を解釈するための AI ダッシュボードの存在を 前提として、 その分析・解釈を実施する、 人間を補助する AI 機能 BI × AI が提供するソリューションと、プロダクト成功の鍵 BI × AI により、分析にとどまらない行動変容のためのデータプロダクトが実現できるが、 その成功には、AI による行動変容の加速、伴走型の導入支援が不可欠 AIによる行動変容の加速 「AI Insights」を発展させ、ダッシュボード での分析体験をベースにしつつ、 ダッシュボードにとどまらず、 AI自体が自律的に分析・示唆出しを実施 = AI on BI から AI with BI への進化 伴走型の導入支援 ● ビジネス・開発が一体となった サポート体制 ● 段階的な導入プロセス ● 継続的な改善の仕組み セミオーダー方式の実現 技術的には、BI as a Code を 利用することで実現可能。 実際に現場でどのように 顧客に定着させていくかが ポイントになる。

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1 2 適切なデータモデリングととメタデータがAIの理解を支える 汎用的な AI エージェントとの組み合わせでは限界もある AI活用の基盤として、適切に設計されたデータモデルとメタデータが不可欠。 AIに「何を見るべきか」「どう解釈すべきか」の文脈を与え、適切なデータの選択の補助となる。 セマンティックレイヤーの整備のみでは、分析結果にばらつきが出たりするなど不十分。 分析目的に特化した AI エージェント・ワークフローの開発を進める必要がある。 AI Readable な セマンティックレイヤーは必要(だが、十分ではない) BI × AI 機能開発の取り組み | AI Readable な セマンティックレイヤー

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AI ワークフロー設計のポイント - 業務に即したワークフロー設計が価値創出を左右する。 - 利用者自身を開発に巻き込む。AI の得意不得を理解してもらい、 実際のプロンプトチューニングに協力してもらう。 - エージェント開発者自身が、顧客とのインタビューなどによって、 業務ワークフローを深く理解する。 - 継続的な利用状況のモニタリングと、プロンプト・AI ワークフローを 継続的に改善する。 BI × AI 機能開発の取り組み | AI エージェント / ワークフロー設計 業務理解と、その業務に応じた AI 用のワークフローの設計が品質を高める鍵となる

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顧客導入の実践 | ビジネスと開発側が一体として伴走 三位一体の伴走が鍵 - PMO / データ・BIエンジニア / エージェント開発エンジニアが顧客と向き合いながら、 それぞれの専門性を活かして連携 継続的なモニタリングと改善の実施 - 継続的な利用状況のモニタリングと、ダッシュボード・プロンプト・AI ワークフローの 継続的な改善。

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今後の展望 今後も社内でのデータ活用とプロダクトへの展開の両輪でBI×AIの取り組みを深化させる。 1 AI エージェント / ワークフローの業務でのユースケースの拡大 実際に営業現場でのユースケースの収集を実施し、AI が活用できる場面を拡大する。 2 BI と AI の最適な組み合わせ方の探求 標準的な用途は BI で提供しつつ、要約や示唆だし、アドホックな分析などは AI で実施するなど、 両者の良いところを活かした組み合わせ方を追求していく。 3 顧客へのデプロイ速度の向上と、フィードバックサイクルの加速 BI 開発基盤 / AI エージェント開発基盤の両方を拡充し、顧客要望により高速に応えられるような開発基盤を 目指す。特に AI 機能について、精度評価や顧客からのフィードバックを元にした改善サイクルを回していく。

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Sansan 技術本部 募集ポジション紹介 https://media.sansan-engineering.com/

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