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新規事業開発における エンジニアの心得 Tsuyoshi Numano @Lancers 2018/06/04 新規事業開発におけるエンジニアの心得

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本日のハッシュタグ - 質問や感想はこちらから #spzcolab

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自己紹介

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沼野剛志 1990年生まれ 出身高専  :神戸高専専攻科(~2012):ロボット制御 出身大学院 :JAIST(~2014):VRの研究、出会いの研究で修論 株式会社リッチメディア(~2015):メディアの運営・開発 現在はランサーズ株式会社で、研究の成果を生かしながら(?)プロダクト開発に励んで います。 自己紹介 Twitter @numanomanu

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今日お話しする内容 対象者 - 現在新規事業の立ち上げに携わっている方 - これから新規事業に携わるかもしれない方 - ライブラリを書くより、プロダクト開発が好きな方 話すこと - 作りすぎて失敗した事例紹介 - つくりすぎないために - コアバリュー大事 話さないこと - 人について

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つくったサービスについて

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pook(プック) https://pook.life C2Cスキルシェア

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オフィスの会議室で座ったまま 目や肩をほぐしてもらっている様 子。 とても気持ちいいので凝ってるエ ンジニアにオススメ。 https://pook.life/services/1590

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栄養士のお姉さんがヘルシーな 手作り晩ご飯を届けてくれるサー ビスはコチラ。 ヘルシーと癒しーが足りてないエ ンジニアにオススメ。 https://pook.life/services/2493

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エンジニアの新規事業に関わり方

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そもそも新規事業って? 事業を作る人の大研究  2018/1/29 田中 聡、 中原 淳

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- 企画の段階からエンジニアとしてアサイン。 - ある程度事業構想が決まってからのジョイン。 - 企画は当たるかどうかわからないという前提。 前提条件(自分がアサインされた時)

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エンジニアとしての関わり 新規事業におけるエンジニアに求められること。 サービスを「つくる」という1点。技術は手段。 - x プログラムを書く - o 問題解決をする (プログラマではなくエンジニアという観点では新規事業とか関係 ないかもしれない)

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失敗1〜作りすぎ〜

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仕様をガチガチに決めて機能を作りすぎた - API 数 150 本 (GET:/users や POST:/service ) - ページ数 80 個 機能が多いと何が悪い? => リリースするまでにかかる時間が増える => 当たるかわからない瀬戸際だと致命的

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- 使われない機能を作ってしまった。 当たるかどうかわからないことに時間を使ってしまった。 作りすぎたということ = いらなかった

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そのコード 使われなければ ただのゴミ。

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本当にあった怖いはなし - nヶ月かけて作った仕組みをリリース後すぐにサヨナラ - 顧客が本当に必要だったものはコレじゃなかった。

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- ユーザーの位置情報を共有する仕組みを作ったが必要では なかった。 - 体験としては面白いがマストな機能ではない => 他にもイロイロ・・・ 実際どんな機能が使われなかった?

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どうすればよかった? - 作らなければよかった。 => しかし、作って見ないとわからないこともある。 => つくる前に考えるべきことがあるはず。 - 同じような体験ができるサービスを使って模擬をする or - ユーザーに聞いてみればよかった or - 最低限の実装で試す。

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- 同じような体験ができるサービスを使って模擬をする - 位置共有はMessenger で代替できるはず。 - ユーザーテストすればよかった。

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迷ったらユーザーに聞いてみる

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最低限の実装で試す、1 実際の例) - ウィッシュリストが必要か どうか迷ったとき、すぐ Google Apps Script で 作ってリリース。 => その後、ユーザーからの 引き合いがよかったので、本 格的に実装。

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最低限の実装で試す、2 需要があるかどう か、ボタンだけ置い てみる。

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反省 - ツクラナイで試せないかを考える。 - 試したい仮説をすぐに実装できないか考える。 => ユーザーに向き合うことが一番重要

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失敗2〜技術選定〜

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エンジニアあるある 「〇〇って言語や、〇〇ってフレームワークが最近イケてるらしい から使おうぜ!」 新規事業やるときは既存制約に縛られないことが多いので、自分 たちの好きな言語やアセットで選びがち。

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最近イケてる〇〇を入れた結果 - 情報が少なくて死ぬ - 他人の協力を得られなくなる 当たるかどうかわからない以前に できるかどうかわからない。という問題が発生する。

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- 後半の改善フェーズでは絶大なパワーを発揮したものの、前 半は発展途上の技術ゆえ、環境面でのハマりどころが多くて 辛かった。 React Redux の SPA を運用して得られた知見と実装例、開発フ ローもあるよ! 逆に知見がないものだから、記事を書いたらすごい伸びた汗 (=> Cordova も採用したがこちらは逆に下火で辛かった。) React を採用した結果

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モチベーションとのトレードオフ 作れる速度(会社や社会的なトレンド含む)と 興味(モチベーション) とのトレードオフ。

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反省 - 枯れた技術を使うべきだった。 - もっと協力を得やすい技術を選定すべきだった。 => できるかどうかわからないは早めに減らす。 (モチベーション問題ものあるので、個人的には良かった面の方 が大きい。)

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失敗3〜仕様が変わる〜

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度重なる仕様変更が・・・ - 最初は 〇〇 だったのに、xxになった。 => pook も最初はプロ用、ワーカー用で2種類の「アプリ」で 作っていたが、途中で WEB に変更。

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どうしてそうなった? - 作るべきものがあやふやだった。 - 目的を達成するための機能がモリモリ。 - 全部マスト。

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どうすればよかった? - コアバリューを定め、やらないことを決める。 (後からやってみてわかった)

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コアバリューとは - コアバリューとは、「ミッションやビジョン実現の為に組織が独 自に持つ共通の価値観」。プロダクトも同じ。 => 世界平和的ではなく、ユニークでなければならない

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やらないことを決めて、やるべきことにフォーカス - コカコーラ 「リフレッシュ」 => アルコールやらない。(最近はやってるみたいですね) - スターバックス 「サード・プレイス」=> 美味しいコーヒーよりも大事 =>作りすぎを解消し、作るべきものにフォーカスできる。

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コアバリューが決まった結果 - つくらないものが決まる。 - 議論の着地点が見える。 pook のコアバリュー 「誰もが気づいていないスキルで稼ぐ」

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コアバリューのつくりかた コンセプトのつくりかた – 2012/8/3 玉樹 真一郎 (著)

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反省 - コアバリューを明確にしてツクラナイを決める

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まとめ

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- ツクラナイ - 問題解決するために必要な手段を考え尽くしたか? - 自分の好みだけで技術選定して痛い目を見ていないか? - 作ったとしても最速で作って、さっさと試せているか? - コアバリューを決める - やらないことが決まる。 - フォーカスするべきことに力を使おう => ユーザーに向き合うことが一番重要。 => エンジニアとして問題を解決することにコミット。 => が、経験して見ないとわからないことの方が多い。 新規事業開発におけるエンジニアの心得

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おまけ1

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それでもやはりエンジニアは作らなければならない - 「ツクラナイ」でも作らなければならない。 => 作るならとにかく最速で、試せる環境を用意する。 => API を3分で作ってみよう。(ライブコーディング)

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GAS 使えると彼女もゲット! (宣伝) Google Apps Script ならそれが可能

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おまけ2

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組織的側面からの新規事業の道しるべ 事業を作る人の大研究  2018/1/29 田中 聡、 中原 淳 人視点での、新規事業における見取 り図。やったことある人ならとても共 感できるはず。