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無駄分析を無くすためにRettyが取り組んだ3 つのこと
 Hirano Masaya
 2020.09.03


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自己紹介/ 会社 / 分析チーム紹介


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自己紹介 ● 名前:平野 雅也(Hirano Masaya) ● 所属:Retty株式会社 データ分析チームMGR ○ データまわり色々やってます ● 職種:エンジニア→データアナリスト ● 食種:ステーキ(補足:Rettyには食の担当制度があります) Retty データ分析チーム - 立ち上げ2年目の振り返り Rettyの意思決定を最大化!データ分析チームの取り組みを ご紹介

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日本最大級の実名グルメサービス「Retty」
 
 
 
 
 実名制
 オススメの口コミ
 友人との「つながり」 
 口コミ内容はポジティブな“おすすめ”で きるお店を投稿。
 点数評価ではありません。
 Rettyのサービス内で“友人”や“食の 嗜好が合う同士”がフォロー機能でつ ながっているSNS型です。
 実名制口コミの信頼度が非常に高いグ ルメサービスです。
 2011年6月にサービスを開始した実名グルメサービス「 Retty」は、 グルメに強いこだわりを持つ方々を中心に、 「オススメ」したいお店の情報を実名ベースでご 投稿いただく形で運営しています。 「自分にベストなお店が見つかる」グルメサービスとして、 20~40代の男女を中心に、 幅広い年代にご利用いただいていま す。

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データ分析チームのご紹介
 詳細は以下の記事: Rettyの意思決定を最大化!データ分析チームの取り組みをご紹介 
 https://engineer.retty.me/entry/2018/12/18/115020

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本日話すこと


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● 内容:組織的な取り組みがメインです ○ 無駄分析とは何か ○ Rettyで経験した無駄分析TOP3 ○ 無駄分析を無くすためにRettyが取り組んだ3つのこと ● 対象:分析組織を作ることに関わっている方 本日話すこと


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無駄分析とは何か

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意思決定に繋がらない分析である

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無駄分析とは意思決定に繋がらない分析である
 
 
 データ分析プロセスにおいてアウトカムは意思決定である そのため意思決定に繋がらない分析は価値がない=無駄分析と個人的に定義 問題 設定 分析 設計 データ 出し 加工・ 可視化 解釈 提言 データ分析のプロセス 意思 決定

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※完全なるなる主観です Rettyで経験した無駄分析 TOP3

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第3位

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第3位:間違ったデータを出してしまっていたこと

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3位:間違ったデータを出してしまっていたこと
 
 ● 例:明らかに意思決定者の肌感と異なる間違った数値を出してしまう ● 例:他で出した数値と微妙にズレている(どっちが正しいの?と信憑性を疑われる) 出し直しやミスリードに繋がっていた...

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間違ったデータを出してしまっていたのはなぜか

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データ基盤が整っていなかったから
 
 
 
 
 ● 一箇所にデータがないので、テーブル間のJOINが出来ない ○ データを整備するだけで一苦労 ○ エンジニアリングスキルが求められるのでそもそもスキル的に足りない ● 大量のテーブルやログへの理解が難しく、SQLを書くことの難易度が高い 引用元 RDS アプリログ Webログ どうやってjoinしよう... 複雑過ぎて合っているか 不安...

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第2位

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第2位:単なるデータ出し屋さんになっていたこと ク エ ラ |

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そもそも 意思決定の工程まで関われていない... 2位:単なるデータ出し屋さんになっていたこと
 以下の例はデータ分析プロセスの「データ出し」しか担当できていなかった  例:◯◯のデータが見たいので出してもらえないですか?  例:スプレッドシートにアウトプットイメージ作ったので埋めてほしいです 問題 設定 分析 設計 データ 出し 加工・ 可視化 解釈 提言 意思 決定

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単なるデータ出し屋さんになっていたのはなぜか

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認識・信頼・リソースが不足していたから
 ● 認識不足 ○ 組織がアナリストの役割がどこまでかを認識していなかった ○ データ出しをする人=アナリストになってしまっていた ● 信頼不足 ○ 現場の人のほうが筋の良い仮説が出せる場合は多く、見たいデータを出してもらうだけを依頼する ほうが短期的には効率が良いと思われていた ● リソース不足 ○ 分析需要に対してデータ出しができる人材が足りていないため、アナリストにデータ出しの依頼が 偏っていた

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第1位

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第1位:求めていない分析をしてしまっていたこと

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1位:求めていない分析をしてしまっていたこと
 以下のような状態のこと ● 例:分析レポートを見てもらえない ● 例:思っていたアウトプットと違うと言われる ● 例:それは知っていると言われる 掛けたコストやメンタル的にも無駄感が とても強い...

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求めていない分析をしてしまっていたのはなぜか

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以下2つの原因があった ● ①意思決定者との間で問題設定ができていない ● ②アナリストの肌感が足りず筋の悪い仮説を出してしまう コミュニケーションと肌感が不足していたから


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①意思決定者との間で問題設定ができていない

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● 分析で何を明らかにしたいのか、どういうアクションを取りたいのか、が定まっていな いこと ● その状況下で分析を進めると・・・ ○ 取るべきアクションが思いつかない ○ 意思決定をするための情報が不足している ○ 実行不可能なアクションしか出てこない 意思決定者との間で問題設定ができていない
 意思決定が出来ないという状況が よく起きていた

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②アナリストの肌感が足りず筋の悪い仮説を出してしまう

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● 前提 ○ 肌感とはステークホルダーや自社、業界の理解のこと ○ 以下の状況で起きていた i. 意思決定者も人によっては忙しく仮説出しに深くコミットできないケース ii. 意思決定者もそこまで肌感を持っておらず仮説が出てこないケース iii. 依頼されたわけではなくアナリスト自らの意思で分析をするケース ● この状況だと、アナリスト自らが問題設定〜提言まで求められる ● しかし肌感が足らず良い仮説がだせない ... アナリストの肌感が足りず筋の悪い仮説を出してしまう
 結果として分かりきった分析結果や 実行不可能な施策立案をしてしまう

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まとめ

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まとめ - Rettyで経験した無駄分析TOP3
 第1位:求めていない分析をしてしまうこと  ①意思決定者との間で問題設定ができていない  ②アナリストの肌感が足りず筋の悪い仮説を出してしまう 第2位:単なるデータ出し屋さんになってしまうこと  ①認識不足  ②信頼不足  ③リソース不足 第3位:間違ったデータを出してしまうこと  ①データ基盤が整っていなかったから

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無駄分析を無くしたい・・・ 無駄ではなく意思決定に寄与する分析をする! (勝手にやられただけである)

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無駄分析を無くすために Rettyが取り組んだ3つのこと

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1. 誰でも簡単にデータを出せるようにすること

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1. 誰でも簡単にデータを出せるようにすること
 
 
 ● データ基盤の開発でデータを一箇所に集めた ● DWH層の作り込みで複雑なSQLをシンプルにした ● BigQueryExpertでデータ出しできる人を増やした

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データ基盤の開発でデータを一箇所に集めた
 
 RDS、Webログ、アプリログなどのデータをBigQueryに集めた 出したいデータがSQLで完結するように RDS アプリログ Webログ

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現状のRettyデータ基盤の全容を紹介
 
 
 
 
 
 
 詳しくは→Rettyのデータ基盤の歴史と統合

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DWH層の作り込みで複雑なSQLをシンプルにした
 
 
 
 データ基盤PJを立ち上げて誰でもシンプルなSQLでデータを抽出できるようにした 基礎的なSQLを習得している人であればデータ を出せる土壌が整った

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RettyDWHのレイヤ構成を紹介
 
 
 
 
 
 
 DWHのレイヤをイベント、エンティティ、指標の3つに分類 詳しくは→チーム開発のためのデータウェアハウスアーキテクチャ

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BigQueryExpertでデータ出しができる人を増やした
 
 
 
 
 
 BigQueryの勉強会を行い、自らデータ出しを行える人を増やした DWHユーザーが2倍に増えた 提供価値 以下の時間的コストを支払う必要あり ● 最大3ヶ月の期間 ○ 期間中でレベル3に到達した場合、本人の意 思により今プログラムを終了することができ る。 ● 毎週3hの時間確保 ○ 演習2回: 2h ○ 予習/復習: 1h ※人によっては目標に入れている 内容 ・1h×週2回みんなで集まり、ひたすら演 習問題を解く ・わからない点を質問し放題 受講者コスト

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誰でも簡単にデータを出せるようにすることで、 ● データ出しのミスが減った ● データ出しの速度が向上した ● 現場でデータを出すようになりリソース不足が低減した 結果


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無駄分析のココに効いた!
 第1位:求めていない分析をしてしまうこと  ①意思決定者との間で問題設定ができていない  ②アナリストの肌感が足りず筋の悪い仮説を出してしまう 第2位:単なるデータ出し屋さんになってしまうこと  ①認識不足  ②信頼不足  ③リソース不足 第3位:間違ったデータを出してしまうこと  ①データ基盤が整っていなかったから

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2. 派遣型の組織デザインにした


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2. 派遣型の組織デザインにした
 データアナリストの動き方・組織の立ち位置 詳しくは→Rettyの意思決定を最大化!データ分析チームの取り組みをご紹介

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派遣型の組織デザインにしたことで ● 分析プロセスの上流から入れるようになり、意思決定者との間で問題設定を行える ようになった →意思決定に繋がりやすくなった ● 意思決定者との密接に仕事をする中で信頼を得られるようになった →よりレイヤーの高い意思決定で相談されるようになった 結果


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無駄分析のココに効いた!
 第1位:求めていない分析をしてしまうこと  ①意思決定者との間で問題設定ができていない  ②アナリストの肌感が足りず筋の悪い仮説を出してしまう 第2位:単なるデータ出し屋さんになってしまうこと  ①認識不足  ②信頼不足  ③リソース不足 第3位:間違ったデータを出してしまうこと  ①データ基盤が整っていなかったから

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3. 定量データだけではなく定性データも扱うようにしたこと


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3. 定量データだけではなく定性データも扱うようにしたこと
 
 
 ● 本格的にUXリサーチを導入した
 
 ● ユーザーインタビューを週1で定例化
 
 noteに詳しく書いてます!

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結果
 定量データだけではなく定性データも扱うようにしたことで、 ● 実際の声から仮説を出せるようになった ● 常に最新の肌感を養う仕組みができた →以前より肌感が付き仮説の根拠に自信を持てるようになった

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無駄分析のココに効いた!
 第1位:求めていない分析をしてしまうこと  ①意思決定者との間で問題設定ができていない  ②アナリストの肌感が足りず筋の悪い仮説を出してしまう 第2位:単なるデータ出し屋さんになってしまうこと  ①認識不足  ②信頼不足  ③リソース不足 第3位:間違ったデータを出してしまうこと  ①データ基盤が整っていなかったから

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まとめ

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まとめ - 無駄分析を無くすためにRettyが取り組んだ3つのこと
 1. 誰でも簡単にデータを出せるようにする
 
 2. 派遣型の組織デザインにする
 
 3. 定量データだけではなく定性データも扱うようにする
 


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最後に宣伝!

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データエンジニア、データアナリストの方を求めています! 気になる方は、DMください! ぜひオンラインで気軽に話しましょう! Facebook:https://www.facebook.com/masaya.hirano.0621  ┗「平野 雅也」で検索 Twitter:https://twitter.com/MasaDoN22

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Podcast(#スタチャ)をやっています@startup_chat_jp spotify

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ご清聴ありがとうございました No more 無駄分析!!