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Copyright WINENCE Inc. MLをリードすべきビジネス・アーキテクトの 実像と今求められるアクション WINENCE株式会社 代表 久保⽥敏宏

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Copyright WINENCE Inc. ⾃⼰紹介 2 久保⽥敏宏(くぼたとしひろ) ・データサイエンス・MLの仕事を始めて10年⽬ ・ダイキン⼯業株式会社でDX企画推進や⼈材育成を担当(業務委託) ・WINENCE(株)代表 ビジネス・アーキテクト育成⽀援事業(agatel) ・元ISID。同社の⾃然⾔語処理AIプロダクトのPO、AI育成サービスのPOを担当 ・起業経験×2 ・認定スクラムプロダクトオーナー・スクラムマスター (ダイキンで働きたい⼈募集中︕)

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Copyright WINENCE Inc. そもそもビジネス・アーキテクトとは︖ 3

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2014年にデータサイエンティスト協会から発表されたスキルセット 4 http://www.datascientist.or.jp/files/news/2014-12-10.pdf?

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2014年にデータサイエンティスト協会から発表されたスキルセット 5 http://www.datascientist.or.jp/files/news/2014-12-10.pdf?

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6 2022年12⽉にIPAから発表されたデジタルスキル標準 https://www.ipa.go.jp/files/000106871.pdf

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Copyright WINENCE Inc. ML(Machine Learning)と関係あるの︖ 7

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Copyright WINENCE Inc. ビジネスにおける MLでは⼤いに関係があります 8

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Copyright WINENCE Inc. こんな経験ありませんか︖ 9 ・モデルの精度をいくら⾼めても より⾼い精度をユーザーから永遠と求めれて本番リリースできない ・学習⽤データが⾜りない ・データをもらうことができない ・このモデルを作ったとして果たして現場で使われるのだろうか ・ユーザーからの要求が曖昧なまま進んでいるけど⼤丈夫だろうか ・リリースした後の再学習はどうするんだろうか これらは誰が考えて整理するのだろうか...データサイエンティスト︖

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Copyright WINENCE Inc. データサイエンティスト、 なんでもできるスーパーマン説 10

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11 【再掲】 https://www.ipa.go.jp/files/000106871.pdf

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12 https://www.ipa.go.jp/files/000106871.pdf

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Copyright WINENCE Inc. ビジネス・アーキテクト 3つのロール 13 新規事業開発 既存事業の⾼度化 社内業務の⾼度化・効率化 新しい事業、製品・サービスの ⽬的を⾒出し、新しく定義した ⽬的の実現⽅法を策定したうえ で、関係者をコーディネートし 関係者間の協働関係の構築をリ ードしながら、⽬的実現に向け たプロセスの⼀貫した推進を通 じて、⽬的を実現する 既存の事業、製品・サービスの ⽬的を⾒直し、再定義した⽬的 の実現⽅法を策定したうえで、 関係者をコーディネートし関係 者間の協働関係の構築をリード しながら、⽬的実現に向けたプ ロセスの⼀貫した推進を通じて、 ⽬的を実現する 社内業務の課題解決の⽬的を定 義し、その⽬的の実現⽅法を策 定したうえで、関係者をコーデ ィネートし関係者間の協働関係 の構築をリードしながら、⽬的 実現に向けたプロセスの⼀貫し た推進を通じて、⽬的を実現す る

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14 【参考】具体的に必要なスキル 新規事業開発 https://www.ipa.go.jp/files/000106871.pdf

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15 【参考】具体的に必要なスキル 既存事業の⾼度化 https://www.ipa.go.jp/files/000106871.pdf

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16 【参考】具体的に必要なスキル 社内業務の⾼度化・効率化 https://www.ipa.go.jp/files/000106871.pdf

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Copyright WINENCE Inc. ビジネス・アーキテクト、⼈は⾜りているのか 17

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18 DX⽩書2023のデータからも⾒える推進⼈材の不⾜感 「⼤幅に不⾜している」 が2021年度30.6% →2022年度49.6%に増加 https://www.ipa.go.jp/files/000108041.pdf

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19 DX⽩書2023のデータからも⾒える推進⼈材の不⾜感 左図ではビジネス側の⼈だけでなく すべてにおいて⾜りていない ように⾒える。 しかしデータサイエンティストの 育成がすでに進んでいる企業では ビジネス・アーキテクトの 不⾜が問題になりつつある https://www.ipa.go.jp/files/000108041.pdf

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20 【参考】ちなみに...IT⼈材はどこからどこへ転職しているか

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Copyright WINENCE Inc. ⾜りていないと起こること →MLプロジェクトを進めるうえでの様々な困難が発⽣ 特に技術以外のそもそもの部分 21

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Copyright WINENCE Inc. じゃあどうするのか︖何から始めるか︖ 22

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Copyright WINENCE Inc. ※ビジネス・アーキテクトの仕事やスキルは ⾔葉にすると当たり前に⾒える⾔葉が並ぶ傾向にあるが いざ進めようとすると難しさがあることが多い 23

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Copyright WINENCE Inc. 進め⽅の例 ①まずは社内に理解者・経験者を増やす。現実的には⼈材育成 (外からの採⽤は⼈材獲得競争でハードルが⾼いため社内で育成しようという企業が昨今多い) ②中期経営計画などの経営⽅針に従ってどこに注⼒すべきかを具体化し 関係者間で合意を得る ③⽬的やビジョン/ミッションを具体化し関係者間で合意を得る ④体制を作り関係者間で合意を得る ⑤KGI・KPIを具体化し関係者間で合意を得る ⑥アクションを考えて動き出す 24 実際のところは育成と絡めてProject Based LearningでPoCを実施したり、やる気のある⼈が個⼈的に進めたりとい った⼩さな活動とそれによる⼩さな成果によってさらに理解者が増えてうまく動き出すことが多い。そのため⑥の段 階まで⾏動しないのではなく実際には①の段階から⾏動は開始する 何から始めるビジネスアーキテクト ↑当たり前のようで簡単ではない、 しかし当たり前に⾒えるため軽視されやすい部分

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Copyright WINENCE Inc. データの品質は⽬的で決まる。MLのモデルの品質も⽬的で決まる 25 ビジネス⽬的を定めたうえで 「⽬的にどれだけ合致しているか」と「要求を満たす度合い」で データの品質は決まる。同様にMLのモデルの品質⽬標も⽬的で決まる ⽬的を具体化し関係者間で⽬的を認識合わせした上で 進めなければそのプロジェクトは危ない データ品質の度合いはデータ利⽤者の期待と要求を満たす度合である。 つまりデータが果たすべき⽬的に合致しているかどうかである。 ⽬的に合致していない場合は低品質である。 従ってデータ品質は⽬的とデータ利⽤者の要求によって決まる。 データマネジメント知識体系ガイド 第⼆版

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Copyright WINENCE Inc. 体制を作る上での注意点の例 ・DXの本来の⽬的は「組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化、“顧客起点の価値創出” のための事業やビジネスモデルの変⾰を実現し競争上の優位性を確⽴」であるが、体制は組織を横 断したものになっているか ・体制を作っただけになっていないか。本業が忙しくてデジタル系の仕事ができない、といったこ とになっていないか。適切な⼈⽉は割り振られているか ・データ基盤を作ることが⾒越せる場合、それらのIT投資額に対して決定を下せる権限をもった役 職が体制の中に⼊っているか(それなりに⼤きい⾦額になることも少なくない) ・プロジェクト遂⾏に必要なスキルをもった⼈材がアサインされているか。特にビジネスや技術を リードする⼈材はアサインされているか ・体制の中で⽬的の認識合わせはできているか など 26

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Copyright WINENCE Inc. KGI・KPI 具体化・チェックの頻度をあげるべきでは 27

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Copyright WINENCE Inc. 最後に プロダクトやサービスの差別化は企業が利益を得るための源泉のひとつ 今後、AIの進化によってその技術を「何にどう使うか」を考える ビジネス・アーキテクトの重要性は⾼まっていく やることは当たり前っぽく聞こえて実際は難しさがあることに⾯⽩さがある仕事では 28 企業はAIをいかに上⼿に使うかによって差別化するだろう 2023/3/21 ビル・ゲイツ⽒のブログより