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進化計算を用いた 二次元バイナリ マニピュレータの設計 名城大学大学院 理工学研究科 杉林恵多* 小中英嗣

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発表の流れ 1. 研究背景 2. 研究目的 3. 評価指標 (最大空円、KS統計量) 4. 提案手法(進化計算) 5. 数値実験 6. まとめ

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マニピュレータ 1.研究背景 現在、多くの工場で様々なマニピュレータが稼働している。 https://www.unipos.net/find/p roduct_item.php?id=3430 https://www.murate c.jp/mmc/parallel/ シリアルリンク パラレルリンク

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バイナリマニピュレータ 各アクチュエータが伸びと縮みの二値のみの状態をとりうる マニピュレータ 小中英嗣,バイナリマニピュレータ・ハイブリッドマニ ピュレータ,計測と制御,Vol56,No7,pp503-508,2017

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二次元トラス型バイナリマニピュレータ バイナリマニピュレータ

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伸縮長を変化させることで手先の到達点の分布が変化 手先の到達点の分布 バイナリアクチェータの 伸び 4 バイナリアクチェータの 縮み 3

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伸縮長を変化させることで手先の到達点の分布が変化 手先の到達点の分布 バイナリアクチェータの 伸び 5 バイナリアクチェータの 縮み 3

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伸縮長を変化させることで手先の到達点の分布が変化 手先の到達点の分布 バイナリアクチェータの 伸び 5 バイナリアクチェータの 縮み 4

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バイナリマニピュレータの問題点 𝐵 = 4のバイナリマニピュレータの手先の到達点の例 バイナリマニピュレータの手先の到達点 は離散的な分布 目標位置とは常に誤差が生じる バイナリアクチュエータの伸 縮長を設計し、目標位置との 誤差をできるだけ小さくする

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設計 バイナリマニピュレータの目標位置との 誤差をできるだけ小さくする バイナリマニピュレータに作業させたい領域を作業領域 として定義し、作業領域内をくまなく均一に覆うことが できるようなバイナリマニピュレータの各アクチュエー タの伸縮長を求める 2.研究目的 作業領域内をくまなく均一に覆う事に関する評価 進化計算を用いて、バイナリアクチュエータの伸 縮長を変化させる

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最大空円 手先の到達点と目標位置の誤差の最大値 最大空円

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最大空円 手先の到達点と目標位置の誤差の最大値 最大空円

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最大空円 母点と隣接するボロノイ頂点の距離の最大値を求める 手先の到達点(母点) ボロノイ頂点

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最大空円 母点と隣接するボロノイ頂点の距離の最大値を求める 手先の到達点(母点) ボロノイ頂点

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コルモゴロフ・スミルノフ(KS)統計量 理想的な手先位置(作業領域内で発生させた一様分布) の距離分布に近づけたい コルモゴロフ・スミルノフ統計量 手先の到達点の分布 理想的な手先位置の分布

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KS統計量 𝐷 = max 𝑥 ෠ 𝐹 𝑥 − 𝐺(𝑥) 作業領域の中心からバイナリマニピュレータの手先の到達点 までの距離𝑥に対する累積分布関数 作業領域の中心から作業領域内で発生させた一様分布の各点 から得られる距離𝑥に対する累積分布関数 ෠ 𝐹 𝑥 𝐺(𝑥)

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作業領域内をくまなく均一に覆うことに関する評価指標と して、最大空円とKS統計量を用いる 最大空円 KS統計量 3.評価指標 手先位置の誤差の最大値 理想的な点の分布に近づく

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評価関数 𝐽 = 𝑤1 × 𝑟𝑚𝑒𝑐 + 𝑤2 × 𝐷 最大空円の半径 KS統計量 𝑤1 , 𝑤2 > 0 𝑤1 +𝑤2 = 1 𝐽の値が小さくなるほど、手先の到達点の 分布が作業領域内をくまなく均一に覆う ことを表している

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進化計算 4.提案手法 遺伝的アルゴリズム:生物の遺伝と進化のモデルを利用 した最適化手法の一手法である。 遺伝的操作により、よりよい個体を生成する 交叉、突然変異など 遺伝子 各バイナリアクチュエータの基準の長さを𝐷0 とした 伸縮長の情報をもつ ∆𝒅 = ∆𝑑1 , ⋯ ∆𝑑𝑖 , ⋯ ∆𝑑6×𝐵 𝑇

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提案手法のアルゴリズム 𝑔世代目の集団に対して、適応度関数を用い てそれぞれの個体の適応度を求める 適応度の下位40%の個体を淘汰するエリート 戦略を行う 3. 4. 乱数を用いて、個体を𝐼個持つ初期個体の集団 を生成 適応度関数として𝐽 (= 𝑤1 × 𝑟𝑚𝑒𝑐 + 𝑤2 × 𝐷)を定 義 1. 2.

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提案手法のアルゴリズム 元の集団の上位40%の個体から2つの個体をラ ンダムに選択し、交叉点を2つ選び、二点交 叉を行い、新しい個体を淘汰した数だけ生成 5. 親1 親2 交叉点1 交叉点2 交叉点1 交叉点2

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提案手法のアルゴリズム 元の集団の上位40%の個体から2つの個体をラ ンダムに選択し、交叉点を2つ選び、二点交 叉を行い、新しい個体を淘汰した数だけ生成 5. 親1 親2 子2 子1

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提案手法のアルゴリズム 淘汰を生き残った集団の上位40%以外の個体 と交叉によって生成された新しい個体に対し て、確率mで突然変異を繰り返す 6. 突然変異発生

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提案手法のアルゴリズム 元の集団の上位40%と突然変異を行った個体 を𝑔 + 1世代の集団として生成 3から7の処理を繰り返し行い、世代数が𝐺に達 すると処理を終了 7. 8.

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5.数値実験 𝐵 = 4のバイナリマニピュレータの伸縮長を求める 実験条件 作業領域 中心(0,12)の半径4の円 バイナリアクチュエータの基準長を4、伸縮の範囲を(0,2) 𝐽 (= 𝑤1 × 𝑟𝑚𝑒𝑐 + 𝑤2 × 𝐷)の重みを𝑤1 = 0.75、𝑤2 = 0.25 初期集団の個体数 𝐼 = 50 、突然変異の確率 𝑚 = 0.01 、 終了条件の世代数 𝐺 = 200

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実験結果(各世代ごとの最良個体) 第1世代から第200世代までの手先の到達点の分布の変化

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実験結果(第1世代) 𝑟𝑚𝑒𝑐 = 0.38133 𝐷 = 0.60596 𝐽 = 0.43749

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実験結果(第200世代) 𝑟𝑚𝑒𝑐 = 0.24723 𝐷 = 0.34912 𝐽 = 0.2727

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実験結果(比較) 𝑟𝑚𝑒𝑐 = 0.24723, 𝐷 = 0.34912, 𝐽 = 0.2727 𝑟𝑚𝑒𝑐 = 0.38133, 𝐷 = 0.60596, 𝐽 = 0.43749 第1世代 第200世代

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実験結果 進化計算を用いることで、𝑟𝑚𝑒𝑐 と𝐷の値が減少していき、評価関数の値𝐽も 減少した。 手先の到達点の分布が作業領域をくまなく均一に覆う

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6.まとめ • 進化計算を用いて、バイナリアクチェータの値を変 化させることで、様々なバイナリマニピュレータの 手先の到達点の分布を求めることができた。第200 世代まで処理をすることで、評価関数の値を約60% まで小さくすることができた。 • 評価関数として最大空円とKS統計量を用いること で、作業領域内をくまなく均一に覆うことができた。

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今後の課題 • 作業領域を様々な形に定義したときのバイナリマニ ピュレータの設計 • 提案手法を用いて、三次元空間上に決められた作業 領域をくまなく均一に覆う三次元バイナリマニピュ レータの設計を行う。

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参考文献 • X-series robotics arms 海外ハードウェアの購入なら「ユニポス」, https://www.unipos.net/find/product_item.php?id=3430 • パラレルメカニズムロボット,製品情報,ムラテックメカトロニクス㈱, https://www.muratec.jp/mmc/parallel/