Slide 1

Slide 1 text

© Yuki Onishi & Tokyo Tech SSR はじめてのしつぎおうとう 東京工業大学 ロボット技術研究会 16-yuki / Yuki Onishi 2022/06/19

Slide 2

Slide 2 text

© Yuki Onishi & Tokyo Tech SSR この資料は何? ● 部内の研究発表会における質疑応答のガイドライン的なもの ○ 新入生向けです ○ (アカデミアやビジネスのフォーマルな文化とはちょっと違うかも) 今まで皆さんは多くの議論の場を経験してきたと思います. 例)小中高での学級会(not including インターネット上での学級会),   ディベート,集団面接,etc. 研究発表における議論は,ある種の特殊な特性を持っており, 必ずしも皆さんの経験してきた議論の形態とは一致しません. 初めての発表を有意義なものにできればと思い資料を作成しました. 2

Slide 3

Slide 3 text

© Yuki Onishi & Tokyo Tech SSR 研究発表のゴール ✔ 発表者の考え / 製作物 / 実験結果 / etc. を聴講者に正しく伝える  ⇔ 聴講者が発表者のそれ(ら)を正しく理解する ✔ 発表者と聴講者の交流で,研究開発の更なる発展を目指す ✔ 聴講者の9割は発表者の味方(と考えよう) 質疑応答とは,発表者と質問者(= 聴講者)の認識の差異を解決したり, より良い方向に一緒に歩んだりするためのものです. ―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―— ✖ 答えを出す ✖ 勝ち負けを決める(勝ち負けはない.競技ディベートではない) 3

Slide 4

Slide 4 text

© Yuki Onishi & Tokyo Tech SSR 発表者・聴講者共通の心得 ● 議論の対象はあくまでも研究開発の内容 ○ 人格やアイデアは批判の対象ではない. ● 相手に敬意を払い,尊重することが大前提 ○ 発表者は,発表することを決断し,準備をし,発表をしたので偉い.神. ○ 質問者は,発表に関心を持って聴き,手を挙げることを決断したので偉い.神. ○ 神々の争いは人々の不幸を呼ぶと,多くの神話が証明している. 4

Slide 5

Slide 5 text

© Yuki Onishi & Tokyo Tech SSR 質問の心得(聴講者) ● まず発表者に敬意を ○ 発表者は敵ではない.最初に名乗ろう ○ ポジティブな感想が一言でもあると,発表者は嬉しい! 例)「面白かったです」「 ○○が凄いなと思いました」 ● 腑に落ちないなら「質問」をしよう! ○ その方法を選んだのは何かしらの事情や意図があるのかもしれない ○ 単純に知らないだけかもしれない しかし無知は悪ではない .いまここで質問者の知識が発表者にシェアされてハッピー! ● 発表者が戸惑ったら,待とう ○ 親切な言い換えも,発表者は混乱していると怖く感じる ○ 質問者の方が,余裕がある.余裕のお裾分け ● 否定的なコメントをするときは,改善案の提示とセットで ○ 「何となく良くない」は無責任 5

Slide 6

Slide 6 text

© Yuki Onishi & Tokyo Tech SSR 回答の心得(発表者) ● まず質問者に敬意を ○ 質問者は敵ではない( たまに敵がいる) ○ 発表に興味を持ってくれた!「ご質問ありがとうございます」を言えると good ● 関連するスライドを表示する ○ 何の話をしているのかが明らかになる ● わからないときは正直に「わからない」と言う ○ 正直に答えて怒る人がいたらそいつが悪い ○ 質問がわからないのであれば聞き直しをしよう ● 他のメンバーやアドバイザ(メンター)に助けを求めてもいい ○ 「全ての質問に答えられる発表者」は誰も求めてない ○ 正確な回答に近付くための行為は躊躇わなくて OK ○ 三人寄れば文殊の知恵なので, N人寄ればN/3文殊の知恵 6

Slide 7

Slide 7 text

© Yuki Onishi & Tokyo Tech SSR (おまけ) 発表者は時間が余るなら色んな話をして良い 1. 余談する発表者は偉い ○ 話が広がる 2. 基礎的な部分に触れる発表者は偉い ○ みんなの前提知識が揃う 3. お気持ちを述べる発表者は偉い ○ 定性的な話はみんなの理解を助ける ※ 下記スライドのp4の内容の真似   https://www.slideshare.net/YasunobuIgarashi/2017-62e2d3beyond 7

Slide 8

Slide 8 text

© Yuki Onishi & Tokyo Tech SSR (おまけ) 時間があるなら質問・意見は積極的に投げていこう 1. 初めに質問する人は偉い ○ 次の人が続きやすくなる 2. 初歩的な質問をする人は偉い ○ 質問のハードルを下げる 3. 関係ない質問をする人は偉い ○ 話が広がる ※ 下記スライドのp4の内容を引用,一部修正   https://www.slideshare.net/YasunobuIgarashi/2017-62e2d3beyond 8

Slide 9

Slide 9 text

© Yuki Onishi & Tokyo Tech SSR 参考 阪大 石原先生のブログ「研究発表の質疑応答で失敗しないための10のコツ」 http://www.ams.eng.osaka-u.ac.jp/user/ishihara/?p=772 CODE OF CONDUCT / 会議での行動規範 @ Rust.tokyo 2019 (外部イベントでのガイドライン例) https://rust.tokyo/2019/coc 9