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健康保険証がなくなるらしい!? 2025.03.10 Mon. 実践プロダクトエンジニアリング ~ドメインを制する者は開発を制す! ~@SmartHR Space 大澤 広朗(QWYNG: クワイング ) SmartHR プロダクトエンジニア

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こんにちは!

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健康保険被保険者の皆さん、こ んにちは!

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SmartHRの届出書類機能ではみなさんの健康保険証 発行のための書類が作成可能!電子申請も送れま す!

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某日

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2024年12月2日より健康保険証が発行されなくなりま す!

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なんだって〜〜!!!

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健康保険証が発行されなくなった際の 開発チームの対応をお話します!

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● 労務の制度変更をプロダクトにどう落とし込んで いるか ● 現場で行った開発の工夫 今日話すこと

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● 今までは、入社すると協会けんぽや健康保険組 合から保険証が発行されていた ● 2024年12月2日からは、健康保険証がマイナン バーカードに統合され、発行されなくなる 具体的に何が変わる?

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● 資格確認書というマイナ保険証を使わない 場合の代替手段ができた マイナンバー保険証の代替手段 資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合 の受診方法) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45470.html

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● 資格確認書の発行は従業員が任意で選べる -> プロダクトとして管理するべき情報が増える プロダクトで管理する情報が増える

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● 国に「こういう風にプロダクトを更新してください」 と言われるわけではない ● 書類の内容や国から提示される電子申請の内容 から仕様を自分達で決める必要がある どうやってプロダクトに落とし込む?

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ドメインエキスパートの方に頼る! どうやってプロダクトに落とし込む?

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人事・労務領域の専門知識と、プロダクト開発に携わ るために必要なITやシステムの知識をかけ合わせて プロダクト開発に貢献する仕事 ドメインエキスパートとは?

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● ドメインエキスパートの方に変更内容を把握して もらう ● 届出書類機能チームはドメインエキスパートと PdMが同一人物だったのでそのままチケットを作 成

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実際にドメインエキスパートが作成したチケット

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チケットを更に詳細化するための調査チケットを作成

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なにを調査するのか ● 既存の同種類の書類との差分を調査 ○ 差分に集中することで把握すべきドメインのスコー プを絞る ● 仕様の参考になるものは2つ ● 新しい書類そのもの(PDF) ● 新しい書類を提出するための電子申請様式

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なにを調査するのか 書類の様式の差分を確認

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なにを調査するのか 電子申請用の様式の差分確認

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なにを調査するのか 確認できた項目をスプレッドシートにまとめる

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チケット作成 技術的チケット作成 書類の表示・編集 書類の電子申請 書類のバリデーション 書類実装の流れ

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チケット作成 技術的チケット作成 書類の表示・編集 書類の電子申請 書類のバリデーション 細かく確認していく ドメインエキスパートレビュー ドメインエキスパートレビュー ドメインエキスパートレビュー

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ドメインエキスパートに細かくレビューしてもらう ● ドキュメントやスプレッドシートの技術的な仕様をレ ビューしてもらう ○ 早めに仕様を見てもらう ことで手戻りを防ぐ ● 実際に操作できるプロダクトをレビューしてもらう ○ 仕様だけでは伝わりづらい細かい動作も見てもら える

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細かくドメインエキスパートのレビューをもらう ● 作業を細かく確認し、仕様を固めていく ○ この項目はデフォルトでどうなっている?といった 仕様がレビュー後に固まることも多い

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よし!やるべきことは見えてきたぞ! で、保険証が変わるとどれくらいの書類数変わるん ですか?

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● 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届/70歳以上被用者該当届 ● 健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届/70歳以上被用者不該当届 ● 健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届/70歳以上被用者月額変更届 ● 健康保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届/70歳以上被用者賞与支払届 ● 健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届/70歳以上被用者算定基礎届 ● 健康保険・厚生年金保険被扶養者(異動)届/国民年金第3号被保険者関係届 ● 国民年金第3号被保険者関係届 ● 健康保険厚生年金保険育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届 ● 健康保険厚生年金保険産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届

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● 物量が多い ● 書類の見た目も電子申請の様式も変わるものもあれば、書類の 見た目は変わらないけど電子申請の様式は変わるものもある ● 2024年12月2日までに修正しないといけないものもあれば、期日 までに修正する必要がないものもある ● その他にもたくさん開発アイテムがある

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開発の工夫 ガントチャートを冷静に見て、事実ベースで進捗確 認、作業の分担

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開発の工夫 書類作成のための対話式スクリプトを作成 > bin/rails g app:doc_content:scaffold --filepath=./書類様式.csv insert client/src/redux/modules/docContent/index.ts 💁 Q. 労働基準関係の書類ですか?[y/n]

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最後に伝えたいこと ここまでの工夫は誰か一人が全部やったのではな く、チームの成果(過去のチームメンバー含めて)

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最後に伝えたいこと 課題を解決するには色々な力が必要 ● ドメインの把握 ● プロジェクトマネジメント ● 自動化への取り組み チームで課題に取り組む!

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チームでドメインの課題を解 決していきましょう!