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リーダー、マネージャーが存在 しない開発組織のつくり方 〜真の自己組織化を目指して〜

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はじめに ● 自己組織化を考える上での取り組みは様々です。 ● 今回の話はあくまでその取り組みの1つの例です。 ● リーダーやマネージャーが不要だと言いたいわけではありません。 ● 今回の話が少しでもなにかのヒントになれば良いなと思っています。

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自己紹介 ● 林 尚之(はやし たかゆき) @t_hyssh ● 株式会社ユーザベース ○ SPEEDA事業 CTO ● Agile(XP)、ペアプロ、TDD、DDD ● 最近使っている言語はKotlin、Ocaml、Dart等

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自己組織化

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自己組織化 自律的に秩序を持つ構造を作り出す現象のことである。自発的秩序形成とも言う Wikipedia - 自己組織化

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自己組織化の例 雪の結晶は誰に命じられるわけ でもなく美しく秩序だった構造を作 り出す

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アジャイルソフトウェア開発宣言 最良のアーキテクチャ・要求・設計は、自己組織的なチームから生み出されます アジャイルソフトウェア開発宣言 - 12の原則

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自己組織化って大事

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翻って、リーダー・マネージャーとは?

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リーダー ● グループを代表する人 ● グループを指導する人 ● グループを先導する人 ● グループを統率する人

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マネージャー ● 統括・管理・評価する人 ● 指導・育成する人 ● 責任を負っている人 ● 意思決定をする人

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リーダーや、マネージャーがいると 所謂「指示待ち」状態になりやすい なので最近はサーヴァント型リーダー等が注目さ れているのではないでしょうか

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ただし、リーダーやマネージャーがやっている 事はとても重要なこと

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そして、真に自己組織化されていれば一般的に 「リーダー」「マネージャー」と呼ばれる人が行う ことを自発的にやれるのでは? (という自分の中での仮説)

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なので現在実践中です

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現在の組織

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現在の組織(1つのプロジェクトチーム) チームの中に ・ビジネスサイド ・ソフトウェアエンジニア ・テストエンジニア ・SREエンジニア ・デザイナー がいるがリーダー、マネージャーはいない。

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なぜ(そこまで)やるのか?

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なぜ(そこまで)やるのか? ● ダイレクトコミュニケーション ○ 誰かを介さずに直接必要な人とコミュニケーションを取ることで意思疎通を迅速かつ強力に ● チーム内における可能性を最大化 ○ 通常リーダーがいる場合はそのリーダーの能力にアウトプットが比例しやすい ● モチベーションの向上 ○ 「やらされる」より「自らが決める」方がモチベーションが上がりやすい

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得られた知見

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やれる

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どうやってきたか?

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どうやってきたか? ポイント ● フェーズ(段階的に移行) ● ビジネスサイドの信頼を得る ● 採用を頑張る

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フェーズ(段階的に移行) ● まずはアジャイル開発(XP)の進め方、スキルをメンバーに伝える ○ この段階では自分がリーダー ○ 自己組織化の重要性を伝え、皆が実践出来るようにする ● 少しずつリーダーとしての役割から離れる ○ MTG、振り返り等に参加しなくなる ● 完全にチームから離れる ● 何か問題や、困難に遭遇してないかは遠目で観測 ○ こちらからMTGを設定しない ○ 見える化されているバーンダウンや、カンバンを見る

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ビジネスサイドの信頼を得る ● リーダーがいるのが普通なのでいきなりやると「えっ?」となる ● なので実行に移すまでにビジネスサイドとの信頼関係を構築する ○ 必ず成果を出す ○ 成果を出している人がそういうのであればそっちが良いんだろうなという状況に持っていく

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採用を頑張る ● 自己組織化の文化に合う人を採用する ● 人事の人に任せるのではなく自分達で、自分達が一緒に仕事をしたい人を探し て、面接もする(これも自己組織化の一部)

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残っている問題点

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残っている問題点 ● CTO(僕)が残ってる ● この問題を克服できた時が真の自己組織化が出来たと言えるのではないかと 思ってます

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皆の反応

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皆の反応 ● 楽しそうに仕事してます(多分・・・) ● ビジネスサイドの反応も良い

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最後に

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自己組織化されている状態がベースにあるとス ケールがしやすいです。この2年半で開発のメ ンバーは3倍の人数になりましたが、自己組織 化された状態でスケール出来ています。

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ご清聴ありがとうございました