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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. エンジニアと関係組織をつなぐ 
 社内 DevRel のとりくみ 
 2024年9月14日
 NTTコミュニケーションズ株式会社 


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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 2 ● 小倉 真人(@Mahito)/ Mahito Ogura
 ● 所属
 ○ NTTコミュニケーションズ株式会社 ■ イノベーションセンター テクノロジー部門 ● Engineer Empowerment Project Leader ● 業務
 ○ エンジニアの働く環境を良くすること ■ 開発・検証 PC の整備 ■ 各種 SaaS 利用の取りまとめ ■ エンジニアブログ運営 ■ イベント開催・協力 自己紹介


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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 3 会社紹介
 名称: エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ
 企業理念: 人と世界の可能性をひらくコミュニケーションを創造する。
 事業内容: ICTサービス・ソリューション事業、国際通信事業、およびそれに関する事業など
 従業員数: 9,050人(NTT Comグループ:17,200人) ※2024年6月現在


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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 4 本日のゴール 
 ● 社内 DevRel の役割とその活動を知ること
 ● エンジニアと関係組織との良好な関係の作り方を知ること


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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 5 社内 DevRel とは 
 ※注:一般的な用語ではなく発表者個人の定義です
 社内 DevRel は社内のエンジニアが抱える課題を解決するための取り組み・役割 
 
 DevRel(Developer Relations) 
 外部のエンジニアとの製品・サービスとの良好な関係を築くための手法・役割
 
 社内 DevRel※ 
 社内のエンジニアと社内の関係組織との良好な関係を築くための手法・役割
 ● エンジニア向けのイベント・勉強会の開催
 ● コミュニティ運営
 ● テックブログを通じた情報発信のサポート
 ● エンジニアや関係組織からの意見収集 / 相談受付
 ● エンジニアと関係組織の橋渡し


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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 6 社内 DevRel としての具体的な活動1 
 エンジニア向けのイベントの開催 
 エンジニア向けの社内勉強会の開催 
 テックブログを通じた情報発信のサポート 
 NTTグループのエンジニアコミュニティ運営 
 X

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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 7 エンジニアや関係組織からの意見収集 / 相談受付 
 ● エンジニアに対する各種アンケートの実施
 ● 関係組織との定期的な雑談会・打ち合わせ
 ● エンジニア・関係組織からの相談対応
 ● etc…
 
 エンジニアと関係組織の橋渡し 
 ● エンジニアと関係組織の対話会開催
 ● 関係組織の取り組みに関するエンジニア向け説明会開催
 ● SaaS 利用申請の内容を確認する会議への参加
 ● エンジニアが利用する SaaS の運用(GitHub, Miro, etc...)
 ● 経営層へのエンジニアの取り組みや考え方に関する説明
 ● etc…
 社内 DevRel としての具体的な活動2 


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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 8 エンジニアと関係組織の良好な関係が会社を良くする 
 なぜ社内 DevRel なのか 
 関係組織の抱えていた問題 
 ● 情報を出してもエンジニアに伝わらない
 ● エンジニアが何に困っているのかわからない
 ● 課題を改善したいがリソースが足りない
 ● etc…
 
 エンジニア側の抱えている問題 
 ● 決まったルールだけが降ってくる
 ● 問題をどこに言えばいいかわからない
 ● 問題を言ったけど変わらなかった
 ● etc…
 社内 DevRel がエンジニアと関係組織のハブとして橋渡しをすることで、 
 それぞれの問題共有し、解決しすることで会社を良くすることができる 


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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 9 行動
 ● 発見した課題の共有・対応
 ● 課題解決に向けた提案・開発・検証
 ● 社内のルールやサービスの運用・改善への参加
 対話による相互理解と課題の共有、行動による実績の積み重ね 
 エンジニア、関連部署の良好な関係をどう作るのか 
 対話
 ● イベントでの対話・議論セッション
 ● 定期的な雑談会
 ● アドホックな相談対応

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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 10 事例:新しい開発・検証 PC の実現 


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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 11 事例:新しい開発・検証 PC の実現 
 背景:会社 PC は開発・検証に適しておらず別途、開発・検証 PC が必要 
 
 会社 PC(会社から全社員へ配布) 
 ● 当時(2019年)、仮想デスクトップから物理端末に移行中(メモリ 4GB → 8GB)
 ○ 事務作業には問題ないが開発・検証用途にはメモリが足りない(16GB~ は欲しい) ● ユーザには管理者権限がない
 ○ 開発・検証に必要なアプリ・ツールが動かないケースが多い ○ ネットワーク周りの制限が多く、ネットワークの検証が困難 
 開発・検証 PC(必要に応じて各組織・チームで調達) 
 ● 制限がなく、柔軟に開発・検証が可能
 ● すべてが利用者に委ねられており、管理が不十分なケースも存在
 ● 会社が管理していないため社内ネットワークには接続ができない


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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 12 事例:新しい開発・検証 PC の実現 
 当時の開発・検証 PC は会社管理ではないため社内へアクセスができなかった 
 ● 会社 PC と開発・検証 PC の併用が手間なので、 
 開発・検証 PC からメールなどの社内リソースを使いたい 
 ● 開発・検証 PC の存在は知っていて管理をしたい 
 ● 開発・検証 PC は危ないので社内リソースには触らせたくない 
 ● 開発・検証 PC の存在は知っているが管理を複雑にしたくない 
 ● 開発・検証 PC は会社管理をしてないため社内リソースに触らせたくない 
 エンジニア 情報セキュリティ部門 情報システム部門 


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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 13 ● 現場からは新 PC になって十分作業ができると聞いてる 
 ● 開発・検証 PC から社内リソースへのアクセスや Mac の利用は 
 エンジニアのわがまま 
 事例:新しい開発・検証 PC の実現 
 実現のきっかけはNTTのエンジニアが集まるイベントでの議論 
 ● 作業効率の観点から開発・検証 PC でも社内リソースを使いたい 
 ● Mac 利用者も多いので会社として Mac の利用を認めてほしい 
 イベント当日では話がつかなかったが、イベントに呼んでいた経営層から 
 「面白かったので情報セキュリティ担当も呼んで続きをやろう!」となり、継続議論へ エンジニア 情報システム部門 


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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 14 事例:新しい開発・検証 PC の実現 
 議論の結果、条件が達成できれば実現可能にまで話が進む 
 ● 開発・検証 PC からメールなど社内リソースへアクセスできるのは
 わがまではなく業務効率につながる改善である 
 ● 開発・検証 PC が管理されることはセキュリティの課題解決につながる 
 ● 開発・検証 PC(Mac)で会社 PC と同等のセキュリティが 
 実現できるのであれば社内リソースへのアクセスを認める 
 エンジニア 情報セキュリティ部門 情報システム部門 


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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 15 情報システム担当とエンジニアが協力しながら新しい開発・検証 PC を実現 
 
 当時のやったこと 
 ● 情報システム担当から出された条件の実現方法を検証・確認
 ○ 社内で検証を手伝ってくれるエンジニアを募集 ○ エンジニア有志で集まって検証・確認し情報システム担当に報告、トライアルの実現へ ● トライアル中の問題解決をするための利用者コミュニティの立ち上げ
 ○ 簡単な問題、既知の問題はコミュニティで対応 ○ 新規の問題、コミュニティで対応できないものは情報システム担当と共有し解決 
 エンジニアが自分たちの使う環境に自ら関与していく機会や場を提供し、 
 活動を通じて情報システム担当との良好な関係を構築していくターニングポイントに 
 事例:新しい開発・検証 PC の実現 
 イベントから 
 約2ヶ月で実現 


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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 16 新しい開発・検証 PC の実現 
 新しい開発・検証 PC により利便性やセキュリティー向上を実現 
 ● 従来の開発・検証 PC とほぼ変わらない使い勝手でメールなども使える 
 ● ほぼ一日の作業を開発・検証 PC で完結できて便利 
 ● 各部署で管理していた開発・検証 PC に対して 会社のセキュリティポリシーを適 用し、開発・検証 PC の状況を把握・管理できるようになった 
 ● 管理対象が増えることになったが、既存のしくみの中で対応が可能 
 ● 利用者アンケートから利便性やモチベーションの向上、稼働削減の効果を確認 
 エンジニア 情報セキュリティ部門 情報システム部門 
 参考:エンジニアがエンジニアのために開発・検証用 PC を整備した話 


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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 17 対話から社内ルールを「守る/守らない」ではなく変えることを実現 
 
 例:ドレスコードの改定 
 背景:エンジニアの後輩から Tシャツ+ジーパンスタイルが許されないのは理不尽との声
 行動:労働組合と総務担当に相談を持ちかけ、双方の交渉の結果ドレスコード改定へ
 
 見直し前:例示付きで OK, NG を明確に規定 
 OK:襟付きシャツ、ポロシャツ、ジャケット、etc…
 NG:Tシャツ、ジーパン、etc…
 
 見直し後: 
 Time, Place, Occasion(TPO)を考慮し、清潔感や節度を持って、お客様に不快感を与えないことや相手と の調和を意識して服装や履物を選択 
 事例:社内ルールの見直し 


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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 18 エンジニアが記事投稿を継続した結果、広報と良好な関係ができた 
 
 ● 2021年 7月に旧ブログから移転
 ○ 広報と相談しエンジニア有志で運営
 ○ 運営 8 人、レビュワー 2人 ● エンジニアが投稿とレビューをしやすい仕組みを用意
 ○ Git/GitHub を使った版管理とレビュー ○ GitHub Actions による CI/CD ■ 広報的な文面チェック等は CI で自動化 ■ ボタン一つで記事のリリース 
 
 記事が定期的に SNS で話題になることで、広報から会社にとっての良い取り組みと認知され、 
 広報から文面チェックの自動化や、エンジニアの外部発信についての相談などが来るように 
 事例:エンジニアブログのリニューアル 
 https://engineers.ntt.com/ 参考:開発者ブログをリニューアルしました !

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© NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 19 まとめ
 ● 社内 DevRel がエンジニアと関係組織をつなぐことで会社が良くなる 
 ● エンジニアと関係組織とのいい関係の作り方 
 ○ 対話による相互理解と課題の共有 ■ 定期・不定期な対話の場を設ける ■ 課題を解決した際の互いのメリットを意識 ○ 行動による実績の積み重ね ■ 関係組織との協働・情報共有 ■ エンジニアコミュニティによる支援・互助