グラフィカルモデルと構造的因果モデル
世界についての重要な特徴がどのように関連しているかを記述
「教育レベルと職務経験による給料」の例
グラフィカルモデル
X: 就学年数, Y: 職務経験, Z: 給料
構造的因果モデル
U = {X, Y}, V = {Z}, F = {f
z
}
f
z
: Z = 2X + 3Y
X Y
Z
バックドアパス
上流側にある処置XとアウトカムYの両方に影響を与える流れ
Z1
X
Y
Z2
Z1
X
Y
Z2
Z1
X
Y
Z2
(X→Yの)バックドアパス (X→Yの)バックドアパスではない
Slide 27
Slide 27 text
バックドアパスをブロックする
上流側にある処置XとアウトカムYの両方に影響を与える道を固定
Z1
X
Y
Z2
Z1
X
Y
Z2
Z1
X
Y
Z2
(X→Yの)バックドアパスをブロックするには, Z1かZ2(あるいは両方)を固定すればOK
Slide 28
Slide 28 text
バックドア基準
集合Zが(X,Y)に対して、次の2つの条件を満たせば良い
1. Zに含まれる全てのノードがXの子孫ではない
2. XとYの間でXに向かう有向道すべてをZがブロックする
X Y
Z
X Y
Z
X Y
Z
バックドア基準を満たす バックドア基準を満たさない
Slide 29
Slide 29 text
フロントドア基準
集合Zが(X,Y)について次の3つの条件を満たせば良い
1. ZはX→Yの有向道をすべてブロックする
2. XからZへのバックドアパスは存在しない
3. ZからYへのすべてのバックドアはXによるブロックされている
観測されない交絡因子
X Y
観測されない交絡因子
X Z Y
バックドア基準は満たさない 集合Zが観測できればフロントドア基準を満たす
Slide 30
Slide 30 text
ATEとCATE
- ATE(Average Treatment Effect): 平均処置効果
→ 集団の平均的な効果
→ ATE = E[Y
i
(T=1) - Y
i
(T=0)] = E[Y
i
(T=1)] - E[Y
i
(T=0)]
- CATE(Conditional ATE): 条件付き処置効果
→ ある共変量で条件付けた集団の平均的な処置効果
→ CATE = E[Y
i
(T=1)-Y
i
(T=0)|X
i
=x] = E[Y
i
(T=1)|X
i
=x]-E[Y
i
(T=0)|X
i
=x]
3つの変数Y, T, Xの意味(音楽アプリのデータの例)
- Y: アウトカム(需要の高さ)
- T: 処置(割引を受けたかどうか)
- X: 共変量(ユーザーの収入などのアウトカムor処置に影響を与えそうな変数)