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20200720_STO勉強会@Funds_髙尾知達

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July 20, 2020

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July 20, 2020
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  1. © 2020 Funds, Inc. © 2020 Funds, Inc. セキュリティートークン・STOの概要 (2020/7/20)

    リーガル・コンプライアンス部 髙尾 知達
  2. 基本概念の確認

  3. 3 セキュリティートークン・STOの実像(1/3) 「第一項有価証券」と「第二項有価証券」 ▪ STの実像を掴むには、まず以下の概念を理解する必要 第一項有価証券・・従前紙媒体の「有価証券」で流通していた権利を中心とする権利群。 「投資対象性」に加えて「流通性」があるため、開示や業規制の点で 厳しいレギュレーションが課される。株、社債が典型 e.g. 50人以上を勧誘したら募集に当たり発行開示、勧誘行為を行うには第一種金融

    商品取引業の登録が必要 第二項有価証券・・紙媒体の「有価証券」に化体されないが「投資対象性」があるため、 金商法上は有価証券とみなされる権利群。「流通性」が乏しく開示や 業規制は比較的緩やか。匿名組合持分、信託受益権が典型 e.g. 500人以上に販売したら募集に該当。TK(正確には集団投資スキーム持分)の 場合、出資金の50%以上を有価証券投資に充てなければ開示規制は適用除外。 勧誘行為を行うには第二種金融商品取引業の登録が必要
  4. 4 セキュリティートークン・STOの実像(2/3) 「電子記録移転権利」とは ▪ STに関する金商法上のコア概念「電子記録移転権利」の確認 電子記録移転権利・・①金商法2条2項各号に定める権利(≒第二項有価証券)のうち、 ②トークン表示され、かつ、③適格機関投資家その他一定範囲 の投資家に流通が限定される技術的措置がなされていないもの ※ ただし、内部的な帳簿管理にBCを使う場合は「トークン表示」に該当

    しない(金融商品取引法等ガイドライン) →電子記録移転権利は、金商法上第一項有価証券として規制される トークンを用いた「事実上の流通可能性」を理由に規制強化 →③を満たさないものは流通性が限定的なので、トークン表示され ていても第二項有価証券のまま。ただし、広い意味でセキュリテ ィトークンではある。しばしば適用除外STと言われる
  5. 5 セキュリティートークン・STOの実像(3/3) 「電子記録移転権利」の周辺 ▪ 包括概念「電子記録移転有価証券表示権利等」に基づき概念を整理 電子記録移転有価証券表示権利等 (有価証券表示権利を含む「みなし有価証券」をトークン表示した権利一般) 適用除外ST 電子記録移転権利 電子記録移転

    有価証券表示権利 (≒有価証券表示権利をトークン 表示したもの) 第二項有価証券 第一項有価証券
  6. トークン表示の意義

  7. 7 トークン表示の意義 トークン表示の意義は権利の種類により異なる 電子記録移転有価証券表示権利・・第一項有価証券はもとから流通性に問題がなく、流通 市場が既に形成されているものも存在。法整備上の課 題もクリティカルではない トークン表示の主な意義はコスト削減と手続合理化 電子記録移転権利・適用除外ST・・対抗要件や善意取得といった法整備はまだで、流通 市場も形成されていない。いわば規制法が先行した 状態

    トークン表示の主な意義は流通市場の実現 TK持分や信託受益権はアセットの証券化に最適で商 品設計も柔軟なので、これがトークンを通じて流通 するというのは実際上、意味があるとされる
  8. 8 有価証券(紙媒体)を活用した流通 第一項有価証券の流通(有価証券発行の場合) 株券 有価証券が発行されている場合 →権利譲渡には必ず当該証券の交付が必要。逆に証券を保有している人から当該証券を譲り 受けた場合、真の権利者でないことについて善意・無重過失である限り、譲渡は有効 譲渡人B 譲受人C 真の権利者A

    右の例でいうと、Aの株券をBが 詐取するなどして保有するに至 り、その事情をCが知らずに(重 過失なく)Bから譲り受けた場合、 Cは権利を取得する 逆に言うと、真の権利者Aは権利 を失うことになる
  9. 9 振替口座簿に活用した流通 第一項有価証券の流通(振替証券の場合) 振替口座簿の記録 E → F 有価証券が発行されていない社債、株式等振替法上の振替証券である場合 →権利譲渡には振替口座簿の書換えが必要。振替口座簿に記録されている人と取引をして名 義書換えをした場合、真の権利者でないことについて善意・無重過失である限り譲渡は有効

    譲渡人E 譲受人F 真の権利者D 右の例でいうと、真の権利者D (法人)の従業員とEが結託して 振替口座簿の記録をDからEに変 更し、その上でEがFと取引をし た場合、その事情をFが知らずに (重過失なく)Eから譲り受ける とFは権利を取得する 逆に言うと、真の権利者Dは権利 を失うことになる
  10. 10 電子記録移転権利・適用除外STの流通 電子記録移転権利の場合 譲渡人G 譲受人H 譲受人I 確定日付ある証書 による通知・承諾 電子記録移転権利は、そもそも「信託受益権」や「契約上の地位」で構成される →証券の授受や口座上の記録といった一義的に譲受人を特定する仕組みはなく(二重譲渡の

    リスクあり)、かつ、善意取得の仕組みは明文上は設けられていない(解釈問題) 二重譲渡の処理 譲渡人K 譲受人L 譲受人J 準占有者によるの善意取得? BC上の記録の変更 K → L ただの無権利者Kとの取引であり、Lが権利を 取得することはない、という解釈がこれまで は通説的
  11. 11 流通におけるハードルの解決策 選択肢は3つくらい?(他にも考え得るが) ▪BC上の記録に対抗力を付与 →「契約上の地位の移転」については債権譲渡や信託受益権の譲渡と異なり確定日付ある証書による通 知・承諾が対抗要件と明記されているわけではない(判例法理)。よって、BC上の記録を対抗要件と するような解釈を浸透させていくという方針。BC上の記録を通じた準占有状態に善意取得を認める。 金融庁などによる解釈方針によって実現可能な気がする。金融法務事情に寄稿した拙稿の見解。 ▪準拠法を変えるために海外で発行 →小手先の対応だが、シンガポール法やスイス法などに準拠して発行するのは有効だと思う。リーガル

    コストの問題と予見可能性が難点。大型案件では実際活用されるのではないか。 ▪金銭の「占有=所有」理論の応用? →金銭における「占有=所有」理論になぞらえて、権利帰属をブロックチェーン上の記録のみによって決 するという立論。金銭由来の理論を特定性のある権利に応用するのは解釈論では厳しい気がする。
  12. 12 STO市場の展望 成功の鍵は流通市場の整備にかかっている ・これまで述べた問題の他、PTSライセンスの整備など流通市場実現に向けて 課題は多い。発行市場については、第二項有価証券においてはトークン化す ることで開示と業規制いずれも規制が上乗せとなるため、発行市場のみを念 頭に置いた場合、現状では取り組む合理性を見出し難い。 ・プロ投資家に対象を限定した適用除外STで実証実験などはなされると思うが、 本格的な流通市場の実現に向けては上記ハードルをクリアする必要がある点 にはやはり留意が必要。

    ・ただし、日本STO協会がWG等を通じた制度整備に積極的な様子であり、当 社としても可能な協力を行っていくべき。中長期的に考えた場合、流通市場 の他にもSTというカテゴリーで税制上の優遇措置が設けられるなどの可能性 もある。