番組編成フローを自動化しようとした話

 番組編成フローを自動化しようとした話

https://casqsq.connpass.com/event/176493/ で話した内容です。

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yumenokanade

May 27, 2020
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  1. 番組編成フローを自動化しようとした話 CA SQSQ MEETUP (2) 2020.05.27(水) https://casqsq.connpass.com/event/176493/

  2. • 電気通信大学 大学院を2019年03月に卒業. 2018年04月から1年間のABEMAの アルバイトを経て2019年04月にCyberAgent に新卒入社. 同05月にABEMAに配 属され, データ横断組織 データテクノロジーズの設立と同時に異動となり現在に至

    る. • 1年間のアルバイトでは「リニア配信におけるコメント情報を用いた視聴離脱に関す る分析研究」を行なった。 • 新卒入社後は、番組の編成に関するモニタリングツールの開発やレポート作成、 データ分析、そして「番組編成フローの自動化」業務に携わる。新卒2年目の現在 は、ABEMAの新規機能や検索周りの開発や分析を行なってる。 Profile
  3. ABEMA とは...? テレビ&ビデオエンターテインメント「ABEMA」は国内唯一の緊急・速報をはじめとした24時間編成のニュース専門チャンネルのほ か、オリジナルのドラマや恋愛リアリティーショー、アニメ、スポーツなどを視聴できるサービス SPECIAL 韓流・華流 釣り アニメ RADIO 麻雀

    NEWS 格闘 将棋 ドラマ HIPHOP SPORTS
  4. データ・ドリブンでABEMAを良くしていくためのABEMA 横断チームとして 6月に設立した。 業務としては、 ・KPI設計 ・レポーティング ・意思決定のための仮説分析 ・制作支援 ・業務改善 などの分析、ロジック設計

    など幅広く行っている。
  5. 番組編成 とは 20チャンネル以上 × 24時間 × 365日

  6. 問題 「番組の編成」を専任にしている人は少なく, 多くの局で「編成」は、 数多くある業務の一つとして行なっている。 調達 調整 企画 分析 調査 編成

    24時間 x 365日の全ての時間に 対して「意図のある編成」 を行うことは難しい etc...
  7. 問題 意図のある編成を全部の時間でできない結果、 力の入れる時間帯と力を入れない時間帯が出てくる 人が沢山来る時間帯 人が少ない時間帯 力を入れて、しっかり考える 時間をかけて考れていない

  8. 問題 意図のある編成を全部の時間でできない結果、 力の入れる時間帯と力を入れない時間帯が出てくる 人が沢山来る時間帯 人が少ない時間帯 力を入れて、しっかり考える 時間をかけて考れていない 自動化したい 従来通り、人が考える

  9. 目的 限られた番組在庫を元に、非注力時間帯の 「一週間単位の番組表の生成を自動化し, 指標(番組編成のKPI)を最大化する」 ことが目的である。

  10. 実際の番組編成はどういう点で 時間がかかり、難しいかについて

  11. 番組編成の悩む箇所について 番組編成は、いわば有限個ある番組をどの時間帯に編成するか ということだ。 番組表 番組

  12. 番組編成の戦略性やルールについて

  13. 視聴習慣という考え(縦横) 月 1 木 2 火 3 視聴者が習慣づかない不適切な編成は望ましくない。 (法則性がわからず、次いつ放送されるか認知しにくい編成)

  14. 視聴習慣という考え(縦横) 月 火 水 木 金 横編成: 平日・同じ時間にシリーズを編成する → 週内の継続来訪を増やせる

    (DAU) 月 月 縦編成: 同じ曜日・同じ時間にシリーズを編成する → 翌週の継続来訪を増やせる (WAU) 1 1 2 2 3 4 5
  15. 一挙編成 一度の放送で 何話まで 配信するか? 時間

  16. 番組相性 ・編成する番組とその番組の視聴者層の時間帯 つまり 番組x時間の相性 ・編成する番組の前後の番組との相性 つまり 番組x番組の相性 ・チャンネル間の番組の相性 などを考える必要もあります。

  17. 編成不可の時間帯 番組のジャンルによっては、特定の時間帯に編成してはいけないというルールがありま す。 ただし、ジャンルの全てが一概にダメというわけではなく、番組ドメインを知らないとわか らない ということもあって難しい 万人受けしないジャンル 朝・昼は放映禁止

  18. つまり 先ほど紹介したルール以外にも 様々な「守らないといけないルール」「考えないといけない戦略」を考えながら指標を最 大するような編成を行わなければならない。 これらのルール/戦略がいわゆる ドキュメント化されておらず暗黙知となっていた。 なので編成Pやアシスタントにヒアリングして 形式知に落ち仕込むまでに時間かかった。 → ドキュメントを残すことと更新することの重要性

  19. 自動化をする上で とにかく「自動化してほしい」という目的だったため、基本分析が抜けて 自動化に入ります。 形式知されたルール(お約束) 参照するデータ 編成方針の基本分析

  20. 次に「どう」自動化するか 考えます。

  21. あれ? データがない( ◠‿◠ )

  22. 編成P 調達者 CP アシスタント ツール 配信 契約 成立 細かい時間調整 ルール確認などを行う

    編成戦略や編成方針 大枠の番組配置を行う 兼務してる人が多い データがない BigQuery
  23. どこにデータがあるの?

  24. 編成P 調達者 CP アシスタント ツール 配信 契約 成立 細かい時間調整 ルール確認などを行う

    編成戦略や編成方針 大枠の番組配置を行う 兼務してる人が多い データがない BigQuery
  25. データが集まりました

  26. 自動化をする上で とにかく「自動化してほしい」という目的だったため、基本分析が抜けて 自動化に入ります。 形式知されたルール(お約束) 参照するデータ 編成方針の基本分析

  27. 自動化アプローチ 1. 既存の人(=編成P)がやっている編成フローを形式知(ルール)にして, ロジックに置 き換える方法 2. 編成Pがやっている方法とは別に意図を汲み取って、指標を最適にする意味での 自動化(=最適化)

  28. 自動化アプローチ 1. 既存の人(=編成P)がやっている編成フローを形式知(ルール)にして, ロジックに置 き換える方法 2. 編成Pがやっている方法とは別に意図を汲み取って、指標を最適にする意味での 自動化(=最適化)

  29. 自動化アプローチ CM割り当て問題やシフトスケジューリング問題 といった「数理最適化」手法が今回の自 動編成タスクにも使えないか と考えました。

  30. 今回の問題を解く雰囲気 番組を空白の編成表に埋めていく感じ。 17:00 17:30 18:00 18:30

  31. 今回の問題を解く雰囲気 番組を空白の編成表に埋めていく感じ。 17:00 17:30 18:00 18:30 10 30 30 5

    50 20 30 番組価値 時間価値 時間価値 x 番組価値 = 最大
  32. 今回の問題を解く雰囲気 番組を空白の編成表に埋めていく感じ。 17:00 17:30 18:00 18:30 10 30 30 5

    50 20 30 番組価値 時間価値 時間価値 x 番組価値 = 最大
  33. 今回の問題を解く雰囲気 番組を空白の編成表に埋めていく感じ。 17:00 17:30 18:00 18:30 10 30 30 5

    50 20 30 番組価値 時間価値 時間価値 x 番組価値 = 最大 同じ番組が近いからダメ
  34. このように番組価値と時間価値が最大 かつ 制約条件というルールを満たす 最適解を求めることで 編成最適を目指しました。

  35. 結果 制約を守った上で 番組コンテンツの 自動配置はできた

  36. 落とし穴 番組編成が仮にできたとして既存の番組表と比較して優れてるかの検証が難しい → 当然ながらA/Bテストは行えない。 → 自動生成した編成表が優れてるか・数字が取れるかをデータで説明する必要があ る。 (教訓: どう良いか評価方法の策定) 自動生成した編成表の評価をどうやって行うべきか

    決めておく必要があった!
  37. 現在 編成表の自動生成までは完了した。 ただし、この段階まで終えて 改めて、必要な基礎分析をやらないと 今のやってる自動生成自体が良いか わからない。 自動化したい プロジェクト発足 暗黙知の形式知化 不足データの洗い出し

    既存編成方法の分析 編成表の自動生成 システム化 運用 まだ、番組編成は手動です ここも考える必 要がある
  38. 反省 いきなり自動化・最適化を目指したこと。 最終ゴールでは良いのですが足元がぐらついてる中作りきるのは良くなかった。 番組編成の戦略をしっかり分析する(基本分析) 既存の編成フローの部分的自動化 編成フローの自動最適化

  39. 成功 ・今まで暗黙知や経験則で編成作業していた「編成」自体になぜ? どのような意図があっ てその編成戦略をとったのか というのが改めて整理された。 ・いきなり「最適化」というゴールまで無理くりにでも進めたおかげで、 残りどの分析・調査をすれば、到達・達成できるかの道しるべ・ToDO が構築できた。

  40. まとめ ・あらかじめデータが足りてない場合は、どうやれば実現できるか・どのデータが不足し ているのかを一番初めに洗い出す必要がある。 ・ヒアリングと設計と実装を全て一人でやる必要があったため、それを踏まえて動くべき だった。(今に生きる) ・「暗黙知」や「熟練者の感覚」を形式知に落とし込んでデータによって裏付けることに よって納得させなければいけない。 ・どうしても最終ゴールを達成したい思いがあるけれど、足元からしっかり固めないと妥 当な自動化はできないことを再確認した。