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新人さんからわかるテストマンガ 「テスターちゃん」 誕生秘話と製作法

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「テスターちゃん」とは ブラックボックステストでのテストの考え方、やり方、技法や用語を わかりやすく、実践的に説明するマンガ。 現状(2019/10/30) 総PV数 : 574,546 月平均PV : 約20,000

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「テスターちゃん」誕生秘話 テストの本は小難しくて 読みにくい ※1年で終わるつもりだったけど 人気がでたので続行中

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「テスターちゃん」の目指すところ テスターちゃんはテスト部署に入ってきた新人さんの教育やテストを理 解しようとし始めたマネージャーや開発者の勉強のための補助教材の位 置づけのイメージ。 テスト部署の本棚に置いてあり、 新人さんが来たときに 「これに目を通してみて」 と、読んでもらうことで 「テストってこういうことをするんだ。大切なんだ」 という『テストの基礎となる部分』(会社に依存しない部分)を ある程度マンガで理解できる、教育の一部をこの本でまかなう…… という事を目指している。 「ちょっとだけわかりました」 を引き出せたら良いかと考えている。 ちょっとだけ わかりましたっ

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「テスターちゃん」を書いたことで変化したこと 「某会社のまつさん」 ↓ 「テスターちゃんのまつさん」 会社依存ではなくなった イラストやマンガの 依頼が来るようになった 新しい収入源

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「テスターちゃん」に使われている技術

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4コマ漫画で「アジャイル創作」 通常のストーリー漫画では1Pでは話が成立しないので、 キリがいいページ数を描かなければリリースができない。 描きためてリリースは忙しいし続きそうにない… このページだけ リリースしても 読者に伝わらない ?

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4コマ漫画で「アジャイル創作」 4コマ漫画の場合、1Pでオチがついている。 反応を受けて、次回の話の方向性を変えることもできる。 このページだけで (おおよそ)把握可能 このページさえ描けば リリースできるという 安心感/手軽さ

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4コマ漫画で「アジャイル創作」 そして個々の1Pが集まり、ひとつの大きな話題を形成する。 仕様把握の話題

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1 hour sprint(というと語弊があるが…) 様々な作業工程があるが、それらを1時間程度、それぞれが完成まで作業。 1ページは約9~10時間で完成する。 各コマの内容 考える 各コマの セリフ決め 下書き ペン入れ 1コマ目 ペン入れ 2コマ目 ベタ トーン貼り 仕上げ 平日帰宅後も 作業可能になった まとめて描いていた時より 方向転換ができるようになった ペン入れ 3コマ目 ペン入れ 4コマ目 セリフ入れ

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複数サイトへの自動deployツール開発 テスターちゃんは様々なサイトへ投稿している。 それらすべてを手動で投稿していると投稿だけで30分ほどかかる。 ・LINEマンガ ・マンガボックス ・アルファポリス ・ニコニコ静画 ・FUNBOX ・pixiv また6サイトもあるとどこかしらアップデートされていて、通常のE2Eテ スト自動化の操作などではどこかでコケてしまう。 そこでそれらをクリアできるキーワード&データ駆動の自作RPAツール で自動化し、数分で終わるようにしている。 エクセルに簡単な操作を書いてツールにD&Dすると完了する。 (ターミナルから実行も可能)

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複数サイトへの自動deployツール開発(実演) 内部動作は、該当pageのhtmlを取り込み、該当文字列が含まれるタグを検索、 内部で動的にxpathを生成して、それを使い入力やクリックさせている。 (javascriptで生成されるpageなどは通信の時間を加味して待ち時間など入れる必要アリ) 例1) をクリックしたいなら 「img.png」と指定してもいいし、「rc=“im 」でも。タグの文字列ならどこでもいい 例2)
ほげふが
なら 「ほげふが」でも「oge”>ほ」でも、どこでも。変更がかからなそうなところを選ぶ。 idやxpathの設定を必要としない ため、htmlの構造変化に強い。 12/14の技術書同人誌博覧会と BOOTHで販売予定 https://testerchan.booth.pm/ テスターちゃん5巻を描いていたら間に合わなそう…

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複数サイトへの自動deployツール開発 (おまけ:なぜかテストもできる)

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「テスターちゃん」の作成工程

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「テスターちゃん」の作成工程(大枠) まずは何の「話題」を取り扱うかを考える。 そこから描きたい大枠を列挙する。 列挙すると、大体の構成話数が見えてくる。 (描いている間に変動するけど) 細かなことは実際に4コマを書くときに考えるので キーワードレベルで考える。 「ふりかえり」!

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「テスターちゃん」の作成工程 1 お風呂でネタ出し 2 ノートで各コマに どんな内容を入れるか 概要を考える 3 ノートで各コマの セリフを具体的に考える アイディアはよく馬上枕上厠上(ばじょうちんじょう しじょう)で出ると言われていますが、私はお風呂で す。 「何を描きたいか」「4コマ目」をどうするか考えます (どういう流れで終わりに持っていくか) その後、各コマにどんな内容を入れるか概要を考えま す。 それらが終わった後は具体的なセリフを考え始めます。 コマ内容とセリフを同時に考えることもあります。

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「テスターちゃん」の作成工程 4 アタリを描く 使用ツールはClip Studio ネーム……というよりアタリ(補助線)を引きます。 ここで全体のコマ構成をまとめます。 目立たない色、ということで水色を使っています。

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「テスターちゃん」の作成工程 5 下書き 先に描いたアタリを参考に下絵を描きます。 私の場合、まだ頭の大きさと体の大きさのバランスが 取れなかったりするので、アタリから大きく外れたり します……。 色はなんとなくオレンジを使っています。 ちなみに4コマ目のポーズを大きく変えています。 理由は簡単で、描いているうちに完全に涼宮ハルヒの 構図になったので避けました。

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「テスターちゃん」の作成工程 6 セリフ入れ ペン入れより前にセリフを入れてしまいます。 目的は以下。 ・セリフ自体のバランスをとる。 ・セリフとキャラの位置を調整する。 ・セリフで隠れる部分のペン入れは省きたい。 4コマ目の絵の位置をずらしています。

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「テスターちゃん」の作成工程 7 ペン入れ ペン入れをします。 ほとんど下書きのままです。 「手」といったパーツはココで詳細化しています。 2コマで1時間ほど持っていかれます。 背景が入るとさらに時間がかかります。 肩こりになる作業です。

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「テスターちゃん」の作成工程 8 ベタ ベタ(黒)を入れます。 ベタを入れることで絵にメリハリが出ます。 この段階で髪の毛や服などの線を増やしています。

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「テスターちゃん」の作成工程 9 トーン貼り トーンを入れます。 髪は70線20%、服は70線60%です。 また、60%の場所は線もつぶれるので、境界線に消し ゴムを入れます。 髪もテカリ部分に消しゴムを入れます。 他、背景としてトーンを入れます。 レースのトーンがお気に入りです。

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「テスターちゃん」の作成工程 9 仕上げ セリフを表示し、全体的なバランスチェックをします。 文字だけの部分などはホワイトをバックに入れて見え やすくします。 全て終わった後は、思い付きで注釈を挟みます。 注釈を挟むときは次回マンガで説明しようとしている 部分を書かないように注意します。

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「テスターちゃん」1~4巻・英語版1巻、紙/電子ともに発売中! BOOTH(pixiv) Amazon(kindle)

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Thank you これからもテストのわかりやすい説明を ゆかいなキャラと共に描いていきます