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PMを孤立させない仕組みづくり ~ぼくたちの500日間戦争~ JBUG東京#13 LT 2019年12月12日 ARアドバンストテクノロジ株式会社 中野康雄 @yasuoyasuo

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自己紹介 twitter/note でPM関連コンテンツ更新中 良かったら覗いてみてください♥ 中野 康雄(なかのやすお) 兵庫県宝塚市出身 S49年生 ARアドバンストテクノロジ株式会社 取締役執行役員(事業担当) 兼TechCoE事業室長  全社戦略、事業管理、PJ品質管理 人材育成、中途採用、一部PJ業務 などを担当  元流通経済大学 非常勤講師 (Eビジネス論)  PMP/情報処理安全確保支援士  BacklogWorld2020運営チーム

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ってどんな会社? 創業11年目のSIer(独立系) 社員数350名、国内3拠点 (渋谷、大阪、名古屋) 仮想化、音声、クラウド基盤、 アプリケーションへと領域拡大 近年はクリエイティブや ITコンサルティングチームも拡充 BTC三位一体提供型の 次世代ファームを目指し奮闘中 ARI で検索!

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「PMを孤立させない仕組みづくり」 ~ぼくたちの500日間戦争~ 今日のテーマ

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まったく関係ございません 【お詫び】

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約500日間の 全社PJ品質改善に向けた取り組みを シェアさせてください

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今日のお話 • 始めたきっかけ • やったこと • 結果 • 今後の取組み • まとめ

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そもそものきっかけは

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2年前の炎上PJ

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自分も約4ヶ月間 リカバリーにどっぷり浸かった

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顧客への信頼失墜 経済的損害 そして 何より社員の離脱・・・

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辛いプロジェクトだった

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先のPJで起こっていたこと

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メンバーは自分の作業に没頭 パートナーは危機を察して 早々に離脱

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PMそしてPJとして孤立

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私も 過去同じように孤立してしまった 苦い経験があった・・・

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もうこんな悲劇を 繰り返してはならない

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全社タスクフォースを立ち上げ

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現場の問題分析から着手

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我々経営陣は決めた

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売上 < 品質

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「プロジェクト品質」 を会社の真ん中におく

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PMを会社組織として どう支えるか?

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PMに問題を抱え込ませない PMを孤立させない 2019年9月 全社PMO室を設立し活動開始

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合言葉は

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早く行きたいなら、一人で行け 遠くまでいきたいなら、みんなで行け by アフリカのことわざ

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②標準モニタリングの仕組み やったこと ③プロマネ標準の作成と導入 ⑤個別モニタリングの運用(PJハドル) ④PM研修と全社PMOポータル設置 ①変更管理の必須化

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②標準モニタリングの仕組み やったこと ③プロマネ標準の作成と導入 ⑤個別モニタリングの運用(PJハドル) ④PM研修と全社PMOポータル設置 ①変更管理の必須化

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問題の大半が 仕様の握りの甘さからくる 仕様変更や追加

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最前線で今も迫りくる実弾

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まずは各PJで チームを守る壁を築く

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この防御力にPJ差が出てはならない

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そこで

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請負契約案件の全見積提 案に添付を必須化 (これがないと見積承認しない) ①変更管理の必須化 変更要求を受け付ける 標準テンプレBacklogを用意 全社公開&提供 (課題のテンプレ機能を利用) (変更管理用のカスタム属性も用意)

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①変更管理の必須化 詳細はアドベンドカレンダー12/18にて

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②標準モニタリングの仕組み やったこと ③プロマネ標準の作成と導入 ⑤個別モニタリングの運用(PJハドル) ④PM研修と全社PMOポータル設置 ①議事録と変更管理の必須化

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大火事になる前に まずボヤを把握できる仕組みを作る

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④KPI ③PJメンバ評価 ②リスク状況一覧(月1更新) ①PJ利益率推移 PM:プロジェクトマネジメント標準フォーマット使用 全社PMO PM・部門長・役員 PMO:KPI集計 アラート (リスク管理) ⑤ヒアリング 請負X千万以上 要望ベース ファシリテーター(全社PMOメンバ) PM PMO 部長 /U長 対策協議 (組織でのPJ管理) ②標準モニタリングの仕組み 基幹S 基幹S 全社員が月次勤怠登録時に アサインPJに対して状況評価

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②標準モニタリングの仕組み やったこと ③プロマネ標準の作成と導入 ⑤個別モニタリングの運用(PJハドル) ④PM基礎研修 ①議事録と変更管理の必須化

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③プロマネ標準の作成と導入 正直少しオーバースペックな面もある

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将来に備えて 本来やるべきことを知った上で いまPJでどうすべきかを 各PMに考えてもらうため

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②標準モニタリングの仕組み やったこと ③プロマネ標準の作成と導入 ⑤個別モニタリングの運用(PJハドル) ④PM研修と全社PMOポータル設置 ①議事録と変更管理の必須化

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幹事をやったことがない人ばかりの宴会は 仕切るのが大変

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④PM基礎研修 PMの仕事を 全員が知っていれば PMはもっとやりやすくなる はず

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45 ガイドライン/テンプレートは 社内イントラにすべて格納 ④全社PMOポータル

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「PMのすべてを置いてきた!」 とは言わないが

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プロジェクトマネジメントで 困ったらまずここを見よう という拠り所作った

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②標準モニタリングの仕組み やったこと ③プロマネ標準の作成と導入 ⑤個別モニタリングの運用(PJハドル) ④PM研修と全社PMOポータル設置 ①議事録と変更管理の必須化

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本来PJの品質管理責任は 技術組織上長

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ただPMと上長の関係性は 部門により様々

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ときには誰かが 間を取り持つことが 効果的なときもある

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PM PL PMO PL 営業 部長/課長 事業部長 役員 部長/課長 事業部長 PMチーム 報告&レビューの関係ではなく 問題解決チームの一員として参加 (必要に応じ客先にも出向く) • 全社PMOによるファシリテーションの元、 主幹部署の上長とPMチームが隔週または 月1程度で定期的な問題解決の場を持つ (緊急招集有) • PJ解像度を高めると同時に、体制強化や 組織的な顧客交渉など、PJチーム単独で 解決できない問題を解決する。 ファシリテーター (全社PMOメンバ) PM PMO 部長/事業部長 “PJ Huddle” メンバーは 最大7名程度 ⑤個別モニタリングの運用(PJハドル)

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40件以上から減らなかった課題が 常時5件以内に減った案件 6ヶ月解決しなかった問題が このハドルを開催したことで 1ヶ月で解決した案件

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この500日間 ざっとこんな施策をやってきた

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結果どうだったか? • 赤字案件の撲滅 • 請負PJ収益率○%アップ(現場の成果) • トラブル起因の退社ゼロ • 支援相談の増加 会社の仕組みとしてようやく定着してきた

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今後の取組み • PM標準の継続的拡張 • 各部門への更なる浸透 「品質アンバサダー」を任命 • PM教育の拡張と継続 などなど

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まとめ PMを孤立させない仕組みによって 全プロジェクトの品質向上に取り組み中 PMの心理的安全性を担保することが PJメンバーの心理的安全性につながるはず PJが孤立し PMが問題を抱え込むことが最大のリスク

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各PMやプロジェクトチームを 会社として全力で支える そんな組織でありたいと考えています

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早く行きたいなら、一人で行け 遠くまでいきたいなら、みんなで行け by アフリカのことわざ

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全社PMOチームメンバーに 心から感謝

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最後に

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PJ品質を高めるために 優秀な仲間も欠かせません

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エンジニア・クリエイティブ・PM・ITコンサル 全職種仲間を募集中

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今日のお話が 皆様の何かお役に立てれば幸いです ご清聴ありがとうございました

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PMを孤立させない仕組みづくり ~ぼくたちの500日間戦争~ <完> JBUG東京#13 LT 2019年12月12日 ARアドバンストテクノロジ株式会社 中野康雄 @yasuoyasuo