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非IT企業でデータ利活用を推進したときの 課題と取り組みについて よしむら@データマネジメント担当 2022/5/17

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自己紹介 • Takeru Yoshimura(よしむら@データマネジメント担当) • 経歴は某メガベンチャーであれこれ • 広告PF開発→金融メディアのPdM→ • グループ会社にてCDO室の立ち上げ • 転職の狭間で、今は有給消化中 @yoshimura_datam Twitter note Kindle (noteの内容まとめ)

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グループ会社でCDO室立ち上げのきっかけ それは親会社から 「データがバンス体制の強化のため、子会社にCDOを設置すること」 という鶴の一声だった (参考事例)Zホールディングス 「グローバルなデータガバナンスに関する特別委員会」 最終報告書受領および今後のグループガバナンス強化について 連邦型オペレーティングモデル DMBOKより

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その時のグループ会社の状況 まさに、DXレポートで課題があると謳われているような状況 ü 紙、電話ベースの業務が大半 ü KKDによる意思決定 ü COBOLベースの基幹システム ü ベンダーロックイン ü 業務のベテランが多い ü トップダウンによる指示 DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~より

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CDOと方向性の認識合わせ u CDOと方向性の認識合わせ CDOと2名体制で開始。 データマネジメントをベースにデータドリブン企業へ 変革させる事で認識合わせる。 DMBOKを読み、変革するための計画の策定。 u CDO室と各本部の関係性を決めた CDO室:データマネジメントを行う部門 各本部:マネジメントされた環境を使いビジネスに活かす

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データドリブン企業のビジョンの作成 全社員が自社の データの事を事業 と同様に理解して おり、データ環境が 整っている 【データ環境】 モダンなデータ環境を整えて不便なく利用できるようにする データを活用して ビジネス変革している CDO室 視点 各本部 視点 【ビジネス変革】 データ利活用により、既存ビジネスが変革している 【業務改善】 紙ベース、または手作業の業務がデジタル化され、データが使える 【ナレッジ・文書管理】 データに関するナレッジが人に紐づいておらず、誰もが使える 【文化・組織】 データドリブンな意思決定を行うことが組織として根付いている

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データドリブン企業への組織立ち上げ u 横断組織の結成 データドリブン企業へのビジョン・戦略について経営陣に説明。 各本部よりデータ有識者をアサインしてもらい 横断的なデータガバナンス組織の結成。 u データ業務の改善活動の開始 CDO室:とにかくヒアリング&支援 各本部:Officeを中心とした業務改善

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立ち上げ時の取り組み内容と見えた課題 DWHはあるが、システム制約上CSVしか吐き出せない 既存データ基盤の調査 データ基盤の企画 CDO室 視点 各本部 視点 ビジネスにデータ利活用 を組み込む Excel,Accessの業務改善 データ規定の作成 データガバナンス体制構築 機運アセスメントの実施 成熟度アセスメントの実施 そもそも何かを「企画」したことがない、KKD,場当たり的 属人的で、組織だって整備する経験が無い ”カイゼン”レベルの取り組みで、骨太な施策に活かせない 業務実施者が手順のみで目的を理解していない 【データ環境】 【文化・組織】 【ナレッジ・文書管理】 【ビジネス変革】 【業務改善】

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計画の実行 GCPデータ基盤の構築 u GCPデータ基盤の構築 既存のデータ基盤の問題を提言。 データ基盤のモダン化と内製化を推進 u 各本部へGCPデータ基盤の浸透 CDO室:GCP&データカタログの整備 各本部:GCPを使った集計の自動化 システムA システムB システムC オンプレDWH csv イントラネット GCP

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実行時の取り組み内容と見えた課題 基盤を構築とデータ統合の必要性について理解が低い データ基盤の構築 データの統合 CDO室 視点 各本部 視点 レポートの自動化 Excel,Access を業務をノーコード化 データカタログの整備 ルールを定める コミュニケーションの確立 全社への教育・啓蒙 現場業務が忙しく新たな取り組みに対する意欲が低い 利用者はカタログを整備するモチベーションが低い リネージがわかららずソースからレポートを作れない 既存業務フローが変化することへのモチベーションが低い 【データ環境】 【文化・組織】 【ナレッジ・文書管理】 【ビジネス変革】 【業務改善】

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計画の実行 経営への提言 u 経営への提言 現状ではデータ集計は簡単にできないこと。 及び人的リソース含めたデジタルへの投資を行わないと成功しないことを提言。 u GCPのビジネス利用 CDO室:進めやすい人がいる部門を重点的に支援、成果を広報 各本部:データ分析プロジェクト、要支援という状況から自立へ

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3年間で行った推進内容 CDO室 視点 各本部 視点 立ち上げ 実行 浸透 既存データ基盤の調査 データ基盤の企画 ビジネスにデータ利活用 を組み込む Excel,Accessの業務改善 データ規定の作成 データガバナンス体制構築 機運アセスメントの実施 成熟度アセスメントの実施 【データ環境】 【文化・組織】 【ナレッジ・文書管理】 【ビジネス変革】 【業務改善】

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まとめ u推進してきて思ったこと ü 周りに成果でないから辞めようと言われるので粘り強く取り組む事が必要 ü 経営者のやる気を引き出すのが重要、現場は横の組織からの提案より上司か らの指示に従う ü コミュニケーションが増えると、組織に必要性の実感が沸く ü データスチュワードを定着させるのは役職にするのがよさそう ü 人によって意欲が違うので、意欲ある人を見つけるのがよい