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2年弱で5つのプロダクトが立ち上がる中での 組織の変化と現場が向き合うハードシングス @sh_komine 小峯 祥平 2022.10.17

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 2 自己紹介 小峯 祥平 Shohei Komine (@sh_komine) 株式会社LayerX バクラク事業部 Engineering Manager・Tech Lead LayerXに2021/08入社後、 一貫して「バクラク申請・経費精算」を担当 入社後、役割が変わり続ける エンジニア => TechLead => Leader・TechLead => EngineeringManager・TechLead この度は弊社役員より、 「ハードシングスといえばkomineさん」との指名を頂き、登壇することに

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 3 話すこと・話さないこと 話すこと - バクラク事業について - 2年弱でのプロダクトと組織の変化 - 自分自身が現場で向き合ってきたハードシングス 話さないこと - ブロックチェーンからSaaSにピボットした話 - LayerXはブロックチェーンの会社じゃありません、という話 - 組織全体の話 - バクラクの爆速開発を支えるチームとアーキテクチャ - リリースから2年。爆速開発を支えるバクラクの組織とアーキテクチャ

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バクラク事業について

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 5 バクラク事業 企業活動のインフラとなる法人支出 管理(BSM)SaaSを開発・提供 LayerXの提供プロダクト Fintech事業 ソフトウェアを駆使したアセットマネ ジメント・証券事業を合弁会社にて 展開 PrivacyTech事業 パーソナルデータの利活用とプライ バシー保護を両立するソリューション の提供

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圧倒的に使いやすいプロダクトで わくわくする働き方を。 企業活動を支えるコーポレート業務は、ミスができない難しい業務。 バクラクはそんな業務の負担を少しでも軽くし、日常の業務がわくわくするような体験を届けます。 使いやすさへの圧倒的なこだわりと、深い顧客理解で業務効率化を実現。 手作業、ハンコ、紙のやり取りから脱却し、事業と組織を支える本来の仕事に向き合えるようサポートします。

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* 経費精算のSlack連携は申請内容の通知のみ 稟議・支払申請・経費精算・ワークフロー ・AIが請求書を5秒でデータ化 ・承認はチャットアプリから ・シームレスな内部統制構築 仕訳・支払処理効率化 ・AIが請求書を5秒でデータ化 ・仕訳データを自動学習、 手入力ゼロへ ・改正電子帳簿保存法に対応 ・利用料無料 ・即時追加発行 ・最大1億円決済可能 法人向けクレジットカード ・無料で始められる ・手入力ゼロで証憑管理 ・改正電子帳簿保存法に対応 帳票保存・ストレージ バクラクシリーズラインナップ

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バクラクのサービスコンセプト 法人の支出管理をなめらかに、一本化する 現場〜管理まで業務を一本化し、法令対応も完了。業務効率化と法令対応の両立を実現 回収 稟議 承認 データ 入力 仕訳/支払 データ作成 保管/税務・監査対応 会計ソフト反映 デジタル受取 AI OCR スマホ・Slack 自動入力 自動入力 AIで経費申請の 手入力をゼロへ API連携自動出力 クラウド管理・電子帳簿 保存 利用する“前後”の 業務もラクになる 支払

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2年弱でのプロダクトと組織の変化

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 10 バクラクシリーズのリリースと組織の拡大 ● 2年弱の間に5つのプロダクトをリリース ● プロダクト開発人員は 数名 =>40名弱へ (エンジニア、デザイナー、QA、PMなど) 2021年 2022年 2021/01 2021/04 2021/11 2022/05 2022/08

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 11 組織図 (入社した 2021/08 時点) バクラク 申請 DevOps AI-OCR Design バクラク 請求書 ● 2つめのプロダクト『バクラク申請』を立ち上げたフェーズ ● CTO含む特定のエンジニアがPdMを兼任している状態 ● 自分は 『バクラク申請』 チームに3人目としてジョイン (CTO兼PdM、+TechLead + komine) プロダクト チーム 横断チーム プロダクト部 3名 2名 + komine 3名 1名 1名 Domain Expert 1名 QA 3名 計10名強 ※ 人数は業務委託やインターンも含む概算人数です

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 12 組織図 (2022.11 現在) バクラク 申請・経費精算 QA AI-OCR Design バクラク 請求書 バクラク 電子帳簿 保存 Domain Expert バクラク カード DevOps ● 各プロダクトにPdM、EngineeringManagerをアサイン、基本の意思決定はプロダクト内で完結 ● プロダクト横断のチームが複数あり、各プロダクトチームをサポートする体制 プロダクト チーム 横断チーム プロダクト部 4名 7名 4名 5名 2名 5名 2名 8名 2名 計40名弱 ※ 人数は業務委託やインターンも含む概算人数です Enabling 3名

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現場で 向き合うハードシングス

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 14 ハードシングスへの向き合い方 CTO 1名 エンジニア 2名 3名 1名 2名 1名 5名 「この困難を乗り切るのに、何にでも効く銀の弾丸はない。 あるのは鉛の弾丸だけだ」 ベン ホロウィッツ. HARD THINGS ということで、 現場で向き合ったハードシングスと共に 自分が必死に撃った大量の 『鉛の弾丸』 をご紹介

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 15 ハードシングス1: 阿吽の呼吸の組織に新入社員が溶け込む 背景 ● 1年以上新入社員がいなかった中で採用が再開したフェーズで入社 ○ 元いたメンバーは事業立ち上げを経験していて、コンテキストが揃っていて 「阿吽の呼吸」 で開発 ○ 社内ドキュメントは大量にあるものの、最新の状態に保たれていなかったり辿り着けない ● ストロングな開発スタイル ○ ユーザーストーリー1,2行のタスクをエンジニアをアサイン ○ 仕様含めバックエンド・フロントエンド横断で一人のエンジニアが作り切る => オンボーディングの難易度が高く、新メンバーがなかなかうまく定着しづらい状態 2021年 2022年 2021/01 ◎ 2021/04 ◎ 2021/11 ◎ 2022/05 ◎ 2022/08 ◎ 2021/8入社

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 16 ハードシングス1: 阿吽の呼吸の組織に新入社員が溶け込む 撃った鉛の弾丸 (= 行ったアクション) ● 開発の1メンバーとして素早くオンボするために、、、 ○ 開発タスクは 「とにかく早く、何度もフィードバックを多くもらう」 を意識して数をこなす ○ 商談動画などを見て、プロダクトの背景を理解する ● 新入社員だからこそできる、ドキュメント整備 ○ 新入社員目線で辿れるように、開発ポータルを整理する ○ 自分の方が知っていること をドキュメント化 ■ ex. NotionのTips ○ 既存メンバーの方が知っているが言語化されていないこと をドキュメント化 ■ ペアプロなどを通じて、良いプラクティスを盗み、言語化・ドキュメント化 結果、乗り越えた => 自分のオンボだけでなく、次のメンバーのオンボコストを減らすことにも繋がった

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 17 ハードシングス2: 入社3ヶ月後までに一人でプロダクトを回せるようになる 背景 ● 『バクラク申請』 の開発メンバーが 3名(CTO兼PdM と Tech Lead と komine) から1名に ○ TechLeadの2ヶ月後の退職が決定 ○ CTOは法対応のビッグウェーブに乗るために、 「電子帳簿保存法」の開発が最優先 ● 『バクラク申請』 のユーザーは徐々に増えており、エッジケースのバグが日に日に顕在化 => プロダクトの増加に組織・採用が追いついていないので、   TechLeadの退社までに 「一人でプロダクトを回せるようになる」 しかない 2021年 2022年 2021/01 ◎ 2021/04 ◎ 2021/11 ◎ 2022/05 ◎ 2022/08 ◎ 入社1-3ヶ月後

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 18 ハードシングス2: 入社3ヶ月後までに一人でプロダクトを回せるようになる 撃った鉛の弾丸 (= 行ったアクション) ● プロダクトのドメインやシステムを理解するために、、、 ○ DBスキーマからドメインモデル図を作成 => TechLeadにフィードバックを何度も受けながら、 ドメインをひたすら言語化・見える化する ○ 問い合わせの1次対応は極力巻き取り、フィードバックを受ける ○ わからない箇所はTechLeadを捕まえて、ペアプロで思考回路をトレースさせてもらう ● 運用を安定化させて、開発の時間を増やすために、、、 ○ フロントエンドのログを強化し、 問い合わせ時にユーザーの照合をしやすく ○ エッジケースのバグは調査用ログを一つずつ仕込んで、 地道に潰す ○ フロントエンドの処理を適宜バックエンドに移して、テストコードで品質担保 結果、乗り越えた => 一人で運用を回しつつ、機能追加も一定できるようになった CTOは 『バクラク電子帳簿保存法』 に集中し、無事にリリース 🎉 自身の役割もTechLeadになり、開発の意思決定は行うように

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 19 ハードシングス3: プロダクトをCTOから完全に独立させ、チーム化する 背景 ● 2022/03 時点の 『バクラク申請』 チームの状況 ○ 意思決定はまだ CTO兼PdM に依存し、開発はkomineのみ ○ 新しく専任のPdMがジョイン ● 『バクラク申請』 はユーザーが順調に増加、 シリーズの主要プロダクトに成長、 今後のチーム拡大が必須 ● バクラク事業部として、 『バクラク経費精算』 や 『バクラクビジネスカード』 を立ち上げる意思決定 => プロダクトをCTOから完全に独立させ、チーム化しなければ、 組織がスケールしない 2021年 2022年 2021/01 ◎ 2021/04 ◎ 2021/11 ◎ 2022/05 ◎ 2022/08 ◎ 2022/03 〜2022/10

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 20 撃った鉛の弾丸 (= 行ったアクション) ● 意思決定を CTO => チーム に委譲するために、、、 ○ 『NoじゃなきゃGo』 の精神で、一次意思決定は全てPdMと自分で行う ○ 『FactBase』 で意思決定の観点や過程をまとめ、説明責任を果たす ● 開発チームのスループットを上げるために、、、 ○ エンジニア1=>4名と急増する中で確実にオンボする ■ 「現在のアーキテクチャ ・ 今後の指針」などをドキュメント化し、 メンバーが困った時に参照できる先をつくる ■ 1on1で各メンバーの期待値の調整、 課題を言語化を徹底サポートをする ○ 自分もメンバーに権限委譲する ■ 各メンバーの得意分野では 『NoじゃなきゃGo』 で権限委譲 ■ 自分はその壁打ち相手になり続けることで、メンバーが自律してチャレンジすることを支援 結果、乗り越えた => CTOからチームへ完全に権限移譲が完了し、独立したチームとして開発スピードも出るように! CTOは『バクラク経費精算』 、 『バクラクビジネスカード』 に集中し、無事リリース 🎉 自身の役割も EngineeringManager・TechLead になった ハードシングス3: プロダクトをCTOから完全に独立させ、チーム化する

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 21 まとめ 自分が現場で向き合った3つのハードシングスとその向き合い方をご紹介しました 1. 阿吽の呼吸の組織に新入社員が溶け込む 2. 入社3ヶ月後までに一人でプロダクトを回せるようになる 3. プロダクトをCTOから完全に独立させ、チーム化する 自分のやり方が正解かはわかりませんし、 行ったアクションはどれも「銀の弾丸」ではないと思います メンバーの一人一人が知恵を絞って、凡事徹底、 『鉛の弾丸』 を打ち続けることが、 プロダクトや組織のグロースを支える 3名 1名 2名 1名 5名

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ハードシングスはまだまだ続く、、、。

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 23 これからのハードシングス: 各チームが連動し、最大価値を届け続ける組織へ 個々のプロダクトチームは独立し、個別に意思決定はできているが、、、 ● 増える大型の横断プロジェクトとシステム間データ連携 ● EnablingTeamと共にマイクロサービスを基軸とした新アーキテクチャへの変更に挑戦 ● 更なる新プロダクト立ち上げをCTOに頼らずできるか => 課題はまだまだたくさんある、、、。

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皆さんの力が必要です…! 最高のプロダクトと体験をつくり、 ハタラクをバクラクにしたいメンバーを募集しています! (ポジションは全方位です) https://jobs.layerx.co.jp/

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圧倒的に使いやすいプロダクトで わくわくする働き方を。 企業活動を支えるコーポレート業務は、ミスができない難しい業務。 バクラクはそんな業務の負担を少しでも軽くし、日常の業務がわくわくするような体験を届けます。 使いやすさへの圧倒的なこだわりと、深い顧客理解で業務効率化を実現。 手作業、ハンコ、紙のやり取りから脱却し、事業と組織を支える本来の仕事に向き合えるようサポートします。