Slide 1

Slide 1 text

テストコードを 書き始める前に 考えるべきテストの話 ブロッコリー( @nihonbuson ) https://www.pexels.com/photo/man-wearing-black-and-white-stripe-shirt-looking-at-white-printer-papers-on-the-wall-212286/

Slide 2

Slide 2 text

自己紹介 ● 株式会社ビズリーチ ○ QA基盤推進室 ○ QA Evangelistチーム ● 社外活動 ○ WACATE実行委員 ○ JaSST Review 実行委員長 ○ ASTER正会員 ○ Agile Testing Fellow会員 ■ https://agiletestingfellow.com/ ↓Twitterアイコン 風間 裕也(@nihonbuson)

Slide 3

Slide 3 text

アジェンダ はじめに テストの目的 何をテストすべきか どうやってテストケースを作るのか どうやって「ともにつくる」のか おまけ

Slide 4

Slide 4 text

はじめに https://www.pexels.com/photo/young-game-match-kids-2923/

Slide 5

Slide 5 text

この発表の注意事項 ● テストの話にかける時間数 ○ 社内の新人研修…丸2日 ○ デブサミ …45分 ● 本来話したい内容の1/15程度しかありません! ● もっと詳しく話を聞きたい方、 今日参加してない人にも伝えたい方、 講演後、お気軽に話しかけてください!

Slide 6

Slide 6 text

この発表の注意事項 ● 話さない内容 ○ テストコードの書き方 ○ TDDのやり方 ○ 自動テストの設計方法 ● 話す内容 ○ テストの目的とは何か ○ テストファーストで行うことの本当の良さ ○ 何をテストすれば良いのか

Slide 7

Slide 7 text

こんな経験していませんか? 開発はできたけど、 テストをどうやれば良いのか 分からないよ…。 リリースしてから トラブルがいっぱい 起きるなぁ…

Slide 8

Slide 8 text

こんな経験していませんか? 開発はできたけど、 テストをどうやれば良いのか 分からないよ…。 リリースしてから トラブルがいっぱい 起きるなぁ… 品質やテストのことを学べば 解決できるかもしれない︕

Slide 9

Slide 9 text

今日話す内容は… QA(Quality Assurance=品質保証) チームはどういう動きをするか

Slide 10

Slide 10 text

今日話す内容は… QA(Quality Assurance=品質保証) チームはどういう動きをするか ↓ 開発者はどんなことをすべきか

Slide 11

Slide 11 text

アンケート

Slide 12

Slide 12 text

No content

Slide 13

Slide 13 text

No content

Slide 14

Slide 14 text

テストの目的 https://jp.freeimages.com/photo/on-target-1504936

Slide 15

Slide 15 text

テストの目的とは何か? 欠陥の検出 対象ソフトウェアの品質レベルが十分であることの確認 意思決定のための情報の提示 欠陥の作り込みの防止 実装前に行うこともある ISTQBテスト技術者資格制度 Foundation Level シラバス 日本語版 Version 2011.J02より http://jstqb.jp/dl/JSTQB-SyllabusFoundation_Version2011.J02.pdf TDDでの検知、リリース判断、ユーザーの利用判断など… テストの7原則①テストは「⽋陥がある」ことしか⽰せない

Slide 16

Slide 16 text

なぜ実装前にテスト・レビューをするのか 仕様誤りの修正コスト 要求仕様 設計 実装 テスト リリース後 1倍 5倍 10倍 20倍 200倍! 出典: Alan M. Davis. ソフトウェア開発 201の鉄則. 日経BP社

Slide 17

Slide 17 text

なぜ実装前にテスト・レビューをするのか 仕様誤りの修正コスト 要求仕様 設計 実装 テスト リリース後 1倍 5倍 10倍 20倍 200倍! 出典: Alan M. Davis. ソフトウェア開発 201の鉄則. 日経BP社 修正コストを下げるには…(1) 素早くリリースしてフィードバックをもらい、 すぐに修正できる体制にする

Slide 18

Slide 18 text

なぜ実装前にテスト・レビューをするのか 仕様誤りの修正コスト 要求仕様 設計 実装 テスト リリース後 1倍 5倍 10倍 20倍 200倍! 出典: Alan M. Davis. ソフトウェア開発 201の鉄則. 日経BP社 修正コストを下げるには…(2) 早い段階で不具合を発見する

Slide 19

Slide 19 text

何をテストすべき か https://jp.freeimages.com/photo/target-1306247

Slide 20

Slide 20 text

例題 ● パスワードは4文字以上12文字以下の 英数字のみを許容する。 ● パスワードを3分以内に4回以上 間違って入力すると、 アカウントを5分間ロックする。 http://www.slideshare.net/takashiyamasaki378/ss-55384920 https://www.pexels.com/photo/man-in-brown-shirt-writing-on- notebook-3202028/

Slide 21

Slide 21 text

例題 http://www.slideshare.net/takashiyamasaki378/ss-55384920 あなたが考えた ● テスト内容 ● 気になった内容 ● 起こりそうなバグ をどこかにメモして ください。 ● パスワードは4文字以上12文字以下の 英数字のみを許容する。 ● パスワードを3分以内に4回以上 間違って入力すると、 アカウントを5分間ロックする。 https://www.pexels.com/photo/man-in-brown-shirt-writing-on- notebook-3202028/

Slide 22

Slide 22 text

例題 ● 2人組を作ってください。 ● お互いに何を書いたのか 説明してください。 https://www.pexels.com/photo/man-working-on-laptop-while-woman-takes-notes-3153199/

Slide 23

Slide 23 text

回答例 パスワードは4文字以上12文字以下の 英数字のみを許容する。 パスワードを3分以内に4回以上間違って入力すると、 アカウントを5分間 ロックする。 文字列長 文字種 誤入力期間 誤入力回数 ロック保持期間 状態遷移

Slide 24

Slide 24 text

回答例 パスワードは4文字以上12文字以下の 英数字のみを許容する。 パスワードを3分以内に4回以上間違って入力すると、 アカウントを5分間 ロックする。 文字列長 文字種 誤入力期間 誤入力回数 ロック保持期間 状態遷移 許容しないとどうなる? (ボタン制御orエラー画面) 5回目の入力はどうなる?

Slide 25

Slide 25 text

設計・開発時点

Slide 26

Slide 26 text

テスト時点

Slide 27

Slide 27 text

テスト時点 追加コストが発生!

Slide 28

Slide 28 text

回答例 パスワードは4文字以上12文字以下の 英数字のみを許容する。 パスワードを3分以内に4回以上間違って入力すると、 アカウントを5分間 ロックする。 文字列長 文字種 誤入力期間 誤入力回数 ロック保持期間 状態遷移 許容しないとどうなる? (ボタン制御orエラー画面) 5回目の入力はどうなる?

Slide 29

Slide 29 text

伝えたいこと ● 隣の人はあなたが気づかなかったことを 知っていませんでしたか? ○ お互いにテスト内容についても議論しましょう!

Slide 30

Slide 30 text

伝えたいこと ● 隣の人はあなたが気づかなかったことを 知っていませんでしたか? ○ お互いにテスト内容についても議論しましょう! ● この例では1文字もプログラムを書いていません! ○ 実装前にテストすることができる例です。 ○ もしもこの時点で指摘できれば 総コストは削減できるでしょう。 ■ 今回の場合、「許容する」をこの時点で 話し合うと、ほぼ不具合が発生しません。

Slide 31

Slide 31 text

テストの目的とは何か?(再掲) 欠陥の検出 対象ソフトウェアの品質レベルが十分であることの確認 意思決定のための情報の提示 欠陥の作り込みの防止 実装前に行うこともある ISTQBテスト技術者資格制度 Foundation Level シラバス 日本語版 Version 2011.J02より http://jstqb.jp/dl/JSTQB-SyllabusFoundation_Version2011.J02.pdf#page=14 TDDでの検知、リリース判断、ユーザーの利用判断など…

Slide 32

Slide 32 text

なぜ実装前にテスト・レビューをするのか(再掲) 仕様誤りの修正コスト 要求仕様 設計 実装 テスト リリース後 1倍 5倍 10倍 20倍 200倍! 出典: Alan M. Davis. ソフトウェア開発 201の鉄則. 日経BP社 修正コストを下げるには…(2) 早い段階で不具合を発見する

Slide 33

Slide 33 text

どうやって テストケースを 作るのか https://jp.freeimages.com/photo/check-list-1150080

Slide 34

Slide 34 text

例題:テストケースはいくつ? パスワードは4文字以上12文字以下 1文字、2文字、3文字…100文字 テストの7原則②全数テストは不可能 膨大な数の テストケース

Slide 35

Slide 35 text

テストケース作成の心得 テストケース作成者「○○○のテストをします!」 司会者「ほぉ~、それはどうしてだい?」 テストケース作成者「【理由を一言】」

Slide 36

Slide 36 text

境界値分析で考える 12 4 有効 無効 無効 3 13

Slide 37

Slide 37 text

境界値分析で考える 「パスワードが4文字以上12文字以下」で なぜ3,4,12,13をテストするのか? if( x < 3 ){ return “入力したパスワードが短いです”; }

Slide 38

Slide 38 text

境界値分析で考える 「パスワードが4文字以上12文字以下」で なぜ3,4,12,13をテストするのか? if( x < 3 ){ return “入力したパスワードが短いです”; } 上記の例で、不等号のミスによる不具合を 発見できるのは、3の時だけ!

Slide 39

Slide 39 text

カバレッジは100%だけど… public boolean judge (int x) { if( x < 3 ){ return false; } else if( x > 13 ){ return false; } return true; } @Test public void test_short_password{ assertThat( judge(2), is(false)); } @Test public void test_long_password{ assertThat( judge(15), is(false)); } @Test public void test_valid_password{ assertThat( judge(7), is(true)); }

Slide 40

Slide 40 text

カバレッジは100%だけど… public boolean judge (int x) { if( x < 3 ){ return false; } else if( x > 13 ){ return false; } return true; } @Test public void test_short_password{ assertThat( judge(2), is(false)); } @Test public void test_long_password{ assertThat( judge(15), is(false)); } @Test public void test_valid_password{ assertThat( judge(7), is(true)); }

Slide 41

Slide 41 text

カバレッジは100%だけど… public boolean judge (int x) { if( x < 3 ){ return false; } else if( x > 13 ){ return false; } return true; } @Test public void test_short_password{ assertThat( judge(2), is(false)); } @Test public void test_long_password{ assertThat( judge(15), is(false)); } @Test public void test_valid_password{ assertThat( judge(7), is(true)); }

Slide 42

Slide 42 text

カバレッジは100%だけど… public boolean judge (int x) { if( x < 3 ){ return false; } else if( x > 13 ){ return false; } return true; } @Test public void test_short_password{ assertThat( judge(2), is(false)); } @Test public void test_long_password{ assertThat( judge(15), is(false)); } @Test public void test_valid_password{ assertThat( judge(7), is(true)); }

Slide 43

Slide 43 text

カバレッジは100%だけど… public boolean judge (int x) { if( x < 3 ){ return false; } else if( x > 13 ){ return false; } return true; } @Test public void test_short_password{ assertThat( judge(2), is(false)); } @Test public void test_long_password{ assertThat( judge(15), is(false)); } @Test public void test_valid_password{ assertThat( judge(7), is(true)); }

Slide 44

Slide 44 text

欠陥は局所的に発生する テストの7原則④欠陥の偏在 12 4 有効 無効 無効 3 13

Slide 45

Slide 45 text

もう1箇所テストできるならば… テストの7原則④欠陥の偏在 12 4 有効 無効 無効 3 13

Slide 46

Slide 46 text

0文字はnull処理などの可能性がある テストの7原則④欠陥の偏在 12 4 有効 無効 無効 3 13 0

Slide 47

Slide 47 text

テストケース作成の心得(再掲) テストケース作成者「○○○のテストをします!」 司会者「ほぉ~、それはどうしてだい?」 テストケース作成者「【理由を一言】」

Slide 48

Slide 48 text

テスト実施の前にも段階的に行う内容がある http://aster.or.jp/business/contest/doc/2020_U-30_V1.0.0.pdf#page=65

Slide 49

Slide 49 text

テスト実施の前にも段階的に行う内容がある http://aster.or.jp/business/contest/doc/2020_U-30_V1.0.0.pdf#page=65 パスワードの例題

Slide 50

Slide 50 text

テスト実施の前にも段階的に行う内容がある http://aster.or.jp/business/contest/doc/2020_U-30_V1.0.0.pdf#page=65 境界値分析の例

Slide 51

Slide 51 text

どうやって 「ともにつくる」のか https://www.pexels.com/photo/woman-in-black-coat-1181346/

Slide 52

Slide 52 text

QAチームは何をするの? これだけテストが充実できれば QAチームは必要ないのでは?

Slide 53

Slide 53 text

QAチームは何をするの? これだけテストが充実できれば QAチームは必要ないのでは? →まだまだ必要なことが多いです。QAは 1. システムテストレベルを見たい! 2. CheckingではなくTestingを行いたい! 3. テスト以外も行いたい! ※QAチームが無い場合、誰かor全員が担うべき

Slide 54

Slide 54 text

QAチームはシステムテストレベルを見たい! ● 単体テスト ○ 商品の個数欄にマイナス値は入力できない ● 結合テスト ○ カートに3個入っていて、2個追加したら、 確認ページで5個になった。 ● システムテスト ○ 会員登録→商品購入→商品キャンセル→退会の 一連の流れ EC サイト の例

Slide 55

Slide 55 text

QAチームはシステムテストレベルを見たい! ● 単体テスト ○ 商品の個数欄にマイナス値は入力できない ● 結合テスト ○ カートに3個入っていて、2個追加したら、 確認ページで5個になった。 ● システムテスト ○ 会員登録→商品購入→商品キャンセル→退会の 一連の流れ QAチームは ここをやりたい!

Slide 56

Slide 56 text

QAチームはシステムテストレベルを見たい! ● 単体テスト ○ 商品の個数欄にマイナス値は入力できない ● 結合テスト ○ カートに3個入っていて、2個追加したら、 確認ページで5個になった。 ● システムテスト ○ 会員登録→商品購入→商品キャンセル→退会の 一連の流れ 開発者は ここをやりきって!

Slide 57

Slide 57 text

QAチームはTestingをしたい! https://www.infoq.com/jp/news/2009/12/testing-or-checking

Slide 58

Slide 58 text

QAチームはTestingをしたい! https://www.infoq.com/jp/news/2009/12/testing-or-checking Checking 意図通り動くか確認する作業 Testing なんとかして製品を破壊する作業

Slide 59

Slide 59 text

QAチームはテスト以外も行いたい! 私の 経験

Slide 60

Slide 60 text

QAチームはテスト以外も行いたい!

Slide 61

Slide 61 text

Agile Testing Condensedの例 QA=「Question Asker」という考え方 ● 誰も質問しないと思う質問を定期的に出す ● 自由回答形式の質問もする ○ 隠れた仮定が明らかになる ○ 質問例 ■ 実装しても問題解決できない可能性はあるか? ■ この機能の使用前にユーザーは何をするか? ■ その後、ユーザーは何をするか?

Slide 62

Slide 62 text

QAチームはテスト以外も行いたい!

Slide 63

Slide 63 text

GmailチームのTE(Test Engineer)の例 ● 最初の数週間は話を聞くために費やし、 自分からは話しません。 ● 私は最初の5分で抗生物質を処方する医者 のような人とは働きたくありません。 ● 長年のうちに、もっとも強力な問いは 「なぜ?」だということを学びました。 話を聞く段階でもそこのところを聞きます。 (アンキットメータへのインタビューより)

Slide 64

Slide 64 text

QAチームはテスト以外も行いたい! 私の 経験

Slide 65

Slide 65 text

開発者とどのように「ともにつくる」のか 開発者に一番多く投げかける質問 ● 「で、これで何をしたいんだっけ?」 ● 「ごめん、ちゃんと理解できてないから、 この部分をもう一度説明してもらっていい?」

Slide 66

Slide 66 text

開発者とどのように「ともにつくる」のか 開発者に一番多く投げかける質問 ● 「で、これで何をしたいんだっけ?」 ○ HowからWhatに立ち返ることができる ● 「ごめん、ちゃんと理解できてないから、 この部分をもう一度説明してもらっていい?」 ○ もっと詳しく説明してくれる ○ 抜けてるパターンを開発者自身が気付ける

Slide 67

Slide 67 text

「ともにつくる」を実現した例

Slide 68

Slide 68 text

モブプロ体験会のお題 ● 題材は自動販売機 ● Cucumber + JUnit ● 与えられた要求は下記の3つ ○ 100円硬貨を入れたら 入金額が100円になってほしい ○ 100円硬貨を入れた後に50円硬貨を入れたら 入金額が150円になってほしい ○ 1円硬貨は対応しないでほしい

Slide 69

Slide 69 text

モブプロ体験会の結果 Scenario: 入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 Then 100円が入金されている Scenario: 入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 And 50円を入金 Then 150円が入金されている Scenario: 入金額確認 Given 自動販売機がある When 1円を入金 Then 0円が入金されている public class VendingMachine { int currentMoney = 0; public void insertCoin(int money) { if (money == 50 || money==100) { currentMoney += money; } } public int getCurrentMoney() { return currentMoney; } }

Slide 70

Slide 70 text

テストシナリオをさらに改善する Scenario: 入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 Then 100円が入金されている Scenario: 入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 And 50円を入金 Then 150円が入金されている Scenario: 入金額確認 Given 自動販売機がある When 1円を入金 Then 0円が入金されている

Slide 71

Slide 71 text

テストシナリオをさらに改善する Scenario: 入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 Then 100円が入金されている Scenario: 入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 And 50円を入金 Then 150円が入金されている Scenario: 入金額確認 Given 自動販売機がある When 1円を入金 Then 0円が入金されている すべてシナリオ名が 『⼊⾦額確認』になってますね。 同じ名前はどうかと思うので 変えたほうが良い気がしてます。 なるほど。 そしたらこんな感じですかね。 (テストシナリオを編集する)

Slide 72

Slide 72 text

テストシナリオをさらに改善する Scenario: 1回投入時の入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 Then 100円が入金されている Scenario: 2回投入時の入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 And 50円を入金 Then 150円が入金されている Scenario: 使用不可の硬貨投入 Given 自動販売機がある When 1円を入金 Then 0円が入金されている すべてシナリオ名が 『⼊⾦額確認』になってますね。 同じ名前はどうかと思うので 変えたほうが良い気がしてます。 なるほど。 そしたらこんな感じですかね。 (テストシナリオを編集する)

Slide 73

Slide 73 text

テストシナリオをさらに改善する Scenario: 1回投入時の入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 Then 100円が入金されている Scenario: 2回投入時の入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 And 50円を入金 Then 150円が入金されている Scenario: 使用不可の硬貨投入 Given 自動販売機がある When 1円を入金 Then 0円が入金されている なるほど。ちなみに、 2つ⽬のテストの意図って なんですかね︖ コインを1回だけではなく、 2回投⼊した時にも ちゃんと動くか確認したい という意図です。

Slide 74

Slide 74 text

テストシナリオをさらに改善する Scenario: 1回投入時の入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 Then 100円が入金されている Scenario: 2回投入時の入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 And 50円を入金 Then 150円が入金されている Scenario: 使用不可の硬貨投入 Given 自動販売機がある When 1円を入金 Then 0円が入金されている なるほどー。 そしたら『2回投⼊時』と 書いていますが、 3回⽬はどうなるのでしょうか︖ 3回⽬は2回⽬と同じく、 加算されていく仕組みなので、 ロジック上は⼤丈夫です。

Slide 75

Slide 75 text

テストシナリオをさらに改善する Scenario: 1回投入時の入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 Then 100円が入金されている Scenario: 2回投入時の入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 And 50円を入金 Then 150円が入金されている Scenario: 使用不可の硬貨投入 Given 自動販売機がある When 1円を入金 Then 0円が入金されている ということは、気にしているのは 2回投⼊の⾦額ではなく、 複数回の投⼊時の加算 なんですね。 あー、確かにそうですね。 (テストシナリオを編集する)

Slide 76

Slide 76 text

テストシナリオをさらに改善する Scenario: 1回投入時の入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 Then 100円が入金されている Scenario: 複数回投入時の入金加算額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 And 50円を入金 Then 150円が入金されている Scenario: 使用不可の硬貨投入 Given 自動販売機がある When 1円を入金 Then 0円が入金されている ということは、気にしているのは 2回投⼊の⾦額ではなく、 複数回の投⼊時の加算 なんですね。 あー、確かにそうですね。 (テストシナリオを編集する)

Slide 77

Slide 77 text

数年後、テストの意図が分かるのはどっち? Scenario: 入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 Then 100円が入金されている Scenario: 入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 And 50円を入金 Then 150円が入金されている Scenario: 入金額確認 Given 自動販売機がある When 1円を入金 Then 0円が入金されている Scenario: 1回投入時の入金額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 Then 100円が入金されている Scenario: 複数回投入時の入金加算額確認 Given 自動販売機がある When 100円を入金 And 50円を入金 Then 150円が入金されている Scenario: 使用不可の硬貨投入 Given 自動販売機がある When 1円を入金 Then 0円が入金されている

Slide 78

Slide 78 text

テストコードのメンテナンスコストを低減する

Slide 79

Slide 79 text

「ともにつくる」の 追加の例 (時間が残っていれば) https://jp.freeimages.com/photo/reading-1420126

Slide 80

Slide 80 text

例題:何個の選択肢をテストする? 都道府県の項目についてテストする場合、 どんな値を使ってテストしますか? 何個の選択肢をテストしますか?

Slide 81

Slide 81 text

テストケース作成の心得 テストケース作成者「○○○のテストをします!」 司会者「ほぉ~、それはどうしてだい?」 テストケース作成者「【理由を一言】」

Slide 82

Slide 82 text

答え(その1) プルダウンの一番下の値を使う(沖縄県) →最後の項目まで動くか確認したいから

Slide 83

Slide 83 text

答え(その2) 都・道・府・県の4つを使う (東京都、北海道、大阪府、神奈川県) →以下のように、印刷物に丸印を反映させる場合 都道府県それぞれの値でテストすべき

Slide 84

Slide 84 text

答え(その3) 文字数が3文字と4文字の選択肢を使う (東京都、神奈川県) →以下の確認画面のように、文字数による崩れを 見つけたい場合、文字数の違う値でテストすべき

Slide 85

Slide 85 text

答え(その4) 各地域の選択肢を使う →例えば地域によって価格が異なる場合、 価格ごとにテストすべき

Slide 86

Slide 86 text

答え(その5) すべての選択肢を行う →switch文で分岐の場合、全選択肢をテストすべき switch(area){ case “北海道”: // 何らかの処理 break; case “青森県”: // 何らかの処理 break; …

Slide 87

Slide 87 text

テストケース名にも役立つ @Test public void _青森県の場合{ } @Test public void _広島県の場合{ }

Slide 88

Slide 88 text

テストケース名にも役立つ @Test public void _青森県の場合{ } @Test public void _広島県の場合{ }

Slide 89

Slide 89 text

テストケース名にも役立つ @Test public void _東北地方の場合送料が1000円{ assertThat(calcShipingCost(“青森県”), is(1000)); } @Test public void _中国地方の場合送料が510円{ assertThat(calcShipingCost(“広島県”), is(510)); }

Slide 90

Slide 90 text

テストケース名にも役立つ @Test public void _東北地方の場合送料が1000円{ assertThat(calcShipingCost(“青森県”), is(1000)); } @Test public void _中国地方の場合送料が510円{ assertThat(calcShipingCost(“広島県”), is(510)); } ハイレベルテストケース ローレベルテストケース

Slide 91

Slide 91 text

追加で伝えたかったこと ハイレベルテストケースを記載することで メンテナンス性が高い状態を保つ そのテストを行う理由をテストケース名にする テスト作業ではなく、テスト活動をする

Slide 92

Slide 92 text

まとめ https://jp.freeimages.com/photo/bright-sky-1393231

Slide 93

Slide 93 text

まとめ テストの目的は欠陥の検出以外に 欠陥の未然防止がある テストには実装開始前に行う活動もある 早期テスト活動でコストを削減できる 理由を考えながらテストを作成する 開発とコラボしてテスト活動する やり方もある

Slide 94

Slide 94 text

テストの勉強方法 (時間があれば) https://jp.freeimages.com/photo/reading-1420126

Slide 95

Slide 95 text

こんな質問が多い どうやってテストの勉強を すれば良いの︖ テストの勉強ができる オススメの書籍が知りたい︕

Slide 96

Slide 96 text

「何をテストすべきか」でオススメの書籍 https://www.amazon.co.jp/dp/4297105063/ 2019/4/13 改訂版発売!

Slide 97

Slide 97 text

「どうやってテストケースを作るのか」でオススメの書籍 2020/1/7発売! https://www.amazon.co.jp/dp/4817193603 https://www.amazon.co.jp/dp/429711061X/

Slide 98

Slide 98 text

「どうやって『ともにつくる』のか」でオススメの書籍 https://www.amazon.co.jp/dp/B07YR4CC4B 2019/9/25完成! (英語版のみ)

Slide 99

Slide 99 text

「どうやって『ともにつくる』のか」でオススメの書籍 https://www.amazon.co.jp/dp/B07YR4CC4B 2019/9/25完成! (英語版のみ) 鋭意翻訳中!

Slide 100

Slide 100 text

アンケート

Slide 101

Slide 101 text

No content

Slide 102

Slide 102 text

最新のテスト情報収集ならJaSSTがオススメ! ● 日本最大級のテストのイベント ○ JaSST'19 Tokyoは2日間で1600名が参加 ● 年に10回、各地で開催 ● 2018年から新たにJaSST Reviewも開催 ○ 実行委員長は私 http://www.jasst.jp/

Slide 103

Slide 103 text

テストを実践して学ぶならWACATEがオススメ! ● 1泊2日のワークショップ形式のイベント ● 2007年初開催 ● 半年に1度開催(6月と12月) ● 新卒1年目の開発・QAも多く参加 ● 参加費は24,000円(35歳以上は27,000円) https://wacate.jp/

Slide 104

Slide 104 text

もしも今回の話を同僚に伝えたい場合は… ● 本来話したい内容の1/15程度しかありません! ● もっと詳しく話を聞きたい方、 今日参加してない人にも伝えたい方、 講演後、お気軽に話しかけてください! ○ Ask the Speaker ○ 懇親会 ○ Twitter : @nihonbuson

Slide 105

Slide 105 text

おしまい https://jp.freeimages.com/photo/track-finish-1442273

Slide 106

Slide 106 text

参考文献:ソフトウェアテストの7原則 1.テストは欠陥があることは示せるが、 欠陥がないことは示せない 2.全数テストは不可能 3.早期テストで時間とコストを節約 4.欠陥の偏在 5.殺虫剤のパラドックスにご用心 6.テストは状況次第 7.「バグゼロ」の落とし穴 ● ISTQBテスト技術者資格制度 Foundation Level シラバス 日本語版 Version 2018.J03 ○ http://jstqb.jp/dl/JSTQB-SyllabusFoundation_Version2018.J03.pdf

Slide 107

Slide 107 text

使用デザイン ● スライドデザイン ○ Professional Google Slides Template ■ https://slidesmash.com/professional-google-slides-template/ ● アイコン画像 ○ Lynny Icon Set ■ https://dribbble.com/shots/1925069-Lynny-Icon-Set-Free