Slide 1

Slide 1 text

前⽥ 剛 ファーエンドテクノロジー株式会社 2023-11-04 Redmine 5.1 新機能評価ガイド

Slide 2

Slide 2 text

■ Redmine⾮公式情報サイト「Redmine.JP」創⽴者(2007) ■ 書籍「⼊⾨Redmine」著者 
 (2008, 2010, 2012, 2014, 2016) ■ Redmineコミッター(2017-) ■ ファーエンドテクノロジー株式会社 代表取締役(2008-) http://linktr.ee/maeda.go 自己紹介 前⽥剛 Redmineのクラウドサービスを 
 提供している会社です

Slide 3

Slide 3 text

内容 ■ Redmine 5.1の新機能をピックアップして紹介 ■ 特にお勧めのものと、⾔われないと気づかなそうなものを選定 ■ Redmine 5.1の新機能を確認・評価する際の参考に

Slide 4

Slide 4 text

Redmine 5.1 ■ 2023年10⽉31⽇リリース ■ Redmine 5.0以来、1年7ヶ⽉ぶりのメジャーバージョンアップ ■ 148個の改善・修正が含まれる ■ フィルタ関係の改善が特に多い ■ 5.x の最後のリリースとなる予定。次は6.0

Slide 5

Slide 5 text

管理 
 (Administration)

Slide 6

Slide 6 text

管理→プロジェクト画⾯でのフィルタとクエリ Re-implement admin project list using ProjectQuery system - https://www.redmine.org/issues/33422 プロジェクト画⾯と同様のフィルタとカスタムクエリが管理→プロジェクト画⾯ でも使えるようになった。

Slide 7

Slide 7 text

バックグラウンドでのプロジェクト削除 Background job and dedicated status for project deletion - https://www.redmine.org/issues/36691 プロジェクトの削除をバックグラウンドで⾏えるようになった(Sidekiq等のキュ ーマネージャーが必要)。 チケットや⼦プロジェクトを多数含むプロジェクトの削除には⾮常に時間がかか るが、それをバックグラウンドで⾏えるようになった。 RedmineからSidekiqを使うには: Sidekiq をセットアップした上で con fi g/additional_environment.rb に以下を追 加。詳しくは www.redmine.org のWikiを「Sidekiq 」で検索。 
 config.active_job.queue_adapter = :sidekiq

Slide 8

Slide 8 text

管理→ユーザー画⾯でのユーザーのフィルタとクエリ Upgrade Admin/Users list to use the query system - https://www.redmine.org/issues/37674 管理→ユーザー画⾯でフィルタが使えるようになり、細かな条件でユーザーの絞 り込みができるようになった。カスタムクエリにも対応。旧バージョンと同じ動作 での検索は「姓名・メールアドレス・ログインID」フィルタを使⽤

Slide 9

Slide 9 text

添付ファイル 
 (Attachments)

Slide 10

Slide 10 text

WebP画像への対応 WebP images support - https://www.redmine.org/issues/38168 WebP形式画像もインライン表⽰とサムネイル表⽰が可能になった。 
 これまでは画像ではなく単なるファイルとして扱われていた 5.1でインライン表⽰可能な拡張⼦: bmp, gif, jpg, jpe, jpeg, png, webp

Slide 11

Slide 11 text

カレンダー 
 (Calendar)

Slide 12

Slide 12 text

モバイル画⾯でカレンダーをリストレイアウトで表⽰ モバイル画⾯ではカレンダーが縦型の リストレイアウトで表⽰されるように なった Display calendar in vertical list layout on mobile screens - https://www.redmine.org/issues/33682 5.0 5.1

Slide 13

Slide 13 text

メール通知 
 (Email noti fi cations)

Slide 14

Slide 14 text

作成したチケットのオートウォッチ Auto watch issues on issue creation - https://www.redmine.org/issues/38238 「個⼈設定」の「オートウォッチ」に「⾃分が作成したチケット」が追加された。 チケットを作成すると⾃動的に⾃分がウォッチャーとして追加される。 新たに作成したユーザーはすべてのオートウォッチがデフォルトでON。

Slide 15

Slide 15 text

オートウォッチ「⾃分が作成したチケット」がONの場合は、メール通知オプション を「ウォッチ中または⾃分が関係しているもの」から「ウォッチ中または⾃分が担当 しているもの」に変更するのがお勧め。 ・これまで通り⾃分が作成したチケットに関する通知を受け取ることができる 
 ・⾃分が作成したチケットであってもウォッチをやめれば通知を⽌めることができる 管理→設定→ユーザー 個⼈設定

Slide 16

Slide 16 text

フィルタ / チケットのフィルタ 
 (Filters / Issues fi lter)

Slide 17

Slide 17 text

「いずれかを含む」フィルタ演算⼦によるOR検索 “contains any of” operator for text fi lters to perform OR search of multiple terms - https://www.redmine.org/issues/38435 テキスト形式フィールドで「いずれかを含む」演算⼦を選んでスペースで区切った 複数のキーワードを指定するとOR検索が⾏われる

Slide 18

Slide 18 text

<関連機能> 
 AND検索を⾏うには「含む」演算⼦で複数キーワードをスペースで区切って指定 
 する。既にRedmine 5.0で利⽤可能

Slide 19

Slide 19 text

「前⽅⼀致」「後⽅⼀致」フィルタ演算⼦で複数キーワードによるOR検索 OR search with multiple terms for “starts with” and “ends with” fi lter operators - https://www.redmine.org/issues/38456 「前⽅⼀致」「後⽅⼀致」フィルタ演算⼦で複数キーワードをスペースで区切って 指定するとOR検索が⾏われる 拡張⼦が .pptx または .pdf のファイルが添付されているチケットを抽出する例

Slide 20

Slide 20 text

関連するチケットのフィルタでの複数チケット指定 関連するチケットのフィルタで複数チケットを指定できるようになった。 Redmine 5.0では複数チケット指定が可能なのは「親チケット」「⼦チケット」 「チケット」フィルタのみだった。 Multiple issue ids in "Related to" fi lter - https://www.redmine.org/issues/38301

Slide 21

Slide 21 text

「全検索対象テキスト」フィルタ “Any searchable text” fi lter for issues - https://www.redmine.org/issues/38402 チケット内の複数のテキスト形式フィールドを横断検索できるフィルタ。 
 対象は題名、説明、コメント、「検索対象」と設定されたカスタムフィールド

Slide 22

Slide 22 text

全検索対象テキストフィルタで抽出されるチケットは検索ボックスでの検索結果と 同じだが、ほかのフィルタと組み合わせてさらに結果を絞り込むことができる

Slide 23

Slide 23 text

フィルタ演算⼦「現在/過去の値」「過去の値」「⼀度もない」 New issues fi lter operators “has been”, “has never been”, and “changed from” - https://www.redmine.org/issues/38527 チケットの履歴を参照する演算⼦「現在/過去の値」「過去の値」「⼀度もない」 が追加された。 例えば現在または過去に⾃分が担当者であるチケットを探すことができる。

Slide 24

Slide 24 text

演算⼦ 動作 現在/過去の値 現在の値または過去の値が⼀致するもの 既存の「等しい」演算⼦の結果 + 履歴中に⼀致する値があるもの ⼀度もない 現在においても過去においてもその値だったことがないもの 「現在/過去の値」演算⼦の反対 過去の値 過去にその値から別の値に変更されたことがあるもの 「現在/過去の値」「⼀度もない」「過去の値」演算⼦の動作

Slide 25

Slide 25 text

「現在/過去の値」「⼀度もない」「過去の値」演算⼦の使⽤例 担当者が⾃分であるか 
 過去に⾃分だったことがあるチケット 担当者は⾃分ではないし 
 過去においても⾃分だったことがない 
 チケット ステータスが過去に Closed から別の値に 変更されたことがあるチケット 
 (現在のステータスは不問。Closed かも 
  しれないし異なるかもしれない)

Slide 26

Slide 26 text

Gemライブラリ 
 (Gems support)

Slide 27

Slide 27 text

cisco_ios (Cisco IOS con fi guration) Rouge 4.2へのアップデートによるコードハイライト強化 コードハイライト⽤ライブラリRougeが4.2にアップデートされたことで対応⾔語 が218に増えた(Redmine 5.0⽐ +11) 追加された⾔語の⼀例: cisco_ios, plsql plsql (Oracle PL/SQL) Update Rouge to 4.2 - https://www.redmine.org/issues/37236

Slide 28

Slide 28 text

abap, actionscript, ada, apache, apex, apiblueprint, applescript, armasm, augeas, awk, batch fi le, bbcbasic, bibtex, biml, bpf, brainfuck, brightscript, bsl, c, ceylon, cfscript, cisco_ios, clean, clojure, cmake, cmhg, codeowners, coffeescript, common_lisp, conf, console, coq, cpp, crystal, csharp, css, csvs, cuda, cypher, cython, d, dafny, dart, datastudio, diff, digdag, docker, dot, ecl, eex, eiffel, elixir, elm, email, epp, erb, erlang, escape, factor, fl uent, fortran, freefem, fsharp, gdscript, ghc-cmm, ghc-core, gherkin, glsl, go, gradle, graphql, groovy, hack, haml, handlebars, haskell, haxe, hcl, hlsl, hocon, hql, html, http, hylang, idlang, idris, igorpro, ini, io, irb, isabelle, isbl, j, janet, java, javascript, jinja, jsl, json, json-doc, jsonnet, jsp, jsx, julia, kotlin, lasso, lean, liquid, literate_coffeescript, literate_haskell, livescript, llvm, lua, lustre, lutin, m68k, magik, make, markdown, mason, mathematica, matlab, meson, minizinc, moonscript, mosel, msgtrans, mxml, nasm, nesasm, nginx, nial, nim, nix, objective_c, objective_cpp, ocaml, ocl, openedge, opentype_feature_ fi le, pascal, perl, php, plaintext, plist, plsql, postscript, powershell, praat, prolog, prometheus, properties, protobuf, puppet, python, q, qml, r, racket, reasonml, rego, rescript, rml, robot_framework, ruby, rust, sas, sass, scala, scheme, scss, sed, shell, sieve, slice, slim, smalltalk, smarty, sml, sparql, sqf, sql, ssh, stan, stata, supercollider, svelte, swift, systemd, syzlang, syzprog, tap, tcl, terraform, tex, toml, tsx, ttcn3, tulip, turtle, twig, typescript, vala, vb, vcl, velocity, verilog, vhdl, viml, vue, wollok, xml, xojo, xpath, xquery, yaml, yang, zig コードハイライトの対応⾔語⼀覧 ※太字は IEEE Spectrum “TOP Programming Languages 2023” に掲載のもの。⻘字は新たに対応した⾔語

Slide 29

Slide 29 text

国際化 
 (I18n)

Slide 30

Slide 30 text

検索キーワードの区切り文字として全角スペースにも対応 Allow using ideographic space (U+3000) as a separator for search terms - https://www.redmine.org/issues/37878 フィルタや検索ボックスで複数キーワードをスペースで区切って指定するとき、半 ⾓スペースだけではなく全⾓スペースも区切り⽂字として使えるようになった

Slide 31

Slide 31 text

インポート 
 (Importers)

Slide 32

Slide 32 text

別プロジェクトのチケットに対する作業時間のインポート Allow to import time entries for issues in different projects - https://www.redmine.org/issues/36823 チケット番号が指定されていれば、選択中のプロジェクトとは別のプロジェクトに そのチケットがあったとしても、正しくそのチケットに作業時間が追加されるよう になった。

Slide 33

Slide 33 text

チケット 
 (Issues)

Slide 34

Slide 34 text

チケットのステータスの説明欄 Description for issue statuses - https://www.redmine.org/issues/2568 ステータスに説明欄が追加され、それをチケットの作成・編集画⾯で参照できるよ うになった。なおトラッカーに対する同様の機能は既にRedmine 4.1で実装済み

Slide 35

Slide 35 text

各ステータスに説明を追加 クリックで表示

Slide 36

Slide 36 text

編集済みのコメントに対して「編集済み」と表⽰ Mark edited journal notes as "Edited" - https://www.redmine.org/issues/31505 作成後に編集が⾏われたコメントに対して「編集済み」と表⽰されるようになっ た。「編集済み」の⽂字の上にカーソルを置くと最終編集時刻、最終編集ユーザ ーが表⽰される

Slide 37

Slide 37 text

ロールと権限 
 (Permissions and roles)

Slide 38

Slide 38 text

新たな権限「プロジェクトの公開/⾮公開」 Introduce permission to set a project public - https://www.redmine.org/issues/38048 プロジェクトの設定画⾯でプロジェクトの「公開」チェックボックスの変更可否 を制御する権限が追加された。不注意等による不適切な設定を防ぐことができる

Slide 39

Slide 39 text

ロードマップ 
 (Roadmap)

Slide 40

Slide 40 text

バージョンをChangelogテキストとしてエクスポート Export a version as changelog text - https://www.redmine.org/issues/36679 バージョンをテキスト形式でエクスポートできるようになった。リリースノートを 作成するときに活⽤できる

Slide 41

Slide 41 text

# 1 . 0 2 0 2 3 / 0 6 / 0 5 S t a b l e r e l e a s e * F e a t u r e r e q u e s t # 2 : A d d i n g r e d i e n t s c a t e g o r i e s * B u g # 1 2 : C l o s e d i s s u e o n a l o c k e d v e r s i o n エクスポートされるテキストのサンプル バージョンの名称 バージョンの期日 バージョンの説明欄の内容 チケット一覧

Slide 42

Slide 42 text

検索エンジン 
 (Search engine)

Slide 43

Slide 43 text

検索スコープに「My bookmarks」を追加 Support "My bookmarks" in the search - https://www.redmine.org/issues/38459 検索スコープに「My bookmarks」が追加され、⾃分がブックマークしているプロ ジェクトに限定して検索が⾏えるようになった

Slide 44

Slide 44 text

「チケットのフィルタを適⽤」ボタンによる検索結果の絞り込み Further narrow search results with issues fi lter - https://www.redmine.org/issues/38481 検索結果画⾯の「チケットのフィルタを適⽤」ボタンをクリックすると、検索結果 に表⽰されているチケットがチケット⼀覧として表⽰される。 チケット⼀覧として表⽰することでフィルタで検索結果をさらに絞り込める 遷移

Slide 45

Slide 45 text

「チケットのフィルタを適⽤」デモ

Slide 46

Slide 46 text

テキスト書式 
 (Text formatting)

Slide 47

Slide 47 text

テキスト書式のデフォルトが CommonMark Markdownに変更 Change default text formatter for new installations from textile to common_mark - https://www.redmine.org/issues/34863 新たにRedmineをインストールした場合のデフォルトのテキスト書式が Textile か ら CommonMark Markdownに変更された。

Slide 48

Slide 48 text

時間管理 
 (Time tracking)

Slide 49

Slide 49 text

作業時間の「チケットの親チケット」フィルタと項⽬ Add Parent task fi lter and column to Spent time - https://www.redmine.org/issues/37623 作業時間において「チケットの親チケット」フィルタが追加された。 
 また⼀覧の表⽰項⽬に親チケットを追加できるようになった

Slide 50

Slide 50 text

作業時間の「チケットの題名」フィルタ Add Parent task fi lter and column to Spent time - https://www.redmine.org/issues/37623 作業時間において「チケットの題名」フィルタが追加された

Slide 51

Slide 51 text

■ Redmine⾮公式情報サイト「Redmine.JP」創⽴者(2007) ■ 書籍「⼊⾨Redmine」著者 
 (2008, 2010, 2012, 2014, 2016) ■ Redmineコミッター(2017-) ■ ファーエンドテクノロジー株式会社 代表取締役(2008-) http://linktr.ee/maeda.go ありがとうございました 前⽥剛 Redmineのクラウドサービスを 
 提供している会社です