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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 1 with Microsoft Copilot for Azure コスト最適化のはなし

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 酒見 一幸 6 名前 酒見 一幸 役職 シニアコンサルタント Summary • Azureを中心とした開発や運用自動化のスペシャリストとして、日系・外資 系 SIer や日本マイクロソフトを経験し、現職にて活躍中。独法や文教業 界を中心に、要件定義から設計構築、NW/SV/アプリ運用までの幅広いプ ロジェクトに従事。 • 日本マイクロソフト時代は、顧客のコスト最適化や人材育成に向けたコンサ ルティングを中心に、ビジネスの加速に貢献。 Project Experience Qualification ◆ IPA ネットワークスペシャリスト ◆ IPA 情報処理安全確保支援士 ◆ IPA プロジェクトマネージャ ◼ クラウドコンサル業務 ➢ 様々なクライアントに対してプロアクティブサポートとして、クラウドマイグレー ション、設計書レビュー、構築フェーズにおけるトラブルシュート、運用フェー ズにてコスト最適化、運用自動化。Azure IaaS/PaaS に関するワーク ショップの提供。 <プロジェクト例> ✓ 小売業の 1,000 台規模のクラウド環境構築、コスト最適化案件 ✓ コスト最適化、コンテナ、Azure Virtual Desktop など多数ワーク ショップ開催 ✓ Azure OpenAI アーキテクチャ検討 ◼ Azure 環境構築業務 ➢ 自社クラウドプラットフォーム構築案件にて要件定義から構築、テスト、運 用に従事 <プロジェクト例> ✓ 海外エンジニアとの英語での要件定義、設計 ✓ Azure 環境におけるオートスケール環境の構築 ◼ プロジェクトマネジメント業務 ➢ 日系SIer時代に多くのプロジェクトマネジメントする立場で案件推進を経 験。プリセールスにおけるシステムアーキテクチャ検討から提案、案件推進 および構築までを担当。 <プロジェクト例> ✓ 自治体セキュリティクラウド構築案件 ✓ 学術系ネットワークリプレース案件 ✓ 中規模 Web サイトリプレース ◆ Azure Network Engineer Associate ◆ Azure Administrator Associate ◆ Azure Support Engineer for Connectivity Specialty ◆ Azure Virtual Desktop Specialty

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. COST OPTIMIZATION の HOW 7

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. Azure のコスト最適化手法 8 ◼ コストの削減額やそのリスクに応じてさまざまな手法があり、ほとんどは Azure Advisor でも表示される ⁻ 予約 (Reservation) の購入 ⁻ 節約プラン (Savings plan) の購入 ⁻ Azure Hybrid Benefit の適用 ⁻ Azure VM のシャットダウンやリサイズ ⁻ 無駄なリソースの削除 ◼ そのほかの手法についても簡単に紹介 ⁻ Ephemeral disk の利用 ⁻ Spot VM の利用 ⁻ Azure Dev/Test subscription

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 予約の購入 9 ◼ 一番定番であり、構成を変更することなくコストを大きく削減できる ⁻ 予約を購入することで、毎月のコストに自動的に予約が適用され、自動的にコストが削減される また為替の影響を受けない、という特徴も持っている ⁻ 「この仮想マシンに予約を適用する」といった管理は不要、できない 予約のスコープを制限することでこれに近い管理が可能 ⁻ 前払い と 毎月払い があるが合計のコストはほぼ変わらない ◼ 考えられるリスク ⁻ 1年間 または 3年間 の commitment (約束) である 中途解約はできるものの、解約した金額の合計に制限がある 現時点では解約に際し手数料は取られていないが、将来的に取られる可能性はある ⁻ SKU が合致していなければ無駄になる可能性がある Standard_DS2_v2 の予約を買っても、Standard_DS2_v3 の Azure VM には適用されない なるべく小さい単位で購入したほうが適用される可能性は高くなる また、利用率が低い場合にアラートが発報できる機能が出てきている

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 節約プランの購入 10 ◼ 比較的最近出てきたコスト最適化手法の一つ ⁻ Standard_DS2_v2 などの SKU を制限せず、広くコンピューティング リソースに対してコストの最適化が適用される ⁻ 柔軟性とのトレードオフなのか、予約に比べて削減額はやや少なく定義されている ⁻ 節約プラン自体の計算方法はとても特殊で、人力で計算できるものではない Azure Portal 上では自動的に計算された 10 つほどのプランから選ぶことができる ◼ 考えられるリスク ⁻ 一時間当たりの commitment (約束) された金額を超えた分は無駄になってしまう ⁻ 途中解約のフローがない 現時点では小さめの金額を積み増していくようなイメージになりそう ⁻ Azure Update を見ていると、徐々に適用対象が増えている 使っているリソースの中で新しく対象になったものもあるかもしれないのでチェックしておく

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. Azure Hybrid Benefit の適用 11 ◼ オンプレミスなどで Windows Server をすでに使っている場合にそのライセンスを流用・拡張できるもの ⁻ Windows Server Datacenter であれば完全に同時にライセンスを利用できる ⁻ Windows Server Standard であれば Azure への移行に際して 180 日間同時に利用できる ⁻ そのほか SQL Server、Red Hat Enterprise Linux (RHEL)、SUSE Linux Enterprise Server (SLES) なども対象に 含まれている ◼ 考えられるリスク ⁻ あくまで現時点で持っていれば流用・拡張できる、というものであり、今から新しく買うほどのものでもない ⁻ 一種の紳士協定のため、その管理はユーザ自身で行う必要がある ◼ 参考 ⁻ https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/hybrid-benefit/

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. Azure VM のシャットダウンやリサイズ 12 ◼ Azure Advisor で提示される項目の一つ ⁻ CPU などの利用率が常に低い場合に一つ下の SKU に下げたり、もしくはシャットダウンの推奨が提示される ⁻ 仮想マシンのコストは比例しているため、一つ下の SKU に下げれば 1/2 のコストになる ⁻ 定期的な Azure VM の起動・停止方法も提供されている https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/azure-functions/start-stop-vms/overview ⁻ Azure Virtual Desktop (AVD) では scaling plan の中でより細かい起動・停止の方法が提供されている https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-desktop/autoscale-scaling-plan ◼ 考えられるリスク ⁻ シャットダウンすると仮想マシンは利用できない ⁻ ある程度大きな時間間隔での平均値を利用しているため、分単位の急激な負荷の増減 (スパイク) は 見逃されている可能性が高い

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 無駄なリソースの削除 13 ◼ あまり大きなコストにはならないが、無駄になっているリソースを削除 ⁻ Public IP、NIC、Azure Disk ⁻ 効率の良い探し方 Azure Resource graph を叩いてもよいが、Azure Portal からでも列の表示を変えると分かりやすい ◼ 考えられるリスク ⁻ 使っていない Disk が、万が一の時用にバックアップ用途で取っているかもしれないので、tag で意図を残すか resource lock で保護する

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. Ephemeral disk の利用 14 ◼ OS ディスクを揮発性のディスクとすることで無料で利用できる ⁻ Windows 環境であれば C:\ を、Linux であれば /dev/sda のコストをゼロにできる ⁻ ハイパーバイザのストレージを一部切り出して利用する動作 ◼ 考えられるリスク ⁻ 揮発性のため、再起動・メンテナンスによるライブ マイグレーションなど任意のタイミングで そこに追記されたデータが無くなる可能性がある ⁻ ステートフルなデータを Redis や Azure Database などに退避させ VMSS と組み合わせて利用されることがある ◼ 参考 ⁻ https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-machines/ephemeral-os-disks

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. Spot VM の利用 15 ◼ Azure インフラストラクチャの中の余剰リソースを圧倒的安価に利用できる ⁻ 大体 80% 割引くらいで利用できる ⁻ Azure VM 作成後に適用することはできず、必要に応じて Disk を残した Azure VM の作り直しで適用する ⁻ 削除率 (Eviction rate) は Azure Portal から確認できる ◼ 考えられるリスク ⁻ 全体の利用率が高まってくると該当の Azure VM は停止、または削除される ⁻ いつ Azure VM が止まってもよいような、ステートレスな環境に適している ◼ 参考 ⁻ https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-machines/spot-vms

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. Azure Dev/Test subscription 16 ◼ Visual Studio のサブスクリプションを持っていると発行できる特殊なサブスクリプション ⁻ SLA が限定される代わりに安価に Azure VM などを利用できる ⁻ Dev/Test のなかで PAYG、EA などいくつかのパターンがある ◼ 考えられるリスク ⁻ SLA が限定されているため、例えば Azure VM に対して 99.9% の SLA を違反するような障害があったとしても その補償がない ◼ 参考 ⁻ https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/offers/dev-test/

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. Azure Advisor 17 ◼ Azure のユーザーがいつでも確認可能な、コスト最適化の余地を示してくれる機能 ⁻ 提示される可能性がある項目は docs に一覧がある https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/advisor/advisor-reference-cost-recommendations ⁻ またそのためのベスト プラクティスについても docs がある https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/cloud-adoption-framework/govern/cost- management/best-practices

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. Azure Cost Management Workbook 18 ◼ Azure Advisor の workbook に表示されるコスト管理のためのブック ⁻ 定期的に更新されるため、Azure Advisor に表示されるコスト削減額と合わせて確認を推奨 ⁻ Azure Monitor の Workbook には表示されないので注意

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. Microsoft Copilot for Azure 19 ◼ Azure Portal で Copilot を利用できる機能の中に Cost Management も含まれている ⁻ 現時点では Private Preview で、以下の URL からサインアップが必要 https://aka.ms/MSCopilotforAzurePreview ⁻ “How can we reduce our costs?“ などと問いかけることでコスト削減の余地を一覧として提示してくれる

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. COST OPTIMIZATION の WHY / WHEN / WHO 20

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. なぜコスト最適化するのか ◼ とても簡単な売上・経費・利益の図 ◼ 答え: 比較的少ないリスクで直接利益を 増やすことができるから ◼ 利益 = 売上 - 経費 ⁻ インフラストラクチャの費用は経費となる ⁻ 経費が減れば利益は増える ⁻ 売上を増やし経費が変わらなくても利益は増えるが、 売上を確実に増やす方法はあまりない ◼ 経費を下げる方法の中で、少ないリスクで実施できる 方法の一つがインフラストラクチャのコスト最適化 ◼ 一方で、コスト最適化の作業自体に 大きなコストがかかるようであれば本末転倒 ⁻ 少ない工数でコスト最適化をできるように落とし込む 21 売上 経費 利益 ↑ 利益 ↓ 経費 ↓ 最適化 最適化前 最適化後

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. コスト最適化の実践 22 コスト最適化の方法が 分かった コストが最適化されている この距離・違いは どこにあるのか 「いつ」やるのか 今やった方がいいのは 分かっている やらない・できない理由が あるなら解決していく 「だれが」やるのか ユーザ自身でやるのか ベンダがやるのか 日本によくある システム設計・運用での 考え方 ユーザーとベンダーで 分担する 運用のタスクとして 落とし込む

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. コストの最適化は完了しない 23 ◼ なぜか: Azure のコストの最適化の範囲は常に広がっている ⁻ 例: Savings plan (節約プラン) の対象が広がっていく 新しい Azure VM (仮想マシン) の SKU が増え、安価な選択肢が増える Premium SSD v2 も同様 ◼ 目指すべき姿はコストの最適化が自ずと行われていく状態 ⁻ 完全な自動化はできない ⁻ Copilot がいても Pilot が必要 ⁻ Azure Advisor で提示された内容に対して実際に action を起こす必要がある ◼ コストの最適化は継続的なタスク

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 現状分析 タスクへの分解 リスクの理解と 実行の判断 現状分析 タスクへの分解 リスクの理解と 実行の判断 コストの最適化は完了しない 24 現在の状況 コストが自ずと 最適化される「状態」 現状分析 タスクへの分解 リスクの理解と 実行の判断 新しい SKU の 追加 節約プランの 変更 新しいサービスの 追加

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 「いつ」コストを最適化するのか コスト最適化は喫緊の課題 • 今、最適化したほうがそ のメリットはより長い時間 得られる • でもできない・やらない できない理由を解消する • 忙しい、時間がない • 今やる必要があるかが分 からない • 今コストを最適化しても その結果誰が「うれしい」 のかがわからない • 突然コストが最適化され ても困る • コスト最適化にかかるタス クのリスクが分からない 運用タスクとして組み込む • 継続性、習慣化、仕組 化に向いているのは運用 タスク • 運用タスクとしてどのよう に組み込んでいくかを考 える 25 明確な答えとして、まずは「今」である。そのうえで、完了しないことを踏まえると継続的な活動が必要だと結論付けられる

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 「コストを最適化すること」というタスクは難しい 26 ◼ なぜか: 明確なゴールが設定されていない ⁻ 「今月も最適でした」というレポートが毎月回答される可能性もある その妥当性をどう判断するのか ⁻ 各システムのコストについてちゃんと予実管理している例をあまり見ない Azure Cost Management では予算と請求書は見れるが、、 ◼ 最適化に向けたタスクを定義するくらいしかない (Copilot) ⁻ 例: 予約の期限が切れていないか確認すること Azure Update の中からコスト最適化に関するものがあれば報告すること その内容が自社のインフラストラクチャに関係しているか確認すること 併せて、そのコスト最適化の手段に対するリスクを確認すること いくら金額が変わるかの概算を報告すること ◼ 結局はその報告内容をもとにユーザーがやるかやらないかを判断する必要がある (Pilot) ⁻ 判断材料を集める部分を運用タスクとしてベンダーに依頼する

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. コスト最適化のためのタスクの頻度 27 ◼ 四半期に一度くらいでいいのではないか ⁻ Azure Update でもコスト最適化に関する内容はあまり頻繁ではない ⁻ https://azure.microsoft.com/ja-jp/updates/?updateType=pricing-offerings ⁻ https://azure.microsoft.com/en-us/blog/product/cost-management/ ◼ 3月末 の決算に向けて 1月 からやるというのも一つの考え方では ⁻ 2024年4月 からも値上げが予定されている Microsoft Cloud、来年4月より20%値上げ - PC Watch (impress.co.jp) (去年のニュース)

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. 「だれが」コストを最適化するのか ◼ 日本型のシステム設計・運用のよくある姿 ◼ Microsoft ⁻ Azure というパブリック クラウド提供している ⁻ 従量課金などの形で利用料金を請求・受領する ◼ ユーザー ⁻ ここでは最終的なユーザーを指す ⁻ あるシステムが欲しいと望み、それを SIer (ベンダー) に 発注し、設計・構築・運用してもらうイメージ ⁻ 利用料金をどう支払うかについては別途説明 ◼ ベンダー (SIer) ⁻ ユーザーからシステムを受注し、要件定義を経て 設計・構築する ⁻ 必要に応じて運用を担当する ⁻ クラウドの費用や運用の費用をユーザーからもらい、 業務を担当する ◼ 受益者がコスト最適化するのがもっとも好ましい 28 Microsoft (Azure の提供者) ユーザー ベンダー (SIer)

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. コスト最適化は誰が「うれしい」のか ◼ Microsoft ⁻ 別途説明するが、 基本的には常に「うれしい」状態になるようになっている ◼ ユーザー ⁻ 利用料金が減れば「うれしい」 ⁻ コスト最適化のメインの受益者となる ◼ ベンダー (SIer) ⁻ パブリック クラウドの費用をユーザーが ベンダー経由で支払っていた場合、 その費用が減ると「うれしくない」ステークホルダーとなる ⁻ コスト最適化に際してその対価を得ていれば 「うれしい」ステークホルダーとなりえる 29 Microsoft (Azure の提供者) ユーザー ベンダー (SIer)

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. いわゆる tech company だとどうなるか ◼ Microsoft ⁻ 常に「うれしい」 ◼ ユーザー かつ ベンダー ⁻ 自社に開発者を抱え、自社の中で欲しい機能を 自社のメンバーで開発していくような体制 ⁻ コストを最適化することで自社のサービスの原価が改善され、 競争力が増していくような相乗効果がある ⁻ シンプルに「うれしい」ことが分かる ⁻ 話が逸れるが、 製造業でも小売業でもこの状態が目指せると強い 30 Microsoft (Azure の提供者) ユーザー かつ ベンダー

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. コンサルタント会社がコスト最適化を実施してくることもある ◼ Microsoft ⁻ 常に「うれしい」 ◼ コンサルタント ⁻ ユーザーに対してコスト最適化を提案・実施し、 成果報酬としてその削減額のいくらかの割合をもらうため 「うれしい」側に立つ ◼ ユーザー ⁻ 利用料金が減って「うれしい」 ◼ ベンダー (SIer) ⁻ 特にうれしいことはない… 31 Microsoft (Azure の提供者) ユーザー ベンダー (SIer) コンサルタント

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. ユーザー目線で何かができるか 32 ◼ まだコストの最適化を実施したことがないのであればまずは一度実施する ⁻ Azure のコスト最適化に対する知識をつける Azure Advisor を見る Docs を読む ⁻ アセスメントを実施する ◼ 継続的なタスクとして運用タスクに組み込む ⁻ あいまいな目標ではなく、明確な結果が分かるようにする ⁻ 運用タスクの中で最終的な判断、実施可否についてはユーザー自身で下す必要があることを認識する それぞれのコスト最適化手段に対するリスクを理解する ⁻ 自動的にコストが最適化されることはないため継続的に実施する

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. ベンダー (SIer) 目線で何ができるか 33 ◼ 要件定義・基本設計でのコスト最適化 ⁻ 予約の利用前提のコストを試算する ⁻ 拡張性設計の中でコスト最適化の余地を明確にしておく スケール アップではなくスケール アウトできるようなシステム構成にする ◼ 運用設計におけるコスト最適化 ⁻ 運用タスクとしてコスト最適化に関する項目を組込む ⁻ コストの最適化自体をタスクとすることは難しいため、最適化につながるタスクを定義する ⁻ ユーザー側で実施可否を判断し、ベンダーにてその設定変更を担当する、などの役割分担

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. コスト最適化の受益者は誰か 35 ◼ ユーザーが一番わかりやすい受益者であり、ユーザー自身でコストを最適化する必要がある ⁻ そのためには知識が必要であり、その知識も常にアップデートし続ける必要がある ⁻ 「うれしい」ことは確かだが、それだけのモチベーションをベースにコストを最適化し続けることは難しい ⁻ 体制上、運用タスクとして無心で実行できるまで落とし込む ◼ もしくは、ベンダーが受益者となるような状態に持ち込む ⁻ ユーザーからベンダーに対して有償でコスト最適化を依頼する ⁻ ベンダーが自ずと、無料で、コスト最適化を実施するメリットはほとんどない

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. コスト最適化の受益者は誰か ◼ ユーザーが受益者として、そこからもう一段分解していく 36 Microsoft (Azure の提供者) ユーザー ベンダー (SIer)

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. ユーザー ユーザー企業の中のコスト最適化の受益者は誰か ◼ ユーザー ⁻ 企業としてのユーザーはコスト最適化のメリットを得られる ◼ 利用部門 ⁻ 会社によってまばらだが、利用部門が IT 部門に申請を出し、 インフラを作成してもらう、という運用は多い ⁻ コストについて、利用部門が直接支払っている場合には 「うれしい」立場となりえる ⁻ IT 部門が代表して全額払っている場合には「うれしくない」、 または「あまり興味はない」 ◼ IT 部門 ⁻ IT 部門が全額まとめて払っている場合に「うれしい」 ⁻ が、その場合、コストを最適化するためには各部門に お伺いを立てる必要が出てくる 37 IT 部門 利用部門

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. ユーザー ユーザー企業の中の IT 部門の中のコスト最適化の受益者は誰か ◼ ユーザー ⁻ 企業としてのユーザーはコスト最適化のメリットを得られる ◼ IT 部門 ⁻ 「うれしい」ケースが一般的には多いだろう ◼ IT 部門の上司・メンバー ⁻ 個人の KPI や評価目標にコスト最適化が入っていなければ 特に「うれしくない」可能性もあるのでは ⁻ それぞれの個人の財布でインフラストラクチャが動いているわけ ではないのでコスト最適化に対する興味は一定にとどまる ⁻ 興味やモチベーションをベースにコストの最適化を組織に強い るのは無理がある ⁻ タスクとして無心で実行できるようにする 38 IT 部門

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. セキュリティに加えてコスト最適化もガバナンスの一つ ◼ 利用部門が受益者 ⁻ 例として、Subscription を利用部門ごとに払い出す ⁻ Hub-Spoke の共通部分となる Hub やそれに付随する ExpressRoute のコストをどう案分するかが難しい ⁻ Spoke ごとのコストにある程度の割合でコストを乗せ、全体で 案分するのが比較的簡単な算出方法 ⁻ グループ会社ごとに Spoke を使い分けるような構成だと会社 to 会社のコスト配分になるためより複雑になりがち ⁻ コスト最適化のメリットを直接受けられるためモチベーションと なりえる ◼ 強力なガバナンスによる協力 ⁻ 社内タリフにおいて予約提供対象の SKU を安価に見せるな どしてなるべく SKU が偏るように調整する ⁻ 定期的に利用部門に対して問合せをかけ、 コスト最適化の余地がある場合にそのタスクの実施可否や リスクを IT 部門から説明していく ⁻ オーナーをどちらが持つか、責任分界点を明確に設けないと、 利用部門からすれば「丸投げ」の宛先として IT 部門が扱われがち  例: • Windows Update は誰が適用するのか • IT 部門による管理者ログインを利用部門側が許容するのか否か • Microsoft への問合せが必要な場合の連絡フローはどうするか 39 利用部門が受益者である、もしくは強力なガバナンスにより協力を必須とする必要がある

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. まとめ 40

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Copyright (C) ProGrive Consulting Co.,Ltd. All rights reserved. まとめ 41 ◼ How ⁻ どのようにコストを最適化するか Azure Advisor により可能性が提示され、その内容は docs に記載されている 定期的に更新される内容があるため、Azure Update などのリソースを参照する Copilot in Cost Management も便利に使っていく ◼ Why / When / Who ⁻ なぜコストを最適化するのか 利益を少ないリスクで増やすことができるから ⁻ いつコストを最適化するのか 運用タスクとして組み込むことで常にコストが最適化されるような「状態」へと持っていく ⁻ 誰がコストを最適化するのか 受益者たるユーザー自身で実行するのが理想だが、ベンダーとの協力体制の中で判断し、実行を分担していく