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ある機械学習システムを AWS からGCP/GKE に移行した話 Data Pipeline Casual Talk Vol.4 - 2019/09/30 @yukinagae

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TL;DR AWS で動いている機械学習システムをGCP/GKE 化 した(まずAPI 部分のみ) GCP/GKE 化の理由 リリースサイクルの高速化 インフラコスト削減 ( リソース共有) 既存システムも徐々に移行していく予定 新システムは最初からGCP/GKE で構築 2

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自己紹介 永江悠紀 @yukinagae エムスリー株式会社 ソフトウェアエンジニア データエンジニア寄り。最近はレコメンド改善 などもやる 元々Java/Scala でサーバサイドの開発をやっていた 最近はGo + Python を触ることが多い クラウドはGCP 担当(※AWS わからないだけ) 3

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システム移行の背景 エムスリーでは多くのシステムをオンプレもしく はAWS で構築している AI チームではすでに複数の機械学習システムを開 発・リリース済み(AWS ) ※詳しくは以下のスライドが詳しいです: エムスリーにおける機械学習活用事例と開発の効率化 https://speakerdeck.com/nishiba/emusuriniokeru-ji- jie-xue-xi-huo-yong-shi-li-tokai-fa-falsexiao-lu-hua 4

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多数のマイクロサービス 2 年間で20 をこえる機械学習システムをリリース 現在も増加中 すごいね!(´∀`) 5

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ポイント 1. システム数が多い 6

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今回の移行対象のシステム Cantor 記事などのコンテンツの関連度(類似度)を計 算するシステム ※おまけ: システム名はドイツの数学者のGeorg Cantor が由来 7

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既存システム構成(図) 8

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既存システムの課題① 現状のシステム構成だと、GCP/BigQuery → AWS と いうクラウドをまたいだ構成になってしまっている 9

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ポイント 2. BigQuery とAWS の混在 10

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既存システムの課題② Cantor というシステム構成特有の課題: Lambda でもろもろ問題があった 15 分に一度バックエンドのECS が停止されてし まう(確率的にタイムアウトが発生) 11

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既存システムの課題③(※改善点) 簡単・頻繁にリリースしたい すぐリリースしたい(※カナリアリリース etc ) バグなどの際すぐ以前のバージョンに戻したい マイクロサービスの粒度のシステムが増えている ので各環境を用意するのは大変 運用や管理が面倒 インフラコストがかさむ 12

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ポイント 3. どんどんリリースしたい 4. 運用・管理を楽にしたい 5. インフラコスト削減したい 13

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新システム構成の選択肢 AWS なら EC2 ECS EKS GCP なら Cloud Run GAE ( ex ) GCE GKE 14

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技術選定のポイントいろいろ インフラコスト 運用の手間 クラウドベンダーのサービスの成熟度やマイルス トーン ワークロードの特性 必要なリソース要件 チーム体制(例: 人数 / スキル / 学習コスト) 15

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ポイントを振り返る 1. サービス数(API )が多い 2. BigQuery とAWS の混在 3. どんどんリリースしたい 4. 運用・管理を楽にしたい 5. インフラコスト削減したい 16

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GKE でいい感じに作れるのでは? ( `・ω ・´) 17

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想定するメリット コスト削減 複数サービスをGKE で構築しリソース最適化 メンテナンスコストも削減(されるはず) リリースの高速化 オーダーメイドから量産体制へ terraform k8s 可用性も向上 全部GCP にできてBigQuery もにっこり(´∀`) 18

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移行方針: どうやって移行するか? 1. まずはAPI 部分(システムの一部)からの移行 2. 段階的にすべてを移行していく まずはAPI 部分からの移行を実施 影響範囲を小さくしたい API だけなら最悪どうにでもなる もともとのAWS ヘの切り戻しも容易 機械学習部分をいきなり移行してデグレったら 嫌だよね(/ ・ω ・)/ 汗 19

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移行後の構成(API 部分のみ) 20

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GKE からCloud SQL に接続 Cloud SQL Proxy で別GCP プロジェクトのDB に接 続する構成(マイクロサービス的な構成) 原理的にPrivate IP で直で接続するより当然遅い Cloud SQL Proxy にした場合にどれくらい遅くなる かは簡易的に検証(※当然実環境とは異なるが) medium 記事: https://medium.com/google-cloud- jp/eb1fbd049d56 github: https://github.com/yukinagae/latency- comparison-of-cloud-sql-connection 21

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移行後の理想(全部GCP/GKE 化) 22

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今後の移行方針 既存サービスのGCP/GKE 化 まずは今回のプロジェクトで導入実績を作り、 運用経験を積む 他サービスも徐々に移行していく(※移行すれ ばするほど、インフラ・運用コストを削減でき る) 新規サービスは最初からGCP/GKE で構築 次に発表する katio2 さんがそのサービスの話を してくれると思います( `・ω ・´) 23

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ありがとうございました! (´∀`) 24

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(おまけ)GKE 移行の辛み k8s/GKE 周りのノウハウや経験がないので手探り そもそもk8s 自体の学習コストが高い k8s の公式ドキュメントそのままだと動かない GKE はだいたいβ 版 25

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(おまけ)GCP での運用・監視 datadog はちょっと辛い 既存のAWS システムではdatadog をdashboard で使 ってたが、GCP で使うのは辛い PubSub 経由でdatadog にpush する仕組みを毎回 作らないといけない GCP プロジェクト毎に認証をしないといけない の大変 datadog APM の導入はめちゃくちゃ楽 しかし、もちろんcontainer 周りの指標しか取得 できない 26

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(おまけ)現状の運用・監視方法 Stackdriver Monitoring 使う理由 datadog 用に追加のintegration 作業が不要 複数プロジェクトを一つのworkspace にまとめれ ば、GKE やCloud SQL のプロジェクトが別でも1 つ のdashboard で監視できる alert policy やヘルスチェックもそのまま作れる (※現状はterraform 使わず、あえてGUI で手動 作成している。理由としては、監視しながらち ょこちょこ値を調整したいから) 27

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(おまけ)現状の運用・監視方法 結論 GCP の場合にはStackdriver のみ使うことにした Stackdriver monitoring での監視 alert policy の作成 + slack 通知 dashboard の作成 Stackdriver Trace でのパフォーマンスチェック opencensus 入れた Stackdriver for python はα 版。。。( `・ω ・´) 汗 28

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おわり 29