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プロダクトマネジメントと人間中心設計 デザイナーからPMへのキャリアシフト 富士通株式会社 デザインセンター Senior Design Team Lead 吉川 嘉修 1

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自己紹介 吉川 嘉修 Senior Design Team Lead 人間中心設計専門家、認定人間工学専門家 認定スクラムプロダクトオーナー(CSPO) クライアントワーク中心のUI/UXデザイナー ↓ 社内向けアプリ開発チーム(12名)の プロダクトマネージャー 営業部門向け「仮説提案アプリ」 2

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本日おはなしすること  プロダクト開発に深くコミットしたいデザイナー  デザイナーからプロダクトマネージャーへのキャリアに興味がある方 の参考になれば幸いです。 クライアントワーク中心のデザイナー(人間中心設計専門家)が 自社プロダクトのプロダクトマネージャーになるまで プロダクトマネジメントにおける人間中心設計の活用 3

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人間中心設計とは 人間中心設計の活動の相互関連性(JIS Z 8530:2021より) U-Site(https://u-site.jp/ux)より引用 ユーザーの行動や心理などからニーズを把握し、 プロダクトをつくる。 そしてプロダクトがニーズを満たしているか確認 しながら開発する考えかた ≒UXデザイン このプレゼンでは システムの利用に焦点を当て,人間工学(ユーザビリティを含 む。)の知識及び技法を適用することによって, インタラクティブシステムをより使いやすくすることを目的 とするシステムの設計及び開発へのアプローチ JIS Z 8530:2021 『人間工学-人とシステムとのインタラクション -インタラクティブシステムの人間中心設計』 4

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デザイナーからプロダクトマネージャーになるまで 5

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デザイナーからプロダクトマネージャーになるまで  さまざまな業種のプロジェクト経験  デザイナーへの期待値調整に苦労  声かけのタイミング  依頼スコープ  戦略・企画に踏み込みにくい  納品後に関わることが難しい  お客様と一緒にアジャイル武者修行  デザインプロセスと開発プロセスが 完全に接続、無駄がない  アジャイルの認識が一気に変わる  はじめてPMに触れる  自社プロダクト開発チームにジョイン  デザイナーとして活動しつつ、 アジャイルチーム育成に取り組む  チームが育ちメンバーも増えた段階で、 PMにシフト クライアントワークのデザイナー アジャイルチームのデザイナー デザイナー/アジャイルチームづくり Pivotal Labs(現VMware Tanzu Labs) 2019.11 2021.04 6

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デザイナーからプロダクトマネージャーになるまで プロダクト開発チームを作る経験 プロダクト開発の経験(アジャイル) 人間中心設計の経験 As クライアントワークの デザイナー As プロダクト開発チームの デザイナー As プロダクト開発チームのPM 「人間中心のモノづくり」を広げていくことでPMにたどりついた 一歩隣に見える領域に飛び込む 7

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学び:人間中心設計だけではプロダクト開発できない 人間中心設計における手法の中心は 「調査」と「評価」 プロダクト開発の具体的なやり方は 含んでいない アジャイル開発がドンピシャリで 当てはまった 人間中心設計の活動の相互関連性(JIS Z 8530:2021より) U-Site(https://u-site.jp/ux)より引用 8

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チーム構成 過ごし方/会議体 優先度 強いチーム作り アジャイル開発との出会い • Product Manager • Designer • Developer • (Promotion/CS) • タイムボックス • イテレーションサイクル • スクラムイベント • MVP • リスク/不確実性への向き合いかた • ユーザーストーリーマッピング • レトロスペクティブ • 成功循環モデル • タックマンモデル 9

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プロダクトマネジメントにおける人間中心設計 10

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開発プロセスでの人間中心設計 正しいものを見極める (早く失敗する) 少しずつ繰り返し作る 仮説検証 Lean Startup アジャイル開発 Agile development PROTOTYPE RESEARCH LEARN RELEASE DEVELOP DESIGN SPRINT PLANNING 11

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開発プロセスでの人間中心設計 正しいものを見極める (早く失敗する) 少しずつ繰り返し作る 仮説検証 Lean Startup アジャイル開発 Agile development PROTOTYPE RESEARCH LEARN RELEASE DEVELOP DESIGN SPRINT PLANNING 12

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仮説検証サイクル 検証仮説の設定 検証方法の立案・準備 リサーチの実施 仮説の検証 ビジョン達成に重要であり、 不確実性が高い仮説を設定 リサーチ計画の立案と準備 当日のモデレーション 発言録、アンケート インサイトの整理 仮説のジャッジ/アクションアイテム化 人間中心設計の考え方、スキルが活きる リスクマップ 問いを立てる UIモックアップ リサーチ手法選定、スクリプト インタビュースキル アンケート(質問紙)設計 インサイトのまとめ(KJ,KA) リスクマップ 13

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思いつき・思い込みだけでプロダクトを作ってしまうリスクを軽減できる 定期的にユーザーに触れることで「あれ?おかしいかも」と気づける 効果的・効率的なユーザーリサーチを実施できる 適切なリサーチ手法の選定・実施 批評的な仮説検証 本当にユーザーの課題を解決できているか解像度高く理解できる プロダクトの状況をユーザーの認識ベースに説明することができる プロダクトマネジメントにおける人間中心設計の活用 14

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学び:リサーチの認識が変わった 人間中心設計におけるリサーチ プロダクトマネジメント におけるリサーチ 視点 ユーザー調査とプロダクト評価 仮説検証 リサーチャーに 求められること リサーチのプロとして、依頼に応じたリサーチ 計画の立案・実施・報告を行う ドメイン知識を持ち、プロダクトの状況を 考慮した仮説を立て、検証する リサーチ結果の活用 ユーザー中心のプロダクト開発のための提言 プロダクト開発の意思決定に使う または意思決定そのもの ゴール 組織が人間中心設計活動を実践し、高いUXを 提供する プロダクトが失敗する確率を下げる (成功する確率を上げる) 15

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まとめ  デザイナーからプロダクトマネージャーへのシフト  「ユーザー中心のモノづくり」へ深くコミットしたい方はオススメ  デザインの知識/スキルだけではNG。プロダクト開発の知識/スキルが必要  様々なメンバーとの信頼関係が大切  プロダクトマネジメントにおける人間中心設計  仮説検証を適切に実施でき、ユーザーの要求を満たすプロダクト開発に貢献する  筋の良い仮説を出し、プロダクトの意思決定に直結するリサーチを心掛ける  自分の原点は人間中心設計  ひとを理解し、ひとが喜ぶものを作る  喜んでいる様子を見届ける 自分の原点は人間中心設計 ひとを理解しひとが喜ぶものを作る 喜んでいる様子を見届ける 16

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Thank you