Slide 1

Slide 1 text

2019/2/23 オープンセミナー2019@広島 https://osh.connpass.com/event/101380/ 「歴史に学ぶ」「未来を予測する」 そして「今日どう生きるか、考える」 ~宣言的で予言的な生き方・学び方のススメ~ 2019/02/20 ver 0.5作成 2019/02/21 ver 0.9作成

Slide 2

Slide 2 text

1 はじめに:広島とElixirを介して繋がった瞬間

Slide 3

Slide 3 text

2 はじめに:Elixirで話す予定が、ココで話すことに…

Slide 4

Slide 4 text

3 突然の告知:明日13時、広島Elixirコミュ爆誕!! 西本さん、ご紹介ありがと ございますm(__)m

Slide 5

Slide 5 text

4 はじめに:本イベントの方向性を読み解く

Slide 6

Slide 6 text

5 はじめに:本イベントの方向性を読み解く この内容から、本セッションの趣旨として、以下を抽出しました ➢ 「エンジニアに限定しない学び」を「エンジニア領域」から得る ➢ 情報整理や勉強方法等は、誰かが共有してくれるとして… ➢ 現代の国内IT業界の成り立ちとなる「歴史」からヒントを得る ➢ 更に、技術の「未来予測」から、今後の学びのヒントも得る ※「機械学習」と「人間」の共通点/相違点もやりたかったけど時間足らず

Slide 7

Slide 7 text

6 はじめに:私の専門領域や趣味と、学びの接点 学び方を組み立てる上で、私の専門や趣味が役立つと考えました ① 「エンジニアとしての経歴」と「エンジニアで無い経歴」 ② 重力と宇宙 ③ 歴史 (哲学史、経済史、世界史、IT史) ➢ 「哲学」と「科学」の歴史 ➢ 日本と海外のIT発展の違い ➢ 金融、バブル ④ 未来予測 ➢ 2~3年後…マーケッターや投資家として捉える直近の未来 ➢ 80年後…「2100年の科学ライフ」から紐解く現実の近未来 ➢ 「技術進化」と「人の心」 ➢ 「惑星文明」の進化

Slide 8

Slide 8 text

7 本セッションの趣旨 現代の国内IT業界に繋がる「歴史」と 技術発展の「未来予測」から 「宣言的で予告的な学び方」 という「学びの本質」のようなものを導き、 「エンジニアならではの学び方」 についてもご紹介します そして 「今日どう生きるか、を考える」 きっかけへと繋げたいと思います

Slide 9

Slide 9 text

「歴史に学ぶ」「未来を予測する」 そして「今日どう生きるか、考える」 ~宣言的で予言的な生き方・学び方のススメ~

Slide 10

Slide 10 text

9 目次 1. 自己紹介 2. 学びの歴史に学ぶ 1. 「哲学」と「科学」の歴史に学ぶ 2. 「重力科学」の変遷に学ぶ 3. 本という歴史を浴びるよう読み漁る 3. ITと経済の歴史に学ぶ 1. 「日本のIT」と「欧米のIT」の発展に学ぶ 2. 「バブル」から学ぶ 3. なぜ歴史は繰り返すのか? 4. 未来を予測する 5. 今日どう生きるか、考える 1. 未来を作る ~宣言的で予言的な活動~ 2. エンジニア/非エンジニアに共通の学び方 3. エンジニアならではの学び方

Slide 11

Slide 11 text

10 1.自己紹介

Slide 12

Slide 12 text

11 カラビナテクノロジー株式会社 CTO 常務 / 他2社経営 プログラマ歴36年 / XPer歴18年 / 福岡 技術顧問 (3社) AIジョブカレ 福岡代表 / enPiT (文科省 社会人IT育成) 講師 。 森 正和 |> 。 Elixirコミュニティ「fukuoka.ex」 福岡 理学部 / IAI Fukuoka / 「通常の3倍」福岡 主催 「量子コンピュータ by Blueqat」 / 「OpenQL」 福岡代表 福岡Elixirプログラマ / 重力プログラマ my favotite technology & implements. Twitter/Qiita/Github @piacere_ex

Slide 13

Slide 13 text

OSS書いて、仕事作りつつ、AIチームのトップもやります

Slide 14

Slide 14 text

プログラマを35年間続け、現在、「重力プログラマ」中 重力波解析するし、重力・流体・天体シミュレータも作る

Slide 15

Slide 15 text

14 2018/7/20 福岡 理学部 八限目 「重力と宇宙を愛する全ての人に」 #2

Slide 16

Slide 16 text

好きが講じて、重力・宇宙イベントを1年で3回、開催

Slide 17

Slide 17 text

No content

Slide 18

Slide 18 text

MeetUpは、「実際に動くコード」でライブデモします connpassのfukuoka.exグループに登録すると、次回 イベント開催のお知らせメール届きます、どうぞご登録を https://fukuokaex.connpass.com/ 地味に女子率、高し(^o^)

Slide 19

Slide 19 text

もくもく会は、Elixirに入門する人でも、経験者でもOK 仕事終わり、くつろぎ、ほろ酔いつつ、Elixir/Phoenix によるプログラミングの世界に触れてみませんか? ※入門スライド/Qiitaも用意していますので、初心者も安心 connpassのfukuoka.exグループ登録で、もくもく会の 開催お知らせもメールで届きます、どうぞ、ご登録ください https://fukuokaex.connpass.com/

Slide 20

Slide 20 text

AI・MLに欠かせない前処理系をOSSで無償提供 AI・MLには、前処理 (データクレンジング、変換・集計・加工) が 欠かせませんが、Elixir+Phoenix+Vue.jsで開発したOSS 「Esuna」を使えば、UI上でデータ処理を設定でき、AI・MLへと スムースにデータを流せます

Slide 21

Slide 21 text

Elixirで、scikit-learn/Keras相当を実装中 「Elixir」の性能・並列性・生産性をAI・ML文脈でも活かすため、 fukuoka.exでGPU実装を行い、機械学習エンジン開発中です 半年後にはscikit-learn相当、1年以内には、GPU対応済の Keras相当をリリース予定です 北九大、京大の先生と共に Elixir GPU活用の共同研究 論文も書いてます

Slide 22

Slide 22 text

AI学校「AIジョブカレ」の福岡代表&講師やってます AI権威の松尾研出身で「詳解ディープラーニング」著者、 巣籠さん監修のAI学校、現役のエンジニアが講義中 https://www.aijobcolle.com/

Slide 23

Slide 23 text

22 2.学びの歴史に学ぶ

Slide 24

Slide 24 text

23 2-1.「哲学」と「科学」の歴史に学ぶ

Slide 25

Slide 25 text

24 2-1.「哲学」と「科学」の歴史に学ぶ まず、哲学と聞くと、 「難しい」 とか 「役に立たない」 といったイマイチなイメージであったり、どこかしら、人を寄せ付けない 雰囲気を感じたり…多くの方がそう思うのでは無いでしょうか? でも、この章が終わるときには、スッキリできるので、どうかご安心を

Slide 26

Slide 26 text

25 2-1.「哲学」と「科学」の歴史に学ぶ 最初に、「哲学とは何なのか」について簡単に共有すると、 「知ることについての学問」 という定義があります (他の解釈もあるので、1つの定義です) この定義に照らし合わせれば、今回のテーマである、 「学び方を学ぶ」 に最適な学問だと思いますが、なぜ、ピンと来ない印象があるので しょうか?

Slide 27

Slide 27 text

26 2-1.「哲学」と「科学」の歴史に学ぶ それは、哲学の発祥が、 「なぜ世界は、このように存在しているのか?」 というメタなもの…つまり、「なぜ?」 を扱ったためと考えます 元々、「なぜ?」を疑問としない「神話」で世界を説明してた時代に、 「なぜ?」を問い、その「原理」を追い求めた結果が、「哲学」でした

Slide 28

Slide 28 text

27 2-1.「哲学」と「科学」の歴史に学ぶ そして、哲学が担った「世界の『なぜ?』を説明する」という部分が、 現在、私達の生活を支えている「科学」へと進化していきました 中でも、「数学で世界を記述できる」というガリレオがもたらした功績 により、様々な自然現象が数式で説明でき、人は、自然現象に 匹敵するものを生み出せる存在へと進化していったのです その後、「コンピュータ」を生み出し、この画面を写す「プロジェクタ」 であったり、今お手元にある「スマホ」を生み出すに至った訳です つまり、

Slide 29

Slide 29 text

28 2-1.「哲学」と「科学」の歴史に学ぶ この話を深掘りしたり、ソクラテスから、先端のブラックホール科学者 であるホーキング博士までに至る、各賢人の主張を紐解いていくと、 大学の授業8コマはあるのでこの位にしますが、今回のテーマである、 「学び方を学ぶ」 を哲学に照らし合わせれば、学びの原点とは、 「なぜ?」 を持つこと、つまり、「常識を疑う」ことです これは、システム開発における、業務理解や要求定義、要件定義、 前提条件や制約条件の洗い出し、UXの洗い出しといった、手戻り が許されない重要タスクにて、「自分の経験に基づく思い込み」の 罠に陥らないために、とても重要な態度です

Slide 30

Slide 30 text

29 2-1.「哲学」と「科学」の歴史に学ぶ ちなみに哲学は、科学や数学以外にも、心理学や宗教、言語学、 労働、経済学…と多岐にわたる様々な学問へと派生していき、 「人が生きるための見えないインフラ」となっています もっと哲学を学びたい方は、 コチラの本がオススメです

Slide 31

Slide 31 text

30 2-2.「重力科学」の変遷に学ぶ

Slide 32

Slide 32 text

31 2-2.「重力科学」の変遷に学ぶ 哲学は、様々な学問へと派生していった…とお伝えしました その代表として、「天文学」があります 哲学は、「世界の『なぜ?』を説明する」ものとご紹介しましたが、 地球以外の惑星とは、地球から見える不可思議な要素であり、 地動説/天動説といった地球の存在確認は、哲学の中心でした まずケプラーが、惑星の軌道を高精度で 観測し、「ケプラーの法則」を築きました 惑星の軌道が、地上の引力と同じ力で 構成されると気付いたのがニュートンでした ケプラー ニュートン

Slide 33

Slide 33 text

32 2-2.「重力科学」の変遷に学ぶ 地上の引力と同じ力とは、「2つの物体の質量」と「距離」によって 引力が決まる、という法則で、「万有引力の法則」と呼ばれました しかし、その法則が、なぜ働くのかのメカニズムは、300年もの間、 解明されず、アインシュタインが初めて、質量が時空を歪めたことで、 もう一方の物体が、歪んだ方向に転がっていく現象と立証しました ちなみに、この詳細は、以下コラムで解説しています 数式付きだけど、難しくならない読み物として解説し、 「重力」と「引力」の違いなんかも解説しています 重力プログラミング入門 「第2回:Pythonで重力波を解析する」 https://qiita.com/piacere_ex/items/8a91b8a1843513da75b6 アインシュタイン

Slide 34

Slide 34 text

33 2-2.「重力科学」の変遷に学ぶ さて、こうした重力科学の変遷から導かれる 「学び方を学ぶ」 は、 「動作するメカニズムを知る」 ということです システム開発においても、よく「あるある」なのですが、フレームワーク やオープンソースを、メカニズム不明の「万有引力の法則」と同様に 盲信し、ただ使うだけの人は、イザ何かトラブルが起きたときに無力 であるということです コードレベルや低レイヤーの知識は、イザという場面で役立つのです

Slide 35

Slide 35 text

34 2-3.本という歴史を浴びるよう読み漁る

Slide 36

Slide 36 text

35 2-3.本という歴史を浴びるよう読み漁る 「その道のプロ」と呼ばれるようになるには、大体、10,000時間の 積み上げが必要と言われています 10,000時間 = 625日 (1日16時間換算) = 週末込1.7年 = 1,250日 (1日8時間換算) = 週末込3.4年 = 週末無4.8年 たとえば、「2つの分野でプロになる」のを、普段の仕事だけで叶える なら、9.6年もかかるということです…これでは幾ら時間があっても、 足りないのは明白です そこを、誰かが代わりに学んだ履歴 (歴史) をギュッと圧縮し、超絶 に時間短縮してくれる最強のメソッドが、「読書」です

Slide 37

Slide 37 text

36 2-3.本という歴史を浴びるよう読み漁る 社会人になって、読書をしなくなる人が、かなり多いですが、ただで さえ忙しい社会人が、短時間で圧倒的な知識量を蓄えていくには、 読書以外の手は無いと思います…ただし、読み方にコツがあります ➢ 「積ん読」…これは絶対にダメ、「買って安心」とか意味無い ➢ 「買ったらすぐ読む」…これはかなり有効な良い習慣です ➢ コツは、「最初から読まず、気になるところ『だけ』読む」 ➢ 「立ち読み」…最も効率良いです、買う本も厳選できます ➢ コツは、1冊を読み切ることと、週2回くらい、本屋に行くこと ➢ 「図書館で週2冊借りる」…これも〆切があり、良いです ➢ 「Amazonで週2冊買う」…年間100冊弱を読めます 継続して、切らさず読み続けることが、最も大事なコツになります

Slide 38

Slide 38 text

37 2-3.本という歴史を浴びるよう読み漁る この方向を極めたいなら、「速読」に手を染めます そもそも圧縮学習である読書が、より高い圧縮率へとアップグレード され、「天才のひらめき」ができる領域に、頭の造りがスイッチしていく 水準の知識量を蓄えられるようになります (≒量から質への転換) 私は、このテクニックを使い、以下の領域を高速学習 した上で、実践を行い、以下を習得していきました • マーケティング/セールス/経済学/地政学 • トレーディング/金融工学/投資/不動産 • ビジネスと事業の立ち上げ方、会計、税法 • (進行中) 相対性理論、量子力学、脳科学

Slide 39

Slide 39 text

38 2-3.本という歴史を浴びるよう読み漁る ちなみに、私のこれまでの生涯読書数は、およそ4,000冊強です これは年平均すると140冊、月あたり平均13冊になります 参考までに、ここ数年のAmazon購入履歴は、こんな感じです (最近、本は、Amazonでしか買っておらず、買うのはほぼ本です) ➢ 2017年 : 209,702 円 145件 ➢ 2018年 : 185,232 円 136件 以下のスクリプトを、Amazon購入履歴ページ開いて、Chrome で走らせれば、自動計算できます (本以外もカウントされます) https://gist.github.com/yociya/6892cfa1d97e6805ca10b8e54997db68

Slide 40

Slide 40 text

39 2-3.本という歴史を浴びるよう読み漁る とある号のプレジデントに、「海外と日本の読書量の差」が書かれて いて、日本人成人のナント45%は、本を一切読まないそうです… その一方、年収2,000万を超える日本人と、海外勢は、月平均 10冊を読むようです 金銭面で裕福になりたい方は、とにもかくにも、 「本という歴史を浴びるように読み漁る」

Slide 41

Slide 41 text

40 3.ITと経済の歴史に学ぶ

Slide 42

Slide 42 text

41 3-1.「日本のIT」と「欧米のIT」の発展に学ぶ

Slide 43

Slide 43 text

42 3-1.「日本のIT」と「欧米のIT」の発展に学ぶ 1980年代、コンピュータ市場が急拡大し、日本製メモリが米国の コンピュータ産業で全面採用された結果、メモリ世界シェアで日本 が80%をも占める大躍進を遂げます 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」というフレーズが流れ、日本は、GDP 世界第2位のハードウェア立国を果たし、米全土を買い上げられる ほどの大成功を収めました 米国は、この大敗から学び、1990年代以降、国をあげて、「情報 スーパーハイウェイ構想」と呼ばれる通信インフラ増強とソフトウェア 拡充に大きく舵を切り、これがMicrosoftやApple、Amazon、 Googleといった巨大ソフトウェア企業を生んだり、クリーンなデータ 構造やBIを屋台骨としたAI・ML開発の大躍進を後押ししました

Slide 44

Slide 44 text

43 3-1.「日本のIT」と「欧米のIT」の発展に学ぶ 一方、日本は、ハードウェア立国の成功体験に浮かれ、バブルが 崩壊した後も、ソフトウェアおよびプログラマを「ハードウェアのオマケ」 と軽視し続けました プラザ合意という実質的な経済制裁により、対外貿易が制約され、 内需中心の生き残りをせざるを得なくなったことで、海外の事情に 疎くなったことも、この状況に拍車をかけています ※制約される中で、内需で自立し、GDP世界3位は凄い実績ですが、「引き篭もり続けた」ことが問題 「就職氷河期」の発生や「失われた20年」の原因の1つと考えます 今、諸外国と比べ、国内エンジニア/プログラマが冷遇されてること も、この時代からの名残で、30年前に端を発した現象と考えます (データのダーティさ故にAI・ML開発の推進が鈍いことも同様です)

Slide 45

Slide 45 text

44 3-1.「日本のIT」と「欧米のIT」の発展に学ぶ 株価が全てを表す訳では無い ですが、日米の発展の違いを 比較するには、分かりやすい です (横軸年は合わせてある)

Slide 46

Slide 46 text

45 3-1.「日本のIT」と「欧米のIT」の発展に学ぶ この「日本のIT」と「欧米のIT」の発展の違いから 「学び方を学ぶ」 ところは 「時代の変化を掴むには、成功体験は捨てる」 ということです

Slide 47

Slide 47 text

46 3-1.「日本のIT」と「欧米のIT」の発展に学ぶ ちなみに、現代の経済は、「ITが主導権を握っている」といっても、 過言ではありません この章が、「ITの歴史に学ぶ」と銘打ちつつ、同時に経済に纏わる 内容が多いのは、「エンジニアも経済を知ろう」というヒントです 一方、非エンジニアであっても、エンジニア領域の知識をそれなりに 蓄えた上で、ビジネスモデルやプロダクト、マーケット動向、諸外国の 動向を見ていかないことには、太刀打ちできない…もヒントです プログラミング教室が流行っていますが、そういうミクロな視点よりも、 もっとオールラウンドなエンジニア領域のリテラシー向上と、経済とIT 発展の関係性を理解する教育の方が、急務だと私は捉えています

Slide 48

Slide 48 text

47 3-2.「バブル」から学ぶ

Slide 49

Slide 49 text

48 3-2.「バブル」から学ぶ さて、「バブル」と「バブル崩壊」は、90年代の日本に起こった現象 だけでは無く、各国の歴史の中で、何度も起こっています (ちなみに、バブル形成に影響する興銀は、70年の新日鉄の誕生 に深く関わっており、私の住む北九州は、新日鉄の中心地です)

Slide 50

Slide 50 text

49 3-2.「バブル」から学ぶ 実は1600年代から130回のバブルが起きています (下記は抜粋) 1637 オランダでのチューリップ・バブル 17世紀 日本の江戸時代の荻原重秀の貨幣改鋳(金銀改鋳)による元禄バブル 1719年代 フランスでのミシシッピ計画 1720年代 イギリスでの南海会社バブル事件(南海泡沫事件)、「バブル」の語源となった 1840年代 イギリスで鉄道会社の株に投資が殺到(鉄道狂時代) 1872 - 1879 日本の軍需の為の食肉毛皮需要によるウサギ飼育ブーム(ウサギバブル) 1915 - 1920 日本の株・土地・商品の上昇(大戦景気、大正バブル) 1920年代 米で第一次大戦の資金流入バブル、「暗黒の木曜日」で崩壊、世界恐慌に 1986 - 1991 日本の株と土地の異常な上昇でバブル 1992 - 1994 メキシコをはじめとする中南米バブル 1993 - 1997 東南アジアの不動産バブル、アジア通貨危機で崩壊 1999 - 2000 アメリカを中心に世界中のITバブル 2003 - 2006 世界中の不動産バブル、サブプライムローン問題で崩壊 2004 - 2008 世界中の原油資源バブル 2017 - 現在 仮想通貨

Slide 51

Slide 51 text

50 3-2.「バブル」から学ぶ バブルの日本史と世界史、時代背景、纏わるプレイヤーについて 話し出すと、これまた長いので、その原因のみを要約します それは、 「過剰なあり得ない期待」 で実体より泡は膨れ、 「後先無に我を忘れる熱狂」 で引き際が見えず、 「自分だけは周りと違うという過信」 で逃げ遅れ、 そして、 「過剰かつ急速な失望」 により泡は崩壊する… という、「人の心理的特性」 が大きい、と考えます

Slide 52

Slide 52 text

51 3-2.「バブル」から学ぶ こうした「人の心理的特性」は、幾ら技術が進歩しても、人の根本 的な特性 (心理面や生存本能) が、原始時代から何も変わって いないことを意味します これを 「穴居人 (けっきょじん) の原理」 と呼びますが、狩りをする 中で生き延び (扁桃体)、勝者として、あるいは交渉人 (前頂葉) として、多くを得つつ、子孫繁栄のためにモテようとし (視床下部)、 その一方で、穴ぐらの中で火を眺め、1日の疲れを癒やして安心を 得たい…という、原始脳のメカニズムです 「成功する (負けない)」ことが重視される、 一般生活や仕事でこれらは機能しますが、 市場においては、うまくいかない要因です

Slide 53

Slide 53 text

52 3-2.「バブル」から学ぶ もう1つ、人の特性として、「数字オンチ」「確率オンチ」が挙がります たとえば、「周りの30%の人が持っていたら、みんなが持っている」と 誤認したり、塩漬け、つまり、「損の増加は無限大に許容」する割 に、「利益が少しでも出たら、確定したくて仕方無い」といったように、 人の数字や確率に対する非対称性や非合理性は、市場取引に かなり不利に働きます (実は、経営や事業推進でも不利です) もっと詳しく知りたい方は、「プロスペクト理論」 で調べてください

Slide 54

Slide 54 text

53 3-2.「バブル」から学ぶ では、このバブルから 「学び方を学ぶ」 領域は、どこかと言うと、 「心理や周りに惑わされず、ファクトで判断する」 ということです 佐藤先生がお話した 「現場・現実・現物」 と同種の主張です

Slide 55

Slide 55 text

54 3-3.なぜ歴史は繰り返すのか?

Slide 56

Slide 56 text

55 3-3.なぜ歴史は繰り返すのか? 歴史を学ぶ上で、外せない重要な考え方があります 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」 オットー・フォン・ビスマルク (ドイツ貴族、政治家) 【1815-1898】 人の歴史は、以下3種類の動きで構成され、自らの経験で無いと 学べない「愚者」が、歴史を繰り返す…を把握する必要があります ① 指数関数的な発展を遂げる ② 発展限界に到達し、別のレールに切り替えるか、衰退する ③ 過去の歴史に学ばず、同じことを繰り返す ※そもそも、「自らの経験からすらも学べない」という方も観測されますが…

Slide 57

Slide 57 text

56 3-3.なぜ歴史は繰り返すのか? 人類の歴史で、戦争が何度も繰り返されるのも、バブルが130回 も起こるのも、この「自らの経験からしか学べない」が大きく影響して いると私は考えています エンジニア領域においても、こうした繰り返しはあります…たとえば ➢ 「車輪の再発明」 ➢ 過去、解決した手段を調べず、似たもの/劣化品を作る ➢ 既存のプログラミングパラダイムだけでやりたがる ➢ 関数型のような、新たなパラダイムを学ぶことを拒否する ➢ (本当は最古のパラダイムであって、新しくは無いんですけどね…) などなど

Slide 58

Slide 58 text

57 3-3.なぜ歴史は繰り返すのか? ここから 「学び方を学ぶ」 ところは、ここまでお伝えしたことをかぶりますが 「まず歴史や先人の過去をサーベイする」 ということです

Slide 59

Slide 59 text

58 4.未来を予測する

Slide 60

Slide 60 text

59 4.未来を予測する 「未来の技術予測なんて、できないよね」という論調が強めなので、 その背景について考えてみます 以下のような思考パターンだと、高確率で読み間違えます ✓ ゼロベースの憶測、空想の産物 ✓ 個人的な願望、自社利益誘導 ✓ 既存産業構造の延長で思考する ✓ 産業の伸びと、技術の進化は、必ずしも一致しない ✓ 現在の最新技術を把握していない ✓ 技術が、経済や人の暮らしを変えるチカラを過小評価する

Slide 61

Slide 61 text

60 4.未来を予測する 一方で、高精度な未来予測を行う思考パターンは、以下をベース に組み立てていきます ① 今日の最新技術やプロトタイプが成熟した結果で考える • 今、無い技術で想像する必要は無い ② 現代の物理法則や自然法則 (4つの力) と矛盾しない • 物理法則や自然法則 (重力、電磁気力、弱い核力、強い 核力) の解明は、おおかた明らかにされており、その部分を 逆転させる技術の出現は見込めない ③ 「穴居人の原理」に反しない • テクノロジーが幾ら成立しても、それが人々に浸透するかは、 「穴居人の原理」に制約されるため、たとえば、「カッコ悪い」 ウェアラブルデバイスは、受け入れられない

Slide 62

Slide 62 text

61 今回は、「学び方」にフォーカスしているため、未来予測そのものに ついては割愛させていただきますが、 「学び方を学ぶ」 を未来予測の観点でなぞらえば、 「今あるものが成熟した姿を描く」 という思考パターンにより、現実的な未来予測を できるようになり、今後出現するテクノロジーは 予測できるようになります 4.未来を予測する 私の未来予測の多くは、 この物理学者の本と各種 論文をベースにしてます

Slide 63

Slide 63 text

62 5.今日どう生きるか、考える

Slide 64

Slide 64 text

63 5-1.未来を作る ~宣言的で予言的な活動~

Slide 65

Slide 65 text

64 5-1.未来を作る ~宣言的で予言的な活動~ どのような未来が訪れるかを、事前に読めているのであれば、自ら、 「その未来を作ることに加担する」 というマッチポンプができるので、1段上の良質な学びが得られます 更に、自分が身の回りの世界を変えていく、という体験を通して、 「世界すらドライブする、主体的な人生を送る」 ことに繋がり、心身の健康に、とても良いです これには、名前が付いていて、 「自己達成的予言 (self-fulfilling prophecy) 」 と呼ばれます (別名: ピグマリオン効果)

Slide 66

Slide 66 text

65 5-1.未来を作る ~宣言的で予言的な活動~ 実は皆さんも、気付かないうちに、この「自己達成的予言」を実行 していたりします…たとえば、こんな口癖、ありませんか? ➢ 「私には、これはできない」 ➢ 「私はダメだな」 ➢ 「この技術には叶わない」 このような、ネガティブな自己達成的予言にも名前が付いていて、 「ピグマリオン効果」の反対語で、「ゴーレム効果」と呼びます そんなゴーレムさん (笑) に、1つ良いヒントをお伝えします 「未来のことは、良いことも、悪いことも、全て嘘」

Slide 67

Slide 67 text

66 さて、ここから 「学び方を学ぶ」 を抽出すれば、 「予測した未来を叶えるために学ぶ」 という主体性高い学び方を導くことができます このゴールから逆算する考え方は、 「バックキャスティング」 と呼ばれ、国連が国際目標で掲げる 「SDGs (持続可能な開発目標)」 でも注目されています 5-1.未来を作る ~宣言的で予言的な活動~

Slide 68

Slide 68 text

67 5-2.エンジニア/非エンジニアに共通の学び方

Slide 69

Slide 69 text

68 5-2.エンジニア/非エンジニアに共通の学び方 ここまでの内容を、エンジニア/非エンジニア共通の学び方として、 そのエッセンスを整理すると、こうなります ① 「なぜ?」を持つこと、つまり「常識を疑う」 ② 動作するメカニズムを知る ③ 本という圧縮歴史を浴びるように読み漁る ④ 時代の変化を掴むには、成功体験は捨てる ⑤ 心理や周りに惑わされず、ファクトで思考する ⑥ まず歴史や先人の過去をサーベイする ⑦ 今あるものが成熟した姿を描く ⑧ 予測した未来を叶えるために学ぶ

Slide 70

Slide 70 text

69 5-3.エンジニアならではの学び方

Slide 71

Slide 71 text

70 5-3.エンジニアならではの学び方 エンジニアと非エンジニアの決定的な違いは、 「プログラミング」+「クラウドオートメーション」 により、 「自律的に動き続けるシステムを構築できる」 か否か、です これは言葉を変えると、 「小さな世界を自分の手元で記述できる」 という、ある種、「ちっちゃな神の仕事?」をエンジニア全員が持って いるということです

Slide 72

Slide 72 text

71 5-3.エンジニアならではの学び方 …と、まぁ、ここまで厨二病をこじらせなくても、 「生産手段を持ち、その生産性すら向上できる」 という、まるで「永久機関」のような構造を、エンジニア全員が持って いるということです …きっと、こう思われるんじゃないでしょうか? 「いやいや、それは理屈上の話だよね?」 さぁ、その答えは…

Slide 73

Slide 73 text

72 明日13時、広島Elixirコミュでお話します! ”広島 Elixir 第1回” でググって、お申込み くださいm(__)m

Slide 74

Slide 74 text

73 は、まぁ冗談として

Slide 75

Slide 75 text

74 5-3.エンジニアならではの学び方

Slide 76

Slide 76 text

75 5-3.エンジニアならではの学び方 「知識労働の生産性は 量よりも質の問題であることを認識する」 ピーター・ドラッカー【1909-2005】 「テクノロジストの条件」より さて、ここから最後の 「学び方を学ぶ」 ですが、 「エンジニアになれば、未来を自分で作れる」 ということです

Slide 77

Slide 77 text

76 5-4.オマケ:「茨の道」のススメ 谷本さんの高速道路に刺激を 受けて、追加してみました

Slide 78

Slide 78 text

77 5-4.オマケ:「茨の道」のススメ 先月発売され、ベストセラー入りの「天才を殺す凡人」 では、凡人は「共感性」により、自分と似たような仲間 を大事にする一方、創造性で貢献する「天才」は理解 できないので、排斥・迫害されることがあります ちょっと話しにくい内容が多いので伏字 気になる方は、懇親会で聞いてください

Slide 79

Slide 79 text

78 最後に:ココでご紹介した学び方を実践しています ”エンジニアの楽園” でググって、私の「現在地」と「これから」どうぞ (このコラムから抜粋) 「愚者は経験に学び、 賢者は歴史に学ぶ」 もし、英語が苦手でも 日本語に翻訳された 最新情報を追えばOK 経験値任せ…つまり 「車輪の再発明」をする 危険より、遥かに良い

Slide 80

Slide 80 text

79 ご清聴ありがとうございます