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経理DXのための 業務プロセス再構築 株式会社Backyard 代表取締役 武内俊介 2021/11/11 @コーポレートDX DAY

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武内 俊介 株式会社Backyard 代表取締役 業務設計⼠® 税理⼠ TAKEUCHI SHUNSUKE • ⾦融のシステム企画部⾨、会計事務所、スタート アップのバックオフィスを経て、独⽴。 • 会計処理から逆算した業務フローや全体の設計に強 みを持ち、Salesforce+freeeの導⼊⽀援実績多数。 • 複数のSaaSを組み合わせたパッケージ型バックオ フィスサービス「BrowniesWorks」を2020年1⽉に リリース後、2021年4⽉より分社化。 • 現在はSmartHRのグループ会社・Backyardの代表 として、業務フローの作成と運⽤を⽀援するプロダ クトを開発中。 2 @Libero_shunsuke

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©Libero 3 • 年商数億円前後の中⼩企業を中⼼に 税理⼠補助業務を担当。 • 仕事以外の時間はすべて税理⼠試験 の勉強にあてる。 • バックオフィスの設計と構築を複数社で担当。 • SFDCの導⼊や会計ソフトの変更、請求システムの再 構築、IPO準備などを⾏う。 • 副業としてコンサルタント業を複数社に提供。 • 働きながら⼤学院を修了し、税理⼠登録 ベンチャー企業 会計事務所 2004 2009 2012 • 新商品についての業務フロー構築やシス テムの要件定義を担当。 • 主に交通系(⾶⾏機、⾞、電⾞)の提携 クレカの開発を⾏う。 ⾦融系企業 2004年 2012年 2009年 2016 税理⼠登録を機に 独⽴ 2016年 キャリアの変遷

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4 ⼀晩で業界内の有名⼈に 税理⼠+業務委託(主に経理部) 「MFクラウドとfreee」 のスライドがバズる 2018 2016 起業 2016〜2018年 2018年10⽉ 2018年12⽉ あ! あの武内さん! 名刺交換すると… 2017 • 依頼があればSalesforce構築なども⼿掛 けていた • 税理⼠だけで続けていけるイメージが もてなかった 先輩経営者の⾔葉で 起業に踏み出した キャリアの変遷 2021 2021年4⽉ 事業譲渡 元従業員に経理コンサル 事業を譲渡 顧問先もすべて引き継ぎ 2021年5⽉ 創業 SmartHR傘下で新サービ スの開発を開始

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5 https://b-yard.jp/ 現在、β版テスト実施中

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Backyard 6 \登壇時のスライド30本以上公開中!/ https://speakerdeck.com/shunsuke_takeuchi/

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Agenda 7 1. 企業を取り巻く環境の変化 2. 業務プロセスの再構築 3. まとめ

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Backyard 企業を取り巻く 環境の変化 01

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9 効率化に取り組む必要性

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10 経済環境の悪化 デジタル環境の変化 ⼈⼿不⾜ コロナ不況 SaaSの普及 電⼦帳簿保存法 電⼦インボイス

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11 DX ペーパーレス ⾃動化 脱ハンコ 業務効率化 テレワーク SaaS導⼊ クラウド ⼈⼿不⾜対策 AI活⽤ RPA 働き⽅改⾰ ⽣産性 DXとはシステム導⼊ではない!

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12 改⾰のために、改善が必要 Step 3: ビジネス全体のデジタル化 Step 2: プロセスのデジタル化 Step 1: ⼿段のデジタル化 Step 0: アナログな世界 デジタル化 (デジタイゼーション) デジタル活⽤ (デジタライゼーション) デジタル変⾰ (デジタル・トランスフォーメーション) ビジネス上のすべての活動がデジタル上で⾏われる ことを前提に再構築される。 収益構造やビジネスモデルも変質する。 データ⼊⼒・収集やDBへの格納などプロセス全体もデジタル化する。 処理が効率化され、データ活⽤によりビジネスが加速する。 アナログ情報をデジタル化する。 Excelや簡易なシステムを活⽤した集計なども含まれる。 Ex)紙の書類をデータ化する。 紙の書類、書棚管理、ハンコ⽂化、ファクシミリ、etc.

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13 ࢓૊ΈΛࠜຊ͔Β ม͑Δඞཁ͕͋Δ システムを導⼊することがDXではない

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14 TOP DOWN BOTTOM UP 改 ⾰ (DX) 改 善

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15 改善に必要な要素 正確な現状把握 知識・経験の共有 改善サイクルの確⽴

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16 業務プロセスの 再構築が必要だ!

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Backyard 業務プロセスの再構築 02

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「どのシステムを⼊れるか」は後回し 「業務フローとデータフローを整える」ことを まず考えなければならない 18 最初に 取り組むこと 業務フロー・ データフローの⾒直し バックオフィス の効率化 システムの 検討 直接 ⼿段の検討 プロセスの⾒直し後に⼿段の検討

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19 今の業務をシステムに乗せ替える 簡単に⾒えるが、思ったよりも効率化されなかったり、 改善が難しく、すぐに限界をむかえることも多い。 フローを整えた上でシステムを導⼊する 遠回りに⾒えるが、処理がスムーズになり、 ⻑期的に改善し続けられる状態になる。 SYSTEM 01 SYSTEM 02 SYSTEM 03 業務A 業務B 業務C 業務D 業務A 業務B 業務C 業務D 逆に⼿間が 増えることも… SYSTEM 01 業務A 業務B 業務C 業務D SYSTEM 02 SYSTEM 03 効率的 業務ごとに個別にシステム導⼊ 業務フロー・データフローに合うシステム導⼊

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20 Excelでの業務は 効率化を阻害する!

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21 Excel活⽤の ◯× A B C D E F G 1 2 3 4 5 6 7 8 ⼀時的な データ加⼯ 何でもできる データベース

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22 Excelのデメリット Excelでのデータ管理は デジタル化と逆⾏する Excelが 溢れることの デメリット データが点在する バージョン管理ができない データを集計する⼿間がかかる

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23 DBは⼀元管理 ⾊んなところに点在させてはいけない 顧客情報 従業員情報 会計情報 Excelでやっている限りは、絶対に実現できない 顧客情報、従業員情報など、 ⾊んなところで参照する1つのDB から取ってくる ものは

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24 業務フロー設計 システム 業務フローに合わせてシステムを作るのではなく システムに合わせて業務フローを作る 今までやっていたことをそのままシステムで再現するのは無意味 業務フロー 業務 業務 業務 業務 システム 業務フロー 業務 業務 業務 業務

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25 ゴールの設定 問題の解消では不⼗分 最適化した仕組み

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26 今の業務をシステムに載せ替えてはならない • 現状のまま、業務ごと個別にシステム導⼊しても意味がない。 • ⼀⾒、簡単に⾒えるが、逆に「余計な⼊⼒作業」など、⼿間が増えることも。 • 後の改善が難しく、いずれ、また限界を迎える。

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27 フローを整えた上でシステムを導⼊する • 業務フロー・データフローを整備したうえ、それに合うシステムを導⼊する。 • ⼀⾒、遠回りに⾒えるが、処理全体の流れがスムーズになる。 • ⻑期的に改善し続けることができる。 ⾒積 営業 契約 実働 売上 費⽤ 消込 ⽀払 経理 業務フロー・データフロー

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Backyard まとめ 03

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29 ほとんどの経理処理の問題は フロント業務に原因がある バックオフィスは3階建て

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30 改善に重要なポイント 発⽣情報の把握 ⼀度しか⼊⼒させない ü 請求書が回ってこないと分からない (事後把握)のはNG ü 発⽣時点の情報を経理が把握する ü RPAやマクロは本質的な解決にならない ü 転記しなくてもいい仕組みを作る

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31 情報の流れを再構築する

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●入金管理 ●支払管理 ●取引登録 ● B/S、PL作成 ●月次推移表 ●経費精算 ●管理 案件管理 ●書類作成 発注書 請求書 領収書 売上 データ クライアントに送付 (メール) 銀⾏(ネットバンク) EC ⾒積書 請求書 ●振込データ作成 ●振込予約 など ● 支払請求書のデータ化 ● 支払依頼(承認ワークフロー) ● 振込データの作成 振込データ 入出金データ クレジットカード 費用データ 32 再構築後のフローの例

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33 経理とは 情報を 扱う仕事である 請求管理 (売上) 支払管理 (原価、販管費) 経費精算 (販管費) 給与計算 (原価、販管費) その他 在庫, 固定資産,経過勘定など 会計 データ 会計データの前の 鮮度の⾼い情報を どれだけ把握するか 伝票処理だけで 良かった時代は 終わった!!!

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34 業務改善は「オペレーション」と「マインド」の両軸で回る マインド・トライアングル 1. 未完成 ・業務フローは永遠に“未完成”である ・作成した後、活⽤しなければ無意味 2. ⾃分事 ・“⾃分たち”の⼿で創り上げていく ・どこかに⽤意された正解はない (ただし、良いものはどんどん参考に) 3. 可視化 ・×担当者の頭の中 → ○誰でも⾒える形に ・可能な限り図式化 1 2 3 1 3 2 オペレーション・トライアングル 1. 再現性 ・毎回、同じアウトプットが出せる ・全体像を理解しつつ業務を進める 2. 代替性 ・誰がやっても、同じアウトプットが出せる ・引き継ぎやアウトソースがスムーズに⾏える 3. 改善性 ・活動ログが残り、様々な切り⼝から分析できる ・⾼頻度での改善が容易にできる 2軸が相互に作⽤してこそ、 業務改善のサイクルを回すことができる

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35 会計がコーポレートのDXにおいて キーになることは間違いない すべての企業活動は 会計データに変換される 「 」