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Restructuring of business processes for accounting DX

Restructuring of business processes for accounting DX

DX(デジタルシフト)があらゆる業務で求められる中で、当然に経理をはじめとしたバックオフィスも例外ではありません。しかし、バックオフィス業務は細かい無数の業務が存在し、かつ、日々それらの業務を同時並行で対応しなければいけない性質をもっています。
よって、大方針としての「改革」ではなにも進まず、ボトムアップで積み上げる「改善」のアプローチが非常に重要になります。大方針は、Excel排除や業務プロセスをシステムに合わせて最適化していくこと。その方針の下で、1つ1つの業務プロセスの現状把握・問題点の洗い出し・改善立案・実施までのPDCAサイクルを細かく何度も何度も回していくことが重要です。
DXは一日にしてならず。経理の役割も「伝票を入力する人」から「情報の流れをコントロールする人」に変化が求められる中で、この変化に乗り切れない企業は衰退していくことでしょう。

Shunsuke Takeuchi

November 11, 2021
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Transcript

  1. 武内 俊介 株式会社Backyard 代表取締役 業務設計⼠® 税理⼠ TAKEUCHI SHUNSUKE • ⾦融のシステム企画部⾨、会計事務所、スタート

    アップのバックオフィスを経て、独⽴。 • 会計処理から逆算した業務フローや全体の設計に強 みを持ち、Salesforce+freeeの導⼊⽀援実績多数。 • 複数のSaaSを組み合わせたパッケージ型バックオ フィスサービス「BrowniesWorks」を2020年1⽉に リリース後、2021年4⽉より分社化。 • 現在はSmartHRのグループ会社・Backyardの代表 として、業務フローの作成と運⽤を⽀援するプロダ クトを開発中。 2 @Libero_shunsuke
  2. ©Libero 3 • 年商数億円前後の中⼩企業を中⼼に 税理⼠補助業務を担当。 • 仕事以外の時間はすべて税理⼠試験 の勉強にあてる。 • バックオフィスの設計と構築を複数社で担当。

    • SFDCの導⼊や会計ソフトの変更、請求システムの再 構築、IPO準備などを⾏う。 • 副業としてコンサルタント業を複数社に提供。 • 働きながら⼤学院を修了し、税理⼠登録 ベンチャー企業 会計事務所 2004 2009 2012 • 新商品についての業務フロー構築やシス テムの要件定義を担当。 • 主に交通系(⾶⾏機、⾞、電⾞)の提携 クレカの開発を⾏う。 ⾦融系企業 2004年 2012年 2009年 2016 税理⼠登録を機に 独⽴ 2016年 キャリアの変遷
  3. 4 ⼀晩で業界内の有名⼈に 税理⼠+業務委託(主に経理部) 「MFクラウドとfreee」 のスライドがバズる 2018 2016 起業 2016〜2018年 2018年10⽉

    2018年12⽉ あ! あの武内さん! 名刺交換すると… 2017 • 依頼があればSalesforce構築なども⼿掛 けていた • 税理⼠だけで続けていけるイメージが もてなかった 先輩経営者の⾔葉で 起業に踏み出した キャリアの変遷 2021 2021年4⽉ 事業譲渡 元従業員に経理コンサル 事業を譲渡 顧問先もすべて引き継ぎ 2021年5⽉ 創業 SmartHR傘下で新サービ スの開発を開始
  4. 11 DX ペーパーレス ⾃動化 脱ハンコ 業務効率化 テレワーク SaaS導⼊ クラウド ⼈⼿不⾜対策

    AI活⽤ RPA 働き⽅改⾰ ⽣産性 DXとはシステム導⼊ではない!
  5. 12 改⾰のために、改善が必要 Step 3: ビジネス全体のデジタル化 Step 2: プロセスのデジタル化 Step 1:

    ⼿段のデジタル化 Step 0: アナログな世界 デジタル化 (デジタイゼーション) デジタル活⽤ (デジタライゼーション) デジタル変⾰ (デジタル・トランスフォーメーション) ビジネス上のすべての活動がデジタル上で⾏われる ことを前提に再構築される。 収益構造やビジネスモデルも変質する。 データ⼊⼒・収集やDBへの格納などプロセス全体もデジタル化する。 処理が効率化され、データ活⽤によりビジネスが加速する。 アナログ情報をデジタル化する。 Excelや簡易なシステムを活⽤した集計なども含まれる。 Ex)紙の書類をデータ化する。 紙の書類、書棚管理、ハンコ⽂化、ファクシミリ、etc.
  6. 19 今の業務をシステムに乗せ替える 簡単に⾒えるが、思ったよりも効率化されなかったり、 改善が難しく、すぐに限界をむかえることも多い。 フローを整えた上でシステムを導⼊する 遠回りに⾒えるが、処理がスムーズになり、 ⻑期的に改善し続けられる状態になる。 SYSTEM 01 SYSTEM

    02 SYSTEM 03 業務A 業務B 業務C 業務D 業務A 業務B 業務C 業務D 逆に⼿間が 増えることも… SYSTEM 01 業務A 業務B 業務C 業務D SYSTEM 02 SYSTEM 03 効率的 業務ごとに個別にシステム導⼊ 業務フロー・データフローに合うシステム導⼊
  7. 21 Excel活⽤の ◯× A B C D E F G

    1 2 3 4 5 6 7 8 ⼀時的な データ加⼯ 何でもできる データベース
  8. •入金管理 •支払管理 •取引登録 • B/S、PL作成 •月次推移表 •経費精算 •管理 案件管理 •書類作成

    発注書 請求書 領収書 売上 データ クライアントに送付 (メール) 銀⾏(ネットバンク) EC ⾒積書 請求書 •振込データ作成 •振込予約 など • 支払請求書のデータ化 • 支払依頼(承認ワークフロー) • 振込データの作成 振込データ 入出金データ クレジットカード 費用データ 32 再構築後のフローの例
  9. 33 経理とは 情報を 扱う仕事である 請求管理 (売上) 支払管理 (原価、販管費) 経費精算 (販管費)

    給与計算 (原価、販管費) その他 在庫, 固定資産,経過勘定など 会計 データ 会計データの前の 鮮度の⾼い情報を どれだけ把握するか 伝票処理だけで 良かった時代は 終わった!!!
  10. 34 業務改善は「オペレーション」と「マインド」の両軸で回る マインド・トライアングル 1. 未完成 ・業務フローは永遠に“未完成”である ・作成した後、活⽤しなければ無意味 2. ⾃分事 ・“⾃分たち”の⼿で創り上げていく

    ・どこかに⽤意された正解はない (ただし、良いものはどんどん参考に) 3. 可視化 ・×担当者の頭の中 → ◦誰でも⾒える形に ・可能な限り図式化 1 2 3 1 3 2 オペレーション・トライアングル 1. 再現性 ・毎回、同じアウトプットが出せる ・全体像を理解しつつ業務を進める 2. 代替性 ・誰がやっても、同じアウトプットが出せる ・引き継ぎやアウトソースがスムーズに⾏える 3. 改善性 ・活動ログが残り、様々な切り⼝から分析できる ・⾼頻度での改善が容易にできる 2軸が相互に作⽤してこそ、 業務改善のサイクルを回すことができる