新規プロダクトのPMFまでの道のり
by
Recruit
Slide 1
Slide 1 text
© Recruit Co., Ltd. 新規プロダクトのPMFまでの道のり 株式会社リクルート プロダクトデザイン室 川崎 絢司 2023.07.04
Slide 2
Slide 2 text
© Recruit Co., Ltd. お客様のスマホからいつでも注文ができる 『Airレジ オーダー』セルフオーダー
Slide 3
Slide 3 text
© Recruit Co., Ltd. 3 https://2020.pmconf.jp/sessions/83VXZiqj
Slide 4
Slide 4 text
© Recruit Co., Ltd. 4 PMFの道のり 今回話す期間
Slide 5
Slide 5 text
© Recruit Co., Ltd. 5 Q : PMF期、 どのように優先順位を決めて、 意思決定するか?
Slide 6
Slide 6 text
© Recruit Co., Ltd. 6 優先順位付け・意思決定 上流レベルの設計 (戦略・ロードマップ) 現場からのファクトベース (Discovery)
Slide 7
Slide 7 text
© Recruit Co., Ltd. 7 Vision/Mission 戦略 マーケ戦略 ロードマップ 差別化戦略 バックログ管理 課題整理 価値検証 開発優先度 オペレーション 設計 メトリクス設計 全体感の整理、一貫性の担保が難しい →日々の意思決定に直結しない
Slide 8
Slide 8 text
© Recruit Co., Ltd. 8 本日持ち帰っていただきたいこと ● 課題・開発優先度を決めるための上流枠組み ○ Vision/Mission、プロダクト戦略、メトリクス、戦略ロードマップの整合性のもたせ方 ○ プロダクト戦略の各要素の求め方・整合性の取り方 ○ 各要素・各アウトプットの依存関係(アップデートがあったときにどう相互に影響するか) ○ これら上流の枠組みをどう意思決定・優先度付けに使うか
Slide 9
Slide 9 text
© Recruit Co., Ltd. 9 目次 ● 全体像 ● Vision/Mission ● プロダクト戦略 ● メトリクス ● プロダクト戦略ロードマップ ● まとめ
Slide 10
Slide 10 text
© Recruit Co., Ltd. 10 全体像
Slide 11
Slide 11 text
© Recruit Co., Ltd. 11 Vision/Mission
Slide 12
Slide 12 text
© Recruit Co., Ltd. 12 Vision/Missionと他要素の関係性 抽象度 Why How 高 Vision(World Vision) = Where we want to be Mission =How we get there 中 (中長期の未来のある一時点の 状態) プロダクト戦略(WHY) プロダクト戦略(HOW) 低 (特定のタイムボックスと ゴール) プロダクト戦略ロードマップにてフェーズを分けて定義
Slide 13
Slide 13 text
© Recruit Co., Ltd. 13 VisionとMissionの関係
Slide 14
Slide 14 text
© Recruit Co., Ltd. 14
Slide 15
Slide 15 text
© Recruit Co., Ltd. 15 プロダクト戦略
Slide 16
Slide 16 text
© Recruit Co., Ltd. 16 プロダクト戦略と他要素の関係 抽象度 Why How 高 Vision(World Vision) = Where we want to be Mission =How we get there 中 (中長期の未来のある一時点の 状態) プロダクト戦略(WHY) プロダクト戦略(HOW) 低 (特定のタイムボックスと ゴール) プロダクト戦略ロードマップにてフェーズを分けて定義
Slide 17
Slide 17 text
© Recruit Co., Ltd. 17 プロダクト戦略の要素 カテゴリ 内容要素 粒度 N=1 粒度 : 定量 WHY Who to serve What problem to solve Outcome 価値定義 TAM/SAM/SOM HOW Value to deliver Value to capture How to solve Value Loop How to win(差別化戦略) STP, Point of X
Slide 18
Slide 18 text
© Recruit Co., Ltd. 18 カテゴリ 内容要素 粒度 N=1 粒度 : 定量 WHY Who to serve What problem to solve Outcome 価値定義 TAM/SAM/SOM HOW Value to deliver Value to capture How to solve Value Loop How to win(差別化戦略) STP, Point of X N=1定義
Slide 19
Slide 19 text
© Recruit Co., Ltd. 19 ベースの考え方 : 価値と対価の交換
Slide 20
Slide 20 text
© Recruit Co., Ltd. 20 価値定義
Slide 21
Slide 21 text
© Recruit Co., Ltd. 21 価値定義
Slide 22
Slide 22 text
© Recruit Co., Ltd. 22 プロダクト戦略N=1定義の各output関係性
Slide 23
Slide 23 text
© Recruit Co., Ltd. 23 ターゲット、問題、Outcome、価値 ● 誰の : 飲食店、特に複数回注文が発生する注文業務負荷が大きい飲食店 ● どんな問題 : 注文・会計のホール業務が忙しい→注文ロス ● Outcome : おまたせしない、注文ロスなし ● 価値 : 来店者が自分で注文できる・安価で導入
Slide 24
Slide 24 text
© Recruit Co., Ltd. 24 行動対価(Value Loop)
Slide 25
Slide 25 text
© Recruit Co., Ltd. 25 カテゴリ 内容要素 粒度 N=1 粒度 : 定量 WHY Who to serve What problem to solve Outcome 価値定義 TAM/SAM/SOM HOW Value to deliver Value to capture How to solve Value Loop How to win(差別化戦略) STP, Point of X 定量定義
Slide 26
Slide 26 text
© Recruit Co., Ltd. 26 何をTAM/SAM/SoMとするのか? U = 市場全体 TGT MKT CPF PSF PMF TAM : 問題が発生しうる対象全体。 ※発生しうるが、実際発生していない層や、発生していても、その解決 に対価を支払わない層も含む。また、競合のシェアも含む SAM : 問題解決によって実際に価値交換しうる層 ● CPF層 : 課題(有償解決意思)が発現するとしているセグメント(ソ リューション受容するかは関係ない) ● PSF層 : 課題が発現し、かつソリューションを受容するとしている セグメント SOM : 現在の機能・サービス・商品で展開して、fit(=価値交換)しうるセ グメント
Slide 27
Slide 27 text
© Recruit Co., Ltd. 27 TAM/SAM/SOM
Slide 28
Slide 28 text
© Recruit Co., Ltd. 28 メトリクス
Slide 29
Slide 29 text
© Recruit Co., Ltd. 29 前提の考え方 : 価値交換モデルとTopBizKPI/NSM TopBizKPI NSM
Slide 30
Slide 30 text
© Recruit Co., Ltd. 30 ダブルメトリクスツリー https://itamargilad.com/the-three-true-north-metrics-that-your-product-and-business-need/ TopBizKPI NSM One Metric That Matters(OMTM)
Slide 31
Slide 31 text
© Recruit Co., Ltd. 31 当時のメトリクス
Slide 32
Slide 32 text
© Recruit Co., Ltd. 閑話休題
Slide 33
Slide 33 text
© Recruit Co., Ltd. 33 プロダクト戦略 ロードマップ
Slide 34
Slide 34 text
© Recruit Co., Ltd. 34 プロダクト戦略ロードマップ 抽象度 Why How 高 Vision(World Vision) = Where we want to be Mission =How we get there 中 (中長期の未来のある一時点の 状態) プロダクト戦略(WHY) プロダクト戦略(HOW) 低 (特定のタイムボックスと ゴール) プロダクト戦略ロードマップにてフェーズを分けて定義
Slide 35
Slide 35 text
© Recruit Co., Ltd. 35 当時の戦略ロードマップ
Slide 36
Slide 36 text
© Recruit Co., Ltd. 36 どう順序づけるか 評価軸 / セグメント カジュアルダイニング カジュアルレストラン ・・・ 注文負荷課題の深さ ◎ ※注文のみで十分負荷 ◯ ※注文~会計の回転数が負荷 ・・・ 課題を持つ セグメントサイズ ◯ ◯ ・・・ 解決難易度 ◎ ※注文課題の解決で有償価値を出せる △ ※注文+会計で解決が必要 ・・・ 獲得難易度 (time to market) ◎ ※既存サービスの既存客多い △ ※新規開拓多い ・・・ アセット蓄積 (次ステップへのシナ ジー) ◯ ※注文特化で業務に深くフィットさせられる △ ※カバー範囲広いため個々の業務 領域の深い解決が難しい ・・・
Slide 37
Slide 37 text
© Recruit Co., Ltd. 37 Goals、Initiatives、Ideasとの接続 戦略的意図 (セグメントx価値 登り方) Goals (lagging) Product Initiative (leading) Big Ideas
Slide 38
Slide 38 text
© Recruit Co., Ltd. 38 Ideaの優先順位付けへの適用 ①戦略上の位置づけ ②位置づけ内の優先度
Slide 39
Slide 39 text
© Recruit Co., Ltd. 39 まとめ
Slide 40
Slide 40 text
© Recruit Co., Ltd. ● 課題・開発優先度を決めるための上流枠組み ○ Vision/Mission、プロダクト戦略、メトリクス、戦略ロードマップの整合性のもたせ方 ■ 抽象的な向かう場所・向かい方(Vision/Mission)、未来のある一時点の価値定義(プロダクト戦略)、 登り方(プロダクト戦略ロードマップ)で整理する ○ プロダクト戦略の各要素の求め方・整合性の取り方 ■ N=1と定量両面で、WHYとHOWの要素を整理する ■ 価値定義で、問題-価値の整合性と、価値-対価の等価交換が成立するかを点検する ■ 定量はTAM/SAM/SOMから一歩踏み込み、課題ありなし、ソリューション受容性あるなし、現在の 機能での獲得可否でセグメント軸を切る ○ 各要素・各アウトプットの依存関係(アップデートがあったときにどう相互に影響するか) ■ アウトプット内の各要素の関係性をもとに、整合性が保たれるようアップデートしていく ○ これら上流の枠組みをどう意思決定・優先度付けに使うか ■ 戦略的意図、Goal(lagging)、Product Initiative(leading)の枠組みで、今注力すべき指標を設定する ■ ideaごとにどの戦略のどの指標に資するのかを整理し、優先群のideaの中からICEなどで優先度付 けしていく 40 本日持ち帰っていただきたいこと
Slide 41
Slide 41 text
© Recruit Co., Ltd. 41 おまけ(Discoveryからの学習システム) 案件全体のフロー 価値検証のフロー・意 思決定のロジック ideaのProblem/Outcomeを定 義するフレームワーク
Slide 42
Slide 42 text
© Recruit Co., Ltd. ご清聴ありがとうございました!!
Slide 43
Slide 43 text
© Recruit Co., Ltd. Appendix
Slide 44
Slide 44 text
© Recruit Co., Ltd. 価値定義の完了条件は? 44 ○ 完成はない。初期仮説から変わっていく ○ 交換がそれで成立するのか? N=1でも。それが確認できなければ、絵に描いた餅 ○ N=1と一定の定量で蓋然性が確認できたら、一旦doneとする → 随時アップデートしていく
Slide 45
Slide 45 text
© Recruit Co., Ltd. 45 何をセグメント軸とするのか? 軸と因子 ● 軸は汎用性が高いもの、因子は個別性が高く軸として使うとomit過剰になってしまう ● 例) 席数は軸、多層階・個室は因子 定性と定量ラベル ● 定性での状態定義 → それを表す定量ラベルの選定・磨き込み 定量ラベルは外部から観測できる軸で ● 内面ではなく行動・状況。課題(行動)の発生に寄与するものを選定 Omitと優先度 ● その軸は、Omitするためか、優先順位付けのためか ● Omit(課題が発生する前提、ソリューションを受容できない前提条件)を最優先に定義
Slide 46
Slide 46 text
© Recruit Co., Ltd. 46 SAMをどう分割するのか ● SAM = CPF,PSFは満たしている ● だがソリューションへの要求度が高い、プロダクトへの要求が異なる層で分ける
Slide 47
Slide 47 text
© Recruit Co., Ltd. 47 TAM/SAM/SOMのその後の応用 ● SAMをなぜCPF/PSFの2つに分けるのか ■ 後PMFグロースフェーズにて、GTMしていく際、失注・チャーン理由を↑のように分ける ■ どこでつまずいたCLのVoCなのか、VoCの見方が変わってくる