Slide 1

Slide 1 text

Unity+AWSによる マネージドなゲームサーバ運用 株式会社ミクシィ 小端みより

Slide 2

Slide 2 text

○ 小端みより / ゲームエンジニア ○ コンシューマゲーム業界から株式会社ミクシィに入社し、 複数タイトルの開発に携わる (すべてオンラインマルチプレイ対応) (C) mixi, Inc. All rights reserved. 2 自己紹介

Slide 3

Slide 3 text

新作オンラインマルチプレイのゲームを開発中 (C) mixi, Inc. All rights reserved. 3 現在も・・

Slide 4

Slide 4 text

(C) mixi, Inc. All rights reserved. 4 まずはじめに

Slide 5

Slide 5 text

○ Unityだったら簡単!マルチプレイ用ゲームサーバ開発 ~実践編~ というテーマで講演をさせて頂きました https://learning.unity3d.jp/3341/ ○ Unityで本格的なオンラインマルチプレイのアクションゲーム 開発のためのゲームサーバを実装し運用するという内容 (C) mixi, Inc. All rights reserved. 5 UniteTokyo2019では

Slide 6

Slide 6 text

別のスライドに移動します (C) mixi, Inc. All rights reserved. 6 講演内容の振り返り

Slide 7

Slide 7 text

○ チート耐性および通信の安定性や実装がシンプルになる などの理由からサーバ集中処理型の設計を採用した しかし必然的にネットワーク遅延の影響が大きくなるため ○ 極力安定した高品質なインフラ環境が必要となる ○ となると運用コストも高騰する懸念がある (C) mixi, Inc. All rights reserved. 7 講演の要約としては

Slide 8

Slide 8 text

Amazon GameLiftを使えばすべて解決・・!? (C) mixi, Inc. All rights reserved. 8 そんな懸念も

Slide 9

Slide 9 text

(C) mixi, Inc. All rights reserved. 9 GameLiftについて

Slide 10

Slide 10 text

ゲームサーバ運用に特化されたマネージドサービス ○ サーバをデプロイするだけでプロセスの起動や監視、 スケーリングなどもすべてやってくれる ○ AWSのインフラを使用するので低レイテンシかつ高信頼な 通信環境を実現できる ○ しかも使い方次第で運用コストも抑えられる・・?? (C) mixi, Inc. All rights reserved. 10 GameLiftとは

Slide 11

Slide 11 text

GameLiftはふたつのゲームサーバ方式に対応している ○ 「リアルタイムサーバ」(新機能) JavaScriptによる簡易的な実装 ○ 「カスタムゲームサーバ」 従来型のゲームサーバで、本格的なゲーム開発に適する (C) mixi, Inc. All rights reserved. 11 まず

Slide 12

Slide 12 text

GameLiftはふたつのゲームサーバ方式に対応している ○ 「リアルタイムサーバ」(新機能) JavaScriptによる簡易的な実装 ○ 「カスタムゲームサーバ」 従来型のゲームサーバで、本格的なゲーム開発に適する 今回はこちらを扱います! (C) mixi, Inc. All rights reserved. 12 まず

Slide 13

Slide 13 text

1. GameLift Server SDKの導入 ↓ 2. GameLiftへサーバをデプロイ ↓ 3. GameLift上のサーバを利用する (C) mixi, Inc. All rights reserved. 13 大まかな導入手順

Slide 14

Slide 14 text

(C) mixi, Inc. All rights reserved. 14 GameLift Server SDKの導入

Slide 15

Slide 15 text

○ まず前提として Unityで動作するサーバ実装が存在するものとする ○ Amazon GameLift ServerSDKをダウンロード https://aws.amazon.com/jp/gamelift/getting-started/ ○ SDKに含まれるC#版SDKをビルドし、出力されたDLL群を Unityプロジェクトにインポート (C) mixi, Inc. All rights reserved. 15 サーバSDKを導入するには

Slide 16

Slide 16 text

○ 自前のサーバのコードから、GameLift ServerAPIの呼び出し やコールバック処理への対応を行う ○ 具体的には、サーバ起動時にSDKの初期化やプロセス起動の 通知(その際に使用ポートなどのパラメータも渡す) セッション開始やヘルスチェックのコールバック処理など ○ 詳しくはSDKドキュメントを参照 https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/gamelift/latest/developerguide/gamelift-intro.html (C) mixi, Inc. All rights reserved. 16 SDKの繋ぎ込み

Slide 17

Slide 17 text

○ この手のAPIのコールバックは別スレッドから行われる ○ が、Unityライブラリは基本的にUnityメインスレッドでのみ 呼び出される前提で設計されている(Debug.Logなども!) ○ つまりコールバック処理内でUnityのコードを使用したい場合 外部スレッドからUnityメインスレッドへDispatch処理を行う 必要がある (C) mixi, Inc. All rights reserved. 17 コールバック実装の注意点

Slide 18

Slide 18 text

UnitySynchronizationContextを使いましょう! (C) mixi, Inc. All rights reserved. 18 解決策としては・・

Slide 19

Slide 19 text

○ Unityメインスレッド内から mSyncContext = SynchronizationContext.Current; といった感じでUnitySynchronizationContextを保存しておく ○ 他スレッドから呼び出されるコールバック関数では mSyncContext.Post(MyCallback, params); とすれば、後ほど”MyCallback”がUnityメインスレッド内で 実行される (C) mixi, Inc. All rights reserved. 19 SynchronizationContextの使用例

Slide 20

Slide 20 text

○ Unityでサーバをビルドする際、GameLiftそのものはWindows およびLinuxをサポートしているのでどちらかを指定 ○ ただし運用コストや効率性の観点からはLinux版ビルドを使用 する事が望ましい (後記するフリートの初期化処理はLinux版のほうが早い) (C) mixi, Inc. All rights reserved. 20 次はサーバのビルド

Slide 21

Slide 21 text

○ 通常のLinuxEC2インスタンスではGPUをサポートしていない ○ が、UnityはゲームエンジンなのでGPUを使用しようとして EC2上でサーバを起動しようとするとクラッシュ! ○ というのを避けるためサーバビルド時はheadlessモードに 例)buildOptions += BuildOptions.EnableHeadlessMode; (C) mixi, Inc. All rights reserved. 21 ビルド時の注意点

Slide 22

Slide 22 text

(C) mixi, Inc. All rights reserved. 22 GameLiftへサーバをデプロイ

Slide 23

Slide 23 text

ゲームサーバがビルドできたとして、このバイナリデータを どうやってGameLiftにデプロイするのか・・? (C) mixi, Inc. All rights reserved. 23 デプロイするには・・?

Slide 24

Slide 24 text

○ AWS CLI(コマンドラインツール)を使用する https://aws.amazon.com/jp/cli/ ○ 設定手順に関しては省略・・デプロイするときはこんな感じ 例)aws gamelift upload-build --operating-system AMAZON_LINUX --build-root C:¥github¥hogehoge¥Build --name “HogeServer" --build-version “123" (C) mixi, Inc. All rights reserved. 24 AWS CLIを使います

Slide 25

Slide 25 text

こんな感じでビルドの一覧に追加されるので、これを基にして フリートを作成する (C) mixi, Inc. All rights reserved. 25 デプロイされると・・

Slide 26

Slide 26 text

ビルドの一覧から使用するビルドを選択し、 ”ビルドからフリートを作成” を選択すると次の画面に進む (C) mixi, Inc. All rights reserved. 26 フリートの設定

Slide 27

Slide 27 text

ようするにビルドに紐づいたEC2インスタンス群 単一EC2インスタンス上で複数のサーバプロセスが起動される またスケーリングが行われる場合はEC2インスタンス単位 (C) mixi, Inc. All rights reserved. 27 ところでフリートって? ビルド フリート EC2 EC2 EC2 プロセス プロセス プロセス

Slide 28

Slide 28 text

○ オンデマンド 通常のEC2インスタンスを使用する ○ スポット AWSの余剰EC2インスタンスを使用するので 大幅にランニングコストを節約できる(最大で90%とか!) (C) mixi, Inc. All rights reserved. 28 フリートタイプとは?

Slide 29

Slide 29 text

○ 高性能なインスタンスほど同時に多くのプロセスを起動する ことができる ○ 高性能なほどコストも高くなるのでそこはまあバランスで (C) mixi, Inc. All rights reserved. 29 EC2インスタンスタイプとは?

Slide 30

Slide 30 text

サーバプロセスの起動設定 ポート開放設定 主要な設定はそんなところ・・・ (C) mixi, Inc. All rights reserved. 30 その他の設定

Slide 31

Slide 31 text

EC2インスタンスの初期化と、サーバプロセスの起動を行い それが正常に動作するかどうかチェックが行われる 完了するとこんな感じで利用可能に (C) mixi, Inc. All rights reserved. 31 フリートが作成されると

Slide 32

Slide 32 text

(C) mixi, Inc. All rights reserved. 32 GameLift上のサーバを利用する

Slide 33

Slide 33 text

GameLift上でサーバプロセスを起動できたけど ゲームクライアントからどうやって利用する・・? (C) mixi, Inc. All rights reserved. 33 さて・・

Slide 34

Slide 34 text

○ AWS SDKのGameLift ServiceAPIを使用する必要がある CreateGameSession、CreatePlayerSession、SearchGameSessions など ○ AWS SDKはC#版も提供されているので、Unityから直接APIを 利用できなくはないが・・ ○ SDKの相性問題 & そもそもセキュリティ上望ましい使い方で ないのでおのおのでバックエンド実装を行うことが望ましい (C) mixi, Inc. All rights reserved. 34 AWS SDKを使用する

Slide 35

Slide 35 text

面倒くさそうじゃん、、、、 (C) mixi, Inc. All rights reserved. 35 でもバックエンド実装って・・

Slide 36

Slide 36 text

○ AWS Lambdaを利用し関数を実装すればインフラを意識する ことなくバックエンド実装できる ○ しかもLambdaは言語としてRubyやPythonだけでなくC#も 使用可能なので、サーバエンジニアの手を煩わせることなく プロトタイピングを行えます (C) mixi, Inc. All rights reserved. 36 手軽な方法としては

Slide 37

Slide 37 text

○ AWS Toolkit for VisualStudio https://aws.amazon.com/jp/visualstudio/ を使うとVisualStudioで実装したLambda関数を直接AWSに デプロイ&テストできて非常に捗ります (C) mixi, Inc. All rights reserved. 37 VisualStudioプラグインもある!

Slide 38

Slide 38 text

○ Amazon API Gatewayと組み合わせることで、 作成したLambda関数をREST APIとして使用できる ○ クライアントからこのAPIを叩けばサーバのアドレスや ポート番号をJSONで取得できるので、あとは接続するだけ! (C) mixi, Inc. All rights reserved. 38 そして

Slide 39

Slide 39 text

(C) mixi, Inc. All rights reserved. 39 そのほか

Slide 40

Slide 40 text

○ GameLiftにはサーバログを保存する機能がある (ゲームセッション単位で保存&取得できる) ○ せっかくなのでUnityのDebug.Log系の関数で出力された ログをここに出力したい (C) mixi, Inc. All rights reserved. 40 Debug.Logのサーバログ化

Slide 41

Slide 41 text

void Init() { string path = Path.Combine(Application.dataPath, Guid.NewGuid().ToString("N") + ".log"); var stream = new FileStream(path, FileMode.CreateNew, FileAccess.Write); mLogFileWriter = new StreamWriter(stream, System.Text.Encoding.UTF8); mLogFileWriter.AutoFlush = true; Application.logMessageReceived += LogCallback; GameLiftServerAPI.ProcessReady(new ProcessParameters() { (省略) LogParameters = new LogParameters(new List() { path }) }); } void LogCallback(string condition, string stackTrace, LogType type) { mLogFileWriter.WriteLine($"{DateTime.Now.ToString("yyyy/MM/dd HH:mm:ss")},{type.ToString()},{condition}"); } (C) mixi, Inc. All rights reserved. 41 実装例

Slide 42

Slide 42 text

Unityのログ出力イベントをフックしそれをファイルに出力した 上で、GameLiftの初期化時にログファイルのパスを渡すと GameLiftによりそれが自動で収集される、ということ (C) mixi, Inc. All rights reserved. 42 解説

Slide 43

Slide 43 text

(C) mixi, Inc. All rights reserved. 43 まとめ

Slide 44

Slide 44 text

○ UnityとAWSを組み合わせることによってオンラインマルチ プレイゲームを比較的お手軽に開発&運用することができる ○ 本格的なオンラインマルチプレイ開発の敷居が下がることで、 今後より新しいゲーム性を持つタイトルが生まれてくる 可能性を感じる (C) mixi, Inc. All rights reserved. 44 まとめ

Slide 45

Slide 45 text

(C) mixi, Inc. All rights reserved.